発売日:2001/7/13
文 庫:448ページ
ISBN-13:978-4062648806
すべてが謎めいた1冊の本はどこに?
鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の
別宅に2泊3日の招待を受けた。
彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、
その屋敷内にあるはずだが、10年以上探しても
見つからない稀覯本「三月は深き紅の淵を」の話。
たった一人に、たった一晩だけ貸す事が許された本。
4部構成で、作者は不明、選ばれた一部の人にだけ
託され、後に回収された本・・・
「三月は深き紅の淵を」をめぐるミステリー・・・
----------------------
理瀬シリーズの始まりとなる1冊です。
「三月は深き紅の淵を」
同タイトルの本を探す物語。
秘書室長からの命令で会長宅へと向かうと
広大な屋敷の中にある大量の書物の中から幻の書物
「三月は深き紅の淵を」という幻の書物を
探し出すことになっていた。
著者は匿名だが実は大物作家で数百部を自費出版したものの、
代理人の手によって回収された為に現在では殆ど
流通していない。
また、所有者以外に見せても良いが貸し出しは一晩に限る
「出雲夜想曲」
「三月は深き紅の淵を」の著者を捜す物語。
夜行列車に乗り込む編集者の隆子と朱音。
異なる出版社に勤める二人は意気投合。
隆子の誘いで「三月は深き紅の淵を」の著者について
見当がついたという事で旅に出ることに・・・
「虹と雲と鳥と」
これから書き始めるに至る物語。
公園から転落死した二人の女子高校生・美沙緒と祥子。
美沙緒の恋人であった啓輔は相手の林祥子に
殺されたのだと思い、祥子の友人は逆に
美沙緒のせいだと言うが・・・
「回転木馬」
「三月は深き紅の淵を」の第 4 章を書き始めるまでの話と
学園に転入した水野理瀬と彼女を出迎える歪な生徒達の話なので
読み始めは戸惑いますね~(;^_^A アセアセ・・・
ここから「麦の海に沈む果実」と「黒と茶の幻想」が
生まれますので、麦の海~から始まる理瀬シリーズを
読むには、本作を先に読むことをお勧めします。
mokko的には恩田作品の中で1番好きなのが
理瀬シリーズだったりします(*^▽^*)
「理瀬シリーズ」
麦の海に沈む果実(シリーズ1)
殺人鬼の放課後―ミステリ・アンソロジー<2>
『青に捧げる悪夢』(理瀬・番外編「水晶の夜、翡翠の朝」)
朝日のようにさわやかに
(理瀬・番外編「水晶の夜、翡翠の朝」)
図書室の海 (表題作:小夜子番外編、「睡蓮」理瀬幼少期、
ピクニック準備)
黒と茶の幻想 上下
(理瀬シリーズ番外編:憂理の話が出ます) (『三月は深き紅の淵に』の1章とリンク。)