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プロムナード

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新型コロナウイルスに関して、いよいよ緊急事態宣言が発出された。

 

 

店が休みだから人が来ないのか、人が来ないから店を閉めているのか

 

これに伴い、スーパー系なところで妥協案を使つもりであることは、十分に理解が感じられる。

 

ところで、

そもそもウイルスとは何か。

 

簡単に言うと、ウイルスは細胞に取り入れられるまでは代謝機能がなく、単にRNAとタンパク質のみで構成されている「物質」なのだが、宿主となる動植物の細胞に取り込まれるとスイッチが入り、自ら増殖するという物質のことだ。

 


新型コロナ

 

ウイルスは、宿主となる動植物の細胞表面にある受容体(レセプタ)と細胞のタンパク質(ヘマグルチニン)によって結合すると、細胞の方からウイルスを細胞の中へと招き込む(エンドサイトーシス)。その段階までは、ウイルスはただの物質なのだが、いったん取り込まれると、突如として宿主の細胞を乗っ取り、細胞内部で細胞の酵素(プロテアーゼ)を使ってバラバラに開裂し、細胞内部の色々な酵素(ポリメラーゼ)を拝借して自己の複製を作成する。その後、その複製のクローンは、更に宿主細胞の酵素(ノイラミニダーゼ)を使って細胞の外に飛び出し、次の細胞に迎え入れられる。こういうプロセスでクローンを増やしていくわけだ。

早い話、部品リストと設計図面を携えて他人の製造工場に忍び込み、その工場にある部品棚から部品を失敬し、更に製造する道具や機械も使わせてもらって勝手に作っていくといった様なものだ。しかもその製造によって工場設備が老朽化し、使えなくなってしまうことが最大の問題点である。


ウイルスに関する考察では、ウイルスとその育ての親である細胞、それ等と体内の免疫系との複雑な関係が絡む生命現象なので、感染に就いてはそのダイナミクスを「定量的」かつ「経時的・動態的」に取り扱う必要がある。つまり、ウイルス学と感染学は、生物学的アプローチと数理科学的アプローチという別のアプローチになるだろう。

我々がウイルスに関心を持つ内容は、

1)ウイルスの病理的なこと、すなわち症状や治療薬、ワクチンなどの有効性、また感染防止に関する注意事項など
2)感染数や死亡者数などの推移及びその予測


といった内容が主なものとなるが、これらの二つの事柄の解明に関するアプローチは異なる。

テレビなどのマスコミに登場する細菌学者は、大体がウイルス学、感染学系が多い。これは上記1)の様な、日々の生活に関わる事項に関する専門家だからだろう。我々の日々の生活態度に直接関与する。しかしこれらの専門家は、数理科学的アプローチに就いては専門ではないのだから、司会者などが予測に関する意見を求めても、自分で計算した結果ではないので数理科学者の意見をそのまま述べるしかないということになろう。視聴者はその辺りをきちんと理解しておく必要がある。

一方、数理科学者は、感染の拡大終息を時間経過に伴う変化率の変動として計算して示すことが専門であるため、言うなれば、新型コロナウイルスであろうがインフルエンザウイルスであろうが、変化率を算出する基本的な微分方程式は同じだろう。

 

計算する上で必要な数字は、感染率、非感染者数、回復率などであって、これらを用いて算出される基本生産数を以てシミュレーションを行う。


もちろん、感染率、非感染者数、回復率などの数字を得るためには、ウイルスの性質などを鑑みた情報が必要なので、算出を行う前にウイルス学者から情報を得ることになるが、その後は、各パラーメータの値を変えながら粛々と計算が行われることになるだろう。

首相の緊急事態宣言では「人と人の接触の8割が削減できれば、向こう2週間でピークアウトとなる」という旨の声明があったが、この予測は、まさしく数理科学に基づくこれらの計算による算出の結果だと思われる。。

 

その間、次のような治療薬がマスコミを賑わしている。

 

 

一般的に時間軸で鑑みる自然現象は、「一定・拡散・収束、そして発振」だ。拡散し続ければ無限大になるし、ゼロに終息すれば消滅となる。

 

人類対ウイルスの戦い、起こり得る結果はウイルスの勝利か人類の勝利、或いは停戦、共倒れのどれかとなるだろうが、そこに人類の中での集団免疫の形成、またワクチンの完成という要素が入るために、極めて複雑なダイナミクスとなる。まさしく「神のみぞ知る」である。

 

そうした中で、人類対ウイルスの戦いとしての起こり得る結果は、ウイルスの勝利、人類の勝利、停戦、そして共倒れのどれかだろう。


今回の新コロナウイルスは、このどれを取るのだろうか。

 

「新コロナウイルスはSARSとは違うの?SARSみたいなもんでしょ」といった話がよく出てくるが、ちゃんと理解しておかないと「いまさら聞けないxxx」となりそうだし、状況も刻々と変動しているうえ情報も改訂されているので、ここで整理しておこう。
 

初めに、よく出てくる言葉のきちんとした定義を知っておく必要があるので、纏めておく。

 

感染:     ウイルスが宿主の細胞に入り込むことで、その細胞の機能を乗っ取り死滅させること。

抗原:     ウイルスの持つ物質で、免疫が体の中に侵入してきたウイルスに対して免疫応答をひ

      きおこす物質のこと。

抗体:     体の中に異物が侵入してきたときに、その特徴を覚えて攻撃する役割を持ったタンパク

      質。

 

SARSはSARS-Coronavirusというコロナウイルスによって2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS: severe acute respiratory syndrome)のことで、新コロナウイルスはSARS-nCoV-2という新コロナウイルスによるCOVID-19という感染症であるが、ウイルスの名称を見て理解できるように、新コロナウイルスもSARSの一つだ。そもそもSARSの最後の"S"はシンドローム、「症候群」というくくりを表している。

 

感染症名称        ウイルス名称

----------          ------------

SARS                    SARS-Coronavirus

COVID-19             SARS-Cov-19

 

この両者の類似性と相違性については色々と研究が進んでいる様であるが、相違点としてマスコミなどで取り上げられているのが感染者の年代。すなわち、SARSが若年層で多く感染して高齢者での発病が少なかったことに対し、新コロナウイルスではその逆に、高齢者の出の感染発病が多いとされているのだが、この辺りはどうもサンプリングというか、検査方法によってかなり異なってくる点が懸念される。

