この度、日本鉄鋼協会の論文誌「鉄と鋼」2023年1月号に掲載された論文が
俵論文賞を受賞しました。
「たたら製鉄では、これまで不純物と思われていた砂鉄中の酸化チタンが
ズク生成に関与している」という結論です。
10年以上前に実験は済んでいましたが、3度目の挑戦でようやく受理されました。
論文になるまで時間が掛かり過ぎてしまい、かなり草臥れました。
この論文がもう少しすんなり受理されていたら、あと1~2報提出できていたと思います。
研究機関に所属していない一介の職人が、定説を覆す論文を世に出すのは難しいと
痛感しました。
私が足踏みしている間に、海外の研究者に先を越されるのではないかと心配していました。
新井宏先生が助けてくれなければ、この論文は日の目を見ることはなかったと思います。
たたら製鉄の謎(ズク押しにおけるTiO2の役割)について、日本から発信できて良かったです!
タイムスリップして俵國一博士とお話しする機会があれば、酒を酌み交わしながら
たたら製鉄や日本刀の映りの原理についていくらでも話が出来ると思います。
受賞理由は以下の通り
もっと詳しく勉強したい方は、新井宏先生の
金属を通して歴史を観る
34.含Ti砂鉄の「たたら製錬研究」の画期
をネットで検索してお読みください。
難しいですが読みごたえがあります!
庭のつわぶきもそろそろ終わりです。