『闇金ウシジマくん』
原作は真鍋昌平の漫画。
シリーズは全部レンタルで見たはずだけど、内容詳細って忘れてるもんで、再視聴。どれを見てもやっぱり面白い。
★★★★★
ドラマ版と映画版を公開順に並べてるけど、映画版Part3は別でアップしてるので割愛。
通常トゴ(10日で5割の利子)、ギャンブルはヒサン(1日3割の利子)で金を貸す闇金カウカウファイナンスを経営している丑嶋馨(かおる)の金哲学と、そこへやってくる客の人生を描く。取れる保証がある限り客の身辺を守りながら搾り取るスタイルで、冷徹なのか優しいのかわかんなくなるけど、債務者のクズ度が高いので、金を軸に物事を考えると、これで意外にバランス取れた人間なのかも!? まずは揺るぎない己の軸を整えると生きやすくなるかもなぁ…なんて思いながら見た。
ドラマ:Season1(2010)全9話
金の本質に視点を置き人を見る丑嶋(山田孝之)と、人の良心を視点に人を見る元AV女優の新入社員千秋(片瀬那奈)。千秋の目を通して丑嶋の哲学、客の人生を見せる。金を借りにくるさまざまな人の行動を見て感情に走りながらもバランスよく人間味がある対応対処を身につけていく千秋の成長を描いている。
その他スタッフは丑嶋と同級生の柄崎(やべきょうすけ)、元ホスト高田(崎本大海:ひろみ)、受付兼事務員の小百合(西條るり)。
資金力が物を言う金貸業なので、丑嶋も月15%で金主・大原(徳井優)から金を借りている。
【主な債務者のおおよそ】
バイトしながらも漫画家になる夢を持ちつつパチスロから抜けられなくなっている池田(尾上寛之)。最終的には生命保険をかけ、2年後に命で返済を組まれる。(保険をかけるのは定番。金と命が同等価になる…。)
吉田ばあさん(小牧敦子)はパチンコ狂。(基本ギャンブルはパチンコ・パチスロが主体。手軽ってことなんだろうな。)
一流企業に就職できた久美子(八代みなせ)だったが、元ホストでオサレリーダーを目指すヒモ状態の健介(青柳塁斗)と暮らしてる上、見栄っ張りで買い物依存症のため、ファッションヘルス・エロリアーノで働くように。健介はロシアの漁船に乗ることに。(ウシジマくんでは、男女とも最終的には体で払う。女性の場合、心と体の乖離は生命力に置き換える形でおさめてる。おそらくこれが女性の強さと言いたいのだろう。その通りだと思う。)
卑屈な性格のコンビニ店員佐野(上田秀和)と、親の年金で暮らしているキモオタ満男(平田実)は、エロリアーノの瑞樹(かすみりさ)に夢中。
客の落ちたエロリアーノヘルス嬢杏奈(横山美雪)は指名の多い瑞樹にアドバイスを頼み、プロ意識が足りない客を舐めるなと教えられ頑張る。(実際はお金のためにナンバーワンになりたいのか、承認欲求の現れなのか名誉欲なのか…プロ意識が自己を高めるのは職業に拠らずだなと思った。)
その、3千万たまったら足を洗うつもりの瑞樹は、前の店でついた客のストーキングに悩まされていた。ストーカーは不平不満ばかりのだらけてる日雇い労働者沼田(山本浩司)。丑嶋のおかげで瑞樹は助かるが、せっかくためたお金を同業の女に盗まれ、本番をやるようになってしまう。本番NGなので店はクビに。丑嶋に盗まれた金を取り返したら半分あげるという誓約書を渡すものの…。(人間の緊張の糸が切れる瞬間が描かれてる。切ない。)
旅行会社に勤めるタク(加藤和樹)は副業で闇金狩り=偽装身分証で闇金から金を借りて違法をいいことにバックレる=をやっている。カウカウ始め何件かひっかかった闇金が結託し、徹底的に追い詰める。