 

現在まで被検査者のクライテリアがかなり不透明で、無作為なサンプリングを行えば、感染者の年齢層も現在発表されている分布とはかなり異なり、SARSと同じ様に若年層も感染しているということが明確になるのではないかと考えられる。

 

また、恐らく今の新コロナウイルスは弱毒性だと思われるが、変異によって強毒性ウイルスが産生されると大変厄介なことになることも懸念事項だ。弱毒性が主に呼吸器系や消化器系のみに感染することに対し、強毒性は全身の細胞で増え、全身感染するウイルスであるため、罹患による死亡率が高い。これまで、過去に起きた新型インフルエンザ、例えばスペイン風邪やアジアインフルエンザ、香港風邪、さらに2009年の新型インフルエンザ(A/H1N1)などはすべて弱毒型であり、病原性は低かった。しかしその一方で、専門家の間では、強毒型に変異する可能性があることは指摘されていた。

 

元々、強毒性ウイルスはその毒性から自分の宿主も簡単に殺してしまうために自滅する運命にあるのだが、宿主の行動などの条件が揃えば生き延びるし、感染領域を広げることが出来る。自滅する前に高跳びできればいいのだ。つまり、宿主が閉鎖された狭い空間に長時間いるような環境化であれば、宿主を次々と変えながら子孫遺伝子を増やすことが出来るということだ。実際、強毒型の鳥インフルエンザによって鶏が大量死したことがあったが、その原因は養鶏場にあったという。狭い養鶏場にすし詰め状態となって飼育され、換気も十分でない環境は、ウイルスが次々と伝染していく上では好都合だったわけだ。このような環境ができると、今後強毒性の新コロナウイルスが産生されたときに、大変危険な状態となるだろう。

 

新型インフルエンザに於ける強毒性、弱毒性をまとめると次のようになる。

 

 

ここに示されている様に、強毒型については過去にないものの、H5N1から強毒型が産生される可能性について危惧されていることがわかる。

 

尤も、ウイルスの遺伝子の安定性を決めるRNA合成酵素に関して、インフルエンザ・C型肝炎・HIVのウイルスは遺伝子変異を起こしやすいが、新型コロナウイルスは校正機能を有する酵素を持つことから変異が起きてもそれを除去し、正しく遺伝子を複製するそうだ。

 

とはいえ、今後ずっとその状態のままとは限らない気もする。そうした変異が起きないことを祈りたいところである。

 

今や、地球規模での脅威となりつつある新コロナウイルス、これに就いて興味深い記事があった。

 

米国CDCによる新コロナウイルス、SARS-CoV-2の顕微鏡写真


「新型コロナウイルス」は一体どこから来たのか」
https://toyokeizai.net/articles/amp/333986?page=3


この記事の「新型コロナウイルスはセンザンコウウイルスとコウモリウイルスの産生か?」という研究結果や、「自然界に於いて、集団の性質から離れた性質は排除されるという浄化選択が働ているために変異は起きていないし、新コロナウイルスが強い安定性を示す原因では?」という推測など、大変興味深い。

 

これを読んで思ったのだが、我が国のここ暫くの報道を見ていると、政府の方針に関する報道はたくさんされているものの、国内の研究機関の発表などの報道は少ない気がする。

最近、テレビに出ずっぱりになっている白鴎大学岡田晴恵教授が執筆した今から10年前の著書に「学者は廻りの空気など読む必要はない。サイエンスに従って、想定される内容を淡々と正確に説明するのが本来の姿と思う」という文言はまさしくその通りで、もっと国内初の研究発表があっていいと思う。

政府の政策もしかり。今の状況はウイルス対人類の全面戦争なのだから、戦場での危機管理を鑑みれば、「肉を切らせて骨を断つ」といった大胆な行動作戦も必要。対応政策を熟慮し、センチメントになってアレコレといちゃもんつける外野の声になんぞ忖度せず、毅然とした態度で淡々と断行すべきだろう。そうでないと、いずれ世界中の国々からの日本への渡航は元より、日本からの入国も全面禁止となってしまう。

政府の行動要領に関しても、これまでの民意への丸投げがデフォだったせいか、学校閉鎖にしても単なるアドバイス程度の拘束力しかないために指導に従わないところも多く存在し、感染の封じ込めは不完全という体たらく。

無理もない。封じ込めが成功した場合、それが封じ込め作戦によるものなのか、或いは封じ込め作戦によるものではなく自然に封じ込められたのかという判断が付き難いために、作戦に対する正当な評価が難しいかもしれないから。しかし、もしも失敗した場合には、その結果は国民の目にはっきりと映る。それでは遅いのだ。既に、諸外国から日本からの渡航が禁止されたり、日本への渡航が禁止となっているところが出てきている。


「欲しがりません、勝つまでは」

太平洋戦争時代の国民精神総動員という政策の中で、大政翼賛会による「欲しがりません、勝つまでは」という標語は今も語り継がれているが、「相手を完全に叩きのめすためには、自分も痛手を受けることも辞さず」を理解し、それに従うことが今問われていると認識すべきだろう。

 

新コロナウイルスに対し、子ウイルス生成を抑えるためとしてこれまでに開発されたインフルエンザウイルスのポリメラーゼによる複製阻害や、ノイラミニダーゼによる遊離を阻害する薬の有効性は、まだ完全には立証されてはいない。わかっていることは、コロナウイルスであるのでエンベロープ型ウイルスだからアルコールで死滅させることが可能なことくらいだ。治療薬やワクチンも開発途上にある。さらに新型であるがゆえに、これまでの免疫が効かないという点もこれまでのウイルスとは異なる。こうしたハンデを追いながら、戦争は続いている。


「勝つまで」、それがいつなのかは神のみぞ知る日だとは思うが、行動が早急であればあるほど勝利の日は近づく。

 

政府による色々な対策に対して「その判断の根拠となるエビデンスを示せ」という議論が巷でよく出ているが、これが人類を食料とする宇宙からの舞い降りてきた宇宙人、インベーダであり、それが地球上にどんどん降り立ってきていると考えれば、それからの防御策に対してエビデンスがどうのとか言っていられないことは確かだろう。

 

相手はインベーダであり、それとの闘いに、防御策のエビデンスを纏める時間的余裕などないはず。

 

