これは、本当にアメリカの大学に学部入学をするべきなのかを考えてもらうための記事です。

 

 

まず、進学方法として以下の候補がありますね(渡米を遅らせる順に書いています)。

  • アメリカの大学に正規入学
  • 日本の大学に入学、アメリカの大学に短期留学
  • 日本の大学に入学、アメリカの院に正規入学
  • 日本の大学に入学、日本の院で修士を取得、アメリカの院に正規入学
  • 日本の大学に入学、日本の院に入学、アメリカの院に短期留学
  • 日本の大学に入学、日本の院で博士を習得、アメリカでポスドク
私の感覚で利点・欠点をまとめてみました。
 
 
 
ポイント:
  • アメリカの学部の学費はとてつもなく高い
  • アメリカの学部は早く卒業できる(3年など)
  • アメリカの学部は日本の学部と比べて非常に勉強量が多い
  • アメリカは学部卒業後にすぐ就職できる
  • アメリカの院は優秀であれば給料をもらえる
  • 日本の院はブラック(給料なし、居残りさせられる)
  • アメリカの院はいつ入学しても基本5年制
  • ちょっとだけアメリカに行きたいだけなら短期留学がおすすめ
 
 
例えば、私はアメリカで研究をしたかったので日本の院に行く選択肢はありませんでした。また、アメリカの院入試では研究や推薦書がとても評価されるのですが、日本の大学の環境は卒論こそあれ研究とは言えないレベルだろうし、教授とは推薦書を書いてくれるほど仲良くなれないだろうし、そもそも日本人は人を褒めること(と英語)が比較的苦手なのでいい推薦書を期待できないと思い、日本の大学には行かない方がいいと思いました。
 
このような感じで、ちゃんとした意図を持って学部入試を受けることをおすすめします。
 
 
 
なお、東大とMIT両方に通ったことのある私が得た印象では、
  • 日本の大学生は勉強熱心な人が少ない(サークル、バイトなど)→普通に大学に通っているだけでも勉強への意欲が削がれる
  • アメリカの大学はそもそも課題量が多いので遊ぶ時間は自分で作らないといけない
たった半年東大にいただけの私でも、サークルはとても楽しく課題は少なかったので、東大に残っていたらそこまで自分で勉強しなかったのではないかと思います。
大学に入って周りが遊んでいても、意思を強く持って自分で勉強にはかどれるのであれば、日本の大学に進学してアメリカで院に行くことを狙ってもいいと思います。
また、勉強が好きでないのであれば、アメリカの大学はどんなレベルであってもおすすめしません。
 

こんにちは。

 

アメリカの大学に通っている私ですが、様々な人から学部入試への対策方法について聞かれることが多いので、ここに記事をまとめることにしました。

各項目に対して個別に記事を書く予定です。

(最近とても忙しいので、5月末までにすべての項目に関しての記事を書き終える予定です。)

 

 

最初に、

を読んでください。

本当に学部でアメリカの大学に行くべきなのか、短期留学でもいいのか、院でアメリカに行く方がいいのかを自分で定める事が重要です。

 

 

次に、学部の受験方法として、アメリカの大学を受験する際、

が考慮されます。各記事に内容・対策方法を書く予定です。

 

 

 

また、学部受験には二種類の入試があります。

  • Early action vs. regular action

その中でも

と分かれています。このあたりは受験戦略としてとても重要です。

 

 

 

更に、アメリカの大学選びについての記事も書く予定です。

  • Need-based vs. non-need based
  • Need-blind vs. need-sensitive
  • Liberal arts college vs. university

金銭事情などが関わってきます。

 

 

 

最後に、詳細は自分で調べること

故意に嘘を書くつもりはありませんが、私が受験したときと比べて制度が変わっている場合もざらにある(例えばSAT)ので、必ず個々の大学のサイトに訪れて最新の情報を手に入れてください。

こんにちは。

今日は今学期 Junior springの様子 を説明します。

この前 Junior fall について投稿したので、このまま更新頻度を上げていければと思います。

 

 

まず、今のところ私は6つ授業をとっています。

今までのマックスが6なので、まあまあきついスケジュールです。

 

