今日から広島市の頼山陽史跡資料館で恒例の現代刀展が始まりました。

会期は今日から8月31日まで。

私は、7月26日と8月23日に会場にいる予定です。

現代刀に興味ある方はお越しください。

 

さて、

去る7月5日、東京科学大学でたたら製鉄について研究発表してきました。

今回は、19世紀前半に奥出雲地方でたたら製鉄が四日押しから三日押しへ

操業時間が短縮された理由について技術面から考察しました。

 

今から30年ほど前、奥出雲町の郷土史家・高橋一郎先生が、糸原家の古文書を研究し、19世紀前半に約半世紀をかけて操業時間が短くなったことを明らかにしました。そしてその時間短縮は「技術の改良」だとの考えを様々な所で発表しました。

私は、4日間(長時間)操業できる炉を3日で止めて壊してしまうのは、改良ではなくズク押しに適した赤目砂鉄の入手が(真砂砂鉄産地である奥出雲地方では)困難だったためではないかと考えていたのですが、高橋先生の短縮改良説は広く受け入れられ、現在、ネット上で多く引用されるようになりました。

 

このままでは短縮改良説が定説になってしまうと思い、自分の考えをこの度発表しました。もう少し整理し、後日、たたら研究会誌に論文として投稿したいと思っています。

 

これは大岡山キャンパスの桜並木。

空襲に遭っていないので樹齢100年近い見事な巨木です。

ソメイヨシノは天狗巣病などになりやすいですが、しっかり手入れをしてあげれば

長生きします。

 

これは、東京国立博物館のユリノキ

日本で一番大きなユリノキだと勝手に思っていたのですが、ネットで調べたら

新宿御苑にこれより大きなユリノキがあるとのこと。

次回上京するときには見に行きたいと思います。

 

上京した時には、東京国立博物館と代々木の刀剣博物館をはしごします。

今回は、東博で大般若長光が迎えてくれました。

名刀見るたびに、どこかで名刀再現プロジェクトがないかしら?

と思ってしまいます。

これから10年が刀鍛冶人生の集大成。

ここ4か月ほど、新しい作風の技術開発をしていました。

しっかり時間のあるプロジェクトなら面白いものができる気がします。

仕事場のタチアオイが咲き始めました。

タチアオイが咲き始めると梅雨入りです。

咲き終わるころには梅雨が明けます。

 

 

 

よく見ると、タチアオイの花に日本ミツバチがいました。

 

実は、今年から日本ミツバチを飼い始めました。

挑戦すること4年!

設置した巣箱に、ようやく日本ミツバチが入居してくれました。

かわいくてついつい見入ってしまいます。

巣の底からスマホを差し込んで内検しましたが、蜂がたくさんいました。

このまま順調に増えていったら役場に届け出をしようと思います。

 

そこで私、勝手に日本ミツバチクラブを立ち上げました。

その名も、「全日本刀匠会日本ミツバチクラブ」

会員は誰もいないので、勝手に会長を名乗ることにしました。

肩書は

「全日本刀匠会日本ミツバチクラブ 会長」 

です。

 

これは20日ほど前の写真。

仕事場のニワゼキショウ畑も花が終わり種をつけているので、

ようやく草刈りができます。

 

そういえば、こちらも会長でした。

「ニワゼキショウを愛する会 会長」

もちろん会員はいません!

 

 

 

先週の日曜日、20年ぶりに島根県横田町の船通山(1142m)に登りました。

船通山は天叢雲剣出顕の地です。

途中の沢沿いには、ネコノメソウやカタバミが咲いていました。

 

頂上近くには残雪もあり、登山客の作った雪だるまが迎えてくれました。

 

山頂一帯は可憐なカタクリの花が満開でした。

 

 

今日は東城町の多飯が辻(おおいがつじ)山へワダソウを見に行きました。

 

写真は山頂からの絶景

 

最近は、昼間は短刀の焼き入れ実験、早朝は7月の研究発表の原稿をコツコツ書いています。

焼き入れ実験では面白い結果が出たので、そろそろ本物の短刀に焼きを入れをしようと思います。

さてさて狙い通りの刃文になるか!?

