神田川のふたり | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

『神田川のふたり』(2022

監督 いまおかしんじ

脚本 川﨑龍太上野絵美

 

上大迫祐希(かみおおさこゆうき)、平井亜門、椎名糸、岡本莉瑚、橋本逹、内藤光祐、有永結咲(ありながゆさ)、美波愛子、たきみずなお、村田美輪子、赤山健太、稲泉洋子、黒崎雅、丈幻、狩野博文、佐藤宏、石綿宏司、相澤みちる、他。

 

高校2年の竹下舞(上大迫祐希)小野智樹(平井亜門)は今は別々の高校だが、中学が一緒で、当時お互いなんとなく意識していたものの何事もなく終わった。その中学時代仲の良かった同級生カンダ(本名ははしもと)が亡くなり、その告別式の帰り、舞の気持ちを察する友達(有永結咲、美波愛子)に押され、舞は久しぶりに智樹と二人、神田川沿いを自転車で歩く。

思い出話に始まり現在の様子を教え合い、智樹のクラスメイトの女子(椎名糸、岡本莉瑚)と遭遇したり、カンダの恋焦がれる女性(村田美輪子)を訪ねたり、不思議な体験をしたり、自転車を盗まれたり、おかしな人に振り回さたりしながら、徐々に想いが再燃し始め互いの気持ちを探り合う…。

 

タイトルまでの約40分がワンカメの長回しでびっくりした。会話はナチュラルなので、おそらく内容が指定されてるだけであとは自由だったんじゃないかな。一ヶ所明らかな間違えがあったが、それさえも流していたので。ほぼアドリブみたいな感じで、そのおかげでよりリアリティがあって、役者の表情も自然に見える。例えば、ああそこはにかむよね、そこは顔が曇るよね、そこは恥じらい出るよね、とか。なかなか大胆な手法だなぁと感心した。

 

ラストのキスシーンもとても良かった。

 

でも途中現れるオレンジスウェットの人(佐藤宏)が違和感。これはラブファンタジーとかいうやつか? など先を読んでみたり。カンダの好きな女性を訪ねて行ったわけだが、動物の鳴き声を言葉尻に足すやつは、あれはギャグなのか、それとも井の頭公園のボート乗り場の受付のお姉さんはみんなそんな話し方なのか?? どちらも最終的に意味を見出せず。こちらの理解力不足と言われればそれまでだが、そこが残念だった。あと、カラオケボックスで南沙織の「17才」を歌うのだけど、歌詞が重要なのはわかるけど、長い。

 

長回しからの本編、二人の、特に舞の心の機微、その変化がよく現れていて良かった。女子と男子の捉え方の違いもよく現れていた。など、内心の表現は良かっただけに、つまらん演出いらんかった、と思った。

 

戯曲要素が強く、舞台演劇でやるといいかも。黒衣及びカンダ(石綿宏司)も役に裏方に使われていたし。その場合は飛んでる演出もやり方によっては効果的だろうなと思った。

 

上大迫祐希、平井亜門、共に演技、素晴らしかった。

 

★★★

 

 

 

制作 株式会社H&Sエンターテイメント

配給 アイエス・フィールド

 

ロケ地は杉並区永福の幸運橋から高井戸方面へ神田川沿いを上り、八幡橋と藤和橋~塚山公園、八幡神社~神田川の源である井の頭恩賜公園。とのこと。