 

 

 

8.06 Quantum Mechanics III 量子力学III (CI-M)

 

理論物理をやるならまあ必須でしょうといった感じの、量子力学の授業です。

CI-Mなので、ペーパーを数枚書かなくてはいけません。

現在の内容的には、そこまで難しくないです。

この科目は数学のCI-Mとしてもカウントされるので、いい成績を取りたいと思っています。

 

 

5.03 Inorganic Chemistry 無機化学

 

まさかの、Chemistry returnsです。

化学の副専攻に必要なので取っています。

また、後述の18.702にも多かれ少なかれ関連してるらしいので、そこら辺を探る意図もあります。

今のところの感想は、「マジで意味がわからない」です。

数学に浸かりすぎてしまった私には、数式などで定式化できない定性的な理論、それも「このエネルギー値はあのエネルギー値と近いから〜」といった、本当に「結局覚えるしかない」理論がとてもつらいです。

周りの友達にすがりついて乗り切ろうと思っています。

 

 

18.702 Algebra II 代数II

 

純粋数学の専攻の必修科目です。

愛しのMichael Artinが教えています。

内容は表現論、環体、ガロア理論などらしいです。

今のところそこまで苦労してないので先が楽しみです。

 

 

 

18.952 Theory of Differential Forms 微分形式

 

前学期に取ったVictor Gulleminが教えている、18.101の次の授業です。

内容的にはAnalysis and Manifolds by Munkresの後半の内容だと思います。

今のところこれもそこまで苦労していないので楽しみです。

 

 

以下の2科目はHASSと呼ばれる文系科目です。

 

 

11.125 Introduction to Education: Understanding and Evaluating Education 

教育入門:教育の評価について (CI-H)

 

必修にCI-Hが必要なので、特に興味のある教育の分野で授業を取ることにしました。

この授業は主に「どう評価するか(Assessment)」を考える授業です。

この授業では、現地の中学校や高校をトータル20時間ほど訪れて授業観察をしなくてはいけないので、結構大変そうです。

 

 

11.127 Computer Games and Simulations for Education and Exploration ゲームと教育

 

これもまた教育関連の授業です。

ゲームを使った教育について、実際にゲームを作って考える授業です。

私はディジタルゲームを作ったことがないのでチームの足を引っ張りそうで心配です。

また、チームに白人で金髪で目の青い男子がいるんですが、とても怖いですね。オロオロします。

 

 

 

 

さて、前回の夏休みのまとめに続いてJunior Fallのまとめをしたいと思います。

そもそも何の授業を取るかも載せていないので、授業の内容と感想を綴りたいと思います。

 

 

まず、今学期全体のまとめとして、数学に力を入れた学期でした。

特に、CI-M (Communication Intensive)という、コミュニケーション能力に力を入れる授業があったので、数学で議論などしたことのない私にとっては何もかもが新鮮でした。

 

また、キャップがあった1年の秋学期を除いて、一番科目数の少ない学期でもありました。

しかし、体感的にはいつも通りに厳しかったです。

結果的には初めてオールAをもらえたので、良かったと思っています。

 

 

 

では、授業紹介と感想に移ります。

 

 

18.101 Analysis and Manifolds 解析と多様体
 

純粋数学科が2、3年生に取るだろう授業です。

内容は、実数解析にもっと踏み込んだ感じです。

友達が一緒に取ろうと言ってきたので取ることにしました(このパターン多い気がする)。

先生がとても有名な方で、80代くらいで今に倒れるんじゃないかと心配でした。

この授業でやっと数学の議論の仕方が身についてきたと思います。

 

 

 

 

18.994 (CI-M) Geometry Seminar 幾何学セミナー

 

今学期一番時間をかけた授業で、セミナー形式の幾何学の授業です。

受講者は私を含め5人で、1人1時間の授業を5人で回していく感じでした。

なので、2週間に1回くらいはみんなの前で授業をしなくてはいけません。

黒板の使い方から授業の進め方、また授業中に飛んでくる質問への対応など、とても気配りが必要な授業でした。

 