緊張します。

 

一昨年、「鉄と鋼」誌に論文を書いてから、時々海外からメールが届くようになりました。昨年、その論文を、ISIJという国際誌に転載してからは更に海外からのメールが増えました。要件は、オープンアクセスの学術誌に新しい論文を掲載しないか、というお誘いのメールです。

 

海外のジャーナルに論文を提出するときに気を付けないといけないのは、掲載料でお金儲けをする、いわゆるハゲタカジャーナルが多いことです。正直、海外の金属関係の学術誌にどのようなものがあるのか全く知識がないのと、英語でやり取りができるほど英語が堪能ではないので、基本すべて放置しています。

メールの中には、論文提出ではなく、国際学会での発表のお誘いも結構あります。

中国、シンガポール、パリなど。

これもまた、どのような国際学会か、皆目見当もつかないので放置しています。

 

私は、大学などの研究機関に所属しているわけではないので、インパクトファクターの高い論文を書いて実績をアピールする必要もありません。また、たたら製鉄に関しては、日本から発信すべきだと考えているので、今後も「鉄と鋼」誌掲載を目標に論文を書いていくつもりです。

 

海外といえば、最近、ヨーロッパからの弟子入り希望の連絡が入るようになりました。これも面倒なので、基本放置していますが、今後、海外からの刀鍛冶希望者は増えていくでしょうね。

 

先週、庄原市東城町小奴可の要害桜を見に行きました。

 

 

この度、日本鉄鋼協会の論文誌「鉄と鋼」2023年1月号に掲載された論文が

俵論文賞を受賞しました。

「たたら製鉄では、これまで不純物と思われていた砂鉄中の酸化チタンが

ズク生成に関与している」という結論です。

10年以上前に実験は済んでいましたが、3度目の挑戦でようやく受理されました。

論文になるまで時間が掛かり過ぎてしまい、かなり草臥れました。

この論文がもう少しすんなり受理されていたら、あと1~2報提出できていたと思います。

研究機関に所属していない一介の職人が、定説を覆す論文を世に出すのは難しいと

痛感しました。

私が足踏みしている間に、海外の研究者に先を越されるのではないかと心配していました。

新井宏先生が助けてくれなければ、この論文は日の目を見ることはなかったと思います。

たたら製鉄の謎(ズク押しにおけるTiO2の役割)について、日本から発信できて良かったです!

 

タイムスリップして俵國一博士とお話しする機会があれば、酒を酌み交わしながら

たたら製鉄や日本刀の映りの原理についていくらでも話が出来ると思います。

 

受賞理由は以下の通り

 

 

もっと詳しく勉強したい方は、新井宏先生の

 

金属を通して歴史を観る

34.含Ti砂鉄の「たたら製錬研究」の画期

 

をネットで検索してお読みください。

難しいですが読みごたえがあります!

 

 

庭のつわぶきもそろそろ終わりです。

 

ご無沙汰しています。

前回の書き込みから一年以上経ってしまいました。

 

今日は国産磁鉄鉱で作った直刀の話題です。

これは、今年の日刀保に出品した直刀です。

 

9年近く前、群馬県産の磁鉄鉱を入手しました。

破砕後磁力選鉱し小型たたら炉で鉧(鋼)にしました。

何を作るべきかかなり長い間悩んでいましたが、群馬県と言えば

古墳が多く、直刀や蕨手刀などの上古刀が数多く出土していますので、

最終的に、直刀を製作することにしました。

実験考古学的にも、国産磁鉄鉱による直刀の再現は意味があると考えました。

 

