抗がん剤が効かなくなる5つの理由
◎抗がん剤が効かなくなる5つの理由
(20分)
■ はじめに
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前回、がんサバイバーの問題に興味とノウハウを持ってもらうためのeラーニングを制作中と書きました。
当方の担当するのは、がん治療終了後の「長期後遺症・晩期合併症」の項目です。
内容を研ぎ澄まして、スライドも用意し、eラーニング制作してくれる会社に全ての制作・台本資料を渡しました。
制作会社の役者さんがその台本を元に、出演者となって解説ナレーションを読み上げてくれることになっていました。
しかし資料だけだとなかなかニュアンスが伝わりにくいから、そのパート作成責任者がその思いを伝えるために、そのスライド台本をざっと動画解説して送ってくれないかという要請がありました。
なるほど、それもそうだなと思い、病院勤務のスキマ時間にさっと解説動画をスマホ収録して送ったわけです。
そしてそのまま忘れていました。
1ヶ月後、教材の試作品ができたので内容をチェックしたところ。
「あれ?、僕の動画解説がそのまま入っている部分がある」
「これは試作品であって、これに沿って役者さんが撮り直してくれるんですよね?」
「いや〜、さすがYouTuberさんだけあって、制作者の思いや、過不足のない言い回しとエモーショナルな展開で、役者側として何も手を加える必要がないと判断して、先生の動画をそのまま使う事にしました」
えっ?ちょっとまてー!!
あの動画は、病院のヨレヨレの検査服を着た冴えない格好で、取りあえずのやっつけ仕事で撮ったのであって、あれを本採用とはありえん!
と、抗議したのですが、却下されてそのまま採用されることになってしまった。
あのeラーニング教材は全国の医療者が視聴する予定で、日本がんサポーティブケア学会の正式教材にも採用するという方向になっています。
eラーニングの他のセクションとはずいぶん雰囲気が違った、「どこの馬の骨?」とも思われかねないアピアランスを拡散されることになるという痛恨の出来事。
動画の世界では、いつもきちんとした身なりで収録しないととんでもないことになるという教訓をかみしめた一件でした。
■ 本日の有用記事
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◎免疫チェックポイント阻害薬によるがん免疫療法はどう評価されているのか…医師・患者1000人調査
https://news.yahoo.co.jp/articles/d59d987b0e7f8bb279b19139bd7384118f32d733
ーーーーここから一部引用ーーーー
患者の認知向上のための課題を医師に聞いたところ、40%が「がん免疫療法と称する、エビデンスのない医療行為への厳格な措置が必要」と回答。
ICI(免疫チェックポイント阻害薬)投与で2割のがん患者さんは長生きできるようになった。
がんの免疫療法は、大規模な臨床試験などで治療効果や安全性が科学的に証明されていない、民間の治療法も存在する。このため、がんの治療法を検討する患者が困惑する可能性もある。
【当方のコメント】
ステージIVでも免疫チェックポイント阻害薬で2割ぐらいの方が長期生存できるようになったのは、確かに治療の進歩でしょう。
一方で、いまだに「免疫療法」という同じ言葉を使った詐欺がん治療が商売していることに注意すべきです。自費診療クリニックの免疫療法は全部詐欺だと思っても良いくらいです。
■ がんここ通信
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【がんここ・他科を受診する】
がんに人生を邪魔されないために今からできる備えシリーズ(全6回)
第4回は、『がん主治医への他科コンサルトの効果的な頼み方教えます』をテーマに、医療者3名を含む24名で開催しました。
ポイントは以下の通りです。
• がん治療においてなぜ他科コンサルトが重要か
• 主治医への多彩なアプローチ方法
• 注意すべきこと
• 患者が主人公のはずなのに、なぜここまで医者に気を遣わないといけないのか
「日頃から主治医とコミュニケーションをとって、信頼関係を築いておきましょう」と押川先生が話されました。
患者が行動することで、がんの人生において新たなチャンスが広がります。
がんここで、仲間と一緒に学びませんか?
【がんここ3周年記念】
8月はシーズン10の最終月です。
シーズン10(全6回/6~8月)のテーマと内容は以下です。
月会員はこちら↓過去のがんここレクチャー動画アーカイブを全て視聴可能です。
https://community.camp-fire.jp/projects/view/460455
【お申込み】https://gankoko10-4.peatix.com/view
…………
5、8/8(木)20:00~
『新概念・アクティブがん防災は限りある人生の先行投資』(30分/押川勝太郎)
・「がん防災」のコンセプトは非常に明快ながら、どうしても不足しているところがあった!
