『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編-決戦-』(2023)
原作は和久井健の漫画。
監督 英勉(『トリガール!』『3D彼女』『ぐらんぶる』『映像研には手を出すな!』シリーズ『賭ケグルイ』シリーズ『おそ松さん』他)
脚本 高橋泉(『14歳』『ソラニン』『トリガール!』『サニー/32』『坂道のアポロン』『ひとよ』『羊とオオカミの恋と殺人』『朝が来る』他)
北村匠海、吉沢亮、山田裕貴、今田美桜、杉野遥亮、間宮祥太朗、清水尋也、高杉真宙、永山絢斗、村上虹郎、磯村勇斗、眞栄田郷敦、鈴木伸之、高良健吾、堀家一希、栗原類、他。
前編からの続き。またも橘日向(今田美桜)が千堂敦=アッくん(磯村勇斗)によって命を落とした。東京卍會が稀咲鉄太=キサキ(間宮祥太朗)に掌握され、芭流覇羅=バルハラはその傘下に置かれて佐野万次郎=マイキー(吉沢亮)がトップに立ってることが収監されてる龍宮寺堅=ドラケン(山田裕貴)の話でわかった。花垣武道(北村匠海)はうっすらと残る記憶から、黒い衝動に駆られて羽宮一虎(村上虹郎)を狂ったように殴り続けるマイキーを思い出す…。
キサキの策略を阻止するためにトーマンのトップに立つべく橘直人(杉野遥亮)との握手によって10年前に戻った武道。目下の目的は元凶であるハロウィンの日のバルハラとの抗争を中止すること。しかしマイキーの兄真一郎(高良健吾)を殺める結果を招いた事件がもたらしたものは大きく、トーマンに戦いを仕掛けてくる今やバルハラの一虎を止めることはできなかった。ならば、次の目的はそのハロウィンの戦いにおいてマイキーを助けること、ドラケンの逮捕を免れさすこと、そして一虎を追ってバルハラに加入したた場地圭介(永山絢斗)を戻すこと。つまりはキサキによって凶暴化した未来のトーマンを取り戻すこと。
そうして始まった決戦で、場地の真っ直ぐな思いを知り、半間修二(清水尋也)とつながっているどころかバルハラのトップであったキサキの罠にも気づき、場地が犠牲にはなったが、マイキー、ドラケン、そしてトーマンを守り抜くことは出来た。最終的に武道は未来である現在軸に戻ることをやめ、この過去軸でマイキーを支えやり直す選択をする。そのとっぱじめに日向との別れを切り出す。自分と付き合ってる限り日向はどうしたってキサキに狙われるからだ…。
決戦までの間に、松野千冬(高杉真宙)と場地の出会い、信頼関係の築きが描かれ、また一虎を通して場地のトーマンへの思いも描かれる。トーマンの創設者が場地であることもわかる。一虎がマイキーを恨み殺そうと思うに至る過程もちゃんと描かれてる。そして暗躍するキサキもしっかり描かれていて、とりあえずの矛盾がないよう仕上げられていた。
96分、ほぼほぼ血みどろの戦い。前後編にした方が都合がいいのかもしれないが、後編は畳むだけなので 、2本を2時間20分くらいにまとめ上げられたんじゃないか、その方が面白く出来たんじゃないかと思った。
アクションは素晴らしいけど、漫画なんでどれだけ殴ったところで死なないし、一虎に致命傷を負わされた場地が再び起き上がるくらいなんで、もうなんでもありな状態。なのに場地が刺された時救急車呼べとか言ってるのおかしいでしょ。だいたい死闘。そんなわけで見応えのあるアクションシーンではあるけど散漫感が強い。
前編でちょい出した溝高衆やパーちん(堀家一希)、アッくんの出番は後編にはなく、直人もわずかだ。シーン的に出ようがないが、ならばやはり前後編まとめて1本にした方がキャラクターの存在感やその在る意味が持続したんじゃないかと思った。
これで東リベは終わりだろう。俳優陣、こと重要なマイキー役吉沢亮は限界に思えたし、漫画と同じ結末にするのは物量的に無理だし、失礼ながら原作の終結がつまらないし。それで言えば、原作を大きく改変することなく、ほんとまあうまいことまとめたという気がする。灰谷兄弟とかチラ出、たまらなかったけど(灰谷蘭役栗原類は半間の清水尋也並みにピッタリだった)。
今作はやはり場地役永山絢斗が素晴らしかった。一虎役村上虹郎も(前編だが逮捕される時のマイキーを呼ぶシーンなんか秀逸)。千冬役高杉真宙も良かったし、キサキ役間宮祥太朗の終始一貫して腹黒い表情も良かった。もちろん、北村匠海、今田美桜、眞栄田郷敦も、その他俳優陣の熱量も凄かったけど、それだけという感じがする。やはり1本にした方が濃い作品になったと思う。せめてDVD化の際は2本組で販売として欲しい。
東リベは北村匠海の代表作になったな。結局、北村匠海が一番光ってる。特に、トーマン壱番隊隊長に任命された時の表情(カット)は素晴らしかった。タケミチは主役でありながら第三者的立ち位置なんだけど(^^;)
★★★