AIIB 2016年1月16日 設立総会 しゅっぱ~つ
内容に入る前に画像イメージで最初に結果から
出発前
現実
この画像だけで実際説明は不要なくらい結果を物語っていますが、何故成立したばかりの
AIIBバスが前途多難なのかを説明すれば簡潔に説明が可能です。
国際金融機関にも関わらず、融資の資金調達をする際の信用格付けを取得できなかった。
これにつきます。詳しく説明する前に、何故昨年のこのニュースが世間を騒然とさせたのかその経緯
を振り返りたいと思います。
このニュースが大々的に取り上げられるようになった事のきっかけは、アメリカの静止要請を袖に
ふりイギリスがAIIBに参加するというニュースでした。これをきっかけに民主主義側のいわゆる西側
陣営ドイツ・フランスといった国々が相次いでAIIBに参加を表明したためです。
アメリカ・日本は世銀・IMF・ADBといった国際金融機関に影響を持っていますが、AIIB(中国)
が世界の金融機関情勢に挑戦する動きだと捉えられ、これをEUの諸国が支持をしているとみなされ
たために、日本のメディアでは一時大きな騒動として報道されていたのです。
これを受け日本では次のようなスタンスを取るべきだという世論が形成されていました。
①AIIBバスに乗り遅れるな! (メディア多数派)
②AIIBに設立メンバーとして中からコントロールして骨抜きにしよう派 ※麻生財務大臣等
③加わる必要はない派(根拠はない) (中国が嫌いと思しき人達)
④一定の条件が満たさるまでは一切無視。どうせ中国のほうからお願いしてくる。
無理だろうが条件が満たされたら参加すれば良い派(高橋洋一先生)
大まかに分類すると上記のように世論は分かれていました。私も高橋先生の解説を聞くまでは
正直どうするのがベターなのだろうかという自分の見解を持つことができず右往左往状態で
関連するニュースを調べていたものです。
メディアでしきりに吹聴されたのが①の見解。中国は発展目覚ましい国であるからこれに
乗り遅れれば日本は世界から取り残される!という根拠のない煽りでした。
そして③の加わる必要はない派も同様に詳しく聞けば憶測の域をでず妥当性を欠いた感情論が大半
でした。そのため②が一見現実的な選択なのだろうかというように考えていた時期もありました。
しかし高橋先生の解説を経てからは④を支持する世論が一気に急増したのは私の記憶にも新しい
ところです。高橋先生の解説は交流のある経済評論家の上念司さんなどの発信力が高い人も支援
することで一気に広まっていたように思います。
では高橋洋一先生が当時言っていたことを簡単におさらいします。
◆日米不在の現在のAIIBは信用面において格付けが低くなり資金調達コストに大きな問題を抱える
ことになるため、必ず日本へ水面下で参加するようお願いしてくることになるだろう
→2015年4月22日 日中首脳会談が突然開催されるに至る
→結果:信用格付は高橋先生はおそらくBくらいだろうと踏んでいたが、実際にはそれより
低いまさかの無格付。
つまりADBといった国際金融機関から資金を調達する際に比して、AIIBから融資を受けて
インフラ開発を行おうとすれば、借り手の途上国は莫大な資金調達コスト(金利)を負担することに
なり途上国がこれを負担することはその目的からして著しく妨げとなってしまいます。
∵信用格付けの低いAIIBが国際金融市場で債権を起債して資金調達を行った場合、債権の
不良化をおそれて買い手が集まらず、そのぶん金利をあげるなりして買い手を募る必要が
がありこれにより資金調達コストが跳ね上がってしまう。それがAIIBからの借り手にも間接的
に影響してくるため。
◆日本がAIIBに参加しても良いとする一定条件の提示
・常駐理事会の設置
・案件の最終決定を理事会の合議で決定
・日米で一緒に参加
・日本に融資の拒否権 ※北朝鮮への経済制裁への抜け道とならないようになど
これらがクリアすれれば中国の専横にはならず、また日本にとっても国益に沿う。
というように、政治情勢の読みから、またどのような条件が満たされたらAIIBに参加することが
国益に沿うのか、理論的かつ簡潔に解説をされていました。他の根拠のないに等しい感情論的な
見解とは一線を画しておりました。
↓中国の手先と思しきAIIB参加を促す論客と高橋先生の討論の様子などは見ものです。
動画解説:AIIBに日本が参加する場合の前提条件
関連記事:【日中首脳会談実現か】
天下の財務省から暗黒卿と恐れられるだけの視野の広さと専門知識を有しており流石です。
そして、AIIBの出資状況をみると中国経済の急速な停滞・失墜を受けて西側の諸国の出資額は
お付き合い程度の少額出資にとどめられており、また中には手をあげたもののやっぱりやめたという
国まで出てくる惨状になっています。
中国AIIB、発足直前の異常事態 「無格付け」で債券発行 「ジャンク債」以下 (1/3ページ)
英シンクタンク、中国経済“墜落”シナリオ想定 AIIBは難題未解決で船出 (1/3ページ)
中国市場“大暴落” 錬金術破綻、世界株安元凶 AIIBも失敗の可能性大 (1/3ページ)
【おまけ】
現在のところ悲惨な門出となっているAIIBですが、これに思いっきり乗かって経済発展を目論んで
いた国があります。
アメリカ、日本が静止する間もなく全力で片足を突っ込んだ(建前上)民主主義の国のお隣さん。
全力ヨイショをして接近していましたが、その後の様子をちらっと振り返ります。
北朝鮮が水爆実験に成功を受けた直後のニュースです。
核実験後の8日に行われた電話協議で、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相が対北朝鮮制裁で協力を
求めたのに対し、中国の王毅外相は対話を通じた解決を強調 した。また昨年末に設置した中韓両国
防相間のホットラインによる協議は、核実験後に韓国側が要請したが、中国からの回答待ちで、結果的
には機能しなかっ た。
緊急時に中国・韓国のホットラインは無視され機能しませんでした。慰安婦問題の日韓合意を受けて
の中国からの嫌がらせという見方もあるようですが、いずれにせよ経済的にも下降している韓国を中国
はだいぶ雑な対応しているのが窺えます。
参考リンク:つながらないホットライン…対中外交間違った?
韓国は日韓通貨スワップの画策を水面下で始めたようですが、中国様に最初に伺うほうが
よろしいのでは?という皮肉の一つも言いたくなります。
安全保障を考えれば韓国には反共の防波堤としてまだまだ活躍して頂くなくてはならず実際に
潰れてしまっては困るのも確かですから一切の交流を断つわけにはいきませんが、
ディスカウントジャパンを繰り返してきた韓国政府にはよく考えてほしいものです。
【AIIB賛成派】バスに乗れ遅れるな 世界から孤立する リスト
◆政治家
二階俊博 河野洋平 福田康夫 石原伸晃 岡田克也 辻元清美
藤井裕久 志位和夫 江田憲司 小沢鋭仁 蓮舫
◆評論家・コメンテーター など
孫崎享 天木直人 田中均 古賀茂明 須田慎一郎 伊藤惇夫
青木理 姫田小夏 副島隆彦 宋文洲 岩上安身 山崎雅弘
姜尚中 凌星光 富坂聡 瀬口清之
◆記者・アナウンサー
川村晃司 岸井成格 龍崎孝 与良正男 福本容子 恵村順一郎
加藤青延
◆テレビ・新聞等
NHK TBS テレビ朝日 朝日新聞 東京新聞 毎日新聞 日経ビジネス
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