こんにちは
地方で中古住宅住まいのブログです
怒涛読書📖⛄🌃🌛✨
私もそう思います
今日の本は昨日に続きこちら📖
著者の小倉 広さんはリクルート社出身で、現在心理カウンセラー、エグゼクティブ・コーチ、組織人事コンサルタントを行う経営者の方👩🏫
年間300回の管理職研修を行われているということです。
前半はケーススタディに漫画が取り入れられていて読みやすかったのですが、後半はカウンセリングの有名な諸理論。
それにしても、先日のこちらで書かれていたことがすべて理論で説明されていて、びっくり
ゴマ部長、コメントありがとうございます🙇♀️
こちらの続きです
第3章
カウンセリングに何が起きているのか
(1)すべてに共通するバイスティックの7原則
byフェリックス・バイステック博士
①個別化原則:カウンセラーは経験やパターンに当てはめて類型化してはならない
②意図的な感情表出の原則:感情を表に出しても大丈夫と感じるよう安心安全な環境を作る
③統制された情緒的関与の原則:カウンセラー側は、共感しつつも自分の感情の表出をコントロールしなければならない
④受容原則:相手のネガティブな側面を含めた全てを受容的に聴く
行動や考えの背景にある意図、心の奥底にある感情を受け入れる(痛み、悲しみ、寂しさなど)
同意する必要はないが、「あなたはそのように感じるのですね」と相手の感じたことに共感する
⑤非審判的態度の原則:相手をジャッジしない。絶対的な正解はない。ジャッジした時点で相手の価値観を否定してしまうことになる
たとえ言葉でそれを伝えなくても、多くの場合は相手に伝わってしまう
⑥自己決定原則:カウンセラーは指示を避け、相手に自己決定を促すことが重要
⑦守秘原則:全ての土台となる守秘原則
(2)ただ聴くだけで変化が起きるクライエント中心療法
byカール・ロジャース
最も影響力のある心理療法家第一位
現代カウンセリングの基礎
今期の教科書でもあります👩🏫
「人は本来成長していく力を持っており、それを支援するための環境を作ることが重要」
人のパーソナリティが変化、成長していった時に共通する条件を6つ挙げ、そのうちの中核となる3条件が重要と考えるように
①無条件の肯定的配慮:相手がどのようなことを訴えても、無条件にそれを肯定的に受け止める。ネガティブな言葉を発しても指示、誘導するのではなく、中立的に「〇〇なのですね」と受け止める。自分で発した言葉を自分で聴くことにより、自分自身に気づき、それを肯定的に受容してもらうことで自分を否認・抑圧せずに受け止めることができるようになる
→ありたい姿と実際の姿にズレがない自己一致をしていくことにより、心の適応とエネルギーを取り戻し、自己実現していくことが目標
②共感的理解:クライエントの私的世界を自分自身の私的世界であるかのように感じること」「相手のブーツを履くこと」
自分の私的世界や体験を通じて理解しようとするのではなく、それを100%捨てて相手の世界に完全につかることを試みる
③自己一致:自己概念と実際の体験が一致している状態、自分にうそをついていない状態
自己一致している状態とは、自己概念(理想)よりも実際の体験(現実)を重視して受け止める力。現実に合わせて自己概念を更新・統合していく=心が適応的な状態、人格的な成長
(3)言葉にならない「何か」がわかるah!ha!体験 フォーカシング指向心理療法
byユージン・ジェンドリン
カール・ロジャースの研究パートナー。自己一致に至る手順を明確にするために、フォーカシングと呼ばれる現象(クライエントの中で起きる現象)を具体的な手順として示す
・言葉にならない身体の感覚(フェルトセンス、と呼ばれる)に意識の焦点を当て(フォーカスし)、しっくりくる言葉を探していく。言い換えて表現を探る過程ごとに、体験自体が変化していき、自己概念と一致していく(フェルトシフト)。身体間隔を伴うah!ha!体験と呼ばれる大きな気づきが起き、心が穏やかになっていく
・相手のモヤモヤに寄り添いながら、それに名前をつけ意味を実感していくフォーカシングのプロセスをカウンセラーがお手伝いしていく
(4)未完了が完了することで地が図へと浮かんでくるゲシュタルト療法
byフレデリック・パールズ
・「ルビンの杯」の絵は、黒い部分を見ていると背景は意識されず、白い図を見ていると黒い背景は意識されない。この2つは同時に意識することはできず、交互にいしきすることしかできない
・ゲシュタルト療法では、意識されなくなっている無意識下の気がかりを呼吸や表情、手足の動き、声色などから感じ取り、図に浮かび上がらせ、今ここで十分に感じきることで気づきを起こすプロセスを行う
・このプロセスを体験することは、有機的な生物が本来持つホメオスタシス(恒常性維持機能)を取り戻すとも考える。ホメオスタシスは人が有機的である時だけ働き、「べき論」に縛られて頭でばかり考えている時には働かなくなる
