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これ観た

基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『星になるまで』(2019)

台湾映画。原題は『為你存在的每一天 Because of You』。私があなたのために存在する理由、みたいな感じか?

 

監督 ツォン・チェン

脚本 ツォン・チェンヤン・ムオンジアリヤオ・ホゥイミン

 

知的障害者のシャオチン(ヤオ・アイニン)には5歳になる娘シンシンがいる。知人の家の倉庫に間借りして住んでいる。二人はいつも一緒で、市場でアルバイトをして、お金が貯まったら家を買うのが夢。ある日、トラブルが起き、社会福祉課のジミンが生活実態の調査にやってくる。仲の良い親子で助け合って暮らしている様を見るに、保護して施設に入れるまでの必要はないと判断。ところが報道機関がシャオミンの調書をすっぱ抜き、シンシンの出生などシャオミンの過去がテレビで報道されてしまう。すると批判は福祉課へ行く。また、市場ではオーナーの不良の放蕩息子が店子の金を盗んだりシャオミンに暴力を振るうなど、問題を起こす。やがて巷でもシャオミンとシンシン親子の行動が問題視されるようになり、ジミンは親子を切り離す決断をする。離れたくない二人は前日ありったけの金を持ってシャオミンの生まれ育った土地へ逃げる。けれどその土地には偶然にも放蕩息子が逃避行していた…。

 

ママは天使、天使が宇宙から一人降りて来たけれど、ひとりぼっちは寂しくて。だから天使が寂しくないように、小さい星がやって来たの。

 

という設定があり、シンシンはシャオミンの、シャオミンはシンシンの命綱になっている。どちらかといえば、シンシンがシャオミンを守っている形だ。

というわけでテーマ曲が「きらきらぼし」(「ティンクル・ティンクル・リットル・スター」)になっている。

 

公的な社会福祉の限界と、地域、自治体の機能不全及び互助関係の消滅、そして報道機関の良識が問われるような内容だった。

救いだったのは、福祉課のジミンが自分の子が自閉症なだけにできる限り親身になろうとしていたこと、市場の社長がいい人だったこと。もったいなかったのは、その市場の息子が改心の兆しさえもなく、どうにもならなかったこと。

ただ、本当に、知的障害のある子に何らかの対策を講じなければならないことは、ある。人道的にどうとか言えるのは、実際に手を差し伸べられる人だけだと思うのだがどうだろう? 社会の出来る具体的な手助けは、特にこうも個人化が進んだ現代においては難しい。金ではなく、実際に人の手、人の心が必要なのだから。

 

演技についてはわからないけど、話自体はわかりやすくも人の善悪の部分も描かれており、シャオミンの行動、シンシンの行動、その他子供たちの行動に納得感も得られ、深く重く、とても良かった。

 

★★★★

 

 

 

 

『百花』(2022)

 

原作 川村元気(『億男』『世界から猫が消えたなら』他)(※プロヂューサー、企画立案で有名な作品を何本も手掛けている。『電車男』『何者』『悪人』『モテキ』『SUNNY』『キャラクター』『怪物』等々)

監督 川村元気

脚本 平瀬謙太朗川村元気

主題歌 KOE『Hello,I am KOE』(Yaffleプロデュース)

 

菅田将暉、原田美枝子、長澤まさみ、北村有起哉、岡山天音、河合優実、長塚圭史、板谷由夏、神野美鈴、永瀬正敏、占部房子、ぼくもとさきこ、松角洋平、寺田路恵、他。

 

葛西泉(菅田将暉/少年期:桑名愛斗)は生まれた時から母親葛西百合子(原田美枝子)と二人暮らしだった。今は泉は結婚し、実家を出ている。妻香織(長澤まさみ)は妊娠中で、泉と同じ職場は産休中だ。百合子はピアノ教室を続け一人で暮らしている。実は百合子には認知症の症状が出ている。気にかけて泉が様子を見に来るが、少しずつ進んでいて、もうこの先を決めなければならなくなってきていた。香織は同居してもいいと言うが、泉は施設に預けることを選ぶ。

泉には小学生の頃の寂しく辛い経験がある。突然百合子がいなくなって食べるものもなくなって、祖母に助けを求めたのだ。百合子は1年帰って来なかった。ピアノ教室に通う浅葉洋平(永瀬正敏)と恋に落ち、浅葉の赴任に合わせて神戸へ逃避行したのだった。その逃避行は阪神淡路大震災で終わる。

