4月中旬と言えども、未明の最低気温はまだまだ15℃以下で寒いですね。

 

でも、日中は日差しで、散策にはちょうど良い季節。

その場合は、100均で園芸用ハサミかカッター、それに園芸用スコップ、レジ袋などを携帯ですね。

 

今回は、野原や道端に見かけるヨモギと同じ仲間のクソニンジンの記事を掲載します。

 

それにしても、クソニンジンとえげつないの名前をつけたのは日本だけ。

 

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英国で呼んでいる名前は、スイートアニー。

アルテミシア アヌア 'スイートアニー’ 
Artemisia anua 'Sweet Annie' 

 

中国名では「黄花蒿」(オウカコウ)

生薬としては「青蒿(せいこう)」

「蒿」はヨモギという意味。

 

スイートアニーは甘い香りがして、フラワーアレンジメントやリース作りに大活躍。特に花を乾かすとすごい香りがします。

 

ドライになっても、乾草のような香りと甘い香りがミックス。

 

スイートアニーは、他にサプリメント(炎症や発熱を抑えたり、免疫力をつける)やマラリヤの治療薬として使われ、抗癌作用もあるといいます。ただし、摂取しすぎると副作用があるので注意が必要です。
http://blog.livedoor.jp/fairylandgardener/archives/1061995627.html
 

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クソニンジン

2005/09/10(土)
http://gomanohagusa.blog10.fc2.com/blog-entry-81.html


 クソニンジンは名前にニンジンと付きますが、キク科ヨモギ属の大型の一年草です。

草丈は2mを超えることも普通です。

カワラニンジンとはごく近縁で姿も似通っていて、生育環境もだぶり混生しているところも見られます。(註)

 

(註)カワラニンジンは別途記事にします。

この野草はカワラニンジン同様印象があまりに雑草然としているために気付かれないのですが、案外身近な空き地や道端でも雑草として生えていたりします。

基本的には平地の水辺や湿地を好むのですが、うちの近所では十三のネオン街の路地裏とか、神崎川沿いの工場の跡地だとかでも群生していることがあります。

ただし、そんなところではひょろひょろと背丈ばかり伸びたアスパラみたいな姿で、上の画像のように見事に育ったものには出会えませんが・・・。

 

 

 芽出しのころは本当にニンジンそっくりで名前の下半分の由来がよくわかります。

緑濃く繊細な葉姿は美しくテーブル花に使いたいほどです。

下部では分枝せず、地面からまっすぐに茎を伸ばします。 

 

 

 葉は薄くシダの葉のように2~3回羽状に深裂し、先はあまり尖(とが)らず柔らかな印象です。

葉を触るとヨモギ+ラベンダーの特有の強い香りがあり、乾すとその香りはさらに強くなります。

保育社の野草図鑑では「悪臭がある」と書かれていますが、ラベンダーを悪臭と取らない限りはその類の臭いではありません。

 

 

 

 芽出し後から放射状に枝を出しながらぐんぐん成長し、枝はまた円錐状に小枝を出しながらよく茂り、モミの木のような形でこんもり成長します。

全体の大きさでは国内のヨモギでは最大級です。

 

 

 初秋にカワラニンジンより少し遅れてそれぞれの小枝にごく小さな蕾を無数につけます。

大きさは1~2mmでヨモギ類で最小の部類になります。

 

 

 花の構造はキク科の特徴である頭花です。

画像ではまだ全てつぼみですが、1つの花の中に10個以上の筒状花が並んでいます。※花期: 8~10月

頭花における筒状花とは飾りになる花弁を持たない花のことで、下の画像のようなキクの仲間(ユウガギク)では周りに舌状花(ぜつじょうか)(註)と呼ばれる飾りの花弁がある花が並び、その内側にある黄色い部分が筒状花(とうじょうか)(註)になります。

 

パッと見は違ってもどちらも基本的な構造はよく似ています。

(ユウガギク)

 

(註)舌状花(ぜつじょうか)

花弁が数枚平行について舌状になっている舌状花冠をもつ花。

キク科のヒマワリ,タンポポなどでみられる。
http://hananani.com/word_rayFloret.html

 

(註)筒状花(とうじょうか)

花弁が筒状になっている花


ハハコグサやカレープラントのように筒状花のみで構成されている花やヒマワリやアシズリノジギクのように外側が舌状花、内側が筒状花で構成されている花がある。
http://hananani.com/word_diskFloret.html

 

(クソニンジン花の画像)

https://blog.goo.ne.jp/ets5316/e/8f4381be5ffd2ddec01a870c7dd11d9d
 

 さてクソニンジンのクソの由来についてですが、図鑑では葉に悪臭があるからとされていたことは書きました。

そして悪臭だとは思えないことも。

これは実際に匂いを嗅がれた方なら同意いただけると思います。

英名ではスゥイート・ワームウッド(直訳すると「甘いニガヨモギ」となりこれも変な具合ですが)とポジティブな呼び名ももらっています。

 

