先日、友人に誘われてあるセミナーに参加しました。
葬られた「第二のマクガバン報告」
という長年ミリオンセラーになっている
アメリカの栄養学の権威、T. キャンベル博士著の
上中下三冊の本を和訳された、松田麻美子さんの
講演会です。松田先生自身もアメリカの大学で栄養科学を
学ばれた方です。
葬られた「第二のマクガバン報告」
というタイトルは和訳される際につけられたもので
原著のタイトルはThe China Study です。
マクガバン報告というのは、簡単に言いますと
1970年代あたりに作成された
アメリカの食生活指針のための研究・レポート
です。
1968年に、ジョージ・マクガバンという優秀な政治家が
「栄養と所要量に関する上院特別委員会」の議長に任命され
それから10年近くほど、当時の伝統的な食生活を長年守ってきた
中国をケーススタディにして、壮大なレベルの研究を行いました。
それをマクガバン委員会、マクガバン報告書、などといわれます。
第二のマクガバン報告というのは、その実際的な調査研究を担った
T.キャンベル博士の書いた「食習慣と健康に関する研究レポート」
のことを言います。
和訳のタイトル、葬られた「第二のマクガバン報告」とは
読んで字のごとくの意味を持ちます。
原著はThe China Studyですから、あえてこのように
タイトルを和訳された方の熱意を感じます。
ここで注意しなくてはいけないことは、
上にすでに書きましたが、現在と1970年代の中国の食生活は
全く異なるものであること。環境も全く異なること。
マクガバン氏は、伝統食生活を守る典型的で素晴らしいケーススタディとして
中国を選んだのです。
今私たちが受けるChinaの印象の誤解と語弊をさけるためにも
この和訳のタイトルは役に立っています。
内容は、動物性たんぱく質の過剰摂取が
ガンをはじめあらゆる生活習慣病を
起こす大きな原因になっている
ということを、数の多いサンプルと客観的な観察
緻密なデータによりなされています。
またここでも気をつけなくてはいけないことは
完全な動物性たんぱく質の無摂取をすすめているわけではないこと。
松田先生は、セミナーの中でも
全体の食事量の10％程度以下であれば
動物性たんぱく質の摂取はさほど
悪影響を与えない
と話されています。
プラントベース、ホールフーズベース
を推奨されているところは
基本マクロビオティックと共通していて、
つまり、大地で育った野菜と、丸ごとの穀物（全粒穀物）を
ベースにした食生活を行うことを大切にしています。
マクロビオティックとの違いを挙げれば、
調理の際の熱の使い方で
こちらはどちらかというと生の状態の食材の酵素や栄養分などを
壊さずに身体に取り入れようという考え方で
マクロビオティックは、ローフード（加熱していない生の状態）も良いけれども
それは身体を冷やしやすいことを心得ていく、という考え方です。
繰り返しますと、この葬られた第二のマクガバン報告の主軸は
動物性たんぱく質の過剰摂取が
生活習慣病の大きな原因の一つになっている
ということです。
歴史的背景、政治的背景の様々な影響と圧力を受けた、受けている
この本の緻密さ、レベルの高さには圧倒されます。
この上巻の一冊だけでも読まれるだけで
かなりの情報があります。
ぜひこれから始まるGWの連休にお時間を見つけて
読まれてはいかがでしょうか。
おすすめいたします。
良い火曜日をお過ごしください。
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