図書館の魔女(第三巻)/高田 大介 | mokkoの現実逃避ブログ

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発売日:2016/5/13
文庫:384ページ
ISBN-13:978-4062933872

深刻な麦の不作に苦しむアルデシュは、背後に接する大国
ニザマに嗾けられ、今まさに一ノ谷に戦端を開こうとしていた。
高い塔のマツリカは、アルデシュの穀倉を回復する奇策を見出し、
戦争を回避せんとする。
しかし、敵は彼女の“言葉”を封じるため、利き腕の左手を狙う。
キリヒトはマツリカの“言葉”を守れるのか?
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第三巻

前作でマツリカの護衛をしていた衛兵達は、
図書館付きとなった。
口外を防ぐ目的と、ケガの度合いから護衛としての
復帰が難しいという事もあったのでしょう。

その為、元護衛から出た「素朴な疑問」に対して

禁書、門外不出、魔導書と呼ばれる書物は全て偽書
読まれないことに依ってしか価値を持たない書物
駄本だから余計な価値づけが必要になる
・・・と、バッサリ! 
ごもっとも!
書物を巡る濃厚なやり取りは、目からウロコで
楽しかったぁ~v(〃>∇<〃)v

そして流れは大陸をまたいで政争戦略に関する話に!
キリンは西方辺境伯領を転々とし、軍師の能力全開。
ハルカゼは、マツリカの命によりニザマ帝室との折衝。

そこから導き出された、分裂さえも見越した
マツリカの推理。
結果の予測から、事前に動き出すマツリカ達。

しかし、ときどき忍び出て来る「ミツクビの凶手が・・・」
という文言が気になっていた所に、やはり来た!

真っ先に異変を感じたのはキリヒトだったが、
やり方が予想外だったので、気付いた時には遅かった。

初めて見せたマツリカの動揺に、緊張を強めるキリヒト。
寝惚けてキリヒトの手を握るシーンは、前巻の最後を
思いだして切なくなりました。

そして舞台はいよいよニザマへ。
船での移動中は、流れ的に一息つくところかしら?
いや・・・緊張感はあるんですけどね(^◇^;)

三国交渉を控えて、ニザマ帝との折衝。
もっと緊迫するかと思いきや、マツリカの減らず口と
ヒヤヒヤしながら通訳するキリヒト、論破するニザマ帝
その会話の裏に潜ませた思惑。

言葉を理解する者同士の受発信が揃って初めて、
会話になると思い知らされたシーンでした。
その意図を知った時は、やはり鳥肌ぁ~(^◇^;)
上澄みを舐めているだけだと、会話にならないのね。

突然浮上した二人の先代の意図。
三国交渉の為に、ニザマに乗り込む豪胆さ。
元近衛の面々も個性が出て来たし、何よりニザマ帝が
予想外に穏和な上にしたたかでステキです。

次巻は、いよいよ刺客:双子座(ミトゥナ)との対決。
ワクワクしますねぇ~

キリヒトがいつもマツリカに言われているのが
お前はいつでも考える前に、まず「わかりません」と
言っておくんだな。逆にしなさいよ。
分かりませんと断る前に考えなさいよ。


キリヒトの名を持っているのに、そういうところが
和みます(^◇^;)


図書館の魔女シリーズ 感想
図書館の魔女(第一巻)
図書館の魔女(第二巻)
図書館の魔女(第三巻)
図書館の魔女(第四巻)
図書館の魔女 烏の伝言(つてこと)(上)
図書館の魔女 烏の伝言(つてこと)(下)