暗くてのろまの小堀(中村靖日)と楽天家でいい加減な板橋(山中崇)はうだつの上がらない冴えないサラリーマン仲間。板橋はギャンブル好きで浪費家。小堀は会社での不遇と家での子育てでイライラがたまっていた。いいように使われてる感がして、ついに小堀はなけなしの5万で板橋との縁を切ろうとする。しかし板橋は逆恨みで小堀を連帯保証人に融資の申し込みをする。小堀の本人確認書類を盗み400万を手にし会社も退職するが、結局丑嶋に詰められる。小堀と板橋の友情を描く。(必ず情に厚いキャラがいるのが救い。)
杏奈の元カレで闇金業から抜けたい芳則(荒木宏文)はバックがヤクザの闇金さきざきローンで働いている。社長・鷺崎(有薗芳記)によその闇金業者に入って大切な顧客名簿を盗ってくることを命令される。カウカウに潜入するが、丑嶋を裏切れず全てバレて逆にさきざきローンの名簿を盗みに行くことに。丑嶋は遠くに逃げるよう言うが、ツメの甘い芳則はさきざきローンの同僚に騙されとらえられ臓器売買へ。(その人の可能性を含む良い面を見て手を貸しても、当人に人を見極める力がないと台無しに終わる。)
タクシー運転手の足立(酒井敏也)がヘルス嬢ユカリ(野間れい)を轢いてしまう。ユカリは子供の治療費にと300万を貯めて晴れて店を辞めた日だった。足立はその金に手を出してしまうが、事情を知って自首へ。
映画『闇金ウシジマくん』(2012)
ドラマ版1と2の間なので、千秋のその後も軽くご挨拶程度にある。でも、ほんとオマケ的扱いなのでわざわざ入れる必要ないのにと思った。事務員はあつ子(雪子)に変わってる。その他同じ。
イケメンゴレンジャイというイケイケの大学生アイドルグループを創り上げイベントサークル「バンプス」を立ち上げた学歴も金もない純(林遣都)は、これで名をあげようと(時代的に若者のベンチャー起業とその成功がもてはやされた頃)富裕層の仲間入りを目論み、いわゆるビルズ族のパーティーなどで出資者を募っていた。しかしハコの支払いやゴレンジャイの人気者が強姦して状況が悪くなる。丑嶋と知り合い、違法な闇金をいいことに金だけがめて警察にしょっぴかせるが、やばいところにはやばいやつが集まるもので、キレキャラ肉蝮(新井浩文)や地元の半グレ豚塚(手塚みのる)などに絡まれ、次から次へと金銭的に追い込まれていく。最終的には樹海に裸で放置される。(死んだかもしれん…。)
純とは幼馴染みで慕っている高校卒業後ニートの未來(みこ・大島優子)は、娘をも使って売春で金を得ようとするパチンコ狂の母親(黒沢あすか)が嫌で、家を飛び出る。母親の借金の利子を払わせられることになり、中学の同級生に紹介されたデートクラブで売り無しで地道に稼ぐ。母親を反面教師に、身だけは崩さないようしているが心は疲弊している。最終的にはファミレスで地道に働くようになる。
内田春菊がウシジマくん恒例の「千円貸してください」に追い込まれてる役で出てた。この誰彼構わずお金を無心する姿は僅かに残った人間の尊厳を打ち砕くもので、なかなかつらい。
丑嶋の感情のない瞳がふつーに考えて怖い、凄みのあるお芝居で、つくづく山田孝之ハマり役だなと思った。(「クローズ」の芹沢のほうが好きだけど。)
大島優子の役がきれいすぎて違和感。もう少し危ない目にあってこそバランスが取れるように思う。
黒沢あすか最高。
さすがに映画なので、キャストも豪華。純の先輩上原役にムロツヨシ、若き投資家猪又役に岡田義徳、純の友達で美人局をやってるネッシー役に鈴之助、丑嶋の弁護士西尾役に金田明夫、未來のバイト先の先輩役に市原隼人、刑事の黒岩に古舘寛治、ゴレンジャイの中には森崎ウィンも。
ドラマ:Season2(2014)全9話
前回のような語りべ(千秋)がいないので、各話に深みが増している印象。
幼馴染みの情報屋戌亥(綾野剛)も登場。女子事務員が摩耶(久保寺瑞紀)に変わっている。その他スタッフに変更はなく、千秋が丑嶋のために育てていた机の上のカイワレも健在。ヘルスは前回と同じエロリアーノ。金主・大原は体が不自由になっている。脳梗塞かな?