→それは受け身ではなく、主体性につながる「モチベーション付き」の学習と運動習慣
・元気なときから、がんという天災に先手を打つのが「アクティブがん防災」
・がんという人生の災厄に先制攻撃するには
→とにかく動機付けとついで戦略を駆使すべし
・がんという病気・治療の原理を知ることで、面倒どころか事前対策のモチベーションが上がる
・運動のすごさ!楽しんだらそれが運動になる
→探すコツ、教えます
・思わずがん防災活動をしたくなる戦略的な仕掛け、教えます
【お申込み】https://gankoko-5.peatix.com/view
…………
6、8/22(木)20:00~
『特別編・皆さんの疑問に押川がバシッと答えます!』
・フリーディスカッション
【お申込み】https://gankoko10-6.peatix.com/view
※がんここのすごいところ
- 2021年5月スタートでまる3年、75回以上開催
- がん種ごとの専門性以外の、がん治療人生共通の見逃されている問題点や活用すべきノウハウをがん専門家が直接指導
- がんの専門知識を一般の方にも理解でき、ご自身のがん治療に役立ててもらえるような、普通あり得ないような連続的ながん勉強会
- 押川以外のドクターが毎回2~4名参加してコメントしていただける(某がん種治療ガイドラインの先生も?、他に薬剤師、看護師も)
- 1か月参加のみでも可。その間に過去75本の深掘り動画も見放題
- 顔見せ無しの音声だけ、あるいは全くの隠密見学でも可
- ドクターは参加費無料なので個別に押川にご連絡ください
月会員はこちら↓過去のがんここレクチャー動画アーカイブを全て視聴可能です。
https://community.camp-fire.jp/projects/view/460455
■ お知らせ
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8月1日〜8月31日までメンバーシップレベル2、3入会キャンペーンを行っています。
2大特典(既存のレベル2、3メンバーも対象)
1、期間限定動画「がん経験者の長生きに必須生涯マイカルテの書き方・大幅拡張版」
(視聴可能期間は2024年8月の1ヶ月間)
2、秘密の特別ライブレクチャー8月29日(木)20時「がんの主治医を攻略する」
(本ライブは非公開とし、ライブアーカイブ動画は2日間で削除します)
◎がん防災チャンネルの3つのメンバーシップ
https://www.youtube.com/channel/UCVX2pB43fTkQVd3x_Ss5Jwg/join
<3つのレベル>
レベル1、がん防災チャンネル応援団(バッジ+名言集PDF) 月額190円
- 特典はバッジ、 チャットに使える絵文字、がん相談飲み会でのチャットへの優先対応、 押川名言集PDF提供、がん防災チャンネルメンバーシップ限定LINEオープンチャットへの招待
レベル2、もっとがんを学び隊 月額490円
追加特典として毎月2回、第2、4週目水曜日20:15
から2回/月のメンバーのみチャット投稿質問できる限定のライブ配信、通常動画コメントへ可能な限り優先的に返信、月2回のメンバー限定のがんの深掘り特別動画提供
6月提供予定の2つの特別動画は以下の二つを提供します。
・専門医は怪しい医療情報をどうやって見抜いているのか20240614
・がんの怪しい治療を実際にぶった切り20240628
レベル3、10人限定がん相談プレミアサポート組 月額12000円
こちらではさらにグループでのセカンドオピニオン、がん治療人生の個別指導限定ライブを第2、4週目水曜日21:15から10人1時間行います。
- 実はがん治療は標準治療が無効となったあとが、本当の勝負と知っていましたか?どんなに抗がん剤が効果あっても、無効となったあとのがん人生に無策だととても不幸になるからです。このレベル3ではそういった個別対応も可能です。
- スマホからStreamYardなどを使ったライブ参加(顔出し無し可)で直接押川に音声で質問できます。
- がんが何も分からない方、希望が持てない方、濃厚な励ましがほしい方向けです。チャットからの相談に対し、がん治療以外も含めて、押川がありとあらゆる手を尽くして助言と元気づけを行います。
- 少人数非公開なので、ご自身の診療情報提供書、画像報告書、病理診断書、学会論文を事前送付あるいはライブ中提示してもらったら、押川がそれを読み解き、易しく解説し、注意点や今後の方向性提案などを助言します。いわば現役腫瘍内科医を毎月合計2時間、しもべのように使い倒す権利を提供します。
- どうしても気になる個人的病状についてひと月だけ参加してじっくり質問するという使い方もあるでしょう。
※もちろん、メンバーシップに入らなくても今までのがん防災チャンネルファンの方へのサービスは従来通りです。
メンバーシップはこちらをどうぞ(YouTube公式システムなので、いつでも簡単に解約、重複なく再入会もできます)↓
https://www.youtube.com/channel/UCVX2pB43fTkQVd3x_Ss5Jwg/join
◎8月24日(土)13:30より「近畿大学病院がん相談支援センター ともに生きる会~公開セカンドオピニオン~」が、開催されます。
今回の講演では、患者代表として放送作家のたむらようこさんをお招きし、ご自身の体験お話しいただき、引き続き公開セカンドオピニオンでも患者さんの視点からご意見をいただく予定となっております。
今回は、婦人科がんがテーマとなっており、婦人科専門医に直に質問に回答してもらえるチャンスはそうそうないと思います。
当日のご視聴はこちらから
https://youtube.com/live/kBNKOo5DsG4
事前質問もどしどしお寄せください
ご質問はこちらから
https://forms.gle/JRz7Hj9M1tvEQM8i6
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◎消化器がん女性向けSNS「ピアリング・ブルー」
がんになって、がんが縮小すれば良いかというとそんなわけないのです。
がん周辺、特に人間関係の悩みはつきません。
でもそんなことは主治医には相談できないのが普通です。
となると、同じ立場の方々としゃべりたいと思いませんか?