また、講義に加え、10−12ページほどのsurvey paperを学期末までに書き上げなくてはなりませんでした。

Survey paperとは、自分で選んだ話題について、クラスメイトにもわかるように定義や定理を説明するペーパーです。

私が選んだトピックは物理にとても関連している分野の内容で、数学としても面白い分野でしたが、なんせ客観的にも本家の論文のレベルが高かったのに加え(参考に、Atiyah&Bottが出した論文です)、私自身の数学のレベルがとても低いので(18.101はこの授業を取るために並行して取った感じです)、内容を理解して書き起こすのにとても苦労しました。

ただ、数学のペーパーの書き方や言葉の使い方など学べたので、とてもいい経験だと思っています。

 

 


8.231 Physics of Solids 固体物理

物性物理に興味がある人が取る3、4年生用の授業です。

先生が課題に優しい方なので、そこまで難しくありませんでした。

成績も、私がトップだったと思っています。

ただ、最新の内容を組み込みたかったのか知りませんが、途中から理解しづらい内容に入っていって、苦労しました。

学期末には自分が決めた内容でペーパーを書けという課題があったので、私は理論よりのペーパーを書きました。

とても楽しかったです。

 

 


8.324 Relativistic quantum field theory II 場の量子論II (院)

 

18.994と並んで私が今学期苦しんだ科目です。

2年の春に受講した8.323 場の量子論I の続きで院生用の授業です。

ただ、先生が変わり、途中まではついていけたのですが、後半になって先生の分野「超対称性」の話になって、全くわからなくなりました。

宿題の問題も、参考文献さえ見つからないほどにマニアックなもので、とてもつらかったです。

ああいうのはやめてほしいですね。特に授業ノートを手書きで書くなら。

周りがみんな年上でインド人ばっかりで圧倒されました。

場の量子論IIIもあるみたいですが、絶対に取らないと誓いました。

 

 

 

6.0002 Introduction to Computational Thinking and Data Science CS入門

CS志望の1、2年生が最初に取るような入門の授業です。

今まで時間がなくて取るに取れなかったので、今回取ることにしました。

コードを書くのが好きなので、楽しかったです。

 

 

 

 

こんな感じで、とてもタフな一学期を過ごしました。

ただ、試験のないように授業を選んだので、誰よりも早く帰国できたのはとても良かったです。

来学期はあまり難しい授業を取らない予定なので(必修を取らなくてはいけないので)、もうちょっと授業数を多くしようかなと思っています。

 

 

お久しぶりです。半年以上更新が空いてしまいました。

ずいぶん昔の話ですが、夏休みに何をしていたかをこの記事では書きたいと思います。

 

 

アメリカの大学生にとって、夏休みは自分の課外活動・研究活動を広げるという意味で重要な期間です。

エンジニア系に進んでいる人なら企業でインターン、サイエンス系に進んでいる人なら国立研究機関や大学で研究をしたりします。

留学生としては、インターンや国立研究機関で働くことはアメリカ人よりも厳しめです。

ただ、インドから来た友達はFacebookでインターンしてたりしたので、可能性がないわけではないと思います。

 

 

私は1年終わりの夏は日本に帰国して知り合いの企業で働いたりしましたが、昨年の夏はMITに残り研究することにしました。

主な理由は、留学生では外部の研究機関に受け入れてもらいづらいことと、学期中に携わっている研究に遅れを取らない方がいいと思ったからです。

夏は新しいことに挑戦できる機会でもあるので、私は1年の春から続けていた量子計算化学の研究室に加えて、新しく理論物理の研究をすることにしました。

 

 

理論物理の研究に関しては、本当は解析系(紙と鉛筆でやるタイプ)をやりたかったのですが、機械学習の経験があると先生に伝えたらとても喜んでしまったので今は機械学習を取り入れた研究をしています。

まあ、個人的にも、あまり知識のない解析系の研究を始めて焦ってしまうよりは、既に知っている計算系の研究をしながら他のことを学んでいくのが効率いいのかなとも思ったりしています。

 

 