前シーズンからの債務者のその後という続きもある。
【主な債務者のおおよそ】
夫も子供もいるスーパー店員ハル子(朝日奈あかり)は体を売りながらホスト一聖(青柳尊哉)に夢中。ついに風俗嬢に落ちる。
一聖に追い上げられてる隼人(武田航平)はケツモチにも責められ、ホストに限界を感じている。カウカウで働けないか元同僚の高田に頼むがテスト期間中で失格を言い渡される。友情から高田は50万を渡し別れる。久しぶりに会うと隼人は投資ビジネスで羽振りがよくなっていた。怪しんだ丑嶋は隼人の投資話にのってみると、やはり詐欺だった。隼人は失踪。ちょうど柄崎は裏カジノにはまっていてあてにしてつぎ込んでいたため怒りがおさまらない。隼人のバックについていたのは半グレで、追い詰め金を取り返す。が、隼人と高田の友情には終わりがくる。(隼人と比べると、高田は闇金とはいえずいぶんまともになったんだなぁと思える不思議。)
親と同居でニートのパチスロに夢中のこどおじ宇津井(永野宗典)。母親が父親の退職金を株に注ぎ込み失敗し、持ち家を手放さなければならなくなる。両親は丑嶋の案で一人暮らしの祖母の家を売って借金返済し団地住まいになる。親に家を追い出された宇津井はゲストハウス暮らしを経てホームレスに。八方塞がりでいよいよ実家に頼ろうと電話をしたら母親が倒れて入院と知り、あわててかけつける(流浪したせいか意外に親思いw) 。丑嶋は、毎月10万支払いを1年続けることで完済とすると約束。(いい話のようで、単に利息分を取るってだけだよねw 宇津井は介護職とパン工場勤務のダブルワークで真人間になり、借金完済は丑嶋のおかげだと宇津井家は丑嶋に感謝しているというマジックw まあ確かに原因を作ったのは本人らで、それを助けたことにはなる。有料でw)
アイドルとパチスロ好き夜は若い男を買う森下(金谷マサヨシ)は満男の小学生時代の同級生で相保証人。父親の年金をあてにしてたが死んでしまい、生きてるふりをさせる。(この手の話はだいたい長年の引きこもりから起こる事件で、ニュースでも聞く。)
DJ G10(ゴト・藤本涼))はうさんくさいけどカリスマ性がある、夢を持つ若者をとりこんで金を貪り取る詐欺師。高跳びしようとしたところ藪蛇組構成員ハブ(南優)によって埋められる。
幼馴染みのキミノリ(三澤亮介)とルームシェアしてるなんとか芸能人としてのしあがりたい中田(入江甚儀)。心配しているキミノリをよそに中田はゴトの口車に乗って窃盗から薬物売買へと手を出す。同時に読モの地位も得られるようになり、好きだった読モトップのパピコ(紗倉まな)とも交際するまでに。しかしパピコは実は誰とでも寝るヤリマン。ついに中田は欲のためパピコを小野社長(岩本淳)に売ってしまう。パピコは裏風俗に沈められる。そうこうして中田はショップのオーナーになることを取り決めたが、騙され、嘘の店舗契約で金をとられる。キミノリもキミノリで苦労していたが、2人には友情がまだ残っていた。キミノリは中田を助けるため策を練り丑嶋に連絡する。結果的に2人とも夢敗れ、悪いやつにはかなわない、良心は通じないという非情な結末。
読モパピコに勝つために自分に投資するジュリア(佐々木麻衣)は昼間はカラオケ店、夜はヘルス嬢。(女性の敵は女性という定型。)
美代子(亀谷さやか)は売春しながらパチンコに狂っている。(依存は逃避だなぁと。)
映画『闇金ウシジマくんPart2』(2014)
ドラマ版2と3の間に入るもので、ライノーローンの茜(高橋メアリージュン)と村井(マキタスポーツ)、幼馴染みの情報屋戌亥も出ている。事務員も摩耶のまま。
ライノーローンの茜の人間性が出てる。高橋メアリージュンの茜キャラがすごくいい。かすれるような静かな口調から感情が昂ると金切り声になるのがいい。
貧困ビジネスにつけ込む鰐戸の名もチラッと出る。
中卒ゲーセン通いとバイトの彩香(門脇麦)は妹からも親からも邪険にされている。ある日、ホストの勧誘に会い、優しい麗(窪田正孝)に夢中になる。麗の夢は私の夢とばかり、麗をトップにすべく売り〜AVにまで落ちる。結局麗を勝たせることが出来たが、彩香のストーカー蝦沼(柳楽優弥)に麗はボコボコにされる。最終的には焼き鳥屋で働く顔の崩れた麗。彩香はヘルスエロリアーノの嬢に。
