東京工科大学三上浩司のブログ -37ページ目

TGS2012向けのゲーム開発

今年のTGSに向けて開発しているゲームの進捗報告です.プロジェクト始動から約1年かかって,解散したチームや大幅に企画が変更したチームも多数あります.
でも本当に,いろいろ体験できるのはこれからの数か月ですよー.
各班へのコメントです.

Project W.A
Slingerという名前に決まったらしいが,すでにそのような名前のフリーのゲームがあるらしい・・・
イメージボードがあったり,ビジュアル素材の充実ぶりはだいぶ良いね.
早く最終的なクオリティの基準になるものが見たい.1ステージでもいいから完成に近いものが見たい.
最終的にツールをXNAからUDXに変更.このチームはVisual Artistが多いのもあるので,方向性があっているならその選択肢は間違いではないが,あくまで環境は環境であることを忘れないでほしい.
まあ,この班は早くからUDKの検討をしていたのであんまり心配をしていないけど・・・.

わがふり
彼の一振りにすべてをかけて・・・
すでにチームメンバーがこの演習の正規履修者の中にいなくなってしまったらしい.過去にもそんな状況で完成させたつわものがいなかったわけではないが,当時の作品の基準と現在の基準は別物.
はたして最後まで走り切れるか・・・

Project E.C.O
「クリーニングリーン」というお掃除アクションゲーム.
プレイヤーキャラのモデルはあるんだけど,イラストとかデザインはないの?ポスターやWebなどの販促物の時にポリゴン数の少ない,品質の低いキャラクタが出てくるとちょっと残念になる.
プログラムとしての整合性はとれているけど,ゲーム性を感じない.プレゼンだけの問題かな?
きちんとエフェクトやリアクションをきちんと加えないと,プレイしている感覚が得られない.
エフェクトは板ポリでも何でもいいから早い段階から示してほしい・・・.
二度拭きがなくなったらコンセプトがどこかへ行ってしまう.
ところでステージは草原でいいの?草原で拭き掃除って・・・

片柳発破隊
相変わらず爆発デモがいつもと一緒.
結局どんなゲームになるのか一向にわからない.スライドが一年前と一緒では・・・.
雑魚戦は本当に必要か考えよう!それに時間を費やすなら,現在の進捗だったらボス戦に特化したほうがいい.
現時点ではボスがボスらしくない・・・.何を目的としてあの形になっているのか.
全般的にモデルがパクリっぽい.残念,オリジナリティが感じられない.
デモのスピードが設定を考慮するとさすがにトロくてたるい.今の2から5倍ぐらいでちょうどいいぐらい.

巻物語
発想は面白かった.
フロアマップのまだまだ走り書きレベル.そんな進度で大丈夫か?巻物には漢字ではなく絵を巻き取る.(インターナショナル対応らしい)
漢字なら成り立つゲームデザインだったけど,それを絵で成り立たせようとなったらものすごく難しい.形態がそのまま感じになった漢字だけを対象にして,リテラルかつグラフィカルにできんもんかね?
デモで主人公のアクションがないとだいぶ滑稽に見えてしまう.巻アクションは大事なだけに早く実装したほうがいいと思う.

よりみちゅプロジェクト
FKからUDKに変更!
プロトタイプなどはFKで動き始めている.間に合うかなー,ちょっと心配.
特にUDKなどの開発環境崇拝に陥っていないか心配です.
ゲームエンジンを使えば開発のハードルは下がるけど,それは条件が整った場合のこと.

Project G.T
デモ動いているけど画面に対する自機のサイズが大きすぎ(特に横方向).
それでバランスとろうと思うと,スピードを下げなくてはならなくなる.よってだるいゲームになる.
しかし,プロジェクトがで怒れたところからここまで戻すのはすごい努力だと思います.
それに対しては率直に評価したいと思います.

