図書室の海/恩田陸 | mokkoの現実逃避ブログ

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現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

 

発売日:2005/6/26
文 庫:304ページ
ISBN-13:978-4101234168

あたしは主人公にはなれない―。
関根夏はそう思っていた。
だが半年前の卒業式、夏はテニス部の先輩・
志田から、秘密の使命を授かった。
高校で代々語り継がれる“サヨコ”伝説に関わる使命を…。
少女の一瞬のときめきを描く『六番目の小夜子』の
番外篇(表題作)、
『夜のピクニック』の前日譚「ピクニックの準備」など
全10話。恩田ワールドの魅力を凝縮したあまりにも贅沢な
短篇玉手箱。
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『春よ、こい』
 卒業式の朝、二人の少女はデジャ・ヴを繰り返して
 何度も同じ朝を迎える。

『茶色の小瓶』
 経理課の三保典子は、ロッカーの茶色の小瓶を
 手にとっては、密かに笑みを浮かべていた。
 血をテーマにしたアンソロジー『血の12幻想』に収録

『イサオ・オサリヴァンを捜して』
 イサオ・オサリヴァンは優秀な兵士だった。
 ある日突然イサオ・オサリヴァンは去っていった。
 大長篇SF「グリーンスリーブス」の予告篇として
 書かれたらしいが
 未だにそんな話は聞かないなぁ~(-。-;)

『睡蓮』
 「麦の海に沈む果実」の理瀬の幼少時代。
 「睡蓮の下にはきれいな女の子が埋まってるんだよ」
 最初にそう言ったのは稔だったのか亘だったのか。
 いつかわたしにも睡蓮は咲くかしら。

『ある映画の記憶』
 潮が満ちてくる岩の上で母子が取り残されている。
 病に苦しむ母は子だけを陸に急がせた。
 なぜこの映画が私の記憶に刻み込まれたのか・・・
 「青幻記」という映画とその原作をきっかけにして甦った 
 叔母が水死した日の記憶。 なぜ叔母は死んだのか・・・
 密室をテーマにしたアンソロジー『大密室』に収録

『ピクニックの準備』夜のピクニックの前日譚
 明日は全校生徒が夜通し行進する「北校鍛錬歩行会」
 田中貴子と西脇融。
 この二人が異母兄弟であることを知っているのは
 恐らく私だけだろう。
 私は今回のピクニックで、ある計画を実行しようと思う。

『国境の南』
 学生時代によく降りた駅。友人とよく訪れた喫茶店。
 今はかつての記憶の中の店名ではない。
 わたしは運ばれてきた水の入ったグラスをじっと見つめる。
 あの事件と彼女を思い出しながら。

『オデュッセイア』
 ココロコが自分が歩けることに気付いたのは

 随分昔のことである。
 ココロコには多くの人が住み、ココロコは多くの街を訪れ、
 幾つもの時代を超えて旅を続けた。 

『図書室の海』表題作
 「六番目の小夜子」の数年前の話になります。
 関根夏は仲のよかった先輩が図書室で
 借りていた本を読み漁っていた。
 そこに必ず見かける名前「浅井光」
 学校にひそかに流れる「サヨコ」の噂。
 そして卒業式に先輩から渡された秘密の鍵。
 代々語り継がれる「サヨコ」伝説の鍵。

 ちなみに関根夏は、六番目の小夜子に出てくる
 関根秋の姉です。
 更に「象と耳鳴り」では、関根秋のパパと兄と
 一緒に登場します。

『ノスタルジア』
 学生時代の友人から手紙が来た。久しぶりに会おうと言う。
 先に故郷に戻って来た私。でも、彼女は1年前に死んでいた。


恩田さんのファンにとっては、美味しい短篇集です。
『睡蓮』『ピクニックの準備』『図書室の海』が
他の作品の番外編になってるからです。
もちろん、それが目的で購入したんだけどね(○ ̄m ̄)
長編だけでなく短編でも色んな顔を見せてくれてます。

 

「理瀬シリーズ」
三月は深き紅の淵を
(4話目が理瀬シリーズとリンク)   
麦の海に沈む果実(シリーズ1)   
殺人鬼の放課後―ミステリ・アンソロジー<2>
『青に捧げる悪夢』(理瀬・番外編「水晶の夜、翡翠の朝」)  
朝日のようにさわやかに
(理瀬・番外編「水晶の夜、翡翠の朝」) 
黒と茶の幻想 上下
(理瀬シリーズ番外編:憂理の話が出ます) (『三月は深き紅の淵に』の1章とリンク。)