発売日:2022/1/21
文 庫:288ページ
ISBN-13:978-4041120491
まほりとは?
蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習とは?
前代未聞の野心作
大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている
大学四年生の勝山裕。
卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た
都市伝説に興味をひかれる。
上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに
貼られているというのだ。
この蛇の目紋は何を意味するのか?
ちょうどその村と出身地が近かった裕は、
夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。
偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの
飯山香織と出会い、ともにフィールドワークを始めるが、
調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。
その村では少女が監禁されているというのだ!
謎が謎を呼ぶ。その解明の鍵は古文書に……?
下巻へ続く。
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二度目ましての作家さん。
図書館の魔女シリーズで大ハマりした作家さん。
今回は、民俗学ミステリです。
メインキャラは、社会学研究科を目指す勝山裕。
社会学というだけあって小難しい言葉が多くて
キャラ的に真面目でカタイが、それを自覚出来ていて
気配りできるところがいい。
ひょんなことから都市伝説と蛇の目紋に興味を持ち
地元に帰った時、偶然に会った図書館司書のバイト中の
夏織と再会し、父親との確執の原因が母親の苗字であり
謎が多すぎることを伝え、苗字と紋の由来を調べるため
一緒にフィールドワークに出るのだが、その途中で
村の少年:淳と出会う。
淳は、山間の渓流で着物を着た少女に、目の前で衝撃的な
場面を見せられたのだが、偶然にも村の祭りの能神楽で
その少女と再会していた。
少女がいた場所は、いわゆる禁域で、閉鎖的な村で
部外者に対して、敵意を抱いているようにみえた。
更に、淳はその少女が監禁されているといい・・・
今のところ、蛇の目というキーワードで動いていて、
神社の由来と苗字の関係を調べているけれど、
個人的にもスゴク興味深い内容になっている。
興味深いキーワードやセリフの数々
山鍛冶、天目さん、盲の神さん
婆さんの立ちしょん  ̄(〃゜o ゜〃) ̄
(これ、田舎の山間の畑や田んぼでは、たまに見た)
山登りにはキュウリがいい。
適度な水分と首から胸への火照りを冷ます
胡瓜が体を冷やす作用があるのは知識として
知っていたけど、活用できてなかったぁ
歴史は真実の記録であるよりむしろ、往々にして
真実の隠蔽、改ざんの記録でもある。
史料が物語る事情とは逆の「史料が物語らなかったこと」が
浮かび上がる事もある。
要するに史料を真に受けてはいけない。ってことだな。
まぁ~歴史は勝者によって作られるというのを
実感しているので、そういうのは多々あるんでしょう。
知ってる人にだけわかるように記録に残す。(-。-;)
御巣鷹山・・・鷹狩に使う鷹をとるために、禁域にして
巣守を置いて一般人の立ち入りを禁止した場所
事故に遭った場所ではなく、広い地域に点在したらしい。
誰かをターゲットにして弾いてやることで、
逆に「うちら」っていう仲間が固定される。
歴史民俗博物館の50代くらいの学芸員と、
郷土資料館員の考え方の違う二人の話を色々聞いて
裕も色々と学んでいるけれど、厭な想像しか
働かないんですけどぉ~
続きを読みます。
図書館の魔女シリーズ 感想
図書館の魔女(第一巻)
図書館の魔女(第二巻)
図書館の魔女(第三巻)
図書館の魔女(第四巻)
図書館の魔女 烏の伝言(つてこと)(上)
図書館の魔女 烏の伝言(つてこと)(下)