最近よく話題に出てくるのが、都会生活から疲れて自給自足をしようと、田舎の農村に移住、または地域おこし協力隊で田舎に移住し、うまくいかずに、戻ってくる事例だ。
大まかには、田舎で農業をやろうと移住する事例、単に田舎に移り住む事例、地域おこし協力隊で田舎を立て直そう!と意気込んで
あえて田舎に飛び込む事例だ。
この場合、大抵の場合は地方独特の人間関係のトラブルによるものが多いようだが、とりあえず、田舎での人間関係は後に置いておいて、仮に人間関係はよかった、としても、土地は選ばないと、農業は大変、ということを、私がやってる市民農園の話からしてみよう。
私の畑で、収穫が終わって放置している事例だけども雑草がぼうぼうだ。
先に周りの雑草をとっておいて、
マルチも全部引きはがす。
バークたい肥(樹木の皮や落ち葉を乾燥させたもの)、牛糞、鶏糞などを投入する。
白いのはパーライト(黒曜石や真珠岩などの火成岩が原料で粘土質土壌の改善に使用)だが、農園の土地が粘土質土壌だったために土壌改善として投入しているが、この「粘土質土壌」というのが後の話のカギになる。
とりあえず、投入したものを混ぜ込んで表面を平らにし、
最終的に新しいマルチを被せて終了だ。
・・・で、先ほど「粘土質土壌」といったが、私が使っている市民農園も粘土質土壌だったので、これがめちゃめちゃ大変なのだ。
粘土質土壌だと何が大変か。
雨が降ると、粘度のようにドロドロになる。足がぬかるむ。耕すだけでも土の重量が重くなって腰にくる。腕も痛い。
乾燥するとヒビ割れて、作物が育たない。
だから、粘土質土壌には先ほど書いたパーライト(または砂)などを混ぜて土を軽くするわけだが・・・当然、その金額だ。金額としてはホームセンターで18L 600~700円で売っているのだが、市民農園だからこの金額を出しても何とかなる・・・が、
例えば、こんな農地付き物件を買って、実は買ってみたら粘土質土壌だったとしたら・・・想定外以上に土も重く、耕せず、土壌改善のためにパーライトや砂を大量に買う必要が出てきて、パーライトは18Lで600~700円で売っているが、こういう広さには18リットルでは到底足らずに、想定外以上の出費となるわけだ。
耕すのは、中古のトラクターでも買えば何とかなる。ただ、中古のトラクターを買ったしても、想定外以上の出費になってしまうわけだ。
だから、とりあえず田舎の人間関係は後に置いておいても、よ~く土質を調べておかないと、後から大変だということだ。
実際、私も、最初は市民農園の契約前に実際に畑を見に行って土を手で触ってみたものの、その日は晴れだったので、全くわからなかった。普通の土だと思ったくらいだ。
しかし実際に雨が降ってから「なんだ?この土は!?」と疑いがかかったわけだ。
・・・で、最近ちょっと話題に出ている、地域おこし協力隊を含む田舎移住で、よく人間関係によるトラブルで戻ってくる、という話だ。
私が市民農園で耕してきて思ってきたことから言うと、
最初はこういう土地だったのを、
自分の手で地道に手作業で掘り起こし
ここまで育て上げた。
ここまで来るのに、どんなに自分の腰を腕を痛め、汗を流して耕してきたか。
たった70平米だけども、されど70平米。
自分が苦労して育てた土地は、誰にも触ってほしくないと思うようになる。
だけど、僕自身も、「自分が苦労して育てた土地は、誰にも触ってほしくない」は思うものの、それと同じ考えでずっと引きずっていると、この土地も終わってしまう、と思うのも事実。
そして、
先ほどの、こういう農地というものは、先人たちが苦労して何十年と耕してきた土地で、だからそこの間の人たちの間で仲間意識が生まれてくるものだというのが非常にわかる。
手伝ってくれた人には恩義が生まれるし、謝礼もする。もしも手伝ってくれる人が飲食業の人であるならば、宴会などはその店を使うとか、地域独特のルールも出来てくるわけである。
だからね、農村の人から見れば、地域おこし協力隊でいきなり何も知らない若者が入ってきて、あれはダメ、これはダメと文句ばかりでは嫌うというのも半分わかる。だけども少しは受け入れていかないと、前にも進まないというのも事実。
地域おこし協力隊で入る人も、その土地を変えようと思って意気込んでいても、自分の意見だけではなかなか通らず、「風習が古い」だけでは何も進まない。やはりその土地の歴史も理解しながらやっていかないと。
私も、市民農園で畑を自力で耕していってたら、農村の人の気持ちも、地域おこし協力隊で入る人の気持ちも、何となくですが、わかってきたような感じがする。
私が最低限思うのは、田舎に移住したい人は「最低限、自分で畑をやってから考えろ」ということだ。