相手は人類がまだ遭遇したことのない未知の生命体なのだから、これまでの前例などを参照し、限られた時間の中で最小の行動で最大の効率を得ようというのは、虫が良すぎる。危機管理とは、万が一の場合も想定しなくては意味がない。万が一が発生したときは全滅もやむなしでは、管理にならない。

とにかく考え付く限りで、防御策を実践すべきだろう。

 

ところで余談だが、こんな記事も興味を引く。真偽のほどは不明であるが、いみじくも岡田晴恵教授が告発した感染研の件なども含め、今回の新型コロナウイルスにはナゾが付きまとうのが不気味でもある。

 

https://www.epochtimes.jp/p/2020/02/51700.html?fbclid=IwAR0tMX66DW-G5KxdYIBoTJBc5XSKwzo_pdaK2lWIykajpjSEFSV7NG6Stes

 

 

 

使い続けているiPhone6sが間もなく6年目に突入となった。これに伴い、バッテリもだいぶヘタって来た様子で、60%辺りの残量表示が突如として5%となって慌ててモバイルバッテリなどをつなぐと瞬時に50%と表示したりなどと動きが相当怪しくなってたため、また既にiOSのアップデートサービスが終了していることなどから、今回iPhone11に機種変を行った。手続きのために訪れた店舗の店員も、「6sですか!」と絶句していた。

よく知られている様に、iPhone8以降にはワイヤレス給電の受電コイルが搭載されているのだが、かつてワイヤレス給電に従事していた小生的には、以前と比べてどの程度送電効率や利便性が向上したのかテストしてみたかったので、早速送電ユニットを購入、テストしてみたのでメモっておく。

以前というのは3年前のことで、店頭にQiの送電ユニットが出始めたことだ。当時はまだワイヤレス給電対応のスマホやタブレットは存在せず、外付けに受電コイルを装備すれば給電できるというもので、Qi規格のもの。これは電磁誘導を用いる方式で、Qiというのは中国語の「氣」を表す。そのころのiPhoneには受電コイルは搭載されていないので、外付けコイルを調達、それをデバイスの外側に張り付けて使用してみたわけだ。

ワイヤレス給電としては、このQiの他にAirFuel(かつてはA4WPと呼んでいた)という磁界共鳴方式を用いる給電方法があるのだが、こちらは現在でも国内ではまだ商品化しておらず、市場にあるものはすべてQi規格のものだけである。AirFuelについては4年前にここで紹介した。

https://ameblo.jp/millimeter-wave/entry-12178291745.html

Qi規格の商品に就いては、この写真の様に2014年に開催されたCESでも大々的に展開されていた。これはCentral Hallという場所での展示だが、North HallにあるChina Pavirionでは、極めて多くの種類が展示されオンパレード状態だった。一方国内では、2015年くらいからボチボチ店頭に並ぶようになった記憶がある。これらの送電ユニットは、もちろんほぼ中国製である。

 


拙宅に於ける実際の使用方法としては、iPhoneの充電は出張先のホテルや新幹線の中で行うことなども多いため、受電コイルをつけたままにするわけにはいかないので、コイルは家でしか使わないiPadに装着した。

この充電方式、なにしろQi規格なので位置決めが極めてシビアである上、タブレットよりも送電ユニットの方がサイズが小さいことから送電ユニットの上にタブレットを置くと位置決めを直接見て確認することできないため、タブレットとほぼ同じプラスチックのケースを用意してケースに送電ユニットを固定、タブレットをケースにいれると送受電コイルの位置が合う様にした。また、効率よく給電していることを可視化すべくUSBチェッカーを途中にかませて状態確認出来るようにもしておいた。

結構長いことこの状態で使用していたところ、その後のiOSのバージョンが改定されたせいかもしれないが、ある時以降受電コイルが働かなくなってしまい、結局使用中止となってしまった経緯がある。

一方のAirFuelだが、小生はAirFuelの送電ユニットに用いられるパワーデバイスのアプリケーション開発に従事していたのでAirFuelの位置決めの簡易性や、電力伝送効率などの利便性、優位性を訴求したいところなのだが、市場への浸透はまだ時間がかかる模様で、その間、Qiがワイヤレス給電のデフォルトとして今日市場に多数展開されている様だ。下の写真はCESで、WiTricityがAirFuelのデモを行っているもので、位置決めの簡便さなどを実演している様子だ。



 

とはいえ海外、特に中華圏ではもう数年前からAirFuel対応の送電ユニットが市場投入されており、コンビニのイートインスペースなどにはQiと共にこのAirFuelによる給電システムも装備されている。さすが、やることが早い。


さて、今回の機種変に伴い、最近のQiがどの程度改善されてきているかも知りたかったので、久しぶりにQiの送電ユニットを探してみた。ネットの通信販売価格を見ると、大体数千円ぐらいなのだが、アキバの通称「自作通り」辺りでは500円程度で売られている。仕様を見ると5V/1.5AとあるのでiPhone用であれば問題ない。それがこれだ。
 


これは、アキバに「あきばお~」という名前の店舗を数店出しているハーマンズ株式会社というメーカーの製品。これに充電状態を目視できるように間にUSBチェッカを挟んで電圧電流状態を見ながら試運転したところ、1A以上の電流が流れ込んでおり、十分な働きをしてことが確認できた。

 

また、双方のコイルにも改善がされているのか、位置決めに関しても以前ほどシビアではないようだ。実際、スマホケース程度の厚み(送電ユニットと本体背面との間隙)であれば問題なく送受電できる。位置決めに就いて、AirFuelほどの柔軟性というか利便性はないものの、何とか使えることは使える。ただし、マッチング状態を可視化すべく、やはりUSBチェッカは必須である。

そこで、送電ユニットとUSBチェッカを合わせ込んだ送電台を仕立て上げた。台としているのは、透明アクリルで出来ている100均のカタログ&という商品だ。

 

 

当初これを立てて使用してみたが、iPhoneの置き方によっては送電ユニットとの間に隙間ができてしまうため、横に置いてUSBチェッカをその上に固定した。この上にiPhoneを置き、電流値を見れば送電状態が監視できる。見た目もなんとなくサイバーチックで、悪くない。

 