それでも泉は百合子の世話をやき、施設に入所してからもまめに見舞いに行き、「半分の花火」が見たいという希望にも応えた。喜ぶ百合子だったが、どうやら「半分の花火」はそれではなかったようだ。

香織の出産が済んだ頃には、百合子はもう泉のこともわからなくなっていた。泉は実家の整理をしつつ、ずっと百合子が見たがっていた「半分の花火」が何であったのかを知る…。

 

泉が片付けをしていて、逃避行中の百合子の日記を目にするのがまた辛い。親はもちろんだがきょうだい、親戚縁者、友人の日記でさえ見たくはない。

 

胸が痛くなる作品だった。泉のイラつきも心配も罪悪感も恨み節もよくわかる。そのように作られている。シーンで変わる心の機微を表す菅田将暉、さすがだなと思った。

 

認知症によって忘れてしまうことと、普通に記憶から落ちてしまうことにどんな差があるのかと言っているかのようだった。泉は百合子が見たがっていた「半分の花火」を忘れていた。百合子は他の事は忘れても「半分の花火」のことは覚えていた。ただ、どこでどうしたら見れたのか覚えていなかっただけ。病気であろうとなかろうと、記憶というものは都合がいい。

人は誰もが身内との関係に後悔を持っているんではないだろうか。なんであんなことを言ってしまったのか、なんで望みに応えてあげなかったのか、自分のしたことしなかったことなど相手は覚えてないかもしれない、だけどそんなことに囚われる。どうあれ、誰もに平等に与えられた命を生きるということの尊大さを感じた。

 

若い頃の百合子も原田美枝子が演じているのだけど、加工が素晴らしい。今やちょっとくらいの若返りなら同じ役者でいけるのか。

 

★★★★

 

 

 

 

制作 AOI Pro.

配給 東宝

 

 

『僕が君の手足になるよ』(2015/2019リマスター版)

脚本・演出・撮影・編集 Katsuhide Yamago

音楽 白石めぐみ

 

ユーリ(近山祥吾)は下半身麻痺。修二(野村修一)がユーリをおんぶし移動、まさに手足となり一切の面倒を見ている。看板屋を二人で営み、たんたんと日々を送っていたが、ある日の朝、ユーリは忽然と姿を消す。一人では歩けないのに…「しね」と殴り書きしたメモを置いて…。

そこから修二に代わって修二の妻杏子(細野今日子)の目線に変わる。わかることは、ユーリは修二の運転するバイクで事故に遭い不随となる。それが7年前。それからずっとユーリの幻影を見続けている。修二を支えてきた杏子も限界を迎えている。ということ。

 

まず、基本的なことなのだが、音が悪く、台詞が聞こえづらい。前半こそ台詞無しの映像展開だけなので良いが、種明かしには杏子の台詞がキーになる。それが聞きづらいのでは伝わりにくい。検索してみるとご本人によるシナリオがアップされていたので、それで助かった。

 

自責の念に駆られる男を描いた話。その中には、おそらく友情しか持っていなかった相手に、次第に深い愛情を抱くようになっていく、という心の変化も匂わせてあった。そんなふうに思った。

 

たぶん、ユーリは事故後、本当に修二の前からいなくなったのだろう。それが単に去っただけなのか、亡くなったのかはわからない。希望としては亡くなってるほうが修二の精神的疾患に納得がいく。(こうした受け手に余白を持たせる作りは好き)

 

映像のみで展開される前半は良かったのだけど、後半はちょっと…。全て映像で見せてくれたら良かったのに(同じ設定では大変だろうから、杏子の存在は友人あたりでよいように思う)。

 

★★(★)

 

 

こちらでも見られます

 

 

 

制作者によるシナリオ

 

 

 

その他の作品もこちらで

 

 

 

『神田川のふたり』(2022

監督 いまおかしんじ

脚本 川﨑龍太上野絵美

 

上大迫祐希(かみおおさこゆうき)、平井亜門、椎名糸、岡本莉瑚、橋本逹、内藤光祐、有永結咲(ありながゆさ)、美波愛子、たきみずなお、村田美輪子、赤山健太、稲泉洋子、黒崎雅、丈幻、狩野博文、佐藤宏、石綿宏司、相澤みちる、他。

