ゲームの発売日の謎
MSXを代表する「メタルギア」の発売日も1987年7月なのは確かなんですが、12日説と13日説があってハッキリしないのです。当時は流通チャンネルが複数あり、店頭に並ぶタイミングが厳密に設定できなかったという事情もあるようです。
さてそんな中、コナミ出版の「MSX-U」という書籍を入手したところ、複数のソフトの発売日が記載されていました。この本はグラディウス2で搭載された音源「SCC」による楽曲を収録したカセットテープと、同時期のコナミMSXソフトの攻略法・裏技などが掲載された小冊子からなります。

その冊子によると、以下のように記載されています。(記載は年月日のみ、曜日は筆者追加)
グーニーズ:1985年12月28日(土)
ツインビー:1986年5月25日(日)
グラディウス:1986年7月25日(金)
夢大陸アドベンチャー:1986年10月28日(火)
悪魔城ドラキュラ:1986年10月30日(木)
キングコング2:1986年12月27日(土)
火の鳥:1987年4月5日(日)
がんばれゴエモン からくり道中:1987年2月25日(水)
魔城伝説II ガリウスの迷宮:1987年4月18日(土)
メタルギア:1987年7月13日(月)
グラディウス2:1987年8月22日(土)
F-1スピリット:1987年10月1日(木)
ウシャス:1987年11月1日(日)
曜日だけに注目すると、月曜から日曜までコンプリートしてます。
今だと、例えばプレステ関係は発売日が木曜と決まっていますから資料に間違いがあっても気付くんですが、こんな状態ではミスの有無すら誰にも分かりません…。
特に「夢大陸アドベンチャー」と「悪魔城ドラキュラ」なんて同じ週の火曜と木曜です。こんな発売戦略に何か意味があったんでしょうか。当時ゲームソフトウェア流通の主なチャンネルはソフトバンクが握っていた(※)くらいしか分かりません。ソフトバンクに休みはなかったんでしょうか(本当になさそうだから怖い)。
(※)ソフトバンクというと「Yahoo!BBと白い犬の携帯電話会社」というイメージが強いかもしれませんが、元々はパソコン用ソフトウェアの流通のために1981年に発足した会社です。
まあこの頃はゲームの商品寿命も今よりずっと長くて、人気のあるソフトは3ヶ月~半年くらい売れ続けてました。情報の発信源も雑誌、それも月刊が主体だったので、のんびりしてたんですね。あまり売り切れとかも聞きませんでしたし…。
「Project MSX」とやら
1チップMSXの発売元であるD4エンタープライズのWebサイトに「Project MSX」なるページが登場しました。
現在の内容としては、「1chipMSX 製品ガイド
」と、Wiiの「バーチャルコンソール
」で配信されている「アレスタ
」の紹介のみとなっています。
しかしトップページには、「1chipMSXを20人にプレゼント!あなたのMSX体験を送ってください」と、「Project MSX(仮)の特設ページを開設します!」という2つの企画が挙げられています。
しかしこの2つ、ギリギリで書き換えられています。
(下線は全て筆者によるものです)
その1・「あなたのMSX体験を送ってください」
「締め切りは6月5日(木)」
↓
「締め切りは7月15日(火)」
その2・「Project MSX(仮)の特設ページ」
「開始予定日は6月6日(金)」
↓
「近日公開予定」
こんなんで大丈夫なんでしょうかD4E。まあ、Wiiのアレスタの配信も1年半も延期した挙げ句に他社に開発を投げた
ようですので、今後の態勢の建て直しに注目したいと思います。 「MSXを大いに盛り上げるBLOGタイプの特設ページ」っていうのが、微妙に「涼宮ハルヒの憂鬱」のパクリくさいあたりも見逃せません。
バッテリーバックアップSRAM付きソフトの電池交換(2)
前回の補足情報です。
前回の記事とは直接の関係はないのですが、ネットを検索すると「電池に直接ハンダ付け」する記事があちこちに見られました。恐ろしいことです。内容は、おおむね前に上げたゲームのバッテリ交換か、ノートパソコンの修理の記事でした。
実際に電池が破裂した例がありました。
http://maffutto.at.webry.info/200803/article_8.html
直接ハンダ付けをしようとしたのとは状況が多少異なりますが、実際に怪我もされています。
ここまで行かなくとも、無理矢理ハンダ付けをした結果としては、高温になることで電池寿命の劣化などが起こりうるため、好ましいことは何一つありません。「自分のところではうまく行きました!」とか言って無邪気に公開するのは正直感心しません。確かに端子のついたタブ付きリチウム電池の入手は難しいのですが、できたというだけで紹介するというのは余りにも配慮が足りない行為だと言っておきます。
念のため、具体的なデータを上げておきましょう。
<Panasonic>
端子付き電池と半田付けについて(pdf)
→電池本体温度が85度以上にならないようにして下さい。
<FDK>
