自分の心臓の鼓動、聴診器を持っていない限り、聞くチャンスはあまりない。一度ちゃんと聞いてみたいと思ったので、聴診器を買ってみた。もちろん、お医者さんごっこ用ではなく、ちゃんとしたプロ用の、である。
こんなものまでネット販売で調達できるので、今更ながら驚く。
数年前に両親が入院しているころ、回診に来る医師が聴診器を使って心音などをチェックした後で、体の状況に就いて医師から簡単な説明を受けたりしていたのだが、出来れば自分も同じその音を聞きながら説明を聞ければ勉強にもなるのだが、と思ったものだった。もちろん、様態が芳しくない場合にはベッドサイドモニターが置かれ、様々なセンサーからの心拍数や血圧、動脈酸素飽和度などの情報がアナログ的、デジタル的に表示されるので、それを確認すればいいのだが、安定な状態のときにはモニターが置かれないため、どのような状態にあるかは、医師の話を聞くしか方法がない。心電図などと異なり、心音くらいであれば音を聞きながら医師の説明を聞けば、素人であってもそれなりに理解ができるのではと思うのである。
そのようなことから、とりあえずはまず自分の心音を聞いてみようと思い、まずは聴診器を調達してみた。聞いてみると、なかなかのサウンドで楽しめるし、腸内の音などもよく聞くことができる。とはいえ、このままでは自分だけでしか聞けないし、聴診器のイヤーチップはかなり硬くて長時間耳に突っ込んでいると結構耳が痛くなってくる。これを通常のスピーカから出せるようになれば、長時間聞いていても痛くならないし、多人数で情報共有できるようになるだろうと思い、
聴診器の先にマイクをつけて心音を拾い、メインアンプへと伝送するものを作ってみることにした。
マイクとしては以前別の目的で使用したことのある小型のコンデンサマイク(エレクトレット・コンデンサ・マイクロフォン)が良さそうなので、アキバで探してみると、秋月電子通商にコンデンサマイクとマイクアップのキットがあった。見ると、アンプとしてレールツーレールのオペアンプが使われており、増幅率はおよそ100倍。かなりのゲインが期待できそうだし、さっそくこれを調達。ただし、このマイクアンプキットに含まれているマイクは聴診器のチューブよりもサイズ的にかなり大きいので、聴診器チューブの内径とほぼ同等くらいのサイズ、つまり直径6㎜程度のコンデンサマイクを別途調達した。さらに増設用のスイッチ類やオーディオジャックとケース、LEDといったところも購入。合計で1000円前後といったところだ。下記の回路は、キットにLEDなどを追記したもの。
帰ってきてから聴診器のチェストピースを外してチューブの差込口にコンデンサマイクを差し込んでみるとサイズ的にかなりキツキツで、ある意味ちょうどよい。この反対側に延長ケーブルを差し込める様にするため、3.5㎜のオーディオミニジャックを接続し、コンデンサマイク用アンプモジュールと電源端子およびオーディオ端子などをはんだ付けして動作チェックを行った。
電源は2.5~5Vとなっているので、5VのACアダプタを用意した。このままの出力ではパッシブスピーカの駆動はできないので、パソコン用のアクティブスピーカ(パワードスピーカ)などが必要となる。そこで手元にあった小型のギターアンプを用いた。
動作チェックすると、心臓音はちゃんと聞こえるものの、問題が発生。心音よりも大きな音で、一定のインターバルで発生するクリック音の様なノイズ音が発生しているのである。アンプの発振なのか、マイクの不具合なのかなどを探るべくマイクを外してみたところ、ノイズは消えないので、どうやらアンプで発生しているらしいことが分かった。
そこで、ふと電源を疑ってみる。安いスイッチング方式のACアダプタ、スイッチングノイズがそのまま乗ってノイズ源となることはよくあることなので、その可能性を探るべく、
直流安定化電源をつないでみたところ、思った通りノイズが消えた。
やはりそういうことか。
スペックには電源電圧2.5V~5V駆動となっているので問題ないはずだが、一応4.5Vでも動作することを確認したので、実機は乾電池3本で駆動させることにした。もともとモビリティは必要なので、乾電池の方が使い勝手はよい。5Vのモバイルバッテリを用いることも考えたが、モバイルバッテリには5V以上の出力電圧を持つものも多いので、5V以下を保つべく乾電池三本駆動を選んだ。回路図は、市販キットの回路図に、電源及びLED廻りを追記したものだ。オペアンプ廻りを見ると、なるほどゲインは100倍くらいとなる。
ここで動作確認が終了したので、ドリルでケースに取付穴を開け、電源スイッチとLEDをつけて完成とした。
実際に使用してみると、ゲインが高いためにハウリングが発生しやすい。それさえ気を付ければ十分実用可能だ。
自分の心臓音がスピーカを通じて「ズシンズシン」と神秘的に聞こえてくるのは、結構感動的だ。
これがあれば小さな振動音も大きな音量で聞くことができるし、IoT化させれば遠隔地でもモニタリングすることが可能となるだろう。また、家にいる時に本人が寝ていても他の家族全員が同時に聞くことができるから異常な状態も検知可能となる。あまり複雑にせず、微弱電波でいいのでワイヤレス化してラジオで聞くことできると便利になるかもしれない。
一方、一人で聞くにはイヤホーンでいいので、小型のパワーアンプを作成しようと思ったのだが、ふと思い出した100均のアンプ「ボリュームアンプ」を引っ張り出してつなげたところ、十分なゲインで聞けるようになった。このアンプは乾電池駆動なので、これで完全なモバイルな心音モニターが完成。このオーディオアンプ、作るよりもずっと安い。
なおこのアンプについては、6年ちょっと前の頃に、ここで紹介してある。
https://ameblo.jp/millimeter-wave/entry-11576215501.html
惜しむべきはこのアンプ、今は製造中止になっている様なのだが、探せばもっと良いものが見つかるかもしれない。
















