鍛接性も非常によく、ペタペタとくっ付く感じでした。

地鉄も味わいがあり刃も冴えていました。

鎬地の地鉄を見て貰うために、鎬地は磨かずに仕上げて貰いました。

 

国産磁鉄鉱による刀剣制作は、かなり貴重な事例とのことで、

ある鉄の考古学者からは報告書をまとめるように勧められました。

たたらのスラグは採取してあるはずですが、残念ながら鍛錬滓は

捨ててしまいました。

 

国産磁鉄鉱は埋蔵量も少なく、品質にも問題がある場合が多いです。

国産磁鉄鉱で刀剣を作る機会はもうないかもしれません。

貴重な直刀です。

 

 

 

先日、広島県庄原市の国営備北丘陵公園でたたら製鉄イベントがありました。今回はレンガ炉と粘土製炉2基で操業しました。

コロナも落ち着いて来たので、福山の高校生が大勢参加しており賑やかでした。

島根県からは、日刀保たたらの木原村下や村下代行の堀尾さん達が指導に来ていました。堀尾さんは私の一番弟子で、刀匠資格も持っています。


たたらは昨年、NHKのドキュメンタリー番組で何度も放送され、かなり話題になりましたが、二十代の若い後継者がいないと堀尾さんが嘆いていました。

奥出雲に移り住んでたたら製鉄に従事したい方はいませんか?

たたら操業の厳しさだけでなく、寒さと雪に耐える根性も要りますが、、、



ご無沙汰しています。

気が付けばもう2年も書き込んでいませんでした。


早いもので、スイス人の弟子も修業5年目に入りました。

今月末には文化庁の研修会に参加し、

無事修了証書を貰えたら、来春には刀鍛冶になれます。

平成以降初の外国籍の刀鍛冶になる予定です。

昨年末にはスイスのニュース番組に出て、フランス語圏でかなり話題になり、取材予定も幾つか入っています。

イケメンの刀鍛冶ですので、日本でもきっと話題になるでしょう。

日本人が日本刀製作技術の凄さを気付くきっかけになればと期待しています。


今日は山陰のマッターホーンと呼ばれている烏ヶ山(からすがさん)に登ってきました。
登山口までは自宅から車で1時間40分。烏ヶ山の様相は、普段見慣れている中国山地の山々とは全く異なり、まるで北アルプスの様でした。こんな近場に北アルプスの様な険しい山がある事にとても驚きました。
登山道も山頂付近は岩場が続き、見下ろすと周りは断崖絶壁で怖いぐらいでした。
久しぶりの登山だったので、下りは脚が笑ってしまい、運動不足を痛感しました。

普段からこまめに運動しなくてはいけないと反省しました。
くたびれましたが、いい気分転換になりました。
雪を冠った大山は素晴らしかったです。

 

 

登山道から見上げた烏ヶ山

 

なんと雪渓がありました。

 

烏ヶ山から見た大山。

雪を冠した大山は見事でした。

 

自動車での帰りに振り返った大山と烏ヶ山。

左が大山で右が烏ヶ山です。

 

しょうじょうばかま

 

何で「マッターホルン」じゃないねん!と思った方も多いと思いますが、

今年で修業3年目になるスイス人の弟子・ジョハン君に言わせると

「マッターホルン」ではなく「マッタ―ホーン」だそうです。

 


 


やんごとなき理由で13日に上京しました。
用事は翌日済んだので、今日は久しぶりに東博へ名刀を見に行ってきました。
安綱や正恒など国宝の名刀がありましたが、私は重要文化財の景光の太刀に

魅せられてしまいました。

美しい姿に映りが輝き冴え冴えとした地鉄、品のある直刃調の刃文。

気品あふれる名刀でした。
昨年、大般若に挑戦しましたが、重華丁字の高い焼き刃に乱れ映りを絡める事は

技術的に困難でした。まだまだ研究しなくてはいけません。
今日見た景光は今の技術を駆使すれば上手く纏められると思います。
やってみたいと思いました。