母は物をすごく大切に保管する。
ましてや息子の物はゼッタイ失くさないように保管する。
とってもイイことだ。ここまで聞くだけだと。
問題はここから。
その保管した場所を忘れてしまうのだ。
場所だけならともかく、保管した行為すらを忘れてしまう。
「お母さん、この前来たときに忘れて帰った"ポーチ"知らん?」
「知らんで。見たこともないで。」
おっとっと。
「お母さん、この前オレが来たときに、ポンと置いたまま忘れて帰ったから、わかりやすいとこに置いといてやって言うたやん」
「知らんで」
こんな感じ。
もう1ヶ月半前のことだ。ゼッタイにポーチは出てこない。
なぜなら大事に保管してしまったからだ。
誰も見つけられないような場所、
たとえばタンスの奥の奥の奥とか、
台所の食器棚の裏側とか、
ポーチなのに台所と思うだろうがそんなものは関係ない。
誰にも見つからないところに隠す。
だから僕が探しに探しに探しても見つけることができない。
誰にも見つけられないところに隠すクセと、
その場所を忘れてしまうクセ。
最悪の構図だ。
認知症ということは百も承知。
だから文句は言えない。
ポーチ…まぁ仕方ない。丸亀で新しいのを買った。
そして今回。
新幹線に乗って帰っているとき、
あっ!!
ポーチまた置いてきてしまった!!
もちろん僕が悪い。母のことが言えないくらい悪いのだが、
実家を出てから2時間くらい…
まだ隠してないかな?
急いでデッキに行き電話する。
「お母さん、ポーチ忘れて帰ったんやけど無い?クロの。」
「ないで」
「間違いなく玄関のとこに置いてきたんやけど」
「ないで」
遅かったか…。
「お母さん、ポーチどこにしまった?思い出して?」
「しまってないで」
あぁ…
「いや、ゼッタイにしまったと思うねん。思い出して!」
「わかった。さがしてみるわ」
と言って電話を切った。
10分後。母より電話。
「あったで!白と黒のパジャマやろ!」
…
…
…
黒のポーチが、白と黒のパジャマに変わってる…。
「もうエエわ。ありがとう。」と言って電話を切る。
ハイ。
みなさんの言いたいことはわかります。
悪いのはポーチを忘れてきた僕の方です。
←クリックおねがいします
にほんブログ村