研究はどちらも計算系だったので、計算を回してる以外の時間は友達と遊んだり映画を見たりしていました。

こんな感じで、2年の夏のまとめとしたいと思います。

 

 

ここのところずっとMITのことについて話してきましたが、今回はちょっと自分のことについて話したいと思います。

 

 

テーマは「デジャヴ」です。

 

私はオカルトもの(都市伝説というよりは、古代の謎やタイムマシンなど)が意外と好きです。

例えばオーパーツからの宇宙人説は興味深いと思っています。

また、私は非常に怖がりで、暗闇、閉所、高所、結構厳しいです。

怖がりな理由に、想像力が豊かすぎるのはあると思います。

幸いのところ霊感はありません。

 

 

そんな私でも、よく見るものがあります。

 

「デジャヴ」です。

 

デジャヴとはフランス語でdéjà vu, 英語でalready seen, 日本語で「既視感」と訳されます。

見たことがないはずのものを見たことがあると認識する現象です。

私は子供の頃から今まで、ずっとよくデジャヴを見てきました。

頻度は忘れた頃にやってくる程度でしょうか。

私と一緒にいると、突然「これデジャヴだ」と叫びだすことがありますよ。

もちろんその場にいる人にとってはデジャヴでも何でもないので流されることが多いですが笑

 

 

デジャヴをあまり経験したことがない人のために、どのような感覚かを少し説明したいと思います。

 

まず、今まで訪れたことのないところに行きます。

他にも、今まで見たことのないものや、今まで経験のしていないことでもありです(新しい人と出会うなど)。

すると、一瞬だけ、「これ知ってる!」と頭の中をの感覚がよぎるんです。

写真を見る感じでしょうか。

でも、その一瞬はすぐに過ぎ去り、その写真を思い出すことができなくなります。

残るのは、「さっきこの光景を知ってると思った」感覚だけです。

このとき、さっきまで覚えていたのに思い出せない、あのもやもやした感覚に陥ります。

 

 

さて、デジャヴには色々な説があります。

例えば、夢に見た光景を過去だと勘違いしている、旅行などが多い場合、違う場所だけど同じような風景(町並みなど?)を見たことがある、右目と左目の処理速度の違い、などです。

私からすると、これらの説はあまり説得力がないものに見えます。

最後の右目と左目の処理速度の違いはまだ可能性があるように見えますが。

その理由を少し説明していきたいと思います。

 

 

1.夢に見た光景を過去だと勘違いしている & 2.同じような風景を見たことがある

 

夢に見たことがあるなら、一瞬だけ思い出して後は全く思い出せない、ということはないんじゃないかと思います。

 

私は人と話しているときにもデジャヴを経験することがあるのですが、このときは話している内容も含めて、「この人が右側(左側)にいて、この内容を話してるの知ってる」というデジャヴになります。

また、その内容はいつしか夢を見ていたときには知りえない内容だったりします(当日起きた後に知った内容など)。

人と話す夢は多くあるでしょうが、内容まで同じ夢などあるのでしょうか……。

 

また、最近私が風景に関して感じたデジャヴは、寮のキッチンです。

初めてMITの寮に越してきて、寮のキッチンを見たとき、「見たことがあるはずがない」という理性とともに、「見たことがある」というデジャヴに襲われたのです。

衝撃的でした。

ある意味で恐怖でした。

夢でこんなに繊細に見たことのない現実のものを想像できるはずがないと。

 

寮のキッチンで、普通のキッチンよりは大きいので、今までみたことのある旅行先のキッチンとはもちろん全く違うはずです。

 

 

3.右目と左目の処理速度が違う

 

キッチンの件については、これはありえますね。その一瞬にしか覚えていないということなので、一瞬の間に無意識に片目で記憶し、もう片目は動いていなかったのかもしれません。私は片方の目が悪いので。

人との会話の件については、耳までも処理速度が違わなくてはいけなくなります。私の体がそこまでおかしいんでしょうか……。

 

 

また、私が経験するデジャヴには興味深い点があります。

一瞬だけ「見たことがある」と認識するのがデジャヴですが、私はたまに、「この光景をデジャヴで見たことがあると思うことになるのを知っている」という経験をすることがあるのです。