 

高校2年の竹下舞(上大迫祐希)小野智樹(平井亜門)は今は別々の高校だが、中学が一緒で、当時お互いなんとなく意識していたものの何事もなく終わった。その中学時代仲の良かった同級生カンダ(本名ははしもと)が亡くなり、その告別式の帰り、舞の気持ちを察する友達(有永結咲、美波愛子)に押され、舞は久しぶりに智樹と二人、神田川沿いを自転車で歩く。

思い出話に始まり現在の様子を教え合い、智樹のクラスメイトの女子(椎名糸、岡本莉瑚)と遭遇したり、カンダの恋焦がれる女性(村田美輪子)を訪ねたり、不思議な体験をしたり、自転車を盗まれたり、おかしな人に振り回さたりしながら、徐々に想いが再燃し始め互いの気持ちを探り合う…。

 

タイトルまでの約40分がワンカメの長回しでびっくりした。会話はナチュラルなので、おそらく内容が指定されてるだけであとは自由だったんじゃないかな。一ヶ所明らかな間違えがあったが、それさえも流していたので。ほぼアドリブみたいな感じで、そのおかげでよりリアリティがあって、役者の表情も自然に見える。例えば、ああそこはにかむよね、そこは顔が曇るよね、そこは恥じらい出るよね、とか。なかなか大胆な手法だなぁと感心した。

 

ラストのキスシーンもとても良かった。

 

でも途中現れるオレンジスウェットの人(佐藤宏)が違和感。これはラブファンタジーとかいうやつか? など先を読んでみたり。カンダの好きな女性を訪ねて行ったわけだが、動物の鳴き声を言葉尻に足すやつは、あれはギャグなのか、それとも井の頭公園のボート乗り場の受付のお姉さんはみんなそんな話し方なのか?? どちらも最終的に意味を見出せず。こちらの理解力不足と言われればそれまでだが、そこが残念だった。あと、カラオケボックスで南沙織の「17才」を歌うのだけど、歌詞が重要なのはわかるけど、長い。

 

長回しからの本編、二人の、特に舞の心の機微、その変化がよく現れていて良かった。女子と男子の捉え方の違いもよく現れていた。など、内心の表現は良かっただけに、つまらん演出いらんかった、と思った。

 

戯曲要素が強く、舞台演劇でやるといいかも。黒衣及びカンダ(石綿宏司)も役に裏方に使われていたし。その場合は飛んでる演出もやり方によっては効果的だろうなと思った。

 

上大迫祐希、平井亜門、共に演技、素晴らしかった。

 

★★★

 

 

 

制作 株式会社H&Sエンターテイメント

配給 アイエス・フィールド

 

ロケ地は杉並区永福の幸運橋から高井戸方面へ神田川沿いを上り、八幡橋と藤和橋~塚山公園、八幡神社~神田川の源である井の頭恩賜公園。とのこと。

 

 

『帝銀事件〜大量殺人 獄中三十二年の死刑囚〜(1980)テレビドラマ(テレビ朝日系)

原作は松本清張で、実際にあった事件がモチーフになっている。

 

脚本 新藤兼人

監督 森崎東

 

中谷昇、橋本功、浜田寅彦、稲葉義男、木村理恵、大塚通子、小松方正、田中邦衛、中谷一郎、暮林修、戸浦六宏、ジェリー・ククルスキー、他。

 

 

 

 

ドキュメンタリータッチで、ナレーション(福田豊土)主体に進む。

 

昭和23年(1948年)1月26日、帝国銀行椎名町支店閉店まもなく、防疫の腕章をつけた都の衛生員を名乗る男が現れ、近くで赤痢が発生し、その家の者が当行を訪れたとのこと、消毒をしなければならないと言う。そしてその消毒班が来るまでに予防薬を飲む必要があり、薬を用意される。しかしそれは青酸化合物で、16人いる行員らのうち12人が死亡し、現金16万4410円と小切手1万7450円が盗まれるという強盗殺人事件が起こる。