こうしておくとかなり使い勝手が良いので、当分これで過ごす予定である。

地球史の時代境界を示す区切りとしてGSSP、Global Boundary Stratotype Section and Point(国際境界模式層断面及びポイント)という界面がある。これは、IUGS(International Union of Geological Sciences:国際地質科学連合)が、地質時代の「ある節目」を以て区切る境界について、その特徴を最もよく示す地点を世界中から1つだけ選んでGSSPに認定するものだ。

地質時代、すなわち日本でいえば江戸時代とか明治時代というような区切りに於いて、これまで名称未定だった地質時代の一つに、第四紀更新世(約78.1万年前~12.6万年前)があった。この模式地として千葉県市原市田淵の養老川右岸に見られる露頭と、イタリアの二か所の候補との比較検討が長いこと議論されてきたのだが、更新世前期との境界が顕著に観察されることと、そこで見られる白尾火山灰層(詳細は後述)の正確な年代特定ができていることから、今年1月17日、中期更新世に対してチバニアン(千葉時代)という名称が正式に与えられたことは、テレビなどでもニュースにもなったので記憶に新しい。

 

なお、これまでにもチバニアンやその始まりについて書かれたウェブページなどはたくさんあるものの、何を以てチバニアンの終わりと定められているかを説明した文書はあまり見当たらず、いきおい、それを正しく理解している人も少ない様なので、それについて後ほど書いておく。

 


 

チバニアンが示す最も重要なポイントは、

 

チバニアン以前の時代は地球の磁極が現在の磁極(正磁極)とは反対だったということ。

 

つまり、北極と南極が今とは逆だったということである。これを逆帯磁といい、チバニアン時代の始まりから遷移時間をかけて現在の磁極へと変わったということを意味する。

これらをまとめると、国際地質科学連合は「かつて逆磁極であった地磁気が、現在の地磁気(正磁極)へと逆転が始まった約77万年前を中部更新世の始まりとし、そのあとに続く後期更新世との境界とする」ということを決定していた(2004年)が、千葉県市原市田淵の養老川右岸に於いて、長野県の御嶽山の噴火降灰によって形成された白尾火山層が77.4万年前であることが確認されたと同時に、同地に於いて地磁気反転の証拠もはっきりと見られることから中期更新世を「チバニアン」と命名、この地を模式地とすることが決定されたということである。

地磁気逆転について、上野の国立科学博物館に説明がある。

 



ここではあまり詳しく書かれていないが、この地磁気逆転という現象は、実はそれほど珍しいことではなく、過去360万年の間に11回起きたことが展示されているが、チバニアンの始まり以降は全く変わっていないこの逆転、なんとカンブリア紀中期には100万年間に26回という回数で生じていたという。一方、白亜紀には4000万年もの間、殆ど変わらなかったというから、単純な一定の周期で逆転が起きているわけではなさそうだ。ただし、気まぐれということではないので、そこに何等かの法則はあるはず。地磁気は個体である内核と液体の外殻との相関的な振る舞いに依存するところが大きいらしいということはわかっているが、まだその解明には至っていないという。

 

子供のころからち地質関係には興味を持っている小生としては、チバニアンについては正式に決定されるずっと以前から一度行ってみたいと思っていたのだが、今回、ようやく行くことが出来たので、手記としてまとめておく。草木が枯れて川の水量も少なくなっている冬場は露頭が見やすく、地質調査などの巡検には最も適した季節であり、ハチやヘビなどの危険動物もいないので、冬は露頭へのアプローチも安全なのだ。

 

現地までの道のりについては、千葉大・大学院工学研究院の関屋教授執筆の旅行手記が分かりやすいので、紹介しておく。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/essfr/12/2/12_158/_pdf/-char/ja

このチバニアンが観察される田淵の最寄り駅は小湊鉄道の月崎駅で、千葉駅から内房線で五井まで行き、そこで小湊鉄道に乗り換えるという方法になる。

 

 

小湊鉄道は本数が少なく、昼間の時間帯には1時間に一本という場合もあるので、時刻表に従って行動計画を立てる必要がある。また、距離の割に乗車時間はかなりかかるため、その辺りもよく考えて計画するとよい。因みに小生の住む埼玉からは、待ち時間も入れると月崎駅まで片道約4時間の行程となった。切符は、飯給(いたぶ)よりも先に進む場合には往復券よりも安い一日フリー乗車券がお勧めだ。月崎は飯給の一つ先となる。当日であれば、どの駅でも乗り降り自由となる。といっても1時間に一本なので、何度も乗り降りするというのはあまり現実的ではないかもしれないが。

 

内房線から小湊鉄道へはこの改札で乗り換える。乗り換えではなく、五井駅から入場する場合にも、いったんJRの改札を経てこの乗り換え口で改札する。切符は、フリー乗車券も含めすべて写真の左に見える券売機で購入する。

 

 

小湊鉄道は、キハ200というディーゼルの車両が使用され、1両乃至2両編成の単線で鉄道ファンにも人気の高い路線だ。この日も、撮り鉄乗り鉄が何人か同乗していた。月崎駅までは小一時間ほどである。列車内にはトイレがないので、先に済ますとよい。乗車するとディーゼルエンジンの音が心地いい。また、ここでは閉塞区間を通行するためのタブレットの入ったタブレットキャリア(環っか)の受け渡しが行われており、昭和な郷愁が漂う。さらに遮断機も警報機もない第四種踏切も多く、通過の都度、運転手は警笛を鳴らす。

 

 

月崎駅はこんな感じの無人駅だ。

 

 

駅舎内には、こんな手作りのバナーが貼ってあった。

 

 

駅前には広場があり、改札を出た左にバリアフリーの広いトイレがある。駅構内にもトイレがあるが、こちらは昭和な汲取り式のトイレで、殆ど使用された形跡はなかった。駅前広場の反対側にはヤマザキYショップがあるが、店舗はこの界隈でこの一軒だけだ。小湊鉄道の切符もここで販売している。もちろん、一日フリー乗車券を持っていれば買う必要はない。

 


 

駅の改札を出たら、このヤマザキYショップの前を右に進む。道なりに歩いていくと、小湊鉄道の踏切を跨ぐ。そのまま進み、県道81号線に突き当たるT字路となるので、そこを右折する。月崎駅からT字路までは800m。

 


 

