《症例写真》 40代男性 足の湯たんぽ低温熱傷 | 文京区小石川 もものマークのクリニック 院長ブログ

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文京区春日駅最寄りの形成外科・皮膚科のクリニック。
湿潤治療、シンプルスキンケアのこと、もっと皆さんに知ってほしい♪

2月に湯たんぽでやけどした患者さんの傷がようやく治り、

ブログでご紹介してもいいですか?


とおねだりしたところ

いいですよ!


と快諾いただきました。

ありがとうございますぺこり


ブログと言えば、先生のブログ面白いですね。
あの母の日のブログとか。



あら、恐縮です。



なんか、診察中とはキャラ違ってて!!




...........どう違うんですか???

とは、なんとなく聞けなかった汗



そんな患者さん、40代男性 ランニング系のスポーツマン




でも冷え症^-^;

今年の2月5日に、湯たんぽで両足指にやけどをして
2月12日にうちのクリニックを受診しました。

矢印初診時




傷の周りに赤みと痛みがあったので感染を疑い
抗生剤の内服を処方するとともに

保護は、密閉度の高くないプラスモイストを選択。

2月17日 2回目の受診時には赤みと痛みが引いていたので
ハイドロコロイドでの保護に切り替えました。

矢印3月2日 3回目の受診時

右の親指の根元部分の傷が白っぽくなって、一見膿が付いているように見えますが
これは深くダメージを受けた組織が湿潤環境で浮いてきたもの。

周囲の痛みもなく、むしろ順調な経過ですかお




ところでこの患者さん、マラソンも走っちゃうようなランナーさんで

走ってもいいですか?

と、割と早期に質問されました。



いつも思うけれど

スポーツする人の、スポーツに対する情熱ってすごい


そういうところの欠けた、文化系な私は

尊敬の念とともに

人種が違う

と思ってしまう。


とはいえ、患者さんのそういった気持ちは尊重して差し上げたい。

多少傷の治りは遅くなるかもしれないけど

ぶっちゃけ命にかかわるわけじゃなし(爆)



なので、大体こういうときは

「激しい運動をすれば、さすがに痛みが出たり腫れたりするかもしれませんが

困ったら早めに来て下さいな。

たいていのことは、何とかできると思うので。」


とお返事しちゃっています。



正直、こう言いつつも、毎回内心はドキドキです

患者さんは私の想像の斜め上を行く行動をとる場合も少なくなく

結果、思っていたよりも悪くなって

そうきたか........がーん

とガックリすることだってありますから



「あれとこれとそれはしちゃダメ。やって悪くなっても知らないからね!はい終了!!

と、命令してしまう方がずっと楽かもな、とも思います。



でもねえ

繰り返しになるけれど

患者さんの生活は患者さんのもので

例えばスポーツが、その人にとってどれだけダイジなのかなんて

私にはわからんのです。


分からない人間が一方的に「ダメ!」を押し付けていいものなのかと。


一方で、患者さんは患者さんで、

医者のアドバイスは素直に受け止めて

治療する上で出来る協力はして欲しい。

どうしても譲れずに、傷の治りが遅くなったら

その結果は甘んじて受け止めてほしい。




治療についての情報量は、確かに傷の治療のプロフェッショナルである私の方が多いかもしれないけれど

患者さんの身体・生活のすべてを知るプロフェッショナルは
他でもない
患者さん自身ですから。




それぞれがそれぞれに腹を括って

自立した医者-患者関係を作れるのが理想かなと。



あ、でもこれ、傷の治療に限ったこととして書いています。念のため。

命に関わることとなれば、話はそこまで単純化できないのは当然なので。



話を元に戻して


この患者さん、結局
3月7日に青梅マラソンを完走しました。

はい

傷は治っていない状態で
(^▽^;)


矢印でもってマラソン後の3月16日受診時




腫れてる
なく


ところが本人は

走るときは、プラスモイストよりも
ハイドロコロイドの方がズレにくくていいですね!


なんてイキイキと報告するものだから

ほう!そういうモンですか!!

と、こちらも参考にしちゃったりして

こういう会話は、異文化交流にも似て楽しくすらある


写真の炎症はあっという間に収まって(ホッ)
その後も自宅での処置を続けつつ
走るのも続けつつ


2~3週間に1回の通院で経過を追い


5月12日に治癒を確認しましたバンザイ右手バンザイ左手

矢印5月12日 傷が全てふさがりました



3か月と長い期間は必要でしたが

患者さんにとってはそれほどストレスのない治療が出来たかな、と思っています。