2016 冬アニメ 第2話感想など (ゴブリンちゃん集団リンチ虐殺事件など) | ながめせしまに@無為

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これ知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす。これ知るなり。

灰と幻想のグリムガル  ~ゴブリンちゃん集団リンチ虐殺事件の真相~
☑2話
 背景の美しさ、あまり見かけないシビアな設定など1話目から私の中でロケットスタートをきった
灰と幻想のグリムガルの第2話。1話目で明らかにされていなかった謎が少しあかされるか
あるいはヒントのようなものが出されるか、そして主人公一行はどれくらい強くなったのか。
2話目はこのあたりを中心に興味をもって見始めます。

 2話を見終えてまず最初に世界観の説明を省略しすぎているために主人公らの行動が合理性を
欠いてるような印象を持ちました。作中で敵として位置づけられたゴブリンですが、何故敵なのかという
根本的な説明がまだされていなかったと記憶していたからです。

  作中で見る限り街を襲ってきたり人を虐殺するような性質の生物には見えないどころか、森の中に
  住み仲間と焚き火のもと笑顔で酒盛りしているような、近づかなければ穏やかな生物に見えます。
  このことで、作中の主人公らがとってる行動がむしろ悪い連中のように見えてしまいます。
  主人公らは特に害がなさそうなゴブリンを食糧とするためではなく、身ぐるみを剥ぐためだけ
  に集団リンチしている蛮族に成り下がってるように見えてしまうからです。


 これは本来最初に説明があるべきことじゃないかと思うのですが、背景の美しさに気を取られ
1話にて大事な部分を聞き落とした可能性があるということで急きょ見直してみました。

1話の重要な情報を整理すると、
 ①グリムガルのオルタナの街

 ②主人公が集められた部屋はオルタナ辺境軍、義勇兵団レッドムーンの事務所 

  →軍ということで敵対勢力があることが分かります。この作中の内容を考えるとモンスターが
   敵という内容は察しがつきます。


 ③義勇兵団に入る者には銀貨10枚と見習い義勇兵の証が与えられる。
  銀貨10枚はこの世界で当分生活するのには十分な資金である。

 ④さらに銀貨20枚を払うことで正式な団章を取得することができる。
  銀貨20枚を稼げないような者であればどっちみち死ぬと示唆される

 ⑤義勇兵団においては己の才覚と判断で情報を収集し敵を叩く 

  →つまり、義勇兵団においては自分の頭で考え自分で行動を起こすことが必要

 ⑥義勇兵団の基本はモンスターを倒して身ぐるみ剥いでそれを売る→他に楽な下働きはない

 ⑦見習義勇兵に入団することになる


オカマ所長との会話では作中において重要な情報が多く詰まっていました。レンジの首にナイフを
突き立てるシーンがあったために気がそれてしまい必要最低限の情報をきちんと整理できていま
せんでした。

ここで肝心なのは、

  ◆主人公一向は義勇兵団に既に加入してしまっている点です。

  このことにより、基本となるモンスターを倒して身ぐるみを剥ぐということを半ば強制される立場に
 立たされていることがわかります
。厳密にいえば何をするかは自分の頭で考え行動を起こすという
 ことができれば、義勇兵団においてもやる内容は変わっている可能性は示されています。

  ◆義勇兵団に入ったことで銀貨10枚という負債を抱えている
   (事実上、銀貨10枚を貰うためによその場所で働く自由を喪失している状態
    他の職業との兼務の可否は不明だが、ギルドで訓練してる時間を考えると難しそうである)  

  ◆アニメの作中ではほとんど考える時間を与えられないまま、半強制的に義勇団加入があっと
   いう間に決定してしまったこと。
   
   このことにより町にでて情報を集めてゆっくり今後の身の振り方を考える機会が事実上なかった
  ために、他の場所で働く可能性や、そもそも自分の置かれてる訳の分からない状況が何なのか
  といった根本的なことを考える余裕がなくなっている。
  負債をおった状態で義勇団への加入が成立してしまってるがゆえ、合理性を欠いたような
  職務もこなさなければならない立場にたたされているのがこの主人公らの立場だということが
  分かります。

  アニメのシナリオを度外視すればその後、街に出て情報をあつめて自分の置かれた状況や
  あるいは義勇団を抜け命に関わる職務ではなく他の場所で命を失うことなく生活する手段を
  見つけたりする可能性も考えなくてはならないはずです。
  しかしこれはアニメでありそういう境遇に置かれてしまい、自分で別の可能性を探すことをしない
  人たちだと思って割り切って見て作中の世界観に自分を寄せていく必要があるところです。

