第5話 「嘘つき達の国」
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γ´⌒`ヽ 大人の玩具が後年ロストテクノロジーとして
{i:i:i:i:i:i:i:i:} 聖なる遺物として飾られてるみたいなもんか
( ´・ω・)
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し─J
エピソード別の満足度
×××度し難い ××不快 ×退屈/あまり好みではない ▽微妙/何かが足りない △まずまず楽しかった
▲なかなか楽しかった ○楽しかった ◎凄く楽しかった ◎◎大満足 ☆名作回 ☆☆傑作回 ☆☆☆神回
○ 第1話 「人を殺すことができる国」
○ 第2話 「コロシアム」
◎ 第3話 「迷惑な国」
○ 第4話 「船の国」
▲ 第5話 「嘘つき達の国」
前回の次回予告のサブタイトルから、今回はどんな皮肉なオチが待っているのだろうと、かなり身構えて視聴していたが、ある意味予想外のオチで (; ゜Д゜)そっち系か!というように肩すかしを食った。こういう類の話しもあるのねw これまでの流れで刷り込まれていた事もあり、今回のオチは予想外の結末だった。
※注 以下ネタバレ含む
Aパ 旅人の話-You-
今回は前半後半でキノの訪問先の町が変わるというこれまでとは異なる構成。嘘つき達の国という事で最初からどんな嘘が待ちうけてるのかと疑心暗鬼状態で視聴していたw 特に嘘らしい嘘もなくAパが終了して、Bパの訪問先が変わった時には「あれ?」というようにモヤモヤしていた( ̄ー ̄;
Aパの町ではキノと同じような旅人の話で、その旅人が革命を起こし初代大統領になった偉業についてキノが説明されるくだりから始まる。革命というとシズを思い出すが別の人間。キノと同じように喋るモトラドに乗っていたという共通点がある。
係員の説明の様子からして、その旅人を自分達がそうあって欲しい理想像に美化している様子が見受けられることから、初代大統領の革命の話も実際どこまで本当かは疑問符がつく。ただ、町の人や係員は実際にそういう歴史だったと真面目に信じていることから、キノはその美化した解釈が間違いだという事を敢えて指摘するような野暮な真似はしなかった。大人の対応ともいえるが、あえて自分と縁の無い町で反発を買ったり、問題視されるような事をして顰蹙を買うまでもないということだろう。
植物を愛し花を植えるためのものと解釈しているスコップが、実は旅人には常識のうんこをするための穴を掘るためのスコップだというオチはへぇと思いつつも笑った。 トイレがないような場所では穴を掘ってうんこするのかと感心したw そういう状況に陥りたくはないが、もしこの先そんな瀬戸際の瞬間が来ることがあったら穴を掘ろう(;・`ω・´)
そして、人間以外で喋るものはエルメス、ワンコ、今回登場したモトラドと三体目。今回のモトラドは何か胸がチクチクするような話をしているが、ものや動物が喋る世界というのは人間が知らず知らずのうちに行っている残酷な行為を目の前に突き付けられるようで怖い世界でもある( ̄ー ̄; 初代大統領のモトラドの話はどこか手塚治の作品の世界観が頭によぎる一幕だった。
街を去る際に子供に話しかけられたキノ。このくだりではキノが旅をするようになったきっかけについて少し触れられている。このくだりで気になったのは、キノが旅を始めたきっかけはかなり乱暴だったと少し視線を落としながら話しているシーン。この作品の基調からしてあまり良い思い出には見えないが、以前話にでた師匠といざこざを起こしてい飛び出してるような感じだろうか。まさか死闘してたりして( ̄ー ̄;
嘘つき達の国
そしてBパート。いよいよ本題の嘘つき達の町かなと思い探偵気分で誰が嘘をついてるのだろうとドキドキして見ていたw
結果から先に触れると、男・メイド(姫)・町人達全てが、それぞれを思いやって三者三様に嘘をついているというなんとも優しい嘘で、これを第一話に視聴していたらもっと素直に心地良い気分で余韻に浸れたのかもしれない。 ただその場合、第2話以降に何なのこの作品はという気持ちになるだろうから、こういう話もあるのだという構成としては今回のタイミングが結果的に良かったと思える。
いっそ全てを明らかにして楽になってしまえばいいとも思うのだが、しかしそれでは男と姫の関係は決して成立しない。欺瞞の上でしか成立しないこの関係がとても虚しいものに思える。それでも、この現状が維持される限りは、例えそれが欺瞞の上に成立しているものであっても、本人達はその中でささやかな幸せを見つけ満足しているのだと思いたい。
この今にも崩れてしまいそうな不安定な関係は、この町の三者三様の嘘によって非常に繊細なバランスで成立している。ほんのささいなきっかけで、全てが白日の下に晒される日も来てしまうのではないだろうか。
もしかしたら、最後男がキノを呼びとめて真実を話したのは、そうすることがこの不安体なバランスを維持するのに必要だと考えたからこその行動だったのかもしれない。 普通に考えれば真実が旅人によって明かされるリスクもあるのだろうが、この状況下でこのような真実を聞かされては自分も誰かに語ることはできない。そういう意味ではキノは男の言葉によって何も知らない旅人から、男の共犯者として暗黙のうちにこの町の嘘に加担する嘘つきになった一人なのかなと思うような締めくくりであった。
今回は誰が嘘ついてるのかと遊び心を持って視聴していたけれど、まさかのいいオチに視聴直後は正直とまどってしまってが、普段の皮肉のきいたエピソードが日常になっているからこそ、こういう話もより光るのだといえる。楽しみにしていた方向性とは異なったがなかなか楽しめるエピソードだった。
キノの旅 第1話 「人を殺すことができる国」 感想 人を殺すことができるとは言ってない
キノの旅 第2話 「コロシアム」 感想 男の娘だと思ってた時期もありました
キノの旅 第3話 「迷惑な国」 感想 隙のない迷惑さでワロタ
キノの旅 第4話 「船の国」 感想 キノさん怒らすとマジやべぇから!
キノの旅 第8話 「電波の国」 感想 正常化バイアスと電波少女
キノの旅 第10話 「優しい国」 感想 小さな案内人と彼女の初めてのお客