キノの旅 第6話 「雲の中で」 感想 もう一つの物語 | ながめせしまに@無為

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これ知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす。これ知るなり。

第6話 「雲の中で」 感想 

 

視聴中
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       / /  \\  ふざけんなよっこのガキ    
.     / (;;..゜);lll(;;..゜)\ ケツの穴から手突っ込んで
    /   ⌒(__人__)⌒ \  奥歯ガタガタいわしry
    |  ノ(  |r┬- | u  | ________    
     \ ⌒  |r l |    / .| |          |
    ノ  u   `ー'    \ | |          |  
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 |    l      プルプル u  | |          |
 ヽ u  -一ー_~、⌒)^),-、   | |________|
  ヽ ____,ノγ⌒ヽ)ニニ-___| |  |____

 

 

異変後

ざまぁああああああぁあぁ
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  / LLLと) (つ」」」
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   |    ( ●)(●)               ___  善人ぶりつもるはないからな
.   |  U  (__人__)            /      \ こういうケースは本音で勝負や
    |     |r┬-|           /─    ─  .\  正直スカっとしたぜ 
.    |     `ー'´}  \      / (●) (●)    \
.    ヽ        }     \    ...|   (__人__)       |  因果応報っての?
     ヽ     ノ       \   \   ` ⌒´     _/ あいつらぷぎゃてメシウマ
     /    く. \      \  ノ           \ 
     |     \  \    (⌒二              |
      |    |ヽ、二⌒)、      \         |  |

 

 

 

 

ネタバレなしの簡易感想

 

エピソード別の満足度

×××度し難い  ××不快  ×退屈/あまり好みではない  ▽微妙/何かが足りない △まずまず楽しかった
▲なかなか楽しかった  ○楽しかった ◎凄く楽しかった ◎◎大満足 ☆名作回 ☆☆傑作回 ☆☆☆神回

 

 第1話 「人を殺すことができる国」

 第2話 「コロシアム」

 第3話 「迷惑な国」

 第4話 「船の国」

 第5話 「嘘つき達の国」

 第6話 「雲の中で」

 

正直スカっとした(´∀`) とはいえ、改めて本編を振り返って見ると、単純な話でもなくこの作品らしいもう一つの物語が潜んでいる事に気づく。ハッピーエンドに満ちていた視聴直後よりも、時間が経過して読みとくほどに味わい深い物語だったなというのが今の気持ちでもある。

 

 

※注 以下ネタバレ含む

 

感想

 

 今回はキノはお休み(といっていいのかな)のエピソード。一応「あの人達は知らなかったんだ」など示唆に富んだ内容の言葉もあり完全にはお休みではないが、今回はメインではないのでキノ関連の感想は省略する。

 

冒頭からのくだりでキノが何かを言っているが、その後の本編との内容の繋がりが途中まで見えてこず視聴中は何だったのだろうと気になっていた。エピローグまできてようやく繋がり全貌が見えたものの、本編を集中して見るには邪魔となっていたので、このエピソードの構成としてはあまり良いものには思えなかった。

 

 本編の内容を振り返ると、今回のエピソードはなかなかに良い感じで嫌悪感を煽ってくる富裕商人とその奴隷の話。作り手の意図通りに、ヽ(`Д´)ノ ←こんな顔で立腹していた私は良い(ちょろい)視聴者だと自認している(*´σー`)

 

今回のエピソードは、フォトが毒草を食べる商人を止めるのを一瞬躊躇い、その迷いに呵責を覚え自殺を試みようとするなど、一連のフォトの行動は概ね予想できるもので、話としてはよくある類の普通なエピソードかなという気持ちで視聴していた。

 

また、どちらかといえば嫌悪感を煽る商人の方に目がいきがちで、そちらを中心にした感想になりそうだが、改めて振り返ってみるとこの話にはもう一つの別のストーリーを持った主人公がいると感じる。

 

それはフォトの首輪の鍵を管理していて、フォトにしばしば話しかけていた男である。彼の存在はこのよくある話に特別なスパイスをつけたと思う。今回のエピソードで最優秀助演男優賞というのがあれば文句なしに彼に与えたい。この感覚はなかなか言葉で表現しにくいものはあるが、思ったことを漫然と書いてみる。

 

