惚てってるズ 第二回公演「惚て並み拝見」 ユーロライブ | これ観た

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基本アマプラ、ネトフリから観た映画やドラマの感想。9割邦画。作品より役者寄り。なるべくネタバレ避。演者名は認識できる人のみ、制作側名は気になる時のみ記載。★は5段階評価。たまに書籍音楽役者舞台についても。

テアトロコントspecial『惚て並み拝見』(2025)惚てってるズ 第二回公演 ユーロライブ

 

脚本 田川啓介(水素74%)、石黒麻衣(劇団普通)

演出 石黒麻衣(劇団普通)

 

惚ってってるズ:金子大地前原瑞樹三村和敬

ゲスト:中尾有伽

 




①「希望の島」(脚本・演出:田川啓介、石黒麻衣)

リーダー気質の馬場(金子大地)と友人の佐藤(三村和敬)は船が座礁し、無人島にたどり着く。他に同船していたソロキャンプが趣味でサバイバル能力に長けた山田(前原瑞樹)とで、最初は仲違いもあったものの、救助船が来るまでの間、協力し合い命を繋ぐことになる。しかし半年たっても島の前を船は通らない。そこへウニ獲りをしていた海女(中尾有伽)が漂流してくる。一人の女が入ることでまた状況が変わっていく…。

 

 

②「遠出」(脚本・演出:石黒麻衣)

プロポーズこそまだだが、結婚を前にした男(前原瑞樹)女(中尾有伽)、男と友達でありながら、女と何やらあるっぽい男(金子大地)、同じく男と友達かつ女の妹と交際している男(三村和敬)とで、映画を観にやってきた。映画の後は夕飯を共にする予定だが、それぞれの思いが錯綜し、ヒリヒリした会話、かみ合わない会話が続く…。

 

 

③「スローライフ」(脚本・演出:田川啓介、石黒麻衣)

田舎のスーパー。廃棄品など持ち帰りが許されていないもの、商品の紛失などトラブルがあり、退勤時に従業員のかばんをチェックすることになる。さっそく木村店長(金子大地)の妻ゆい(中尾有伽)が週6で働く森田(三村和敬)のかばんをチェックし、とんでもない趣味が発覚…でも、ゆいは大目にみる。次に町の有力者の息子米原(前原瑞樹)のかばんをチェックしようとするが固辞され、やりとりが複雑化する。やがて人間関係が新展開をみせ…。

 



 

シニカルコント。

今回は幕間ムービーはなく、一話が長めで5分間の休憩をはさんだ構成だった。

やはりあてがきかと思うくらいナチュラルさがあり、芝居臭さがない。1年前より演技に磨きがかかっており、惚てってるズ全員から目が離せないくらい、クセ強で良かった。

 

中尾有伽の役柄がどれも同じようなキャラクターだったのが残念だった。とはいえ、一貫性があるとも見え、表現したいことだったと言われればそうとも思えなくもなく、演劇の解釈の難しさを感じた(リピートできないし)。

 

「希望の島」が一番馴染みが良く、毒も弱く笑いに転換しやすく面白かった。

「遠出」、「スローライフ」といくにつれ、重くなっていった感じだ。「遠出」では普段の会話の曖昧さ、無意味さが露呈された感じ。「スローライフ」に至ってはそのタイトル、皮肉かと思うくらい緩い生活から生まれる鬱憤、トゲが見えた。

どれも都会的ではなく田舎臭い印象で、それがなんともいい風味だった。

 

 

(観劇日 20250430)

 

東京 ユーロライブ 20250425〜0430 全9公演

 

 

 

 

 

第一回公演の幕間ムービーが公開されました。

 

 

 

 

 
惚てってるズによるオリジナル脚本演出で作品を観たいと思ってきたけど、変に色がつくよりは他から作品をもらってきたほうがいいような気もしてきた。三人とも演技力は素晴らしいから、どんなキャラクターでもこなせると思うし、そこで贅沢を言うなら、想像もしなかったキャラクターを演じて見せて欲しい。それを、繋ぎ合わせられる映像作品ではなく、生で一発勝負の舞台で観てみたい。