バッテリーバックアップSRAM付きソフトの電池交換(2) | MSX研究所日記

バッテリーバックアップSRAM付きソフトの電池交換(2)

前回の補足情報です。

前回の記事とは直接の関係はないのですが、ネットを検索すると「電池に直接ハンダ付け」する記事があちこちに見られました。恐ろしいことです。内容は、おおむね前に上げたゲームのバッテリ交換か、ノートパソコンの修理の記事でした。

実際に電池が破裂した例がありました。

http://maffutto.at.webry.info/200803/article_8.html

直接ハンダ付けをしようとしたのとは状況が多少異なりますが、実際に怪我もされています。


ここまで行かなくとも、無理矢理ハンダ付けをした結果としては、高温になることで電池寿命の劣化などが起こりうるため、好ましいことは何一つありません。「自分のところではうまく行きました!」とか言って無邪気に公開するのは正直感心しません。確かに端子のついたタブ付きリチウム電池の入手は難しいのですが、できたというだけで紹介するというのは余りにも配慮が足りない行為だと言っておきます。


念のため、具体的なデータを上げておきましょう。
<Panasonic>
端子付き電池と半田付けについて(pdf)
電池本体温度が85度以上にならないようにして下さい。

<FDK>
使用及び使用機器設計上の注意事項
接続端子付きリチウム電池の取り扱い注意事項(下の方)
電池の温度が85℃以上にならない様にご注意下さい。

<SONY>
MicroBattery・注意事項
設計上の注意(下の方)
はんだ付けの際(余熱を含む)に、電池温度が60℃以上にならないよう注意して下さい。


メーカー毎に許容される電池温度が異なりますが、一般的な(鉛フリーでない)ハンダの融点は180度くらい、ハンダ付けの対象となる相手(この場合、電池)は融点+60度くらいに熱することが必要なので、ぶっちぎりでアウトです。

上の資料にはもうちょっと詳しく書いてありますが、タブ付きであっても手早くやらないといけません。心配であれば放熱クリップを使うなどしましょう。


それにしても「電池に直接ハンダ付けしてはいけない」というのはハンダ付けを学ぶ上で基本中の基本です。ていうか、今は中学校で男女問わずハンダ付けをさせているはず(昔は男だけのこともあった)なので、誰でも知ってないといけないはず…なのですが…。

ネットで調べると必要な部分しか出てこないので気がつかないのかもしれませんが、それでケガしたりしても誰も責任は取ってくれませんよ。

タブ付き電池は一般の電子部品ショップの通販でもあまり扱われていないのですが、このようなショップもあります。入手の参考にして下さい。


http://www.tea4two.jp/product_info.php/products_id/643/?osCsid=d2bf3b0db584e620fd66a1e6d00791bb


多少高価ですが、何よりも安全重視で行きましょう。