捜査本部が立ち上がり動き出すも証拠らしい物証が見つからない。そんな中、前年の昭和22年(1947年)10月14日安田銀行荏原支店、昭和23年(1948年)1月19日三菱銀行中井支店に同じ手口で入った者がいたことがわかる。そのひとつに残した「厚生技官医学博士松井蔚(まついしげる)」の名刺が見つかる。それを頼りにたどると、テンペラ画家平沢貞通(仲谷昇)にいきついた。1枚だけではない男が名乗った名刺、薬品の出どころに731部隊やGHQをもあたりながら。そして古志田警部補(田中邦衛)は平沢を犯人とみて執拗に追い、ついに逮捕へと進む。

日々続く自白強要に、1ヶ月後平沢は自供を始める。昭和30年(1955年)には死刑判決が出たが、辻褄が合わない点も多く、冤罪の可能性も捨てきれない。以降、真実がわからないまま憶測も広がり、時が過ぎる…。

 

ドラマでは昭和55年(1980年)までの話だが、実際は結局確かな事はわからぬまま、死刑囚として平沢貞通は昭和62年(1987年)95歳で獄中死する。

 

やはり警察の捜査も完璧ではないし、時代的に無理に自供させることも多かったろうし、技術的に科学的に証拠立証することも難しかったろうから、冤罪は今以上にあったろうな。

 

それにしても記者の無法者ぶりがすごかった。大小あれど今と変わらないマインドで、その記事を読む我々のゲスぶりが恥ずかしい。

 

★★★

 

 

ドキュメンタリー、特集はもちろん、映画、テレビ、著作物での作品化と、幅広く何本にも渡って発表されているようで、事件の大きさと謎が窺い知れる。

 

 

『デブリーズ』(製作2022/公開2023)

ndjc(New Directions in Japanese Cinema)

文化庁委託事業・若手映画作家育成プロジェクトの作品

 

監督・脚本 牧大我

 

映像制作会社を営む監督業の和田(山根和馬)、カメラマンの佐々木(森優作)、プロデューサーの青木(カトウシンスケ)はCM撮影のためスクラップ工場に来ていた。学生時代、SF映画を作りたいと夢に燃えてた頃を懐かしんでいると、上からゴミで出来た人形が落ちてくる。和田と佐々木はなんだろうと手にとり、2体落ちて来たところで忽然と姿を消す。

気づくと砂漠の広がる荒野に建てられた小屋の中にいた。そこにはスクラップで出来たヒト型をした生物が暮らしていた。言葉は通じない。どうやら異世界へ飛ばされたようだ。怪しみながらもスクラップ族と交流して、ワームホールを見つける。しかし、穴は小さく入ることが出来ない。ある日、佐々木のビデオカメラを見たスクラップ族のギター弾きがVHSのMVを見せ、同じように撮ってくれと頼む。和田はハッとして作品を撮り始める。その映像を、青山に送るべく、思い出のキーホルダーのついた記録メディアメモリケースにメッセージを刻みワームホールに落とす…。

突然姿を消した和田と佐々木はニュースにもなり、青山はスクラップ工場で二人を探し続けていた。そして「生キテイル仕上ゲロ」「SFエイガ」と刻まれたケースを見つける…。

 

面白かった。良かった。

「ゴミが落ちてきた」という台詞に、自分らの夢だった映画作りが出来てないという現状が重なっているのがいい。

ゴミでも夢を見る。ギター弾きは地球から移動してくるゴミの中からビデオテープを見つけ、音楽を始めている。ゴミの中から生まれるという再生能力、生物の可能性も感じられる。

 

『キン・ザ・ザ』の世界観を思い出した。

 

制作 キリシマ一九四五

 

★★★★

 

 

 

 

 

 

『サボテンと海底』(製作2022/公開2023)

ndjc(New Directions in Japanese Cinema)

文化庁委託事業・若手映画作家育成プロジェクトの作品

 

監督・脚本 藤本楓

 

役者1本で食えるようになることを目指してる柳田佳典(宮田佳典)は35歳、いまだスタンドイン(テスト段階での代役)の仕事がメイン。所属事務所の契約更新もどうにか継続でき、玉木マネージャー(ふせえり)から大学生が作る映画オーディションの話を受ける。ちょうど売れっ子俳優小倉涼(佐野岳)との飲みの席で同席した同じような立場の今井(前原瑞稀)がインディーズとはいえ主役を張ることを知り、どんな小さな仕事でもチャンスに繋げようと、オーディションを受け、学生映画に出演が決まる。登場人物三人だが、主演クラスだ。

