タイトルの通り、FUJIの最後のベイヤーセンサー機となったX-T200を購入した。
なお、すでに生産終了品なので、当然中古だ。
この辺のことを、まずは初心者にわかりやすく説いていくと
カメラのセンサーのカラー配列は、ベイヤーセンサーとX-Tranceに分かれる
どこのメーカーでもベイヤーセンサーを採用富士フィルムのみ独自にX-Tranceセンサーを使用
富士フィルムはX-Tranceセンサーを使ったカメラを中上位機種、ベイヤーセンサーを使用したカメラはエントリー機という扱い
ベイヤーセンサーを採用したカメラはX-T200が最後で、2020年発売後わずか9か月で生産終了
それが、どうつながっていくかというと、、、
最初にベイヤーセンサーのX-T100を購入
しかし、操作が使いづらい
そのあと、富士フィルム独自のX-Trance機X-T30に変えた
という、ところが流れだ。ところが・・・だ!
X-T30はポートレートに不向きな感じがしてきた
その一例がこれなのだが。
X-T30撮影
皆さんはこれを見てどう思うだろうか。きちんと撮れている?何か変?
まあ、これは好みの問題でもあるが、私は好きになれなくて、何となくのっぺりとした感じで、陰影もあり、ざらざらした感じで、みずみずしさがない。
特に、曇天のときなどで顕著に起きやすいと思う。
これについては、価格.comでも何人か、同じことを言っている
わかりやすい話で「落ち着き、コク、枯れた味、深みあがある」、と
つまりそれは、アート的な、ヴィンテージ的な人物像を撮影しようとしたら、グッとくる描写なのだ
しかし、一方で、若い人の肌をみずみずしく撮影しようと思ったら、覇気を失う、ということなのだ
ちなみに価格.COMでは、
同じX-Tranceでも世代ごとで違う
という意見もあるようだ。だから全部の機種で同じということではないらしい。
ただ、そうなってくると、
だったら、富士フィルムは今やX-Trance機しかないけど、買ってみるか・・?
しかし、最近登場したX-M5でも14万円その1個上のX-T50でも20万円
これじゃとても買えん・・・しかも在庫もほぼなし、高くてまた気に入らなかったら・・・富士フィルムもだんだん面倒臭くなってきた
この際、中古でキャノンかニコンかオリンパスにしてみるか?安いのは10万円以下で買えるんだけど・・
富士フィルムのレンズもあるから、またマウント増やすのも面倒だよな・・・
富士フィルムの最後のベイヤーセンサー機X-T200があったよな!
ということなのだ。しかし、、
X-T200は富士フィルムの最後のベイヤーセンサー機で2020年に発売されたものの、たった9か月で生産終了
ゆえに持っている人が少なく、中古としてなかなか出回らない
中古で出回らないから、一部の高額店舗では20~30万の値付けがされている
たまたま正規の店で安くて程度のよい個体を見つけたから抑えた
というわけなのだ。
とういうことで、ここまで説明したら、X-T200の紹介だ。
前面
背面
X-T30はチルト液晶で、X-T200はバリアン液晶となる。
X-T200には、ある程度ボタンに機能を割り当てられるようになっており、ゆえにダイアルには刻印はされていない。
最初X-T100ではこれが使いづらいと思っていたが、戻ってくると意外とイケるものだ。
ちなみにX-T30とX-T200を比較すると、X-T200が若干背が低くなる。
そして、ここからが実際の画質の比較だ。
同じ富士フィルムなので、レンズも付け加えるだけなので、レンズも設定もほぼ同じ条件で比較できる。
X-T200とX-T30の比較(青空)
条件は同じメーカー同士なので全く同じだ。
レンズ:XF16-80mm F4
カメラ設定:焦点距離16mm,ISO200, SS:1/4000sec、F値:F4、カスタムイメージ:VIVID
X-T30
こうやって比較しても、X-T200は少しマゼンタ寄りで、パッと見は鮮やかだ。
X-T30は深みがある。渋いといえば渋いのだが。
まあ、これも好みの問題であるが、万人受けするのはX-T200ではないかと思う。
X-T200とX-T30の比較(室内)
レンズ:XF16-80mm F4
カメラ設定:焦点距離16mm,ISO1600, SS:1/20sec、F値:F4、カスタムイメージ:VIVID
X-T200
X-T30
ここはそんなに大きくは変わらないが、X-T200は若干明るめで、X-T30のほうが落ち着いている。白は白、という表現だ。
X-T200とX-T30の比較(車)
レンズ:XF16-80mm F4
カメラ設定:焦点距離16mm,ISO1600, SS:1/20sec、F値:F4、カスタムイメージ:VIVID
X-T200
X-T30
この車を比較するとわかりやすいかもしれない。
X-T30のほうが黒の引き締まりが強い。同じ条件でもX-T200は少し明るめで、X-T30は黒が引き締まる。壁側の自転車とかを見たらよくわかる。
X-T30のほうがヴィンテージではシックリする感じがする。
X-T200とX-T30の比較(夜景)
レンズ:XF16-80mm F4
カメラ設定:焦点距離16mm,ISO3200, SS:1/30sec、F値:F4、カスタムイメージ:VIVID
X-T200
X-T30
夜景がはっきり違いが出た。
X-T200は夜景がイルミネーションらしく明るく映り、X-T30は落ち着いた感じになる。
まとめ
これまでの結果からも、X-T30は色が深く、コクがあり、落ち着いてもいる。
しかし、ポートレートでは特に曇天などで、「黒が締まる」という影響からか、のっぺらとして覇気を失う。
ただし、写真家が意図を持って、表現としてアート・ヴィンテージ的に撮るとなると、おそらくグッとくる描写なのだ。
今後はとりあえず、特性を見極めながら2台とも使ってみる予定だ。
X-T30も別に悪い、というわけではない。良いときは良い。
ただ、ある一定の条件ではすごく良く撮れてその代わりに一定の条件では悪くなる、という機械よりも、それなりに撮れてどの条件でも安定して使いやすい機械のほうが、トータルバランスでは使いやすい、ということは多いのだ。
しかしそうは言っても、富士フィルはベイヤーセンサー機では出さない方向になっているので、いくら本人がベイヤー機を気に入っていても、AFやWifi通信などのハード面では、どうしてもX-T200では役不足になってしまう。
X-T200は4年前のエントリー機だけあって、AFはイマイチだしスマホとの通信は全く役に立たない。
可能なら富士フィルムにX-T30をベースでもよいので、ベイヤー機を1台くらい復活させてもらいたいのだが、さすがにそれは無理だろうな。
ただ、X-T200でも気に入らなかった場合、その時はメーカーを変えてみるしかないかな、と思っている。富士フィルムは本体も高いし、入手もしずらいから、面倒くさい。