  作中のキャラが食べ物を食べてるということはお腹は空く→餓死する可能性→生きていく
  手段が必要。 空腹を覚えるのであればやはり仮想現実の可能性よりも異世界に転移したと
  みなすほうが可能性は高いような気はします。


 上記の情報を整理すると、アニメの作中ではゴブリンなどのモンスターが街を襲ってくる描写
がないが、対モンスターを想定した軍隊や義勇軍の存在があることから作中では描かれていない
時系列や場所でこれらのモンスターは人間を襲ったりあるいは人間と対立する立場にある存在
であると考えられる。


そしてBパートの冒頭
 ・グリムガルという世界の辺境には人間と敵対する種族やモンスターがたくさん存在する
 ・辺境軍の任務はそれらを駆逐・制圧すること
 ・正規軍はオルタナの街や前線の砦を防衛することで手いっぱいである
 ・そのため(敵を駆逐・制圧するための殲滅部隊としての)義勇兵が必要とされている
 ・レンジのパーティーは既に銀貨20枚を集め正式な団員となっている
 ・モンスターの持ち物や牙は高値で取引される
 ・レンジはあの場にいた何人かを集めパーティーを組んでいる
 ・主人公のパーティーはあの場で余った者たちである
 ・ギルドに入るのに銀貨8枚を既に消費している→残りの手持ちは銀貨2枚になる
 ・銀貨1枚は銅100枚 お肉は銅4枚
 ・銀貨2枚では最低限の生活でも二週間程度しか暮らせない
 ・この世界(義勇兵)で仕事するためには何にせよギルドに入る必要がある
 ・主人公は盗賊ギルドに入る。(おそらくギルドで最低限の戦うための技術を学ぶ必要がある)
   
これを踏まえると、ようやく2話で行われたゴブリンちゃんの集団リンチ虐殺事件がどういう
ことを意味していたのかある程度理解できました。

まず、他の命のやりとりをする義勇兵以外の職を探すための時間的余裕と機会は事実上なかった。
そして、義勇兵の目的はモンスターの殲滅である。義勇兵として働くためにはギルドへ入る必要があり
このギルドにてモンスターを倒すための最低限の技術や体力を習得することになる。

したがって、あの笑顔で酒盛りしている愛らしいゴブリンはとーーーっても可愛い存在に見えるのです
が、よその場所では人間と殺し合いをしている存在であり、義勇兵団に身を置いている主人公らにとって
は問答無用でリンチして殺す対象であり、身ぐるみを剥いでそれらを取引することでどうにか生活していく
ことが出来るという境遇に(流されるまま)彼等は身を置いてしまっているわけです。

情報がしっかり整理されていないまま2話を見てしまった私といえば、
『ぉぃぉぃ・・残虐すぎんょ・・・』という具合にむしろゴブリンが気の毒に見えてしまってまったく感情移入
できないどころか、なんだこの暴力的な世界はと恐ろしく感じてしまいました。

肝心のモンスターと人間は敵対関係として殺し合ってる関係だという描写がアニメでは省略されている
のと、重要な情報を話してる場面でオカマがナイフで遊び始めたり、Bパート冒頭で油断してるとこで
一気に説明が始まって、しまいにはお肉食べたいだの、おっぱいどうのこうのという具合にギャグ
パートに入ってるために見落としやすい見せ方になっていたのです。

そのため、特に攻めてくるわけではなく、森の中で大人しく酒盛りをして暮らしてるようにしか見えない
ゴブリンちゃんの生活圏にズカズカと足を踏み入れて虐殺しているのは人間であるという関係にしか
見えず、『マジヒクワー・・・マジヒクワー・・・』という具合に第2話を見終えた直後の私は思っていたのです。

はっきりいえば、背景などの作画は非常に秀逸で美しいのですが肝心のストーリーの見せ方について
は疑問を感じざるをえません。ストーリーの重要な部分をしっかり描写せず、加えて間の悪いところで
それらに関する話がすすむので初見の人は何度か見直すかしないと理解するのが難しい見せ方に
なっているように思います。1話に限らず、2話でも戦闘後の日常の間の部分では長々と歌とともに
束の間の生を謳歌している様子がありましたが、これらを多少削ってでももう少し説明すべき内容は
あったように思います。
これは作品に対する距離感が作り手と受け手で異なってるためのようなかもしれません。どういう
作品か分かったうえで作ってる作り手は作品に対して近い位置におり内容も十分理解してるはず
ですが、受けては原作既読者を除けば作品に対する距離感は作り手よりもだいぶ遠い位置にいます。
そのため、繰り返し見るかよほど慎重に見てるような人でもない限りは視覚などから入ってくる情報
に影響されて聞き逃していることやそれが重要な情報だとすぐには認識できないことも多々あります。
作り手はしっかり情報を開示してるのにそのメッセージをうまくキャッチできない視聴者とで齟齬が
起きて作品を誤解したままになる可能性は勿体ないです。グリムガルは背景が綺麗だったりと
とっても素敵な作品だと思ったので改めて1話を見なおすという気になれましたが、大概の作品は
面倒でそんなことをせず誤解したまま視聴をやめてしまうことも多々あるような気はします。


