『ブルーピリオド』(2024)
原作は山口つばさの漫画。
監督 萩原健太郎(『サヨナラまでの30分』他)
脚本 吉田玲子(『のぼる小寺さん』他)
音楽 小島裕規 “Yaffle”
主題歌 WurtS「NOISE」
眞栄田郷敦、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひより、兵頭功海、秋谷郁甫(あきやいくほ)、中島セナ、薬師丸ひろ子、江口のりこ、石田ひかり、三浦誠己、やす、他。
成績は優秀、だけどちょっと不良の部類、つるんで楽しくやる友達はいる、そんな矢口八虎(眞栄田郷敦)だが、特にやりたいこともなく、与えられた目の前の物事に取り組んで流すように毎日を送っている。両親(やす、石田ひかり)は共働きで決して余裕があるわけではなく、大学に進学するなら国公立に限られている。能力から当然のように東大を目指していたが、ある日美術室で一枚の絵に魅せられ、その描き手の先輩森まる(桜田ひより)、思いがけぬ評価を得た授業で描いた青く染まる渋谷の絵、その美術教師であり美術顧問の佐伯(薬師丸ひろ子)、日本画を目指す美術部員であり腐れ縁の同級生トランスジェンダーの鮎川(高橋文哉)の存在が影響して美術部に入部する。すぐに絵画に夢中になり、スタートが遅い分は持ち前の解析・分析力、そして並々ならぬ努力でカバーし、東京藝術大学を目指す。
美大予備校にも通い、そこで天才肌の高橋(板垣李光人)に出会う。また、共に受験を戦う仲間(秋谷郁甫、中島セナ)も得る。合格までのおよそ2年間の話。
ある程度の素地は必要であるにしろ、努力でなんとかなる場合もある、と言っているような作品だった(原作未読)。努力というのは基礎であり、感性が素地。この感性は誰にでも備わっているはずで、自分の中へ入り込むことが出来るかどうか、のような気がする。だいたいの人は入口1メートルくらいで扉を閉じてしまう。そんな気がする。
八虎が魅了される森まるの絵の魅力がまったくわからなかった。そもそも絵はわからないのだけど。デッサンの上手い下手はわかる。その上での「目を引く」というのがわからない。
よく、絵画好きは絵と会話が出来るらしいと聞くのだが、音楽や映像と同じことなのかな?
眞栄田郷敦はハマり役だった。高橋文哉も板垣李光人も良かった。パティシエを目指すことになる友人恋ヶ窪晋役兵頭功海も良かった。予備校の教師大場役江口のり子も良かった。どんな役でもこなすすごい。
★★★
制作 C&Iエンタテインメント
配給 ワーナー・ブラザース映画