やる気まんまんで挑んだものの、改訂稿は35を超え、登場シーンはワンシーンだけとなる。おまけにそのワンシーンはキツイ上に40テイクを超える。更にあろうことか、出来上がった作品にはそのシーンが丸ごと削除されており、当然エンドロールに柳田の名前はなかった…。

 

コメディ。

面白かった。ラストの片付け方も気が利いている。30分(正味25分か)、充分に楽しめた。特に、読み合わせの休憩で、柳田がソファで寝てる姿、コミカルかつきれいだった。

役者も前原瑞稀、ふせえりと安定してるし、大学生の監督山口(大友一生)、助手室井(若林時英)のキャラクター、女子スタッフ南(小野莉奈)、作品で同一人物マコトの少年時代を演じる駿二(佐藤結良=さとうゆら)、同じく作品に出る赤い服の女横尾(渡邊雛子)らもふつーに良かった。そういえば、柳田がよく行くラーメン屋の大将石川浩司

 

制作 TOHOスタジオ

 

★★★★

 

 

 

 

 

 

『ラ・マヒ』(製作2022/公開2023)

ndjc(New Directions in Japanese Cinema)

文化庁委託事業・若手映画作家育成プロジェクトの作品

 

監督・脚本 成瀬都香(なるせみやか)

 

小学時代、意に沿わないことはやらない強く自分を持ったクラスメイト堂島月子通称ドンコ(夏すみれ)がいた。反対に荻野愛(まりあ)は横並びに無難にあることが一番と、そのように生きていた。大人になってのある日、近くに女子プロレス団体「ムーンライト」の練習場が出来、そこでドンコと再会する。ドンコは自分のやりたかった女子プロレスラーになり、ムーンライトが武道館で試合を行えるようになる夢に向かって邁進していた。

招待され初めて試合を観た愛は、女子プロレスに惹かれ、「ムーンライト」に入団する。日々の過酷な練習もこなし、デビュー戦をつかむまで行く。その中で、愛は自分に足りなかった「自分を信じること」に気づき、好きな事をつきつめる勇気を手に入れる。また、それまでうっすら倦怠期を迎えていた恋人との関係にも変化が訪れる…。

 

タイトルは技名。

本当のプロレスラーを使ってるのか、演者名にライディーン鋼という名。どこの団体か、調べてないので詳細はわからない。『極悪女王』も見たので、この作品に出ている役者さんも練習はもちろん、ちゃんと体作ったのかな、と想像。

新しさは感じなかったけど、設定が大胆で、わかりやすく、良かった。

 

制作 ROBOT

 

★★★

 

 

 

 

 

 

『うつぶせのまま踊りたい』(製作2022/公開2023)

ndjc(New Directions in Japanese Cinema)

文化庁委託事業・若手映画作家育成プロジェクトの作品

 

監督・脚本 岡本昌也

 

七子(日下七海)は多感な幼少期、両親の不和から内向する。詩が唯一自身を表現出来る手段だった。大人になってからのある日、同じ詩を詠む喫茶店で働く山田(福永朱梨)に声をかけ、大胆な行動に出る。山田もまた社会と自分の間の歪みに苦しさを感じており、すぐに二人は打ち解ける。詩を詠むことを共通項に。しかし生き方の違いが露わとなる…。

 

かな?

ちょっとわからない。山田が感嘆する七子の詩も理解出来ない。ただ、「自由」のとらえかたはデフォルトだった。なにものからも解き放たれてこその自由(破壊からの自由)を説く七子と、「ルール」や「縛り」があってこその自由(平和の中の自由)を説く山田、その違いはわかった。

おそらく十代の後半から二十代前半にありがちな自身と社会への苛立ち、焦燥を描いたんじゃないだろうか。アラサーくらいの大人になると赤面する黒歴史になる確率が高い感性だ。人生後半戦の私には、もう消え去って分かり得ないもので、共感も出来なければ理解も出来なかった。

それより、客で来ている手元のおぼつかない老人(ジジ・ぶぅ)の方に目が行く。社会のお荷物的に冷ややかな目が向けられる存在が、容赦なく打たれていた。切ない。

 

あと、ちょっと細かいけど、七子は喫煙者。それはいいんだけど、手慣れてない。持たせたいキャラクターであるのはわかるけど、下手ならやらない方がいい。持たせなくても充分伝わる。

 

制作 レスパフィルム

 

 

 

 

 

 

 

 