顔出し無し、匿名で、家族や隣人にはいいにくいことで何でも遠慮なく相談できる、あるいは相談しているところをのぞき見できるピアリングブルーがお勧めです。
ぜひ一度のぞいてみてください。
医療監修している押川も時々コラムを書いていますよ。
↓こちらにたくさんの方々の日々の悩みや助言がたくさん積み重ねられています。
https://bleu.peer-ring.com/diaries
アプリiOS版
アプリAndroid版
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.peer_ring.bleu
閲覧は男性でもできますので、ぜひ手に入れてみてください。
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■ 匿名相談用LINEオープンチャットより
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◎浸潤性小葉がんSTAGE3A、来月で告知から12年になります。
がんセンターを卒業し、地元の総合病院に変わりはじめての採血で腫瘍マーカーが引っかかりました。
NCC-St-439 今回はじめて調べました。私は52歳、4.5以下が正常値とのこと、ca15-3は数値は言われてないですが正常値とのことです。
2ヶ月後に再度計測することになりましたが、不安で仕方ないのです。
オーバーした値は今まで計測したことはなかったので比較はできないです。
肺がん、大腸内視鏡検査、胃カメラ、子宮体がん頸癌、卵巣エコーはしていて異常なし。
一般血液検査も異常なしです
【当方のコメント】
術後再発チェックとして有用なのは消化器がんでのCEAですが、乳がんでは腫瘍マーカーが再発チェックに有効かどうかは、実はまだ確定していないです。確か今臨床試験をやっている最中ですが、検診などで腫瘍マーカーを測定すると正常値を超える人はごまんといます。
もちろん不安にさいなまれる人もたくさんいます。
でも本当にがんが見つかる人はごくわずかすぎて、腫瘍マーカーを当てにしているがん治療医はほとんどいません。
こちらをどうぞ↓
◎腫瘍マーカー不安な人向け動画シリーズ
https://youtube.com/playlist?list=PLyGMI6rINRd0Vb4M52cBeVmlHQzKuBVd5
腫瘍マーカーについてはものすごく誤解が多く、ノイローゼの方も珍しくありません。しかしこの動画シリーズでかなり精神的に楽になるはずです。
◎当事者は母ですが質問させてください。
乳がんHER2ステージ1で術前にEC療法とドセタキセル+ハーセプチンを使いました。
術前の治療が終わったところで薬剤性間質性肺炎になり入院中です。
ステロイドで改善に向かっています。
乳がんの担当医に「術後に予定していた薬は使わない」と言われました。
治療中に肺炎になった場合、使用している薬剤は使わないのが基本とわかっているのですが、
どの薬が原因で肺炎が起こったのか?
仮にドセタキセルが原因だった場合、ハーセプチンをやめる必要はあるのか?
仮にハーセプチンが原因だった場合、術後のハーセプチン(トラスツズマブ)をベースに作られたカドサイラやエンハーツすべて使えなくなるのではないか?
とハーセプチンの登場で劇的に改善したこの分野で殆どがハーセプチンをベースに作られていて、それが使えなくなることへの不安を感じています。
こういった場合術後治療はどのようになるのでしょうか?
ハーセプチンの後発品の薬が使えたら希望がわくのですが一般的には使う事を禁止されているでしょうか?