 まず、鍵を管理していた男は、表面的にはフォトに対して厳しい態度を見せていたものの、他の者ほど熾烈な虐待を加える様子はなかった。そのため、原作ではどのように紹介されているか不明だが、アニメを見る限りはもしかしてこの男はフォトと同じ国、あるいはそれに近い境遇にある国の出身者だったのではないだろうかと推測している。

 

フォトを諭すように詰る様子は、フォトの信じる宗教の裏側の真実を理解させ、この男なりにフォトの信じる宗教の欺瞞を暴き、フォトにそうした現実を早く気付かせ、自立を促したかったように思えるものだった。

 

それは、帽子の男を始めとした商人らはフォトに暴言を吐き蔑んだ目で見ているのに対し、鍵の男は感情に任せてフォトに手をあげる事は無く、またフォトを見る視線も一貫してどこか憐れみを感じさせる目であった。帽子の男達とは対照的である。

 

 ここで鍵の男の信条(言葉)を振り返りたい。

・「どうしようもないおバカさんだな」

・「なぁ奴隷。良く聞け。人間の世界はどうしようもなく腐っている。他人を簡単に裏切って、傷つけて時に殺す。そんな人でなしだけが生き残れる世界だ」

・「あいつは運命に負けた人間だな。人間は自分の力だけでは自分の人生を変えられない。あの奴隷にはそれがなかったんだよ」

・「食べ物の好き嫌いをするな」

・「お前が言った通り、いつかわかる・・・

 

 男の言葉を振り返ると、男の言葉の端々にはかつてフォトと同じ思想信条を持っていた節が垣間見える。それが現実という抗えないものと向き合う中で、やがて男の考えはフォトとは真逆の考えに至ったのではないだろうか。だからこそ男には、フォトがかつての自分を見るようで苦々しい思いがあったのかもしれない。

 

祖父の忠告を真として受け入れた男だが、結果的には人を信じる事を良しとするフォトのみが生き残ったことに、彼はある種の驚きと安堵を覚えたのかもしれない。男の最後の言葉「いつか分かる・・・」にはどのような思いが込められていたのだろうか。様々な想像が働くが、果たしてそれが正解かは分からないし確信もないが次のように解釈している。

 

 祖父の忠告を真として受け入れた男だが、男は表面的には祖父の言葉を受け入れていたものの、好き嫌いに関してはこれを無視した事で他の商人よりは少しだけ毒がまわるのが遅れていた。何とも皮肉な話だが、それでも毒が回ることは防げず残された時間は少なかった。そこで彼が選んだ道は自殺。

 

 結果的に死ぬなら毒で苦しむよりもすぐにいける銃による自殺というように見えなくもないが、果たしてそれだけが理由だったのだろうか。ここで生きるのがフォトの言葉だろう。

 

私は人を恨んだり憎んだり殺したりは決してしません。それよりも自分が死ぬことを選びます。その時に私は私を殺す人の前で微笑みながら死んでいくことでしょう。そうすれば私を殺した人もいつか分かるのです」

 

男があえて銃による自殺という行為で伝えたかったのは、『今回の件でフォトが呵責を覚えてることに、お前に責任はない。そして何より自分はお前を恨んだり憎んだりなんかしていない。お前の考えは正しいのだ』そのことをフォトの言葉を借り実行することで伝えたかったのではないだろうか。

 

フォトの言葉に眉を潜めた男は、あの時のフォトの言葉はきっと彼の胸の奥底に棘のように刺さっていたのだと思う。男の最後の言葉は他にも解釈があるのかもしれないが、私はこのように解釈している。

 

フォトは動揺していたのでどこまで男の真意をキャッチできたかは分からないが、その後のフォトの幸せな生活を見る限り、たとえそれがキャッチできていなかったとしてもそれでよかったのだろう。人とはそういうものなのだから。

 

 奴隷という身分から図らずも脱し幸せな人生を掴んだフォト。フォトに焦点を充てたストーリーとして見た場合にはハッピーエンドで、フォトの表情や顔つきの違いが見て取れて、幸せな気分となるようなエピソードだった。結果的に運命の女神は正直に生きてきたフォトに微笑むが、自分を偽って現実的に生きた男には微笑まなかったと思うと少しほろ苦いエピソードでもある。

 

 

追記

今回もフォト関連やモトコンポについての補足情報をたっぷり頂きましたので、フォトについてもう少し知りたいと思った方は是非TTさんのコメントに目を通してみてください┏○ペコ

フォトの話しもとても素敵な話のようです。

 

 

 

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