麗にとって初めての指名客が母親だったが、自殺。それから麗はホストで成功すべく躍起になる。
大成(相葉裕樹)との売り上げ勝負での太客・牧子(キムラ緑子)の見切りが潔くかっこいい。牧子のホスト遊びのスタンスと金の遣い方がきれいなんだろうな。
茜のとこのケツモチは若琥会(にゃこかい)の熊倉(光石研)で、茜は貧困ビジネスを振られ、不満を募らせている。しかし熊倉はシノギが思わしくなく丑嶋から金を借りている。(暴対法とかでヤクザ業末期、半グレ台頭の頃かと。)
ヤンキーのマサル(菅田将暉)は、ショボい愛沢連合という族の総長愛沢(中尾明慶)のバイクを盗んで事故らせ、その弁償にカウカウで200万借りることを要求される。しかし丑嶋は千円でマサルの身柄を引き取り、カウカウの従業員にさせるにとどめる。順調に力を発揮するマサルだったが、ある日母親が金を借りに来て、風俗に落とされると知り傷つく。母親の借金はマサルが立て替えることになり、同時にクビになる。理由は金をなめてるからだった。その後、マサルは丑嶋式で金を取ろうとするが、愛沢に捕まり失敗に終わる。金が必要な愛沢と舎弟ら、マサルとで、今度は丑嶋潰しに出向く。柄崎と高田を拉致るが金は持ってない。ちょうど丑嶋が熊倉と会う約束の場に、愛沢とマサルが乗り込むが手違いで愛沢は熊倉をボコってしまう。マサルは懲りずにまた襲いにいき、丑嶋以上になることが目標になる…。
愛沢の舎弟とされる子たちがみんな子供で、愛沢の情けなさが愛おしいw 愛沢の嫁(木南晴夏)はホスト大成に貢いでいながら子育てで愛沢にブチ切れてるから余計におかしみが増す。最終的には愛沢は茜に生命保険をかけられ車にダイブ。重体止まりでうまいこと保険金がおりる。
彩香のストーカーで茜が下請けをやってる貧困ビジネスの日雇い労働者蝦沼役の柳楽優弥が本当に気持ち悪いw 『ディストラクション・ベイビーズ』のときのようで怖い。こういうのハマるなぁ。時系列的には『ディストラクション・ベイビーズ』の方が後か。
ホスト役に落合モトキ、ホステスに本仮屋ユイカ、ホストクラブの客に大久保佳代子など、やはり魅力的なキャスティング。
何も知らない奥手とも思える彩香が闇堕ちしていくさまが痛々しい。それが不安定な演技が魅力の門脇麦だからなおさら。
マサルも気骨があって清々しい。
ドラマ:Season3(2016)全9話
ライノーローンの茜とその部下村井も登場。カイワレ健在。事務女子はエリカ(久松郁実)に変わってる。前回の続きも。ジュリアは専業キャバ嬢へ。満男も恒例かわいいものしりとりの罰ゲームハバネロジュースで健在。
債務者たち同志の絡みが多いし、債務者たちの人生にこれまでとダンチで焦点をおいている。お金を違法な利子で借りてるのに貸してもらっていると感謝し出す債務者心理の不思議。相変わらず金利分の相談は聞く丑嶋くんだが、…。
今回犯罪に既視感あるなと思ったら、北九州監禁殺人事件がモデルになってるらしい。やはり衝撃的な事件だったんだな、と。
【主な債務者のおおよそ】
雑誌編集部員の上原まゆみ(光宗薫)は占い師勅使河原(三田真央)を崇拝している。ひょんなことから神堂(中村倫也)と知り合う。ある日、ガールズバーで働く妹のみゆき(今野鮎莉)の旦那カズヤ(板橋駿谷)がトラブルを起こし、そのトラブルを神堂がおさめる。それを機に、神堂は上原家を徐々にマインドコントロールしていき、精神的にも肉体的にも侵略していく。ついには死人も出すが、上原家が初めてではなく、協力下にいた勅使河原も被害者の1人だった。神堂の目的は金なのだが、自らは手を下さないサイコパスで、結局逮捕される。まゆみもまた服役囚となるが、子供を宿しており、出所後はまともに戻る…予感で終わる。(この洗脳過程は見どころ。中村倫也のキャラ作りうまい。)