【当方のコメント】
術後補助化学療法は再発予防のためですが、やらなくても再発しない人はいるし、やっても再発する人もいます。術後の2〜3割再発リスクを下げるだけであり、それが全てではありません。
しかし、薬剤性肺炎はステロイドで運良く回復しても、次に同じ薬剤で起こった場合、同じように回復するとは限らず、命を落とす覚悟が必要となります。となると、再発するとも限らないのに命をかけるかと言う話になるので割が合わないわけです。
どの薬剤で起こったのかは主治医が推測するしかないのですが、これも確実ではありません。
ステージIという比較的再発する可能性が高くないときに命をかけてリチャレンジするかというとなかなかそんな気になれないと思うのですが。
◎腫瘍マーカーではないけど
KL-6の数値が上がっているから
と主治医に言われました
これが上がっていると言う事は
押川先生がよく言われる腫瘍マーカーの数値は当てにならないと言いわれますがこのKL-6の数値は
当てになるのでしょうか
主治医には身の回りの事を進めた方がいいでしょうと言われました
この数値が上がると
薬(抗がん剤)が効いてないとゆう事でもう終わりなのでしょうか
【当方のコメント】
KL-6は間質性肺炎の指標(マーカー)として有用ですが、その値によって病気の勢いを判断する事があります。しかしこれは個人において時系列の値を比較することによって悪化改善の波を見るだけで、ある値に達したらどうなるかを規定するものではありません。
時々肺がんで上昇することもあるので、そういう意味かも知れませんが、マーカーとしての評価で治療の可否が決まるものではありません。間質性肺炎の勢いが治まらないので一方的に悪化することもあり得るので覚悟が必要という意味なのかも知れません。もちろん本当のことはわからないものです。
◎いつもお世話になっております。オランザピンについてご質問させていただきたく、よろしくお願い致します。
オランザピンは統合失調症の方に処方される抗精神薬だと思っておりましたが、がん患者には抗がん剤副作用などの制吐剤として処方されると知りました。
同じ薬がなぜ異なる作用で働くのでしょうか。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご教示いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。
【当方のコメント】
オランザピンは多数の神経物質受容体に対する作用を介して統合失調症の症状を緩和しますが、いくつかの神経物質受容体は嘔吐症状にも関わっています。
一見全く違う病気のようでも、薬剤の共通の治療ターゲットとなるからです。
◎映画監督の叶井さんが膵臓癌が発覚した時、もし抗がん剤治療をして手術した場合、抗がん剤治療を受けるとなると長期入院で寝たきり生活になると言ってました?長くて半年近く入院と言ってましたが、何故そこまで長く入院する可能性があったのでしょうか?
【当方のコメント】
胆膵系のがんでは胆管狭窄から閉塞性黄疸→感染による胆管炎を起こすことが多く、手術で根治できなくても胆管狭窄をなんとかしないと黄疸と胆管炎がコントロールできず、抗がん剤治療や食事摂取ができなくなります。報道によるとその辺のトラブル解決に時間がかかったようですね。
◎トラベクテジンとイリノテカンの併用療法で懸念される点をご教示希望です
補足情報
・DSRCT(線維形成性小細胞腫瘍)、腹膜原発で骨と肺とリンパに遠隔転移あり
・33歳 男性
・最大腫瘍5cm、腹膜播種あり
・副作用による心不全治療中
・薬歴:パクリ/カルボ、オプジーボ、ヴォトリエント、ドキソルビシン、ハラヴェン
【当方のコメント】
トラベクテジンとイリノテカンの両方とも細胞障害性抗がん剤で骨髄抑制の副作用がかぶっています。よって好中球減少による感染症に注意が必要でしょう。そういう意味では悪心・吐き気も同じです。
◎75歳男性 脳梗塞、B型肝炎肝硬変あり、30代で胃潰瘍手術
2024食道ガン診断ステージ1
T1AとT1Bのあいだ
で相談です
1、内視鏡切除
2、放射線を視野に
両方するかどちらかにするか迷っています。
アドバイス宜しくお願いします(よろしく)
【当方のコメント】
どちらも臨床試験で効果が確認されています。
しかし食道がんの深達度診断は超音波内視鏡検査でも8割ぐらいの正診率なので、内視鏡治療してからその病理診断で正確な深達度診断がでてから追加化学放射線療法を行う方法もあります。
脳梗塞の既往があるので抗がん剤併用が難しいかもしれませんが。
◎こんにちは。押川先生が動画で否定された和田 洋巳「がん劇的寛解 アルカリ化食でがんを抑える」 (角川新書)が、自身経営のクリニックでラドンを発生させるマットを50万円(阪大から売り付けられた一千万円から値下げ)で患者に説明する動画が本日アップされました。
どう解釈すればいいのでしょうか?また、やはりがん患者はラドン温泉へ通った方が良いでしょうか?返答をお待ちしています。
https://youtu.be/FHqwO4m6wBA?si=TNv7vdtlmgUuixLE
【当方のコメント】