右折したらそのまま道なりに進むと、切通のカーブなどを経て、右に田淵会館という看板が見えてくるので、そこで県道を離れ、田淵会館へと斜め下方向に進む。先程のT字路からここまでは、約900mとなる。途中の切通カーブの部分には歩道がない上、車の数も少なく、いきおい、結構飛ばしている車も多いので歩行時には注意が必要だ。

 

 

田淵会館のところを下っていくとチバニアンという看板や垂れ幕も多くみられるようになる。

 

 

河川敷に降りる手前に、写真の様なチバニアンの説明が書かれたパンフレットが置かれているので、これを入手する。また、チバニアンに関する簡単な説明版もあるので、参考にするとよい。ただしこれらのパンフレットを見ても、初見では現地で露頭を見上げてどこがチバニアンなのか、どうなっているのかなどを完全に理解するのは少し難しいかもしれないので、詳細は後述する。現地まではここから約500mである。

 

 



河川敷に着くと、丸く削られた石がたくさん見られる河原となっており、岩質が柔らかいことが分かる。

遊歩道はないので河原をそのまま歩く。河床は泥質で柔らかくて滑りやすい上、歩く場所は川の水位とほとんど同等なため、滑ると靴ごと水没するので注意深く歩く必要がある。

そして到着するここが、チバニアンが見られる地層だ。この地層は上総層群国本(こくもと)層の一部であるが、チバニアンというのは冒頭で述べたようにモノの名前ではなく時代を表す言葉なので、チバニアンが見られるという言い方は正しくはなく、「チバニアンを示す地層が見られる」という方が正しい。

 


 

この地層は東北東−西南西に走向し、傾斜が北西に10度となっていて、半深海〜陸棚で堆積した層であり、多くの火山灰を挟んでいることや、多くの微化石を多く含んでいるので正確な年代測定が可能なことなどが特徴だという。座標としては、北緯35度17分40秒 東経140度8分47秒に位置する。

 


 

上図に赤く書き入れた線は、78万年前に噴火した長野の古期御嶽火山のテフラ(火山砕屑物)が数㎝の厚みでここに堆積したもので、白尾(びゃくび)層という凝灰岩の地層であるが、ちょうど地磁気逆転の時期の目印となっており、逆磁極期から過渡期(磁極遷移帯)を経て正磁極期に移っていく様子が、この地で連続して分析・観察できる。

 

 

写真の赤い線が噴火した御嶽山からの白尾火山灰層で、その下は逆磁極、赤い線から上は磁極遷移層を経て正磁極となる。

 


 

因みに第四紀の始まりは258万年前と定められているが、それは松山逆磁極期の始まりを持って定義されたもので、258万年前から78万年前までを松山期(逆磁極期)、それ以降現在までをブリュンヌ期(正磁極期)と呼んでいる。すなわち、この地磁気逆転開始時期、つまり松山・ブリュンヌ期がチバニアンの始まりというわけだ。

また、この時期は人類史上として、北京原人(かつてシナントロプスと呼ばれた)やジャワ原人(かつてピテカントロプスと呼ばれた)などのホモ・エレクトスが東アジアに出現し、ヨーロッパではネアンデルタール人が誕生して間もないころのことだ。

 

写真は、科学博物館に展示されている、中国周口店で発見されたホモ・エレクトスの一つ、北京原人。彼らは逆磁極の中で生活していたことになる。

 

 

ところで、正磁極と逆磁極は磁石が回転して逆さまになるのではなく、まるでモーターを逆回転させたときのように、一度止まって逆になるそうだ。つまり、磁極がない時間があることになる。逆磁極の時、遷移期間における自然現象はどうだったのか。生物に対してどのような作用があったのか。磁極を感じ取って行動する渡り鳥などがいたとすると、その様な動物たちは何を頼りにしていたのか。


ところで、チバニアンの次、つまり後期更新世についてはまだ正式名称が定まっておらず、タランティアンという名称がUSGSで検討されているという。この後期更新世の始まり、つまりチバニアンの終わりの区切りについては、海洋酸素同位体ステージ(MIS:Marine Oxygen Isotope Stage)のMIS5とMIS6の境界と定められている。

 

大気の気温分析には、海中の微生物である有孔虫の成分である炭酸カルシウムに含まれる酸素と酸素同位体の比率を測定し、気温を推測する方法が用いられる。これは、温度によってその含有比率が異なるからだ。この手法によって氷期・間氷期を表したものを海洋酸素同位体ステージ(MIS:Marine Oxygen Isotope Stage)といい、現在から過去へ遡って番号が振られ、奇数を間氷期、偶数を氷期としている。重い海水が多いほど多くの同位体が取り込まれるので、酸素同位体比は氷期に大きく間氷期に小さくなる。下図のMIS5のところがチバニアンの終了時期だ。

 


 

日本列島で言えば、下末吉海進の最盛期でもあった最終間氷期のピークが12.6万年前であるから、チバニアンの終わりである12.6万年と一致する。この時期は地球規模で高温、高海水準期だったという。

 

従ってチバニアンは、
 

78.1万年前の地磁気逆転開始時期から12.6万年前の最終間氷期までの期間を示す地質時代の名称ということになる。

 


この様な逆磁極期と正磁極期、そしてその遷移期がはっきりと見られるというのは大変興味深い。時間があれば、ぜひ訪れて頂きたい場所の一つだ。今後、日本の地名が地質時代に適用されるということは恐らくないだろうから、最初で最後ということで一度見学しに行くとよいと思うのだが、雨の後などは養老川の水位が上がるため、現地についても露頭まで行けないこともありそうなので天候などについては十分に注意されたい。


地球の地場は25~65μT(マイクロテスラ)。これは5Aの電流が流れている導体線から25~65㎝離れたところの磁気の強さと同等という僅かな磁気だが、二ホンミツバチなどもこの磁気を感知して飛ぶ方向を定めているという。だとすると、地磁気逆転が起きる理由はもとより、生物へ与える影響など興味深いことがたくさんある。

 

この100年ほどで、地磁気は5%弱まっているという。単純計算すると、2000年で地磁気が消滅することになる。実際はもっと複雑な要素が絡むので違った状況となるであろうが、弱まっていることは事実の様だ。下図は地磁気観測所のデータ。これを見ると、かなり速い速度で磁気が減少していることが分かる。

 

 

