我が家がモンテッソーリ教育と出会ったのは娘が2歳半のとき。
そして、その頃は母がイギリスの絵本作家・ルーシー・カズンズによる絵本シリーズ『メイシーちゃん(Maisy Mouse)』に大ハマりしていた時期でした。
家庭にはメイシ―ちゃんシリーズの書籍が溢れ、もちろん娘も可愛いこのキャラクターが大好き。
もう愛くるしいあの動物たちの世界に親子でどっぷりと浸かっていました。
「ファンタジーはNG」
「本物を見せることが大事」
そんな声が聞こえてきたのは、モンテッソーリ教師養成講座を受講し始めてすぐの頃でした。
「えー!?こんなに可愛いキャラクターなのに?Yuzyもお気に入りなのに?」
「本物?全然可愛さがない…」
これが当時の母の心の声(笑)。
正直、ここに意図されたモンテッソーリ女史の想いを汲み取るにはかなり時間がかかった気がします。
でも、もし今子育てをやり直すとしたら…。
きっとメイシーちゃんはもう少し年齢が上がるまで封印するでしょう。
そして、メイシーちゃんがお料理してくれる絵本の中のリンゴよりは、重さ、色、形、触感、匂いなど五感に訴えかけることのできる本物のリンゴを用意。そして、この本物を十分味わって、「リンゴ」が認識できるようになったら、半抽象の世界へと一歩進み、リンゴのミニチュアを用意。さらに、このミニチュアもしっかりと認識できるようになったら、「写真のリンゴ」を用意。そして、「写真のリンゴ」も認識できるようになったら、やっと「絵のリンゴ」を用意したいと思います。
…といっても、メイシーちゃんの中に出てくる赤い単色で描かれたリンゴではなく、トップ写真のような、まるで画面から飛び出してきそうなリンゴ。それが絵だったとしても、用意したいのは、本物のリンゴをしっかりイメージが出来るようなリンゴ。
まだ生まれて数年しか経っていない乳幼児期の子どもたちの毎日の仕事は、まずは自分の生きるこの世界を知っていくこと。そのためには、アニメ化された絵本の中ではなく、やはりまずは本物をしっかりと認識すること。この本物に触れることで、自分の生きる世界を知り、自らの環境を知ることで、大きな安心感に繋がっていきます。
すべてを瞬時に吸収するこの時期。
外に掲げられた看板のひらがなを見て「あの字、間違っている」と指摘を繰り返した娘。
自分の知っていた「ひらがな」と、字体が違うと、それだけで「違うもの」として認識されてしまうのだと、我が子から教えてもらった経験があります。
年齢が上がるにつれ、世の中の仕組みも分かり、すべて白黒はっきりと出来るものばかりではないことも当然知っていく子ども達。
けれども、やはり生まれて間もない基礎を作るこの時期は、出来るだけ様々なことに忠実でありたいと感じます。
娘の乳幼児期に欲しかったと願ってしまう1冊。
0歳~3歳のお子さんをお持ちの方には必見です。
◆◆
さぁ、今夜は皆既月食に備えていつもより早めに更新(笑)。
皆さまも素敵な夜をお過ごしください♡
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