肉親による性的虐待の過去を持つネカフェで生活してる美奈(佐々木心音)は売春で金を得ていた。美奈の客の小学校教諭杉本(中島弘輝)の提案で母親の恵美子(倖田李梨)と3Pをすることになる。これがいい金になるので、元々売春をしていたパチ狂の恵美子はじゃんじゃんやろうと美奈に持ちかける。とうとうネットでも人気になった親子3Pに病んだ美奈に、ある日成金K(金田誠一郎)が声をかけてくる。富裕層4人組ニューリッチたちとの勝負で大金が入るという。ちょうど年少から出てきた中学時代の元カレJP(福山翔大)がホスト暴行で茜に目をつけられていて金が必要だった。美奈はJPと勝負に行く。勝負には勝つのだが美奈が下手を打ち金を手にすることができない。JPは茜によってヤクザに売られる。しかし若い美奈は人生やり直しをはかりコンビニ店員へ。一方恵美子はどうにもならずホームレス相手に体を開きゴミ箱を漁るほど落ちる。(家族間の性虐待の問題にも絡んでるわけだし、当然といえばそうなのだが、けっこう容赦ない落としよう。)
生活保護を受けケースワーカーもつけた小瀬(本多力)はただただラクしたいだけのネット厨。隣りに住む頭の足りなそうなリスカメンヘラ女ノノア(小瀬田麻由)に恋心を寄せている。ある日、メシア(野澤剣人)とトーキー(水間ロン)という無駄に意識高い系ニートと知り合い、老人ビジネスに携わる。そこで1人のおばあさんの力になって人に感謝されることに喜びを感じるようになる。しかしメシアたちはおばあさんたちをショッピング詐欺の獲物にし、仲違いするが、結局メシアとトーキーは自分の友達だと言い、おばあさんたちに友達を許してくれと侘びる。そうしてやがてパソコン教室で生計が立てられるようになる。残念ながらノノアは茜によって裏風俗に流される。(このノノアのキャラが足りなすぎて怖い。)
その他、恵美子の男は妻帯者な上、美奈の友達のサキに貢いでいたり、キャバ通いと買春好きのリーマン川崎(ムートン伊藤)が毎度圧をかけられる上司はまゆみの父親の上原だったり、神堂のもと勅使河原がいた金子ばあさんの裏デリヘルは高田がケツモチを引き継ぐなど、けっこうあちこちつながっている。
映画『闇金ウシジマくんPart3』(2016)
現状に危機感があり何者かになりたい沢村(本郷奏多)は商材屋天生翔(てんじょうかける・浜野謙太)塾にハマり上りつめるが、自分が引っ掛けた苅べー(月見草しんちゃん)に詰められ、天生をハメるが結果的に失敗。そして無一文からの再スタート。妻帯者でありながら女好きキャパ好きで無駄にプライドの高い加茂(藤森慎吾)は己のほころびから破滅へ向かう。と、この2人をメインに様々な債務者のクズ具合を絡めて描く。
成金Kが出てて、天生によって長者になったことがわかる。女子事務員はモネ(最上もが)。
↑ちょっと前の記事、かつ目的が本郷奏多なので、現ページと毛色違いますが一応。
映画『闇金ウシジマくんfinal』(2016)
Part3に続き事務員が情けに弱いモネ(最上もが)。幼馴染みで中学時代に再会した人がいい竹本(永山絢斗)との再々会、中学での柄崎との出会い、幼馴染みの戌亥との関係を中心に、過去を振り返りつつ物語が進む。また、茜との関係も描かれる。
中学時代、柄崎が鰐戸三蔵(がくと・間宮祥太朗)とトラブってたことから、丑嶋が助太刀を取る形になり、鰐戸三兄弟=長男・鰐戸一(安藤政信)次男・二郎(YOUNG DAIS)三男・三蔵=に延々恨まれることになる。鰐戸三兄弟は貧困ビジネスであくどい稼ぎをしていて、そこへ竹本が労働者として入る。劣悪な環境下でも独自の正義感からへこたれない竹本に影響され、同僚の甲本(太賀)は人生のやり直しをはかる。竹本もまた丑嶋との取り引きで新たな人生を歩むことになるのだが…。
一方で美容家万里子(真飛聖)は違法金融やその過払いから救う弁護士都陰(とかげ・八嶋智人)とつるんで丑嶋を潰そうと画策する。
そしてやはりキャスト陣が個性的。竹本の同部屋の先輩榊原にモロ師岡、オープニングで5万円を借りに来る男に六角精児など。
エンドロールを見るまで、三蔵が間宮祥太朗だと気づかず。メイクすごい。そしてキレキャラ、『全員死刑』を思い出す。
で、ラストの意味するものがよくわからない。バスに乗って一日5万円の清掃業をやりに行く竹本に、丑嶋が何を思い感じたか、わからなかった。でも、竹本の善の心を優先する生き方では思うように歩めないってことなのかな。どうしたってどうにもならないことってあるんだということなのかな。