日曜日の夕方。
僕が東京の家でボーッとしていると、突然携帯が鳴った。
ん?誰だ?
クニイさん?
僕「はい。中村です。」
クニイさん「あれ? …これ息子さんの携帯番号だったんですか?」
クニイさんとは、母の実家のお隣の奥さん。
もうお孫さんがいらっしゃるらしいので、60歳は超えてるのかな。
僕は挨拶する程度だが、母は町内会の会合とかでお世話になっているらしい。
でも、お隣のクニイさんから電話があるということは、なんかよっぽどの事件があったのかもしれない。
これはヤバいパターンだぞ!
ク「実は、お母様、お昼にお出掛けしてからお帰りになってないんです。
いつもこの時間にはお部屋の電気がついているのに、今は消えているんです。
お昼にお出掛けされるところは見かけたんですけど…」
えっ!
今まで母は、認知症とはいえそんなことは一度もなかった。
徘徊癖がないのが救いだった。
誘拐でもされたんだろうか?
遠くまで行ってしまって、帰り道がわからなくなったのだろうか?
ク「さっきからお宅の方に何度も電話したんですけど、出られなくて、
今、私もちょっと外に出掛けたんですけど、携帯で何度か電話したけど出られなくて、
携帯を見ていたら、中村さんの番号があったので、息子さんと知らずに掛けてしまいました。」
そういえば、何年か前に、お隣さんとうちの間の塀の工事のときに、携帯番号を教えたんだった。
僕「あーそうですか。あーありがとうございます。あー何軒か知り合いを当たってみます。」
と言っていったん電話を切る。
やばいやばい。
どこに掛けたらいいんだ…
まずは僕も家に電話してみよう。
実家に掛ける。
トルルルル…
ガチャ!
あれ?
母「もとあきか?どうしたん?」
僕「あれ?おったん?」
母「おるよ」
僕「あんな、隣のクニイさんが…(略)。
お母さん、どこか行ってた?」
母「うん。タケシの家に呼ばれてた」
タケシとは、僕のいとこ。母の甥。
タケシさんがこの前の四十九日で久しぶりに母に会い、認知症になったことを知り、心配してくれて、
車で30分ほどの家に呼んでくれて、お食事を振舞われたようだ。
きちんと送り迎えもしてくれ、しかも7時には家に帰っており、何も問題がない。
母「ハハハ。そんなん大丈夫やわ。どこか行ったりせーへんわ。」
そうかそうか。わるいわるい。
まずは、よかった…。
ということで、すぐにクニイさんの携帯に電話して、無事を伝えて、お礼を言った。
そうか。お隣さんにもいつも監視してくれてたんだな。
…けどな~んか、ちょっと怖かったりして。
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