とはいえ、これまでにもそういうことが何度もあったにも拘らず、動物たちは絶滅することなく生き延びている。磁気を頼りに生活をしている人類は、向こう2000年の間に磁気消失に対してどう対応していくのか。自分、特に長生きしたいとは思っていないが、2000年後の地上は見てみたいと思う。

 

 

自分の心臓の鼓動、聴診器を持っていない限り、聞くチャンスはあまりない。一度ちゃんと聞いてみたいと思ったので、聴診器を買ってみた。もちろん、お医者さんごっこ用ではなく、ちゃんとしたプロ用の、である。

こんなものまでネット販売で調達できるので、今更ながら驚く。

 

数年前に両親が入院しているころ、回診に来る医師が聴診器を使って心音などをチェックした後で、体の状況に就いて医師から簡単な説明を受けたりしていたのだが、出来れば自分も同じその音を聞きながら説明を聞ければ勉強にもなるのだが、と思ったものだった。もちろん、様態が芳しくない場合にはベッドサイドモニターが置かれ、様々なセンサーからの心拍数や血圧、動脈酸素飽和度などの情報がアナログ的、デジタル的に表示されるので、それを確認すればいいのだが、安定な状態のときにはモニターが置かれないため、どのような状態にあるかは、医師の話を聞くしか方法がない。心電図などと異なり、心音くらいであれば音を聞きながら医師の説明を聞けば、素人であってもそれなりに理解ができるのではと思うのである。

 

そのようなことから、とりあえずはまず自分の心音を聞いてみようと思い、まずは聴診器を調達してみた。聞いてみると、なかなかのサウンドで楽しめるし、腸内の音などもよく聞くことができる。とはいえ、このままでは自分だけでしか聞けないし、聴診器のイヤーチップはかなり硬くて長時間耳に突っ込んでいると結構耳が痛くなってくる。これを通常のスピーカから出せるようになれば、長時間聞いていても痛くならないし、多人数で情報共有できるようになるだろうと思い、

 

聴診器の先にマイクをつけて心音を拾い、メインアンプへと伝送するものを作ってみることにした。

 

マイクとしては以前別の目的で使用したことのある小型のコンデンサマイク(エレクトレット・コンデンサ・マイクロフォン)が良さそうなので、アキバで探してみると、秋月電子通商にコンデンサマイクとマイクアップのキットがあった。見ると、アンプとしてレールツーレールのオペアンプが使われており、増幅率はおよそ100倍。かなりのゲインが期待できそうだし、さっそくこれを調達。ただし、このマイクアンプキットに含まれているマイクは聴診器のチューブよりもサイズ的にかなり大きいので、聴診器チューブの内径とほぼ同等くらいのサイズ、つまり直径6㎜程度のコンデンサマイクを別途調達した。さらに増設用のスイッチ類やオーディオジャックとケース、LEDといったところも購入。合計で1000円前後といったところだ。下記の回路は、キットにLEDなどを追記したもの。

 

 

帰ってきてから聴診器のチェストピースを外してチューブの差込口にコンデンサマイクを差し込んでみるとサイズ的にかなりキツキツで、ある意味ちょうどよい。この反対側に延長ケーブルを差し込める様にするため、3.5㎜のオーディオミニジャックを接続し、コンデンサマイク用アンプモジュールと電源端子およびオーディオ端子などをはんだ付けして動作チェックを行った。

 

電源は2.5~5Vとなっているので、5VのACアダプタを用意した。このままの出力ではパッシブスピーカの駆動はできないので、パソコン用のアクティブスピーカ(パワードスピーカ)などが必要となる。そこで手元にあった小型のギターアンプを用いた。

 

動作チェックすると、心臓音はちゃんと聞こえるものの、問題が発生。心音よりも大きな音で、一定のインターバルで発生するクリック音の様なノイズ音が発生しているのである。アンプの発振なのか、マイクの不具合なのかなどを探るべくマイクを外してみたところ、ノイズは消えないので、どうやらアンプで発生しているらしいことが分かった。

 

そこで、ふと電源を疑ってみる。安いスイッチング方式のACアダプタ、スイッチングノイズがそのまま乗ってノイズ源となることはよくあることなので、その可能性を探るべく、

 

直流安定化電源をつないでみたところ、思った通りノイズが消えた。

 

やはりそういうことか。

 

スペックには電源電圧2.5V~5V駆動となっているので問題ないはずだが、一応4.5Vでも動作することを確認したので、実機は乾電池3本で駆動させることにした。もともとモビリティは必要なので、乾電池の方が使い勝手はよい。5Vのモバイルバッテリを用いることも考えたが、モバイルバッテリには5V以上の出力電圧を持つものも多いので、5V以下を保つべく乾電池三本駆動を選んだ。回路図は、市販キットの回路図に、電源及びLED廻りを追記したものだ。オペアンプ廻りを見ると、なるほどゲインは100倍くらいとなる。

 

ここで動作確認が終了したので、ドリルでケースに取付穴を開け、電源スイッチとLEDをつけて完成とした。

 

 

実際に使用してみると、ゲインが高いためにハウリングが発生しやすい。それさえ気を付ければ十分実用可能だ。

 

自分の心臓音がスピーカを通じて「ズシンズシン」と神秘的に聞こえてくるのは、結構感動的だ。

 

これがあれば小さな振動音も大きな音量で聞くことができるし、IoT化させれば遠隔地でもモニタリングすることが可能となるだろう。また、家にいる時に本人が寝ていても他の家族全員が同時に聞くことができるから異常な状態も検知可能となる。あまり複雑にせず、微弱電波でいいのでワイヤレス化してラジオで聞くことできると便利になるかもしれない。

 

一方、一人で聞くにはイヤホーンでいいので、小型のパワーアンプを作成しようと思ったのだが、ふと思い出した100均のアンプ「ボリュームアンプ」を引っ張り出してつなげたところ、十分なゲインで聞けるようになった。このアンプは乾電池駆動なので、これで完全なモバイルな心音モニターが完成。このオーディオアンプ、作るよりもずっと安い。

 

 

なおこのアンプについては、6年ちょっと前の頃に、ここで紹介してある。

https://ameblo.jp/millimeter-wave/entry-11576215501.html

 

惜しむべきはこのアンプ、今は製造中止になっている様なのだが、探せばもっと良いものが見つかるかもしれない。

Windows7のサポート終了が一週間後の1月14日となった。そのあとになってもLAN接続しなければそのまま使えるのだが、面倒なことになってもアレなのでWindows10へと更新を行った。

以下は、やり方が正しいかどうかは不明なのだが、自分がやったプロセスを覚書として書いておこう。もちろん、無償でのアップデートである。

 

次のサイトがアップデートに関する丁寧な説明があり、この通りのプロセスで問題なくアップデートが完了した。

https://hackers-high.com/windows/upgrade-windows10-for-free/

この指南に従い、まずここからWindows10のアップデートファイルをダウンロードするためにここにアクセス。


https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10

すると、この様なメッセージが出てくる。


画面に出る指示の通りに進めると、アップデートが粛々と進む。

 

 

 

結局、自分の場合は、途中何度かの再起動を含め、およそ3時間かかってアップデートが終了した。途中こんなメッセージが出てくる。飽きさせないためか?