例でいうと、

1.何かを見る

2.本来:「これ見たことがある!」

2.実際:「この後『これ見たことがある!』って思うことになることを知ってる…」

つまりデジャヴが二段階?あるんですね。

図にするとこんな感じです。

 

 

これを感じたとき、殆どの場合、いつ頃「『これ見たことがある!』と思うだろう」と予言(?)したのかも思い出すことができます。思い込みなのかもしれませんが。

これは、今までの説でどう説明するのか、私にはわかりません。

 

 

こんな感じで、デジャヴはそんな簡単に説明付けできるものではないと私は思っています。

デジャヴを経験することがない人からしたら、脳の混乱とかで説明付したくなるのもわかりますが。特に後半の件に関しては、ネットでも同じような現象を経験したことがある人を見たことがありません。

誰か私と同じような経験をしたことがある人、または同じような経験を再現するような実験でも生み出してくれる脳科学者がいるといいです。

 

今回の記事では、夏の様子と予定を少し書きたいと思います。

昨年の夏は日本に3ヶ月戻り知り合いのロボットの会社でバイトをしていたのですが、今回はMITに残って2つの研究室に入ることにしました。

 

 

1つ目の研究室は、1年の後期からやっている計算化学の研究です。

主に同じような計算をいろんなパラメーターを変えながらして、得られる膨大な結果から考察する感じです。

すでにあるツールを使って計算をしているので、化学実験こそしませんが理論というよりは応用よりの研究です。

 

 

2つ目の研究室は、この夏から始めた物性物理の理論研究です。

物理には理論の中にも解析と計算の二種類があり、今回は計算の方を主にやっています(解析の方をリクエストしたのですが、CSのバックグラウンドがあることから計算の方に入れられました笑)。

イジングモデルという、物性物理で最初に習うほど基本的なモデルの量子的なモデルの計算をやっています。

Pythonでゼロから書いているのと、私はCSの経験はあるもののプロレベルではないので計算の最適化がよくわかっていないことから、1つの計算サイクルに3分位かかってしまい、ちゃんとしたグラフが1つできるまでに30回*10=15時間かかってしまいます。

もう少しCSを勉強してスピードを上げたいところです。

 

 

夏休みは普段と違って授業がないことで、研究や自分の勉強に集中でき、また友達とも気楽に遊べるのでとても楽しいです。

夏の終わりまでになにか良い結果が出せるように頑張りたいと思います。

 

こんにちは。

前回は勉強の話だったので、今回は周りの雰囲気の話をしようと思います。

 

 

前の記事でも書いたかもしれませんが、私の寮のフロアはほとんどが同学年です。

全員女子なので体臭が酷い人もいることがなく(結構問題なのです)、昔ほど仲は良くありませんが、気楽な生活を送っています。

今回の記事では、周りと一緒に過ごしてて思った、MIT生の様子、海外の人と日本人の振る舞いの違いなどを紹介していきたいと思います。

 

 

まず、MIT生と聞いて、「みんな頭のいい人なんだろうな」と思う方が多いと思いますが、全くそういう事はありません。

むしろ、上位の学校は多様性diversityを重視するため、明らかに多様性要員として入った人もよく見られます。

実際、多様性の面に関してはとてもいいと思いますが、性格がとても合わないことが度々あります。

 

 

最初に、自分の境遇を他人の境遇と比べて妬み騒ぐ人が結構多いです。

妬むことは誰でもあると思うのですが、悪いのは生徒個人ではなく社会、そしてその家庭に生まれた運命もあるので、相手の境遇が良いからと言って他人を攻撃するのはどうかなと思います。

特に、本人は努力を費やす場さえなかったのかもしれませんが、境遇が悪い人ほど、頭のいい人が過去に沢山努力をしたという面が見れないそうで、こちらとしては

「頑張る場がなかったと貴方は言っているが、頑張る場が与えられたとき(例えば現在MITにいること)に彼らと同じくらいに努力することができるのか」

と言いたくなります。実際に彼らは騒ぐことに労力を使って、勉強にはそこまで費やしていないので。

日本でも境遇の違いはありますが、それを同期に対して騒ぐ人はそう見たことがないので、ここは海外と日本の違いだと思います。

 