使用及び使用機器設計上の注意事項
接続端子付きリチウム電池の取り扱い注意事項(下の方)
→電池の温度が85℃以上にならない様にご注意下さい。
<SONY>
MicroBattery・注意事項
設計上の注意(下の方)
→はんだ付けの際(余熱を含む)に、電池温度が60℃以上にならないよう注意して下さい。
メーカー毎に許容される電池温度が異なりますが、一般的な(鉛フリーでない)ハンダの融点は180度くらい、ハンダ付けの対象となる相手(この場合、電池)は融点+60度くらいに熱することが必要なので、ぶっちぎりでアウトです。
上の資料にはもうちょっと詳しく書いてありますが、タブ付きであっても手早くやらないといけません。心配であれば放熱クリップを使うなどしましょう。
それにしても「電池に直接ハンダ付けしてはいけない」というのはハンダ付けを学ぶ上で基本中の基本です。ていうか、今は中学校で男女問わずハンダ付けをさせているはず(昔は男だけのこともあった)なので、誰でも知ってないといけないはず…なのですが…。
ネットで調べると必要な部分しか出てこないので気がつかないのかもしれませんが、それでケガしたりしても誰も責任は取ってくれませんよ。
タブ付き電池は一般の電子部品ショップの通販でもあまり扱われていないのですが、このようなショップもあります。入手の参考にして下さい。
http://www.tea4two.jp/product_info.php/products_id/643/?osCsid=d2bf3b0db584e620fd66a1e6d00791bb
多少高価ですが、何よりも安全重視で行きましょう。
バッテリーバックアップSRAM付きソフトの電池交換

どうやら質問は光栄(現:コーエー)の歴史シミュレーションらしいので、とりあえず同じシリーズから「提督の決断」をば。
とは言っても、MSXのバッテリー付きカートリッジはこの「提督の決断」も含めて大抵は裏がネジ止めなので簡単に開けられます。交換も、前のバッテリーを外して新しいのを同じようにつければOKです。前のデータを取っておいて書き戻す、となるといろいろ面倒なのですが、今回は消えてもよさそうなので省略します。とりあえず、+と-を間違えなければ壊れる心配はありません。
ハンダ付けの外し方とかハンダ付けの仕方は、普通に電子工作の教科書でも読んでください(手抜き)。



さてそこで問題なのが「新しいの」をどう入手するか。
バッテリーであるコイン型リチウム電池はどこのコンビニでも売ってますが、「タブ付き」と呼ばれるタイプは極めて入手が難しいシロモノです。ネットで調べたところ、男らしくも普通のコイン電池に直接リード線をハンダ付けしている記事が複数見つかりましたが、これは絶対ダメですよ。破裂・液漏れなどの危険があります。破裂したらどうなるかは知りませんが、自分の命をかけて検証したいというならご自由に…。
電池はサイズによっていろいろ名前がついてますが、大抵はCR2032というタイプです。FM-PACとかだとBR2325ってのが使われてますが、公称電圧は同じ3VなのでCR2032が使えます。
タブ付きのCR2032は秋葉原でも扱っている店は少ないです。上で交換した時(2008年5月)は、ラジオセンターの山長通商で一個210円で売ってました。他では420円の店が一軒あったきりです。
さすがにMSXのカートリッジも電池切れのものが目立つようになりましたが、一度交換すれば15年程度は持つようです。よく3年とか5年とか言われてたのは、メーカー側から文句言われないようにかなーり余裕を見た最低値のようです。
ウチにあるやつで一番しぶとい「ザナドゥ」のMSX1版は、発売20年過ぎだというのにまだデータが生きています。ま、このへんは使っているSRAMなんかにもよるので、あくまで参考ということで。
そうそう、交換したらカートリッジの中にでも交換した日のメモを貼っときましょう。今ならゲームの発売年からおおよそ分かりますが、交換してしまうと分からなくなるので…。
参考。


ちなみに文中の「ザナドゥ」は2.583Vでしたが、データが残ってました。
blog復活予定&ALESTE(アレスタ)レビュー
前回の記事が1チップMSXの発売前だからもう1年半以上ほっぽり出してますね。その後手をつけたMSX同人ソフト紹介 を作るのでいっぱいいっぱいだったものでして…。
手始めに、遂にALESTE(アレスタ)がWiiで配信されたので、レビュー を書いてみました。

ALESTE(アレスタ)レビュー
このゲームはMSXの名作の一つなのですが、思ったより紹介されていないんですよね。難易度が低いので、シューティングゲームにあまり馴染みのない人にもオススメです。
1チップMSXその後

拡張スロットと拡張フロッピードライブの方が巨大で偉そうですけども、左から三番目の基板が1チップMSXの本体です。既に発表されているケースがないのは、基板よりも試作数が少なかったのと、デバッグには必要ない(というか邪魔)ので借りてきませんでした。