 

やたら時間がかかるが、それは覚悟の上だ。それ以外にトラブルに遭遇し、悩むことや焦ることはなく淡々と作業は進んだ。

この結果、ほぼすべてのアプリはそのまま動くし、データファイルも問題なくアクセスできたのだが、MS-Officeが正しく動かないという問題が起きた。

 

具体的な症状としては、WordやExellを立ち上げると、一瞬立ち上がるのだが、そのあとすぐに落ちるという問題。イメージとしては、スタート画面が出てそのあとすぐに消えるといったイメージだ。

恐らくOfficeのバージョンが低いことだろうとアップデートを探してみたが、その問題ではないことがわかり、暫くあれこれやった結果、原因はWindow10自身のアップデートがされていないことが原因だということが分かった。つまり、Window 7からWindow 10まではアップデートされたものの、そのあと「最新の状態にアップデートします」というプロセスが完全ではなく、漏れがあったことらしい。

具体的な対応方法はWindowsのスタートボタンをクリックして設定画面からWindowsのUddateを選択し、そこから更新プログラムをダウンロードすることでOffice問題は解決した。

その後、今度はOutlookで問題が発生。それはGoogleのGmailが正しく動かなくなってしまったという問題だ。何しろ「サーバーから弾かれる」と出てくるから、手に負えない。そこでOutlookからアカウントを抹消し、再度入れなおそうとしてみたのだが、結果は同じで、サーバーから拒否される。

散々悩んだ後、そういえばずいぶん前に同じ問題が発生したことがあり、自分のメモを見てみると、MSのOutlookは、Google的には「安全性の低いアプリ」らしいことを思い出した。

https://support.google.com/accounts/answer/6010255

 




そこで、「安全性の低いアプリのアクセス」をクリックし、トグルを許可にさせる。次のページが許可の状態だ。

https://myaccount.google.com/lesssecureapps


 

こうすることにより、OutlookでGmailが扱えるようになった。

 

この様なプロセスを経て、Window7からWindow10へのアップデートは無事終了。もう一度やることはないだろうけど。

 




 

先日、上野の国立科学博物館で開催されていた企画展「電子楽器100年」に出展されていた元祖電子楽器のテルミン、自分も試してみたいと思っていたら、12年前の「大人の科学」に「なんちゃってテルミン」が付録キットだったことが分かり、通信販売で調べてみると未開封品の中古品というのがある。販売当時価格よりも高価とは言え、目くじら立てる様な値段でもないし、少しの間かも知れないがオモチャとして遊べそうだし、あれこれと改造も出来そうだし、ということでそれを購入し、組み立ててみることにした。

 

 

注文後ほどなく到着。新古品とは言え10年以上前の商品なので、開封してみると外装などは経年劣化が見られるが、中身は問題なさそうだ。

 

写真は、キットの内容。この様に、部品実装済みプリント基板とプラスチックケース、アンテナなどがキットとなっている。プラスのドライバ一本あれば、プリント基板をケースに入れてアンテナを立て、電池ケースをはめ込めば完成だ。

 

 

 

 

回路を見ると、二つの高周波発振回路とアンプが入っている。発振回路の片方は固定でもう片方は可変となっており、オーディオ信号発生原理としては、この二つの発振周波数を僅かにずらして合成した時に、その差分で発生するビート信号のエンベロープが可聴帯域のオーディオ信号となるため、その信号をアンプで増幅するというものだ。可変発振回路側の発振周波数はアンテナと人体との間で形成されるコンデンサの静電容量で決定されるのだが、手を近づけると静電容量が大きくなって共振周波数が低くなり、固定発振器の周波数との差分周波数が大きくなるために生成されるオーディオ音は高くなる。逆に遠ざければ音は低くなるので、手とアンテナの間の距離によって音の高低が産まれるという仕組み。つまりアンテナに手を近づけたり遠ざけたりすることで音階を奏でるという、いわばエアー楽器の様なものだ。

 

生成されるサウンドとしては方形波に近い歪音なので、結構きつい。また、発振がかなり不安定なので、少し改造することにした。改造内容は付録にある本を参照しながら、使い勝手を鑑みて、ケースに外付け端子を付けて回路基板からグラウンドを引っ張り出し、人体接地する様にしたことや、発振周波数領域を拡大すべくアンテナをロッドアンテナに替えたり、更に内部スピーカでの再生以外にも音を弄れる様に、ホーンジャックを付けた。

 

これによって、発振は安定し、また付属品のアンテナは相当に華奢なためにフラフラと揺れを起こし、それはそれで周波数の変動によるビブラート効果となるのだが、ビブラート無しの音を出すためには揺れが止まるのを待たなくてはならないという問題があったのだが、ソリッドなロッドアンテナに交換したことで周波数は安定するようになった。

 

更に音をなんとかすべく、取り合えずはLPF(ローパスフィルタ)を噛ませてみた。先に、ホーンジャックを取り付けてあるので、本体とアンプの間に入れればよい。取り急ぎ遮断周波数を可聴周波数帯域の高音部に設定して手持ちの抵抗とコンデンサだけで組んでみたところ、ある程度、音の角が丸くなった感じになったものの正弦波の様な音とは程遠いので、まじめに矩形波→正弦波の変換器を設計しようと考えているところである。また、ギター用のエフェクタがあるので、これも噛ませてみよう。

 

 

こうやって色々と弄っていると、ふとこのおもちゃは電子業界に入ってきた文系出身新人への教育ツールとして使えそうな気がしてきた。さすが、学研の商品である。常に購入できるようになっていると有難い。