ラドン温泉もラドンを発生させるマットも、がんに対しては全く効果ありません。
少なくとも治療ガイドラインには載っていないし、日本のがん患者の大多数の治療を担っているがん治療医は誰も効果あると思っていません。いわゆる詐欺治療ですね。効くと言ったら法律違反で捕まるレベルです。
◎こんにちは。質問させてください。
53歳女性、子宮頸がん初発後14年目の再発、今は積極的治療はしていません。
TC療法4回後、腫瘍は画像では不明瞭になったものの、3〜4カ月後に再び大きくなった腫瘍による腸閉塞でストーマ造設手術をしました。
その少し前から体力がガタ落ちし、サルコペニアの診断が下りました。
食欲はかなりあるのにまったく太れず、ウォーキングしてもすぐに息切れ、階段も1階分が限界です。
そこそこ動いているのになぜ太れずサルコペニアも治らないのか教えていただければ幸いです。
【当方のコメント】
健常人の方でも40歳以降、年1%の割合で全身筋肉量が減っていくことが分かっており、質問者の長い治療歴から、見た目はともかく、内部の筋肉量、心肺機能はかなり低下していることを示しているのでしょう。
今までは若さのボーナスがあったので多少動かなくても基礎体力があったのでしょうが、がんもがん治療も老化現象を加速させるので、サルコペニアとなったと思われます。
ウオーキングやジョギングは、有酸素運動で心肺機能回復としては良いのですが、レジスタンス運動という筋トレがないと、栄養も筋肉生成に使われないまま脂肪になってしまいます。スポーツジムで個人トレーナーを着けた方が良いかもしれません。
◎こんにちは。いつも勉強させていただきありがとうございます。
ひとつ質問させてください。オプジーボで治療を受けた患者さんの5年、10年経過の様子はどうでしょうか?
57歳女性、肺腺癌で仙骨に転移あり、分子標的薬における遺伝子はすべて陰性、2年前に肺の病変は切除済み。
オペ後からオプジーボの点滴を受け、この3月で丸2年となります。主治医から転移や増悪の兆候も見られないので、オプジーボを終了しましょうとのお話がありました。わたし自身は主治医のご判断に異論はなく、大変感謝して過ごしております。
ただ、ググってもオプジーボの長期の情報が見当たらず、そこが気になっております。
先生のご経験からの感触でも、ご教示いただけましたら幸いです。よろしくお願い致します。
【当方のコメント】
免疫チェックポイント阻害薬はどのくらい長期に渡って投与していいかは、今現在臨床試験などや研究報告で議論真っ最中ですから正確には分かっていません。最近の学会でもたくさんの報告が出てきていますからいずれレポートしたいと思います。
◎ 2020年に右乳がんで乳房部分切除術を受け、TC4クール、放射線治療を25回受けました。2023年10月に胸椎へ1ヵ所の転移が発覚し現在はイブランス+リュープリン、ランマークを行っています。
転移発覚後ショックのため食事量が減り、数日で体重が2キロ減りました。その後は食欲も戻ったのですが、徐々に体重は減り続け現在転移発覚前の体重より5キロ減った状況です。減り始めた頃は、タモキシフェンをやめたことでむくみがなくなったので、それで減っているのかと思ったのですが、そこからもまた減ったため少し不安になっています。主治医に相談したところ、ガンにより体重が減るような状況ではないはずだが、と首をかしげておられました。
この場合何が考えられるでしょうか?
【当方のコメント】
診察している医師よりずっと少ない情報では推測しても外れると思います。
たとえばがん発覚後のショックで動く機会が減って、見た目はともかく必要のない筋肉が萎縮する場合、怖がらせる意図はありませんが、他の病気の合併はあるかも知れません。体重減少も症状なので、内科受診してみてはどうでしょう。
◎こちらの記事でニーナヒデヒコ氏の治療経緯の表に「免疫療法 開始」とありますが、確かマイクロサテライト不安定性(MIS-High)でキイトルーダが使えた方だと記憶しています。
キイトルーダは記事にある免疫療法ではなく、免疫チェックポイント阻害薬で標準治療の抗がん剤です。免疫療法と記載された事で、偽医療である免疫療法に騙される患者が増加すると危惧し、押川先生に動画を作って頂きたいと願いました。長文失礼致しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/614542492caabf6b283ecc2432406625324073e8?page=2
【当方のコメント】
確かに免疫療法の区別が付きにくい状況があるので、動画作成は考えてみます。
◎今晩は、尿上皮がンになりました。増大しました。2ク~ルしましたが、きくませんでした。3が月20日から3月22日迄キイドル~に変更になります。副作用がふわんです。よろしくおねがいいたします。
【当方のコメント】
患者さんが不安を持っているのは、医療者に言わないと気付かれないので、まずは不安に思っている点を個条書きにして、主治医に説明してほしいと要望してみてください。
◎男(18)ですが、ここ1ヶ月右乳のしこりが痛いです。叔母が乳がんだったから怖いです。
がんの可能性はありますか?