作中の主人公一行は野宿したり餓死したりしたくないため主人公らは当面の生活を確保するために
流れのままこのシステムに身を委ねている節があり、そもそもこの場が何なのかという根本の問題に
ついてはまったく考えているようにも見えませんが、このへんも気になるところではあります。
少なくとも最低限の生活は確保され考えるくらいの時間はあるようですし。



【継続視聴を迷っている作品の2話目以降の感想】

無彩限のファントム・ワールド
☑2話 
 この作品の戦闘時の設定、パロールという詠唱部分が長く何度も繰り返されるために、絵は動いてる
のに戦闘シーンのリズムが悪くなっているように感じます。ある意味見せ場なのかもしれませんが、何度
も繰り返しみたいようなものでもなく少しくどく感じます。この点魔法科高校生のようにデバイスという媒体
を介して戦闘のリズムを崩さないように見せていたのは良かったように思います。今後も続くであろう
戦闘シーンが毎回このような感じで続くとしたら気が重いなと感じたのが正直なところです。
 また日常パートは設定や世界観の説明補足がされていますが、これもくどさを感じテンポが悪いような
印象を受けています。この作品自体がきっとこんな感じなんだと思われますが、これを含めて楽しめる
かどうかで作品に対する印象がだいぶ変わってきそうな気はします。キャラクターは安定して可愛いし
それを見てるだけで十分楽しいのですが、まだストーリーそのものに引き込まれるようなものは感じま
せん。次回が今回と同じような感じであれば、後日視聴に切り替えようかと思います。
☑3話 後日視聴に切り替え。
    
ハルチカ
☑2話
  ○○だからアパートに住んでるのが一人だけという建物の一人暮らしの部屋に女の子一人で
 お邪魔しても安心。○○は何でも知っている。○○は女子にも遠慮がない。
 1話目で明かされた設定が頭にこびりついて離れない。完全に視聴の邪魔になっているw
 謎解きしながら仲間を集める方向性の模様。チカちゃんは性格含め愛らしい。
 しかしハルのほうが逆方向にコミュ障の感じがありちょっと怖いものを感じる。やたら博識なのは
 そういう作品だから仕方ないとしてもやや不躾で慇懃無礼な印象を受けどうも好きになれない。
 謎解きのほうは種明し自体はよかったけれど、方法がだいぶ強引でもう少し柔らかくみせることは
 出来なかったのだろうかという感想。そのうちいい話も出てきそうな感はします。もう少し様子見。
☑3話 チカちゃんは可愛いけど・・・(´・ω・`)ドロップ

アクティブレイド機動強襲室第八係
☑2話

  2話では対立する組織が明示されましたがその目的は依然不明。しばらくは単発物の事件
 を各登場キャラの紹介を兼ねながら解決し各話に伏線を置いていくという感じで進みそうです。
 現状続きが気になる感じでもないですので段階的に、または後日まとめて視聴に切り替え。

少女たちは荒野を目指す
☑2話
  今回で部員集めは完了。なかなかテンポ良くすすんでいます。しかし6名のうち主要4名のキャラ
 については未だ魅力を感じず、前半は低空飛行ですすみ若干退屈になっていました。
 後半に、腐ってるメイド(CV明坂聡美)と小動物ホケキヨ(CV佐藤聡美)のW聡美キャラが登場し
 各キャラとの絡みにアクセントがついて少しクスっとして楽しくなってきました。
 メインヒロインの黒髪の子は可愛いのですが、個人的な好みでいえば戦場ヶ原ひたぎの斎藤千和
 さんのような間の取り方や、セリフの強弱の付け方、通った声ならもっとキャラに引き込まれていた
 ような気がします。視聴継続はもう少し様子を見てから判断。
☑3話 退屈感が否めず。後日気が向いた時にまとめて視聴へ切り替え。