→カウンセラーはクライエントによる過去や未来についての思考をストップさせ、「今、ここ」にある身体感覚へ意識を向けるお手伝いをする
今でいうマインドフルネスはここからきてるのかな
(5) あらゆる行動や感情には目的があり、究極目標は所属である、アドラー心理学カウンセリング
byアルフレッド・アドラー
アドラー心理学の基本前提の一つ「目的論」:あらゆる行動や感情には「原因」ではなく「目的」がある
・非行少年が犯罪を起こすのは遺伝や生育環境に問題の原因があるのではなく(過去は変えられない)、行動や感情の目的を探し出し、(競合的なタテの関係ではなく)協力的なヨコの関係での実現を探すカウンセリング
・全人類に共通する目的(究極目標)は社会への所属。社会の中に居場所があると実感し、安心していられること。本人が気づいていなくても、無意識にいつも「所属」という目標があり、そのために人は行動する
・動物より弱い人類が生き延びるために発明したことは「群れを作る」こと🐒。哺乳類に共通する脳の働きは「愛、仲間、群れ」の有無を感知する大脳辺縁系。人間は所属している時に幸せを感じ、人間の理性を司る大脳新皮質が動き出す。所属できていないと感じる状態では、大脳辺縁系が危険を察知して活性化してしまう
→理性を司る大脳新皮質の活動が制限されてしまう
→生産性を上げるためには、大脳辺縁系を穏やかにゆるめる必要がある。それこそが心理的安全性の確立
第4章
今すぐ使えるカウンセリングの技術
カウンセリング型コミュニケーションのステップ
①壁になる:壁打ちの壁になる。自分(聞き手側)の話はしない=ラリーはしない、ラケットを捨てて壁になりきる
・「続けて下さい」「詳しく教えて下さい」「それで?」
・ある程度、話のまとまりがついたら整理して要約を伝え、間違っていないか確認
→話し手の頭の中が整理される、そんまま受け入れてくれたと受容原則が満たされ、肯定的配慮と共感的理解が満たされる
櫻井社長の会社でも、小田木さん(with沢渡あまねさん)の会社でも、「壁打ち🎾」って言葉はよく使われている
②エピソードを聴く:抽象的で漠然とした話を聴きながらアドバイスしても効力を発揮しにくい→エピソードで解像度を上げると問題の核心が見えてくる。同じエピソードの方を向いて上司と部下が隣り合うコミュニケーションに質的に転換できる(同じ立場で一緒にいる関係に変わる)
③感情に共感する:一流のチームは感情を上手に解放し、感情により卓越した業績を残している。
例)ワクワク→イノベーション
「感情は理性を超えて人を動かす」
ゲシュタルト療法では、リスクのある感情表出をした本当の自分をさらけ出したときに初めて、その人の本来の能力や魅力が発揮されると考える
→カウンセリングにおいて感情を意図的に表出させるのは、個人の能力や活力、魅力を存分に発揮させるのに感情が必要だから
クライエント中心療法では相手の感情だけにフォーカスするが、「関係対話療法」byロバート・レズニックによれば、聞き手側の自分の感情を伝えることも大切にする
→感情の表明はリスクテイク、それは常に対等に行わなければならないので、相手の感情に触れるだけでは不平等。カウンセラー側がリスクテイクして自分の感情を表明することで対等な関係が築かれると考えられている
④信念・価値観に共感する:共感には二段階あり、感情レベルでの共感の次に信念・価値観レベルでの共感がある。この順番が大切
「相手の感情を伝える→自分の感情を伝える→共感する→相手の価値観レベルに言及する」
認知療法:行動、感情、身体反応を決めるのは外部の出来事ではなく、認知=信念・価値観であるという心理療法
出来事は変わらないが、信念・価値観をゆるめていくと、症状が和らぐ
べき論から離れて、不合理なビリーブ(○○しないとならない)を手放すのはアンガーマネと一緒
⑤(解決を提案する):本来は行う必要がない、おまけ。部下から助言を求められた時に、軽めにサラリと行う
第5章
職場でカウンセリングを活かす具体策
(1) WHY~なぜカウンセリング型コミュニケーションなのか
コーチング、NLPの限界:目標達成がゴールになっていること
カウンセリングのゴールは目標達成「以外」、気づき
しかも問題解決法への気づきではなく、自分自身の再発見、自己一致
(2) WHAT~カウンセリング型コミュニケーションは何をしているのか
所属を実現し、心理的安全性を確立
(3) WHEN、WHERE、WHO
・1on1、メンター制、目標管理面談で
・イノベーション、アイディア創出、組織変革、異文化融合で
(4) HOW
・日常に追われる中で、例えば1on1の時だけはこの手法でコミュニケーションしてみる
・相手を変えようとしない、自分を変える:相手が自分らしく居られるための支援のために、自分のコミュニケーション手法を変える