【当方のコメント】
性別、年齢からは可能性はかなり低いとは思いますが、病院受診しないと決着しないと思います。
◎55歳子宮頚がんリンパ節転移し、TC➕bev➕キートルーダでPET上は消えましたが、膵炎になった為5クールで中断。維持療法も出来なくなりました。もう少量からでも免疫チェックポイント阻害薬などは使えないのでしょうか?
また、再再発するまで体力つけて体重増やす以外に何をすれば良いでしょうか?
【当方のコメント】
免疫チェックポイント阻害薬の再投与はできない事はないでしょうが、命がけとなります。
栄養状態改善と体力をつけるのはもちろん重要ですが、人生は時間そのものなので、どう楽しみ、有意義に過ごすかを探求しないと治療した甲斐がないと思います。そのためにはがんサバイバーでも普通の人でも良いのですが、社会的交流を広げて、たくさんのヒントをもらってください。
◎虫垂ガンで腹膜播種(取り残しあり)、肝臓と腎臓に転移ガンがあります。
今は抗がん剤が大変きいて、腫瘍マーカーも基準値になる感じです。
しかし、人生そううまくいかないもので、しゅようまーかーが上がりはじめました。いままでの抗がん剤は、ペクテヴィックスと、かんぷとです。
するとしたら次はなんの抗がん剤が効くでしょうか。よろしくおねがいします。
【当方のコメント】腫瘍マーカー上がってても治療変更になるとは限りません。腫瘍マーカーが1年間上がり続けていても治療変更しない人はざらにいます。画像あるいは症状悪化があって、治療法変更するとしたら今まで使ったことのない抗がん剤を使う事になるでしょう。大腸がんに準じることが多いので、オキサリプラチン、ロンサーフ+アバスチンなどだと思います。
◎【経過】
父(70)が乳頭部胆管癌のステージII→術後ステージIII
1/10 膵頭十二指腸切除(リンパ節2/21の転移あり)
2/20 退院
3/1 TS-1・1クール目開始
術後合併症なく、CRPの下りが悪く退院が2週間は伸びました。D rいわく膵臓が元気すぎたらしい?
【検査結果】
術前画像検査では転移なく今も見られない
CA19-9 50台→15
CEA 2で変化なし
【質問】
・胃の幽門部、胆嚢、膵頭部がなくなったことで消化にどのような変化が起こっているのか
・上記の変化によって食生活をどう変えていけばいいか(脂質の調整方法など)
・抗がん剤飲み始めて、腹部膨満感が強くガスだまりのよう。今日一緒に出掛けたら良くガスが出た。ガスを出すためのアプローチ方法
質問攻めになってしまって申し訳ないです。
専門書を読んでも分からず相談させていただきました。御指南いただけると嬉しいです。
【当方のコメント】
個人差がありますが、ダンピング症状、栄養吸収障害、脂質摂取による下痢などでしょう。
脂質の調整は食事日記をつけて、どんな料理、どの程度の脂質でどれほどの症状が出るか、大丈夫だったかを記録し、主治医に相談しながら食事形態をアップしていけば良いでしょう。
ガスがたまって腹部膨満がある場合、ウオーキングなどの運動、モサプリド(ガスモチン)、メトクロプラミドなどを試させてくれと主治医に手紙で提案してはどうでしょう
◎はじめまして
先生のYouTubeを三年前から拝見させていただいています
21年12月に71歳の主人がs字結腸癌ステージ4と診断されました(肝転移)
3月から標準治療、抗がん剤を始めました
4月末に腸閉塞になり、人口肛門に。
2年間、3回程抗がん剤を変えながら、治療してきましたが、肝臓に転移している癌の1つが3cmまで大きくなってきて、やれる抗がん剤がなくなってきたらしく、10月からはロンサーフを始めました。
このままでは、余命1年程と言われ、ラジオ波など何か出来る事はないかと
セカンドオピニオンを
2月24日にオンラインで受けました
ラジオ波は無理だけど
CTを撮り、肝臓意外に転移がなければ、肝動注化学療法が出来ると言われました
コロナにかかり、まだCTは撮れていませんが
転移無ければ、治療しても良いのでしょうか?
現在74歳、体重68キロです
3cm1つとパラパラ7、8こ転移している状態です
治るとは思っていませんが
癌の総量をコントロールして、肝臓の機能を少しでも延ばせれば、、と思っています
このまま静かに、過ごすのか?
治療に挑戦するのか?
悩んでいます
CT次第ですが、
どうしたら良いのでしょうか?