だがしかし
☑2話
  思っていたより駄菓子の説明に時間を使うようで該当シーンは飽きてきます。そう感じるのは 
 キャラがその駄菓子をどう思ってるかという点が過度にクローズアップされてるからかなと思います。
 その駄菓子は製造メーカーがどういう思いを込めたり工夫してるのかといった情報が詰まっていたり
 するとまた一味違う楽しみができたり全く異なる印象をうけるかもしれません。
  前回は駄菓子のくだりは控えめにしてもう少し人間同士の絡みを中心に見せていくのかと思って
 いましたが方向性を読み違えたようです。キャラは可愛いのですが、続きが気になるようなものでも
 ないし視聴は積極的にしたいと思えるようなものではなかったというのが正直なところ。時間があれば
 ゆるく視聴を継続しようと思いますが、それもその日の気分次第になりそうです。

紅殻のパンドラ
☑2話
  今回でおそらくドロップするだろうなとあまり期待していませんでしたが、馬鹿馬鹿しさが余って
 思いのほか楽しめてしまいました。露骨な性的描写を思わせるような演出はいい気持ちはしません
 が、その他はおバカなキャラがテンポの悪いストーリーを飽きさせない程度になんとかおしとどめ
 て見られるよういい方向に作用しています。博士の行方やそのもう一人の謎の友人と思しき人の
 登場など気になる様子もありますので、しばらく視聴を継続してみようと思います。

昭和元禄落語心中
☑2話
  二人の新人落語家のデビュー日の回想。石田彰さんの落語演技は平坦でまったく頭に入って
 きません。会場の反応同様、視聴者の私も非常に退屈になりました。一方山寺さんの落語はと
 いえば、時間も短かったですが調子を変えたり小道具を使った演技など臨場感が溢れる落語
 となっており、見事にこの対極的な二人の様子が対比され、視聴者にもその違いを分からせることに
 成功していたように思います。演者の底力というものを見せられました。 
 話は過去回想を思っていたより長くやるようで前回までとは色合いがだいぶ異なっています。本篇で
 落語そのものを長く聞かされることもあり通してみるとやや中だるみしてしまう感があります。
 今回は落語は対比の演出上必要な措置だったのかもしれませんが、落語そのものが聞きたいわけで
 はなく、それにまつわるドラマや落語という世界がどういうものなのかに興味を持っていたことから、
 期待している方向性とは違うのかもしれません。継続視聴よりはまとめて視聴するほうが楽しめそう
 な気配ですので後日まとめて視聴へ切り替えようと思います。

霊剣山 星屑達の宴  

☑2話
  謎掛けをみせ視聴者に考えさせるのかと思いきやほぼノーヒント。そして主人公がすぐに答えを出す
 など、かなり強引かつ性急なストーリーの運びで不自然な部分が目立つように。起承転結がないと
 までは言えませんが話の運び方に稚拙な印象を受けます。今回はギャグパートもあまり笑えず。
 1話よりも印象としては悪く感じます。退屈というほどでもないですが、引き込まれるものはないため
 後日気が向いたときにまとめて視聴する方向で切り替え。

ブブキ・ブランキ
☑2話
  鉄人28号のような巨大ロボが中途半端なキルラキル的なノリでいきなりのラスボス戦的な展開に。
 跳ね返りのキレキャラを筆頭にキャラ同士の掛け合いがあまり面白くない。戦闘中キャラ同士は盛り
 上がって熱くなっている様子は分かるのですが、私といえば置き去りの気分のまま え・・・え・・・え?
 の連続で作品の世界観に馴染むことに失敗。シナリオ的にはこの先二転三転しそうな予感はあります
 が、キャラの言葉の選び方や掛け合いを楽しめないことから継続視聴は諦め途中下車。
 放送終了後に評判が良ければまとめて視聴しようかなと思います。
 画は他の3D作品と比べても表情だったり他の感情表現方法だったりが豊かで質が高いように思い
 ます。ただそれが作品の世界観にマッチしてたり面白さの底上げに繋がっているのかといえば別問題
 なような気もします。


その他
☑GATE14話


 GATE2期になってからだいぶ面白くなりつつありますが、一つだけ不愉快な点。
このシーンは異国のものに拉致された日本人がいたことが判明し画面右の主人公が激昂する
シーンですが、直後その後ろから女隊員が上官の主人公を突き飛ばして駆け寄るシーンの抜粋。

あえて汚い言葉で申しますが、これを演出した人は馬鹿なのかと。
 ・空間は広く突き飛ばさなければ通れないようなスペースではない。横をすりぬけて駆け寄れば
  ほとんどロスなく駆け寄ることは可能
 ・主人公は拉致され奴隷とされてる国民を助けるために行動をおこしてる
 ・そんな上官を下士官が邪魔といわんばかりに突き飛ばすのはあまりに常軌を逸している

上官を突き飛ばすことで緊迫感が増すとでも考えたんですかね。はっきりいって見せ場なのに
不快感しか覚えません。横をスっと通り抜けるだけでこの見せ場のシーンをどれだけ素直に視聴
できたことか。残念。