 

 

かつて、現在の秋葉原駅前には、地下鉄銀座線の「万世橋」という駅が存在していた。銀座線は昭和2年12月30日の開業で、日本発初の地下鉄であったが他に地下鉄がなかったため、27年間のあいだ、昭和29年に日比谷線が開通するまで銀座線という名前はまだなかったようだ。

 

万世橋というと中央線の万世橋駅が有名で、廃止後にはその跡を交通博物館として使用したり、現在ではショッピング用のマーチエキュートが開かれているし、駅遺構の階段や壁面などの一部は一般公開されているので訪れた人も多いと思うが、今回投稿するのはその万世橋ではなく地下鉄の万世橋駅である。万世橋駅の沿革を次に示す。

 

昭和2年12月30日    ;日本初地下鉄として浅草~上野間(2.2km)開通
昭和5年1月1日       :上野~万世橋開通(1.7Km)開通
昭和6年11月21日    :万世橋~神田間開通に伴い、万世橋駅閉鎖


この様に、万世橋駅は昭和5年1月1日開業後、翌年11月には廃止されたという僅か2年足らずの駅だったため、記録などはほとんど残っていないらしく、公開されている資料としての当時の写真などは全く見当たらない。場所は現在の中央通りにあるエディオンという電器量販店の真ん前の辺りであり、当然開業当時の遺構などは皆無だ。


昭和5年の万世橋まで開業した時のポスターを次に示す(地下鉄博物館より)。

 


さて、この様に万世橋駅は短命な駅ではあったものの、地下にあるこの駅のプラットフォームは現在も存在していて、使用こそしていないのだが佇まいとしては昔のままだという。とは言え、照明などは消灯しているので通過する列車から見ることはできない。

では、地上には何もないのかというと、実はこのプラットフォームに降りるための階段は通風孔として現在も使用されており、歩道に敷かれたグレーチングがそれである。実際、そこに立っていると、地下鉄が通るたびに生暖かい風が吹き上げてくる。


そのグレーチングがこれだ。

 



 

また、この隣には地下の隧道の消防連結送水管の送水口があるが、そこにはかつての帝都高速度交通営団のロゴが記されている。

 

 

最近まではもう少し目の粗いグレーチングだったので、上からのぞき込むと下に続く階段がみえたそうなのだが、今はこの様な具合で確認できないのが残念だ。

 

 

ところで万世橋駅は何故短命だったのかというと、浅草から末広町までつないでいる銀座線を神田まで伸ばす際、神田川の川床を通す工事が難工事であったため、神田川手前の万世橋辺りで折り返す様に作った臨時の駅だったからで、開通後は廃止となったために短命だったということらしい。従って、資料も殆ど残っておらず、人々の記憶にあるのみという「幻の駅」なのだ。昭和5年というと、今から89年前。現在、当時の記憶があるという人はかなり稀有だろう。

 

その後は昭和7年に神田から京橋まで、昭和9年には京橋から新橋まで、そして昭和14年には渋谷まで開通し、現在の銀座線となった。

この万世橋駅について、古い文献などを探ってみたが、さすがに見当たらない。しかも地下鉄なので地図などにも書かれていないし、そもそも2年足らずで消滅してしまった臨時駅なので痕跡すら見付からなかったのだが、たった一つだけ記載のある地図があった。それは昭和6年に地人社から発刊された綱島定治著、「ポケット大東京案内」に書かれてある地図だ。

 

昭和6年だからどんぴしゃりである。恐らくその2年前とか1年あとであれば、廃駅となっているので、抹消されてしまっていることだろう。地下鉄万世橋駅からすれば、地図に載っていることは奇跡に近いかもしれない。その地図を紹介しておく。

 



 

この地図を見ると、万世橋の交差点のところから赤い線で地下鉄が記載されており、ひらがなで「まんせいばし」と書かれているのが確認できる。反対側、つまり神田川方面への線路の記載がないので、まさしく銀座線の終点であった万世橋駅だろう。また、お茶の水から東へ延びる現在の総武線がまだ建設中の様で、秋葉原駅が記載されていないのも興味深い。

この駅は、同様に現在は廃駅となっているものの、京成電鉄の博物館動物園駅などの様に安全目的等で照明器具を点灯していてはいないが、ごくたまに行われるイベントなどではライトアップされることもあるようだ。その時の写真がこれである。

 

 

何か荘厳な気配すら感じさせる佇まいだ。今から90年近くも前に、たった2年間だけ操業し、その後はずっと地下に潜んでいる駅のプラットフォーム。しかし、決して捨てられたわけではなく、現在も真横を通る電車を毎日見送っているプラットフォーム。これまで、一体何本の電車の往来を見守ってきたことだろう。
 

機会あれば、是非見てみたい駅の一つだ。


 

USBを想定した5V出力のバッテリは巷にたくさんあるが、9Vとなると意外と少ない。現在手許にはポータブルなハンディオシロスコープが2台あるが、2台とも電源は9V入力となっており、ACアダプタ駆動で使用している。しかし、ポータブルというならば、商用交流電源がない場所で使用出来てこそのポータブルなので、9V出力のモバイルバッテリを探してみたのだが、イイのが見当たらないので自作することにした。


製作といっても、以前、何かの展示会でノベルティとしてもらったスマホ用のモバイルバッテリが一台余っていたので、そのバッテリと中華製ステップアップDC/DCコンバータモジュールで組み合わせただけのものだが、このモジュールは5Vから35Vまで可変なので、9Vに限定せずに使用できるように出力電圧用として電圧表示のパネルを付けた。また、このパネルのために電力消費させるのももったいないので、電源スイッチ以外にパネルにもスイッチを設けた。電源出力端子は一般的な5.5mm/2.1mm内径のDC端子とした。

 

9V用モバイルバッテリ


外観はこんな感じで、バッテリ及びその充電用USBケーブルを収納できる様にしたので少し大きくなってしまったが、出力のリップルも小さく、実用には十分なものになった。実際にハンディオシロスコープの駆動をさせてみたが、全く問題なく電源供給している。

 


このDCDCモジュール、通信販売で165円という破格な値段で入手できる。当初これも自作しようと思ったのだが、部品を調達するだけで165円はとても無理なので、既製品を使うこととした。なぜこんな価格で製造できるのか、いつも疑問な中華マジックでもある。