 この野草は元々は中国原産の帰化植物で、古代に薬用に持ち込まれたものが日本中に広まったのだといいます。

そして近代までは日本中の空き地や水辺に蔓延して、少し前のセイタカアワダチソウ、現在のヒメムカシヨモギやオオアレチヨモギのようなポジションにいた雑草の代表格だったそうです。

きっと当時は嫌われ者だったと思います。だからこの臭いの強い雑草に侮蔑の意味を込めて殊更に「クソニンジン」なんて名前をつけたのではないかとも考えます。

 

 輸入当初は皮膚病に効く薬草としてもてはやされ、現代でも中国では盛んに生産されるそうですが、-

 

- 最近はクソニンジンからマラリア原虫を殺すアルテミシニンという成分(ヨモギ属は学名では月の女神に由来するArtemisiaと呼ばれます)が発見されて世界中で注目を集めているそうです。

しかも同じ成分を含む仲間のカワラニンジンの3倍もの量のアルテミシニンを含有しているのだそうです。(註)

 

(註)抗がん作用は、通常のヨモギの2.5倍。

 マラリアの特効薬にはキナノキから作られるキニーネや抗生剤のいくつかが知られるだけでしたが、最近はそれらに耐性を持つ原虫が現れ、またキニーネ自体が容易に大量生産できないため、栽培容易なクソニンジンは人類をマラリアの猛威から救う救世主となるかも知れません。

 

しかし近い将来温暖化によってマラリアがこの国にも無縁のものではなくなっとき、私たちは再びこの野草の薬効にすがらなければならないでしょう。

そうなった時でも私たちはこの野草のことをクソニンジンだなんて名で呼び続けるのでしょうか?

 

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マラリアに驚異的な効果をもたらすクソニンジンの葉と花から抽出したアルテミシニンの発見者である屠呦呦(と・ゆうゆう)は、2015年のノーベル生理学・医学賞を受賞している

2021年1月8日、コロンビア大学とワシントン大学 、ウースター工科大学の研究者らは、熱湯で抽出したクソニンジンの葉のエキスが新型コロナウイルスに対し抗ウイルス活性を示したことを発表した。

ただ、本研究においては、抗マラリア薬であるクソニンジンから抽出したアルテミシニン加工薬のアーテスネート、アルテメター、ジヒドロアルテミシニンは、いずれも新型コロナ・ウイルスには効果がなかったとされており、抗ウイルス活性を示したのはクソニンジン乾燥葉の熱湯抽出物であった。

 

このことから、研究グループのパメラ・ウェザーズ代表は、クソニンジンは恐らくアルテミシニンの効力によって新型コロナウイルスに効果を示しているのではなく、自ら含有する何か別の成分の組み合わせによって作用を及ぼしていると指摘する。ウィキペディア

 

尚、このアルテミシニンは、白血病、大腸がん、肺がんなどの様々ながん細胞に対して抗腫瘍効果があることが証明されている。

 

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クソニンジンは繁殖力旺盛で庭などに植える場合、他の植物を駆逐することがあります。

 

ということは、寒村一帯が耕作放棄地の場合、クソニンジンを植え、稲刈り機(バインダー)で刈って、それを日陰で干すのが理想ですが、

 

 

従来の南北に立てていた柵を東西に立てて干したら、余り日に当たらず、乾燥させることが可能です。

 

稲刈り機の技術
https://hideoyok.hatenadiary.org/entry/20091020/p1
 

乾燥したら、わらカッターで細かく切断。それを小分けした袋で『スイートアニー茶』のシールを貼り出荷。

 

コロナ肺炎は変異を繰り返し、まだまだ通年続くようですので、このクソヨモギ茶の需要は拡大し続けるはず。

 

尚、コンバインの場合はホッパーの先っちょに袋を付けたらよい。

 

※お茶にする場合や天ぷらにする場合は、普通のヨモギと対処は同じです。

 

「よもぎ茶」のつくり方
飲食物(19) 野草よもぎ茶でコロナ撃退の序
2020-11-13 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12637585777.html

 



 

飲食物(22) よもぎ茶でコロナ防御の実践例
(マダガスカル):
2020-11-26 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12640123818.html

 

 

※クソニンジンは一年草ですが、私たちがよく見かけるヨモギは宿根で越冬しながら増えます。

 

ですから、園芸用スコップで茎付きの根の一部を掘り出すか、或いは、初夏に茎からカットし、その茎を土に刺したら簡単に株を増やすことができます。発根促進剤をつけると確実です。
 

発根促進剤の例

ルートン 15g 住友化学園芸

アマゾン価格:¥380
配送料:¥280 

 

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W(29) 儲からないコロナ肺炎治療薬はハーブ
2020-05-19 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12598121872.html

飲食物(20) コロナ対策:よもぎ摘みと育て方
2020-11-15 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12637869762.html

飲食物(21) コロナワクチンは人殺し:よもぎ茶で治る
(マダガスカル)
2020-11-25 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12637520834.html

飲食物(23) 世界データが示すコロナ防止『よもぎ茶」
2020-11-29 
罹患者総数

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12640471291.html