黒と茶の幻想 上下/恩田陸 | mokkoの現実逃避ブログ

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現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

 

発売日:2006/4/14
文 庫:400ページ
ISBN-13:978-4062749459

学生時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子。
卒業から十数年を経て、4人はY島へ旅をする。
太古の森林の中で、心中に去来するのは
閉ざされた『過去』の闇。
旅の終わりまでに謎の織りなす綾は解けるのか…?

 

発売日:2006/4/14
文 庫:384ページ
ISBN-13:978-4062753616

記憶から消せない過去を誰もが持っている!
同級生の男女四人による神聖な島への旅。
思いは現在から離れ、過去の不思議な事件へと

引き戻されていく。
一人芝居を披露したあと永遠に姿を消した憂理は

既に死んでいた。
全員を巻き込んだ一夜の真相とは?
太古の杉に伝説の桜の木。巨樹の森で展開する渾身の最高長編。
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理瀬シリーズ番外編:憂理の話が出ます
『三月は深き紅の淵に』の1章とリンク

この本を読む前に、「三月は深き紅の淵」を読むべきでしょう。
「三月・・・」から生まれたのが「麦の海に沈む果実」と
「黒と茶の幻想」だからです。


「麦の海に沈む果実」に出てくる梶原憂里の学園外での話しも
出てくるので、これも読んでおいたほうがいいでしょう。

そして、この作品をより楽しく読めるのは、バブル期に

成人を迎えていた、恩田陸の同世代なのではないでしょうか?


4人それぞれの視点でY島の深い森を巡り、謎解きをしながら
自らの心の奥底の森に足を踏み入れる。
やはり、ある意味キーマンは節子なのだろうと思う。
どこか非現実的な利枝子、彰彦、蒔生に比べて節子は
しっかりと現実を生きている道標のような存在だから・・・

読了後は、4人と一緒に旅していたような満足感も味わえ

大満足でした。
そして、やはり屋久島に行きたくなりました。
個人的に節子の「女の子というのは幼稚園のガキでも
色恋の感情に敏感である」
という語りに大きく頷いたのでした。

実際に、数年後に屋久島に行きましたよぉ~
文中に出て来る「三顧の桜」探そうと思ったんだけど
どうやら、その場所は登山コースで、しかも
ヒルが降って来ると教えてもらって断念。(;´_`)トホホ
でも、山の中には普通の木々に混じってさりげなく
山桜がたくさんあったので、想像するのは楽しかったですよ♪

 

「理瀬シリーズ」
三月は深き紅の淵を
(4話目が理瀬シリーズとリンク)   
麦の海に沈む果実(シリーズ1)   
殺人鬼の放課後―ミステリ・アンソロジー<2>
『青に捧げる悪夢』(理瀬・番外編「水晶の夜、翡翠の朝」)   
朝日のようにさわやかに
(理瀬・番外編「水晶の夜、翡翠の朝」)   
図書室の海 (表題作:小夜子番外編、「睡蓮」理瀬幼少期、
ピクニック準備)   
黒と茶の幻想 上下
(理瀬シリーズ番外編:憂理の話が出ます) (『三月は深き紅の淵に』の1章とリンク。)