
シグネチャーパビリオン「いのちの未来」。
どんなものが見られるか、開幕前からすごく気になっていたのですが、実際に体験してみると――
いい意味でも悪い意味でも、心を大きく揺さぶられる体験になりました。
入場時の「注意点」
私が訪れた日は雨。入場時には「レインコートは脱いでください」と案内がありました。
おそらく、水滴が展示機器に悪影響を与えるおそれがあるのでしょうね。
入場時は30人程度のグループ単位。最初に一人ずつ、骨伝導のイヤホンがついた端末を受け取ります。
このイヤホンがすこしクセモノで、大人でもフィットしにくいことがあります。特に子どもはサイズが合わず困っている様子でした(子ども用サイズは用意されていないようです)。
この端末の初期設定にもすこし手間取りました。言語を選択し、音量を調整して、最後に画面が真っ暗になれば設定完了。
全員の端末がこの状態にならないと次の部屋へ移動できない仕組みのようです。イヤホンは後からでも調整できるので、まずは真っ暗画面になることを優先するのが良さそうでした。
当日はざわついたロビーで、案内も口頭がメインだったため、全体的にすこしバタバタしていました。
なぜ「人のカタチ」にこだわるのか?
最初の展示は、「なぜ人は人の形をしたものを作りたがるのか」という問いかけから始まります。
その空間では、執璧や仏像から文楽人形、そしてアンドロイドまで、人の形を模したさまざまな存在が展示されていました。
2階に上がると、すこし難解なストーリー体験へと進みます。
時系列もやや複雑で、私も、全部を理解しきれたわけではありません。
でも、私なりに受け取ったメッセージは、「肉体という制限から解き放たれたとき、人は本当に“生きる”ことができるのかもしれない」という問いでした。
詳細は敢えて書かないことにしますが、感動とはまた違う、胸に重くのしかかるようなものがありました。
「未来」の先に待っていたのは
物語が終わると、次の部屋では「50年後の暮らし」のイメージ展示が登場します。
アンドロイドが会話の相手になり、生活の一部になっているような世界。
あの「マツコロイド」にも会えますよ。どうやら70年間その姿を保っている設定のようです(笑)
そして最後は、「1000年後の人」。
もう人間とは思えないような姿形なんですが、それでも、目が合い、笑みかけてくる瞬間があるんです。
…私は正直なところ、少し気味が悪かった。
けれど、目をそらせない不思議な魅力もありました。
消化しきれない問いが残る体験
「こんな未来が来たら素敵!」というワクワクとはちょっと違いました。むしろ、「これは本当に望む未来なのか?」と、自分の価値観をぐらつかせられるような時間。
何を見せられたのか、まだうまく整理ができていません。
でも、この「呆然とする体験」こそが、このパビリオンの醍醐味なのかもしれません。
行く価値、あります
体験全体でおよそ1時間ほど。
事前予約が必要ですが、一度は見ておく価値があると思います。
想像以上の出会いがありました。