『timelesz project -AUDITION-』(2024)Netflix 全18回

 

マリウス葉の脱退〜ジャニーズ事務所解体を機に中島健人も脱退独立、残った菊池風磨佐藤勝利松島聡は2024年4月1日をもってグループ名をSexyZoneからtimeleszと変え、新たな出発を決めた。それはtimelesにニューメンバーを迎えるべく 5月1日より一般から候補生募集をかけ、オーディションを開始。1万8千を超える応募者からまずは書類選考で350人に絞り、自己紹介に始まり課題曲歌唱(アカペラ)と課題曲ダンスの二次審査(オーディション)~最終審査の様子までをドキュメンタリーで配信。

メインキャストはtimeleszの3人はもちろんだけど、ダンストレーナーのNOSUKE、ボイストレーナーの宮本美季。そして都度STARTO ENTERTAINMENT社所属先輩後輩などがゲスト登場する。

 

いろんな子がいるもので、中には果たしてそれはどうなんだろうと思うような子も。また、そういう子たちを見るtimeleszのメンバーの目が怖い。もちろんtimeleszは真剣に取り組んでるわけで、ふざけた態度で受けられると腹も立つのもわかる。でもこれは炎上するんではないか?と思ってたら、まあ案の定配信翌日にはSNSが沸いていた。これが台本ありきなら、または本人の承諾でも得られているんであればいいけど、オーデションを受けてる候補生たちは(おそらく)一般人だ。炎上まではいかなくても今どきSNSにアカウントくらいは持ってるだろうし、心無い言葉も投げつけられるんじゃないかと老婆心からその子たちの未来将来を心配してしまった。まあ、その辺のサポートなりケアはしっかりしてるか。

…と思いながら見進めた。

 

ざっくり概要に徹したepisode1から、episode2ではtimeleszの本格的なオーディションプロジェクトがスタートとなる。より仲間探しの色を濃く打ち出して真剣な3人に、オーディションを通してファンのみんなにニューメンバーがすんなり受け入れられることを切望してる様子が見て取れる。だから候補生の付け焼き刃の言動がわかる、怒りが湧く。候補生にはファンと同等にセクゾからのことを知ってて欲しい、好きであって欲しい、そしてSNSで叩かれる覚悟も、と求める。たかがアイドルと侮るなかれ、ファン思いすぎてプロフェッショナルを感じた。

ここで36人にしぼられる。

 

episode3はスペシャルエピソード「覚悟」。timelesz3人をフィーチャーした回。

SnowMan渡辺翔太を迎えての新規加入メンバーとの関係、心構えを聞く。また、目黒蓮からの手紙で加入する側の意識を認識する。

 

episode4は36人から15人への三次審査の始まり。候補生は、それぞれグリーン、ブルー、イエロー、レッドと9人の4チームに分けられる。その際行われたのが課題曲V6「Can do! Can go!」を振り入れ→30分踊りっぱなしで暫定順位からチーム分けというもの。厳しい。

4チームは3日間で課題曲SMAP「SHAKE」、又は「Monster」を練習、審査へと向かう。この回でフィーチャーされたのはチームブルー。

ゲスト兼アドバイザーにSUPER EIGHT大倉忠義。ここでtimelesz自身にも多少の苦言。プロデュースの心得といったところか。

 

episode5はチームグリーンをフィーチャー。コミュ症や根暗が問題、それぞれのキャラに強みはあるものの活かされてないなど、それを克服する姿が撮られる。

短時間で必死に覚え舞台に立ったジュニア時代の思い出話もあって、ジュニアを経験してないことのハンデもうかがえる。やはりジャニーズの縦構造は、自覚も芽生え具体的な目標や理想も明確になるようでアイドル育成に必要なものなのなのではと思った。

 

episode6はチームイエローをフィーチャー。リーダーに資質もあり、チームワークが良く団結力がある。しかしそんな中でついていけない人も。テンポが遅れる人…音痴もいて歌に問題がある人…。

timeleszの3人なら2時間でお釣りがくるほどで覚えられる。振り覚えは丸一日あったら大喜びというすごいジュニア修行時代を語る。華やかなアイドルは表面、その笑顔の裏には甘い世界ではない、プロであることの厳しさがうかがえた。

timeleszに入りたい気持ちを示すのが大倉忠義からの課題。10代や小学生の頃からやってることを大人がどうしたら出来るか、見せられるか、というともう気持ちしかない、と大倉。timeleszに本当に入りたいのかなぁと候補生が軟弱に見えた。

