そのような中、アメリカは今月5日までに日本を始め世界にとって大きな影響を及ぼす国家安全保障戦略を公表しました。
この国家安全保障戦略とは、時の政権がアメリカの外交安全保障の大方針を世界に示す最重要かつ最上位に位置付けられる公開戦略文書の事です。
これに則って、今後アメリカの安全保障が運営されていくのであります。
第二次トランプ政権下でまとめられた今回の国家安全保障戦略は「アメリカファースト」を前面に掲げ、戦後のアメリカの外交安全保障の方針を大きく転換している。
これまでアメリカは戦後長らく同盟国を防衛し、自由貿易体制や国連など多国間の枠組みを支え、世界各地の紛争では世界の警察の役割を担ってきました。
ところが、今回の国家安全保障戦略ではそれらの路線を厳しく批判し、アメリカ大陸とその周辺海域の西半球の安定と安全をアメリカの最優先課題と位置付けている。
この背景には「モンロー主義」という発想がある。
モンロー主義とは、1823年にアメリカのモンロー大統領が示した方針で「欧州はアメリカ大陸に干渉するな。その代わり、アメリカも欧州の争いには深入りしない」という相互不干渉と「アメリカ大陸はアメリカの勢力圏」という考え方です。
今回の新しい国家安全保障戦略はこれを発展させた「トランプ版モンロー主義」を掲げ、中国やロシアなどの西半球における影響力を徹底排除する一方、アメリカ一国が世界秩序を抱え込む時代の終焉を告げ、その代わりに、同盟国に「自分達の地域は自分たちで守る」事を強く要求しているのです。
ことに、アジア地域においては中国を念頭に「台湾海峡の一方的な現状変更は認めない」とし「沖縄などの南西諸島と台湾・フィリピンを結ぶ第一列島線といかなる場所においても侵略を阻止できる軍事力を構築する」と明記しながら「しかし、アメリカ軍だけでそれを行う事はできず、また、そうすべきではない」として「日本等の同盟国が集団防衛のために立ち上がり、支出を増やし、そして、より多くの役割を果たさなければならない」と求めております。
日本に関して言えば、かつてないほどの重い要求を突き付けている。
1、日本の防衛費をGDP比5%に大幅増額する事。
2、日本が台湾を含む第一列島線を防衛する主導的責任を負う事。
3、経済面で中国への依存を減らすなど対中国経済戦略でアメリカと行動を共にする事。
要するに、日本に自らの防衛と地域の安全保障により大きな責任を持たせ、特に、防衛費と軍事能力への投資を大幅に増加させ、中国の不公正な経済敢行に対応するためアメリカと連携する事を求めているのです。
兼ねてより先生は
「『アメリカの衰退』『中国の膨張』という地殻変動が起きてきて、もうアメリカは日本を守る事ができなくなってきた」
と叫んでこられましたが、トランプ大統領によって戦後80年の歴史でかつてないほどの大きな地殻変動がもたらされ、日本は軍事独裁国家の中国・ロシア・北朝鮮と最前線で戦う前線国家として事実上位置付けられたのであります。
ヘグセス国防長官は今月6日の演説で日本などの同盟国に対し「数年以内に国内総生産(GDP)比5%への国防費の引き上げ」を求め「もうただ乗りは許さない。役割を果たさない同盟国は報いを受ける」と露骨なまでに恫喝しておりましたが、今後、国家安全保障戦略のままに世界秩序が再構築されていくのであります。
高市首相は「防衛費の強化は日本として主体的に進めている」として表向きはアメリカからの圧力を否定しておりますが、何の事はない。全てアメリカの意向を受けての事なのであります。
その主従関係を象徴するのが先の日米首脳会談の後に見せたあの見苦しいまでの高市首相の媚態であります。
トランプ大統領にしてみれば、米軍の象徴ともいうべき米空母ジョージワシントンで高市首相に演説させた事は「日本の自衛隊を米軍と一体化させ、将来下請けとして最前線で戦わせる意図を中国に強く印象付ける」狙いがあったと見るべきであります。
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