タッグヒーローズ
一人のプレイヤーが2人のキャラクタを同時に扱ってプレイする.3Dアクションゲーム.
このチームは大分進捗頑張ったな.グラフィックも本番素材に近いものが上がってきている.
ベルトスクロールのアクションにしたことでプレイの仕方だだいぶシンプルになった.ただでさえ2体を同時に動かすのだからこの判断は英断といってもいいいかな?
でも結局2体をうまく操れていない.そこに醍醐味や戦略性がないと魅力は半減する.


「全体」
5月のオープンキャンパスで展示して遊んでもらえる状態になるかな?
今のところは,「G.T」,動いていて,ゲーム性が少しは感じられなくもないのは「W.A」,「E.C.O」,「発破隊」,「タッグヒーローズ」,一応動いているのは「巻物語」,「わがふり」というのが個人的な印象.

メディア専門演習(3年生)第一回目の発表

授業も2週目を迎え,第1回の企画というかアイデア発表です.
今年は4チーム(1チーム当たり6人から7人)で進めます.
下記に気になった部分についてコメントしておきます.


(1)ウェザードリィ
天気を操るアクションゲーム
対象を中高生以上といっているけど,アクションゲームに慣れている人というのであれば,この想定はおかしい.
もっと下でも大丈夫だし,あんまり上だと無理・・・
そもそも,中高生は13歳から18歳.それ以上となると範囲としては成立しない.

(2)甘味漬け
お菓子で戦う・・・どんなゲーム?.敵は誰?
昨日モチーフはともかくとして,2年生がおんなじゲームを作っていなかったっけ?
お菓子と主人公のサイズは?
(お菓子が大きければ装備だし,小さければ消費アイテムのレベル)
決まっていないことを「決まっていない」とはっきり言えるよさ!

(3)デストロイラッシュ
いろんな武器を選ぶシューティング?
この漫画の状態を作るならむしろ「パズル」要素があるほうがいいのでは?
自由度の高いというかどうやってもクリアできるのであれば最後のガッツポーズはないのでは?
むしろ死にゲーにしたほうがいいのではないか?

自分たちが好きなゲームに対して批評をしてその気に入らないところを改良しているだけで,
新しい面白さや革新がなくなるのは,よく陥るパターン.

(4)ポップアップブック
ミニゲーム集
リーダーいいね.はっきりした声で発表するというこういう姿勢は大事.
ミニゲーム集はだいたい失敗する・・・.単体の面白くないゲームはいくらたくさん集めても面白くはならない.作るハードルは低くても楽しませるハードルは異常に高い!

プロジェクト演習1年後期のプロジェクト報告

昨年の後期に開催した一年生向けのゲーム制作演習の発表会を開催しました.
秋学期の終了時点でも発表会はやりましたが,そこからどれぐらい伸ばすかというのがポイント.
学期終了時点の評価を受けてどれぐらい自分たちのプロジェクトを見つめて,改良できるかを見ています.

実は,秋学期進行中はすごく不安がありました.途中でチームが崩壊したりしたという報告をいろいろ聞きました.

そもそも,1年生に対して3か月で3Dのプログラミング教えて,オリジナルのゲームを作らすという発想そのものができなくて当たり前ぐらいの挑戦なので,未完成でもいいから完成のために試行錯誤することに価値を見出していました.
それでも,少し今後はやり方変えようかなーなんて考えていましたが,実際に作品見たら,そんな杞憂は吹っ飛んでしまいました.

やるじゃん!君たち!わくわくしてきたよ.

ということで,今年の1年生に対しても,必須の課題は少しレベルを下げてもオリジナルのゲームを考えさせることは継続しようと思った次第でした.

私らしくなくちょっと臆病になりましたが,学生はきちんと成長するもんですね.やっぱりハードルは高いまま用意しておこう!

来週ぐらいから本格稼働します

4月になってしまいましたね.
卒業生にあんまりメッセージを送ることもできなかったのですが,気が付けば新入生が入ってきててんやわんやの日々です.