写真では拡張スロット上のフロッピードライブからディスクステーションを立ち上げてみたところです。
手元のテストでは今のところ動作していないハードはありません。ビデオデジタイザ(今で言うキャプチャボードに相当)のHBI-V1とかも動いています。
しかし左の拡張ドライブ、三菱の「ML-30FD」というMSXとしても古いほうのハードで、久々に動かしたら電源から煙が上がって壊れてしまいました。電源を現代のものに交換して今は復活しましたが、それ自体が壊れてしまうと動作確認どころではありません。そちらの修理に時間を取られるのが痛いです。
あんまり言うとアレですが、最近はヤフオクでも周辺機器の相場がジリジリと上がっていて、昔のように安く買えなくなってきたのも辛いところです。特に拡張ドライブは動作未確認/ACアダプタも含めた付属品全部なし、のものに5000円とかついていて、驚きました・・・。
これからの目標
・MSXの歴史
・MSXの歴史・同人編
・ゲームソフトレビュー
などなど、まあ色々あるのですが、遅々として進んでおりません。
・MSXの歴史について
WikipediaのMSXの項目はかなり充実しているのでありますが、非常に細かいため、全体像が却って分かりにくい感じがあります。しらかみさんも言われているように、MSXの同人活動や同人ソフトに関する情報はインターネット上でもたいへん乏しいため、「なぜ今でもMSXが(それなりに)支持されているのか」というのは外から見て分かりにくいのであります。
・MSXの歴史・同人編について
同人ソフト類は当時からかなりの量を買ってはいましたし、今もYahoo!オークションなどで買い損ねを補完しています。が、モノを買い求めるのは簡単だけれども、それをまとめようとするとなかなか難しいのですね。文才の無いのが理由と言ってしまえばそれまでですが。書いては消しを何年も繰り返しているザマです。MSXマガジン永久保存版1~3のソフトの選定や提供をしたのがマトモな活動と言える程度です。
・ゲームソフトレビュー
凝りだすとキリがないのでちっとも進みません。かつてはMSXソフトレビューも(同人ソフトを除いては)それなりに見かけたのですが、最近になって探してみると結構消えていたりします。特にMSXと言えばコナミ、と言ってもよいほど人気のあったコナミゲームについて見かけなくなりました。理由は様々あるのでしょうが、一時期コナミがスクリーンショットの掲載などについて結構厳しい姿勢を見せていたのが理由かもしれません。今でも「ときめきメモリアルオンライン」などではキツめのガイドラインが敷かれているようです。
MSXは80年代当時(金のない)若い世代、特に10代に人気のあったパソコンではありましたが、さすがに時は流れて当時のユーザーは若い人も20代後半、ぶっちゃけ言うとほぼ30代とあいなりました。お互い忙しくて会うこともままならない状態で、1年くらい話していない人もいる始末です。たとえばPENさんには昨年8月から会ってすらおりません。お元気かしら、頭頂部の髪の毛まだ残ってるかしら、などと想いを馳せてしまうのですが、この間ようやくできたチャンスもこちらの休日出張でフイとなってしまいました。
実はこの手の趣味においてモチベーションを保つのに一番効果的なのが、同好の士と会って話すことなのですね。一人で悶々としていると、時間があってもダメなのです。分かってはいてもなかなか会えないこのつらさ。何とかしなくては。
SDスナッチャー買いました
手に取ることができて、ほどほどの状態であることを確認して買えたので良しとしましょうか。ちなみに、秋葉原のスーパーポテトでは過去に2度ほどSDスナッチャーのサウンドカートリッジだけを980円くらいで売ってるのを見たことがあります。
MSXはコンシューマーに比べると箱とか説明書が豪華なので捨てる人はあまりいないと思っていましたが、周囲に聞いてみると「かさばるから」等の理由で捨てている人も意外と多かったようです。も、もったいない…。僕は貧乏性なので捨てるなんて考えもしませんでした。
逆にファミコンの場合は子供の頃の周囲の友達はみんな捨てていて、マニュアルだけでも残っていることは稀でした。それだけに秋葉原にプレミアソフトが売られるようになりだした頃は「遊んだことがあるのに見たことのないゲームの箱」をいろいろ見ることができて楽しかった記憶があります。しかしやはりファミコンの流通量はMSXのそれにくらべると圧倒的に大きかったため、マイナーソフトでも箱・説の揃った品はある程度揃っているようです。
さてMSXで特に見かけないのがポニーキャニオンの初期、紙製の箱だった頃のやつですね。「ビームライダー」「ピットフォールII」「ゼンジー」、あと前に書いた「窓ふき会社のスイング君」など何本か持ってますが、ずっと探している「カモン!ピコ」なんかは裸ROMでもホントーに見かけません。ポニーはひたすらゲームを乱発していたような印象がありますが、オリジナルゲームについてはゲームとして面白いものが多いので見逃せないところです。映画の版権モノは地雷だらけですが。
一番高いMSXソフトは?