 

次に、意外と自己管理ができない人が多いです。

宿題の期限が迫っているのに友達とダラダラと遊んで、締切直前になって追い込むものの結局終わらず、「睡眠不足」を理由に先生に取り入って宿題を延長してもらう、といった人が多く見られます。

私もある授業で友達と宿題を一緒にしていたのですが、だんだん相方が自己管理ができなくなり、結局私は一人で宿題をギリギリで終わらせ、わたしが宿題を終わらせた時点でさえ相手は宿題を始めていないといったことが何度もありました。

また、プロジェクトをやる気が起きない、といって、本当にやらず、学期末になって先生に泣きついている人もいました。

最悪なのが、自己管理ができない人に限って他人に八つ当たりすることが多いということです。本当にやめてほしい。

私が日本にいた頃は、勉強が追いついていない人でも、ある程度の時間を前もって勉強に費やしていることが多かったので、海外の人の自己管理のなさは衝撃的でした。

もちろん、私と同じようにたくさんの授業を入れてもちゃんとやりこなしている人もいますが。

 

 

一方で、色々な性格の人がいます。

 

理不尽に対しては怒るけど、いつも笑って楽しそうな人。

自分は辛くても絶対に八つ当たりしない人。

こっちがびっくりするくらい優しい人。

学力は平均以下だとしても自分に自信を持っていろんなことに挑戦できる人。(彼女は色々な企業からオファーをもらっていました)

同じ寮に住んでるだけで一回も話したことがなくても遠くから手を振ってくれる人。

責任感のある人。

ノリの良い人。

 

はてなのつくような振る舞いをする人が一定数居る中で、その数の倍以上に個性的で楽しい人がたくさんいて、救われます。

疲れているときも、彼らのように周りを明るく、せめて暗くはしないような人間でいられるように、学業と自分磨きを両立していきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、一ヶ月弱前にSophomore Springを終えました。今回の記事はそのまとめです。

 

 

 

まず、学期を通して「純粋数学は難しい」という印象を得ました。

難しい、というのは、今までやってきたこととは雰囲気が違うということです。

 

高校数学、また大学の物理では、「定理」というものは一度証明したら使う道具に回されるものでした。

また、高校数学では証明が難しく、実際に証明はしないで使う定理もありました(中間値の定理など)。

それを、大学の純粋数学の授業では、証明をメインに扱っていくのです。

それこそ、実数解析18.100Bと位相18.901の授業ではまさに中間値の定理を証明したりしました。

しかも、その証明までの道程はとてもとても長かったです。

 

さらに、物理などでは、多くの場合「定義」というものは言われたときにある程度意味を成すものです。

というより、意味を成すからこそ新たに特殊な文字を使ってその量の存在をわかりやすくします。

例えば、ばねの角振動数ω=√(k/m)などは、√(k/m)のまま計算を進めても構わないのですが、ωという文字を導入することにより、質量の変位の関数がAsin(ωt+φ)の形で書けます。

このとき、ωは変位が時間に対してどれくらいの周期で変わるかに関係するものであるため、Asin(√(k/m) t+φ)と書くよりは、ω=√(k/m)という変数を定義する方が、答えがより分かりやすいものになるわけです。

 

一方、純粋数学では、いくつかの定義は純粋な定義で、意味が与えにくい場合があります。

つまり、誰かがある定義をしたときに、その定義の意味を考えることができない場合があるのです。

たとえ話として、桃太郎の話を子供にしようとしたときに、「ももが川から流れてきました」というところにたいして、「なんで?」と声を上げるのは失礼なのと似ていますね。

物語を聞きたいのなら、前提に疑問を持ってはいけないのです(もちろん後付の定義もたくさんありますが)。

数学の例として、位相の授業では位相Topologyというものを最初に定義します。

(定義を書こうとしましたが、長くなりそうなので、リンクを張っておきます https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%8D%E7%9B%B8%E7%A9%BA%E9%96%93#%E9%96%8B%E9%9B%86%E5%90%88%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%89%B9%E5%BE%B4%E3%81%A5%E3%81%91