来週になると授業が始まるので,ゲーム制作に興味を持つ学生がどんどん出てくると思います.
いろいろBlogの更新もつぶやきも増えると思いますのでよろしくお願いします.

4年生(一部M2生)に向けて・・・

いやー,いろいろ理由があるのだけど,気がつけば2月は丸々更新していなかった.

少し落ち着いたのでちょっと気になったことを書いてみようと思ったが・・・やめた.
代わりに,来年の学生に向けたメッセージとします.

(1)基本は学校に来る
 体調が悪いを言い訳にしないこと.「体調がいいから学校に行って研究する」ではなく,体調の良し悪し関係なく学校に来て,当たり前のように研究を始めること.社会人は当たり前のようにこれをやります.決まった時間に必ず動き始める習慣をつけるといいです.ただでさえ就職活動で変則的になるわけですから,それ以外のときは少し機械的でもいいです.
 それから,定期券は必ず買ってください.4年になると大学に行く日が減るから買わないなんて人もいますが,研究などで毎日来るのが基本です.定期を買わないと,「就職活動や友達との約束がある日で,なんとなく気分が乗らない日にわざわざ数時間だけ大学に行くためにわざわざおかねを払う」必要が出てきます.
分かります,こういう日は行きたくないですよね.だから初めからこういう日を作らないほうがいいんです.

(2)ダメだし上等,沢山Xをもらいなさい
 研究は,最後の研究成果が出てそれを論文に出して初めて完成です.ある意味そこまではずーと不完全であり,いろいろなダメ出しや突っ込みがあります.そしてそれが当たり前なんです.だから,最後の最後に○をもらうために,丸々一年使うと思ってください.途中を適当にごまかして○をもらっても,それは最後の関門はくぐれません.できていないところはできていないものとして表明すると,むしろいろいろなことが見えてきます.
 このあたりは就職活動も同じですね.何社落ちても最後に自分の満足する会社にめぐりあえればいいんです.ちゃんと準備をして臨むのは当然ですし,うまくいかなかったら反省も大事ですが,あきらめずにポジティブで行くことが大事です.

(3)スケジュール重視
 上記のことに関連しますが,人との約束や何かの締切には敏感になってください.特に論文のチェックや研究の相談などは,みなさんが思っている以上に時間がかかります.私一人で20人弱の学生の論文を見ようと思えば,一人1時間と計算しても20時間かかります.そして,何度となくチェックしないと完成にはいたりません.みなさん全員が,最終日のぎりぎりに論文を完成させてきたら・・・結果は明らかですよね.チェックなんぞできるはずがありません.
 チェックを受ける日をきめたらそこに向かって必要なチェックを受けれる「以上」のものを必ず出すことを心がけるといいです.大事なのはこの「以上」です.周りの人と合わせる必要はありません.先に進む人はどんどん進みましょう.実際にできる人はどんどん高いレベルに挑戦するようになって,研究結果が論文誌に掲載されるまでになる人もいます.

(4)主体性
 テーマ決めから研究の進め方,先行研究調査など,もちろんいろいろな指導をインタラクティブに進めます.しかし大事なのは,まず自分から動いてみることです.教員からの指導を「待つ」ことは誌を意味すると思ってください.
 どんどん前に出るポジティブな学生ほど,研究の機会や研究指導の機会が増える傾向にあります.指導するのは私だけではなく,スタッフや先輩の大学院生などもいるわけです.そうした人たちに途中段階のアウトプットを見せていくことが大事です.

(5)その他
 最後に重要なことは「健康」です.健康な肉体と精神を常に維持して,仲間に刺激を与えあったり,時には協力しあったりしながら進めてください.


また気が付いたら書きます.

そして,今はサンフランシスコにいて明け方の4時.眠くならないので書き始めたけど,少し眠気が来たので休むとします.