いくつか思い当たるフシはあるのですが、どれもこれも持っておりません。私はヘッポココレクターなので仕方がありませぬ。ご勘弁を。プレミアムMSXさんでは珍品のビジネスソフトを中心にいくつか紹介されていますが、オボロゲな記憶で対抗してみようかと思います。
さて、ただ単に一番高いというと「MSX-C 」(初代)98,000円ではなかろうかと思います。後年19,800円で出た「MSX-C ver1.1 」との最大の違いは、バイナリ配布ライセンスの有無です。簡単に言うと、後者のMSX-Cで作ったソフトは売るのはもちろん、タダで配布するのもいけなかったらしいんですね。学習用のつもりだったのでしょうか。
後にTAKERUで発売されていた「フリーソフトウェア100選」がファミリーソフトから発売という形を取っていたのは、配布ライセンスを持っている企業だから、という理由から委託されたものだったと記憶しています。(MSXAに権利が移行した現在、配布制限はなくなっているはずですが)
次に高いのは・・・なんでしょね。「イングリッシュ・ウィズ・オービー 」も高かった記憶がありますが、Tagoo!に載ってる価格は64,800円でした。これは英語の学習ソフトでして、今回のレギュレーションとしてはやや反則ですが、フロッピーとテープの組み合わせのソフトです。一度だけアスキーの倉庫で見た覚えがありますが、箱がやたらと巨大でした。
後は以前紹介した 「囲碁倶楽部」が30,000円でしたね。あとは株関連のツール類が3万円代で何種類か存在しています。
ゲームに限定すると、やはりこれでしょう「ウイニングソリューション 」。28,000円、ぶっちぎりに高価なソフトです。10年以上前に秋葉原のソフマップにて中古で売ってるのを一度見ましたが、MSXコーナーが滅亡の危機に瀕していた当時でも1万円以上してました(値付けができなかっただけかも)。正確にはゲームではなく「ゲーム仕立ての教育ソフト」らしいんですが、いかんせん持ってる人すら知らないので内容もよく分かりません。リンク先のTagoo!には貴重なスクリーンショットが載っています。
それを除くと、光栄の「三国志II 」「提督の決断 」などが14,800円で売られていました。人呼んで光栄インフレ時代、1989~1991年頃の作品です。こんな高価なソフトがシミュレーションブームの名の元に次々とベストセラーになっていたのだから、今思えばいい時代だったと言えます。
~まとめ~
この手の話をすると、どうしてもツールが主体となってしまうため、珍しいだけで価値のないソフトが多くなってしまいますね。ただ、「ウイニングソリューション」は気になるところで、見た感じでは丁寧に作られている感じです。うっかり面白かったらどうしましょ。
偉業の映像(MSX版沙羅曼蛇2人プレイ)!
「いっぺん見てみたいですのお」
という趣旨のことを伝えていたのですが、この度遂に公開されました ですよ!何回かやられているものの、ノーコンティニューです!
見どころは、何よりも華麗な2機の役割分担でしょう。レーザーとリップルでお互いをカバーするのを基本とし、メテオレーザーを取るための戦略、ヴェノム艦ラストでの安全地帯作成(1Pでは無理)、最終面のアウターリミッツ(目玉)でオプションイーターを破壊せずに中央に誘導する…など、MSX版「沙羅曼蛇」の経験者なら涙無しには見られない内容が盛り沢山です。
また2人同時プレイでしか見ることのできない特殊兵器(2機合体、オプションチェイン)を見ることができるのも貴重と言えましょう。
いやあ、素晴らしい内容ですよ。見てるだけで燃えますよ。久々にMSX版沙羅曼蛇に挑戦してみようかな?この間は惨敗でしたけども(ヴェノム艦を越せなかったヘタレ)。
それにしてもやっぱり一人でクリアするより大変そうですね。完成度の高いMSXコナミゲームとしては何かとバグもあるようで、不思議&理不尽現象の短編映像 もアップされています。