 

episode7はチームレッドをフィーチャー。5人がダンス未経験だが、個人個人が他を思いやるとてもいいチーム。涙出そうなくらい素晴らしかった。

オーディションでわかるのは、お決まりの感想だが、ジュニアってすごいな、だ。すごい関門をくぐってきたんだな、アイドルって生半可じゃできないな、そして私のような一般人にも批判される…って、対価見合うのか!?(^^;;だ。

 

episode8からは三次審査を抜けた15人に、ジュニアから参加の今江大地寺西拓人原嘉孝の3人がプラスされ、四次審査が始まる。合宿特訓ミッションで15+3人から12人へ。

実は三次審査は1ヶ月前に終わっていたが、その後の候補生たちのていたらくぶりにジュニア(というか俳優部)からの参加者3人が起爆剤となる。

3日間の特訓(体力作り、筋力トレーニング、全体ダンス、ボーカルレッスン、課題ダンスレッスン、自主練)、3日目に中間発表会を経て(個々人アドバイス有り)、2週間後本番発表会となる。

A、B、Cチームに分かれて課題曲はセクゾの楽曲から、「人生遊戯」「RIGHT NEXT TO YOU」「Purple Rain」、そして全員でtimeleszの「Anthem」に挑む。衣装はチームごとに自分らで考え統一性を持たせていた。

この回は主にCチーム「Purple Rain」(イエロー)をフィーチャー。鈴木凌猪俣周杜北林楓原嘉孝西山智樹本多大夢

 

episode9はCチーム本番、その後Aチーム「人生遊戯」(レッド)をフィーチャー。今江大地岩崎琉斗橋本将生浜川路己山根航海日野健太

全体的に暗く、ジュニア上がりの今江ですら歌詞が出ずにプレッシャーを受けてる。候補生の岩崎が足を痛めてる。

 

episode10は前回からの続きでAチーム本番。久々に集合するが岩崎の足は悪化していた。でも本番は出る気でいる。歌と上半身でのみ練習参加し本番もそれで行くことに。結局パフォーマンス一番良かったような気がする。

それからBチーム「RIGHT NEXT TO YOU」(ブルー)をフィーチャー。寺西拓人篠塚大輝浅井乃我上野凌大前田大輔前田大翔。経験者である一番うまい寺西が引っ込みがちなのを指摘されパート変更がなされてヒリヒリする。

 

episode11はBチームが本番。そして全員での「Anthem」全体ダンス本番へ。四次審査通過者発表12人が決定する。山根航海、寺西拓人、橋本将生、原嘉孝、西山智樹、本多大夢、浜川路己、猪俣周杜、篠塚大輝、浅井乃我、鈴木凌、前田大輔。

 

episode12はオーディションの裏側。四次審査通過候補生にこれまでのことを語ってもらう。timeleszから候補生一人一人への印象人となり。

このへんから明らかに候補生にファンがついたのが見て取れる。というか、つける算段が見える。

 

episode13は五次審査、メンバープロデュース審査。本番の審査は1ヶ月後にもうけ、メンバーそれぞれが新曲3曲をプロデュース、つまりメンバー自身のプロデュース能力審査ともいえる。

チームキクチ(パープル)は強い意志を表現した楽曲「New Phase」、リーダー本多大夢、前田大輔、橋本将生、篠塚大輝。

チームサトウ(レッド)はジャニーズの伝統を感じさせる音楽を目指した楽曲「革命のDancing' night 」、リーダー西山智樹、猪俣周杜、浜川路己、原嘉孝。

チームマツシマ(グリーン)はアイドル王道の楽曲「SWEET」、リーダー寺西拓人、山根航海、浅井乃我、鈴木凌。

衣装は各グループの歴代衣装(ジャニーズのお下がりシステム)を使用。その衣装を貸してもらう挨拶にそれぞれ向かう。勝利は20th Century(トニセン)から井ノ原快彦坂本昌行、風磨は山下智久(「Anthem」は山Pプロデュースだった)、松島はHey!Say!JUMP有岡大貴知念侑李に。先輩後輩の関係がしっかりできてるさすがジャニーズ。