この定義は、もしかしたら意味をつけることができるのかもしれませんが、私は未だにできていません。

 

また、最初は意味のなさない定義をとりあえず飲み込み、それを使って他のいろいろな定理を証明することによって、最初に定義したものが意味を成すこともあります。

関数が「連続」であるという「連続」の定義も、この類に含まれます。

 

つまり、数学の定義は、定理を経て初めて意味が込められるもののようなものです。

意味がわからない定義をとりあえず飲み込んで、それを使っていく、というのが純粋数学の特徴だと思います。

とても適応能力の必要な分野だという印象を受けました。

 

私はこの体系に慣れていなかったので、実数解析と位相の授業ではとても苦しみました。

この夏でもう一度復習して、慣れることができるよう頑張っていきたいと思います。

 

 

色々なことを話すつもりが、純粋数学の話だけでこんなに長くなってしまいました。

他の話は次の記事ですることにします。

 

 

お久しぶりです。

1週間強の春休みも終わり、学期もクライマックス(?)に近づいたところです。

今回の記事では、現在とっている授業の詳細を説明しようと思います。

また、次回の記事ではMITの伝統であるBrass Ratについて書きたいと思います(忘れてなければ)。

 

 

6.009 Fundamentals of Programming プログラミングの基礎

コンピュータサイエンスの副専攻の必修です。

最初の方は楽しかったのですが、後半になってきてだんだんめんどくさくなってきました。

内容としては、毎週違う課題にそってプログラミングする感じです。

今回の課題は、LISP interpreterをPython上で作ってみよう、という課題でした。

採点方法は明確で、構成としては良い授業だと思います。

 

 

6.045/18.400 Automata, Computability, and Complexity オートマタ、計算可能性、複雑系

コンピュータサイエンスの副専攻の選択必修です。

春休み前までは、Deterministic Finite Automata (DFA), Context-Free Grammar (CFG), Turing Machine(TM)をそれぞれ詳しくやっていました。

春休み後は、Computability, Complexityをメインにやっています。

今まであまり時間をとっていなかったので、そろそろ本腰を入れて取り掛からないと行けない授業です。

 

18.901 Introduction to Topology 位相入門

途中まで、全くモチベや構造がわからず苦労していましたが、最近になってやっと楽しくなってきました。

後述の18.100Bといくらか被っていて、とても興味深いです(楽とは言っていない)。

 

 

8.323 Quantum Field Theory I 場の量子論 I(院の授業)

院生の頭の良さ(?)を感じさせられる授業です。

院生はほぼ皆宿題で満点を取っているような感じです。

頭がいいというよりは、ただ単に取る授業数が学部生よりも断然に違う(院生は1,2科目取るか取らないか)せいでかける時間に差がついているだけだと私は思っているのですが…。

ただ、授業中に質問する院生たちは質問ができるほど授業の内容をわかっているようで、すごいなあといった気持ちになります。

2,3年後、私もあのくらいかあれ以上になれるといいなあ。

 

 

24.118 Paradox and Infinity パラドックスと無限

残念ですが、朝早い講義と他の科目の重さに、この授業は今回は履修を断念しました。

内容的にはとても好きだったので、来年度再チャレンジしていきたいと思います。

 

 

18.100B Real Analysis 実数解析

ついさっき他の科目の重さに哲学の授業を断念したと申しましたが、前回のブログ更新後、実は他の科目を履修することにしていました。

純粋数学専攻では必修の、実数解析です。

18.901 位相の授業と内容が半分ほど被っているため、一緒に取っておくのも悪くないかなと思って履修しました。

実際の感想は、「被っているけど被っていない」です。

18.901では定義としているものが18.100Bでは定理になっていたり、逆に18.100Bでは定義としているものが18.901では定理になっていたりと、(力はつきますが)疲れます。

でもまあ、楽しいです。

 

 

 

こんな感じで、今回は5科目で過ごしています。

ちょっと全体的に進捗が危ういので、力を入れていきたいと思います。