【当方のコメント】
手術で取り切れない大腸がん肝転移に対する肝動注療法は当方も時々やります。しかしそれは肝転移以外の遠隔転移がんのコントロールが付いているという前提条件があります。
肝転移の局所コントールが付いても肝外転移が問題で生存期間が延長できないことが、肝動注療法が腫瘤になれない理由です。
肝動注による治療負荷で体力低下や肝外転移巣への治療が後退するリスクも天秤にかける必要があります
◎夫が肺せん癌ステージⅣとなり、治療をすすめて参りましたが、昨年10月に癌性髄膜炎と診断され、今月1日より在宅での緩和ケアたなりました。
主治医からは(在宅なので、今までの担当医から新しい先生に代わりました)
今後食事がとれなくなった時、点滴をしても栄養は無いので、胸水や腹水がたまったり、足が浮腫んだりして苦しむことが増えると言われたのですが、点滴することは苦しみを選んで少しの延命をするということなのでしょうか。
夫には出来るだけ辛くない様にと思っています。
【当方のコメント】
点滴での栄養補給はわずかのカロリーであり、余計な水分負荷で胸水腹水増えると、呼吸困難、痰の増大、腹部膨満感が増強して苦痛が増のでやり過ぎない方が良いです。
むしろ脱水気味にしても、その分胸水腹水中の水分が血管内に戻って、極端な脱水にはなりにくいものです。
◎50万とか100万近くする電位治療器もがんを治す効果ないんですよね
それを使わなくても治ったのを、たまたま併用した電位治療器が治したと思ってしまうということでいいですか
【当方のコメント】
治療効果あれば、各種治療ガイドラインに記載があるはずです。
ないのにがんに効果があると公言するのは薬機法違反となります。
消費者庁などに確認していいかと業者に質問してみてください。
以下の動画は非標準治療で治ったという体験談のカラクリを説明しています。
・食事療法でがんが消えたのは本当か?・YT質問回答編#1
・厚生労働省委託事業
医業等に係るウェブサイトの監視体制強化事業
医療機関ネットパトロール
http://iryoukoukoku-patroll.com
◎胃癌知人のことですが、
術後早い段階で肝転移が数個あり、
その後抗がん剤治療をして来ました。
飲み薬と点滴をやって来ました。
ワンクールやって一週間休み
それで次のクールです。
薬は何を使ってるか聞いてないのでわかりませんが
多分オキサリプラチンとTS1の可能性があると思います。
この間の造影剤CTで腫瘍がかなり小さくなり改善されていたようです。
抗がん剤の効果があったみたいです。で、次回から薬を変えると言われたらしいですが、この場合は、
以前よりゆるい薬になるという事ですか?
その後改善の見込みもあるという事でしょうか?
因みにその人の病期はステージ3の中くらいです
【当方のコメント】
肝転移があるということはステージIV相当であり、根治は困難でしょう。抗がん剤が効果があっても、体力を削りますから、体力温存のために治療負荷を一時的に緩めることはあります。この辺はマラソンと同じです。
◎こちらに相応しいかどうか?迷いましたがシェア。順番として、まずはミミポポさんが根治?をしてから、学会などで発表がなされてからではないでしょうか?
インフルエンサーだけに危惧します。これまで多くの乳がん治療医が積み上げてきたものはどうなるのでしょう? 根治?は素晴らしいですが。。是非、押川先生に動画を作成頂きたいです。
失礼致しました。
【当方のコメント】
個人差を考えると、ミミポポさんの治療経験が嘘というわけではないでしょうが、個人経験と患者集団としての治療奏効確率を混同しないような、警鐘動画はありかもしれませんね。
◎脂肪肉腫です。
抗がん剤も一通りしましたが効かず、手術も適応不可です。
トモセラピーで放射線治療を行う予定ですが
ラジオ波焼灼術も適応と知り気になっております。
押川先生はサルコーマのラジオ波焼灼治療について効果は得られると思いますか??