 

episode14ではダンスボーカルレッスン20日間、共同生活5日間(タイプロハウス入居と中間発表:ダンスボーカルレッスン、ビジュアル撮影&懇談、パフォーマンス本番、食事は当番制)が始まる。

この回はチームSATOをフィーチャー。KinKi Kids(DOMOTO)堂本光一が見にくる。五次はさすがに泣ける。審査する側も表現する側も全力で感動。

 

episode15は チームマツシマをフィーチャー。自分たちで気づかせる指導。仕事で休みがちだった鈴木が遅れてる。寺西も仕事が入ってるから20日間で全員揃ったのは4日だけ。松島はプロデューサーとしての重圧もあり、さすがに助け合い励まし合い成長しあいと、人の心に触れる展開は感動する。

 

episode16はチームキクチをフィーチャー。風磨のジュニア時代の経験を話しながら、らしさの追求、負けない欲と強さ、一人一人の踊りを撮って分析など多角的に成長を目指す。やはりここまでくると団結力がはんぱない。遅れる篠塚の底上げに、友情だったり苦楽を共にする絆だったりが見える。

そして結果、六次審査通過者は、浜川路己、原嘉孝、寺西拓人、橋本将生、猪俣周杜、篠塚大輝、本多大夢、浅井乃我、の計8人に決定。全員号泣。。

 

episode17。ファイナルは2チームに分かれ、timelesz3人と共に新曲「Rock this Party」(作詞timelesz)をパフォーマンス、候補生全員での課題曲「RUN」を、3週間後ガーデンプレイスでファンの前で披露。

チーム分けはレッドチーム、原、浅井、篠塚、本多、ブルーチーム、寺西、猪俣、橋本、浜川。新曲は一緒に振り覚え。木村拓哉が見学に来ていてカリスマ性、自分がここに居られるのは周りの人の協力があってこそという気配りとプロ意識を背中で見せる。

 

episode18。10ヶ月間の集大成。timelesz3人の関係性も深くなり、timeleszへの思いも同等に共有できるようになる。目黒蓮と原の同期、宇宙sixで共に過ごした時間があることによる友情も少し描かれる。やはりジャニーズのシステムはいいなと思わせられる。

本番有明ガーデンプレイス。司会は櫻井翔。「RUN」は思いっきり感情をのせ、審査するtimelesz3人もされる候補生8人も涙顔。NOSUKEも宮本美季も。発表の場面は泣ける。


新生timeleszは原、寺西、篠塚、橋本、猪俣が加わり8人体制となった。

 

あっという間に過ぎたかもしれない、または辛い期間だったかもしれない10ヶ月は、やはり重みがあったなと思ったのは、episode1から顔つきが変化してた点。アイドルを職業にしていくんだという心持がだんだんと出来上がっていく、それを見れたのは面白かった。また、予想するのも楽しかった。やはり、ドキュメンタリーとはいえ、映像に映らない部分、見えない部分はあって、予想とは違った結果だったのも当然だと納得もいく。

当初、新生timeleszは元々の3人が潰されるような気がしてならなかった。加入したメンバーの方が総合的に個性的だから。でも、メディア露出がどんどんとなされていく中、明るく見守る3人に、これで正解な気もする、と思えたってこと。



予想は本多、猪俣、橋本が加入して6人体制かと思ってた。この3人だと、互いに潰すことなく元々のメンバーとの棲み分けがきれいにいくように思えた。

そして浜川、浅井、篠塚はキャラクターが濃いので、新しいグループを組むといいなと思ってた。残念ながら落ちてしまった候補生からピックアップして5〜7人のグループにして。これは売れるだろうなぁと思ってた。

寺西、原の2人は助っ人だと思っていたけど違った。やはりアイドルを目指したのだからグループデビューはしたかったのだなぁとじんわり。でも、2人とも芝居はうまいので、グループ活動しながらも極めて欲しい。(寺西は舞台、原は映像で)

ついでに、勝利には光一の跡を継いで舞台を仕切って欲しいな。


 

 

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そんでこちら予想と…

 

…感想など

 

 

 

さて、5月のミュージカル『ダンスオブヴァンパイヤ』が、ただでさえ取れないのに(城田優縛りで)、さらに難しくなったという…。

 

あと、個人的には岩崎琉斗が俳優デビューしないかなぁと期待している。けっこう力強い印象的な目をしているんで。