【当方のコメント】
もちろんラジオ波も効果あることはあるでしょうが、外科手術よりも焼き残しや断端再発の危険性は高いでしょうから、手術ほどの危険性がなく、それなりに生存期間延長効果が見込める場合はありえるでしょう。
◎家族が腺様嚢胞癌の耳下腺癌です。
希少癌で更に希少ときて、治療法は手術と言われ昨年末受けました。
今は僅かに浸潤さした箇所があった為、念の為予防で放射線治療1/3過ぎました。
進行はゆっくりで再発と肺の遠隔転移確率が高いと言われています。
同じ様な方で、10年過ぎました。という方はどれくらい居られるか気になっています。
また何かアドバイスあったら、よろしくお願いします。
【当方のコメント】
気付いておられないやれることはたくさんありますが(そのためにYouTubeがん防災チャンネルがあります)、まずは同じがん種の患者会や治療経験者と交流を図って、助言を受けてみてください。
◎お久し振りです。アビゲイルです。よろしくお願いします
22年7月腹膜がんステージ4bと診断されTC療法、子宮や大網などの除去手術後2ヶ月で再発、リンパを取る手術、TC療法を経てゼジューラ服用になりましたがひと月足らずで再再発し現在、再再発部に放射線療法を施しています
抗がん剤は効いてマーカーは下がるのですが、治療後すぐに上がり再発します
ゼジューラには期待していたのですが、こんな結果になりこの先どうなるのかと不安と恐怖で一杯です
まだ使える薬、治療法はありますか
【当方のコメント】
ドキシル、ゲムシタビンにアバスチンを併用する治療法などがあります。
◎はじめての投稿です。よろしくお願い致します。
食道胃接合部がんステージⅢ 亜全摘手術後、脳転移が認められました。
放射線治療と抗がん剤(SOX+ハーセプチン)で、3年程無増状態でしたが、残念ながら脳転移の再発が認めら、再度放射線治療しました。
抗がん剤は、2ndLine適用(パクリタキセル
+ラムシルマブ)となるところ、「放射線治療の結果を見てから判断したい」と、私の意見をご理解頂き、1stLine継続して頂きました。
(放射線治療の効果が前提になりますが)
相対効果が高い1stLineが、少しでも奏効?しているのであれば、継続したいのです。
私の考えは、不意打ちのリスクが高まってしまう危険な願望でしょうか?
信頼寄せる主治医のお考えは、勿論尊重して受け入れます。
押川先生のお考えを、是非伺いたいです。
【当方のコメント】
脳転移がコントロールできているのなら、他の微小転移がんに効果のある一次治療を継続するのはありですし、主治医もそう考えているのかも知れません。しかし胃がんの標準治療もいろいろありますが、体力低下やがんの不意打ちで全部を使い切れない患者さんもたくさんいます(約4割)ので、その事も念頭に状況悪化傾向が見られたら、すぐに二次治療へ移行するべきかどうかを検討してもらった方が良いでしょう。二次治療が効果あるとは限らず、3次治療へ移行する余裕を残しておくという考え方も大事だからです。
◎頭頸部癌手術後半年で頚部リンパ転移再発し、頚部リンパ郭清Ⅰ〜Ⅲ領域しました。頚部リンパ郭清後、3ヶ月経過した今、後頸リンパにしこりを発見しました。
やはり、癌が再発する度に生存率は下がるものですか?再発時より再再発で下がりますか?
【当方のコメント】
残念ながらがんでは再発を繰り返すほど生存率は下がっていくものです。一方で生き延びるチャンスがある人がいるもの事実です。
◎あの非常に申し訳ないですが、彼ら(注:膵がんのサニージャーニーチャンネルさん)のことは、正直私個人的に信用できません。あまり動画で触れて欲しくないのが正直な気持ちです。
彼らの治療情報などは、全く参考にならないし、動画も遊びに行ってるか、特に印象悪いのは爆食です。治療している人の多くは食べられない、栄養をなかなか上手く取り入れられないと悩んでいる人も多いですし、現に私も過去、コロナの後遺症で食欲不振にかなり悩まされました。
膵臓癌ステージ4を表に出さずに爆食するのなら、とくに問題はないのですが、病気を表に出した以上、同じように治療している人達が多くその動画を観るということを前提に動画作りをして欲しいと思います。動画クリエイターにしてもこれは、サービス業と同じで
視聴者🟰お客様あっての位置付けなんですね。
ですから、こういうお涙頂戴のパフォーマンス本を出されても、全く買う気にもならないし、
本音を言うと、押川先生がこの本を推し進めるような動画を挙げていることが、なんとなくショックですね。
サムネを見てですね。楽しむ方法と書いてありますから、前向きな動画を想像しますしね。
【当方のコメント】
膵がんは厳しい治療経過で皆大変な思いをしているという印象が世間一般にありますが、一部例外の人達もいますよ。
例えば膵がん患者と家族の集いでは、膵がんでも長期生存、食事に苦労していない人もたくさんいます。ただYouTube動画でその事を世間に発信している人がほとんどいないから知られていないだけです。
こちらのリンクを参考にしてください。
膵臓がん患者と家族の集い
https://www.tsudoi-cancer.com/Home
また「楽しむ方法」とは、膵がんにかかっても治療だけが人生ではなく、がんにじゃまされない人生を送るためのヒントがたくさん書かれているので、そういう視点で読むとシリアスすぎる気分になりがちな闘病記とは違うことに気がつくでしょうという意味で書いています。
治るか治らないかではなく、どれだけ「がんとがん治療に人生の時間と楽しみを奪われないようにするか」という考え方が最先端のがん治療の考え方です。
◎オープンチャット「がんサバイバーの為の専門職によるサバイバル術(よろず相談室はこちらです)」での質問
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