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プロムナード

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小生、普通の四則演算の場合でも専ら関数電卓を使っている。関数電卓は入力した文字や計算式がそのまま表示されるので、正しく入力されているかの確認だけではなく、値の一部を変更して再計算させるなどの処置が簡単に出来るので便利だからだ。

 

しかし、ブラインドタッチで次々と数字を入れていくという作業にはあまり向かず、そういう場合は大型の電卓の方が使い勝手が良い。その手の電卓はアモルファス型太陽電池搭載がデフォで、故障などほとんどしないのだが、手持ちの電卓、液晶表示がおかしくなって、セブンセグメントの一部が発光せず、「8」が「4」になったりするので、新しく買い換えることにした。

 

この手の電卓はメーカーものだと1000円ぐらいだが、実は100均にもある。どうせ計算するだけだからと、100均(実際は300円だったが)の電卓を購入し、使い始めたところ、なんとキーが硬くて意識して押し込まないとキーが反応しないのだ。これは頂けない。押した文字が入力されたりされなかったりするので、ブラインドタッチ入力なんて全く不可能。なので、一度も使うことなくごみ箱へ。

 

というのもなんとなく悔しいので、これを別物に仕立てることにした。マニュアルカウンター器である。

 

よく知られているように、電卓は1+1の後に「=」をたたくと2が表示されるが、そのまま「=」を連打すると3、4、とカウントアップしていくので、「=」キーを叩いた数をカウントするように表示されるのだ。これを利用して、「=」キーに相当する部分を外に引き出し、それをオンオフさせることでカウントするカウンターとして使うことにした。

 

 

分解し、「=」キーの部分から引っ張りだしてそこにスイッチを設ける。最終形のイメージとしては、NHK紅白歌合戦の最後に客席の団扇の赤白をカウントする野鳥の会のメンバーが持っているカウンターの様なものなので、スイッチとして手元に余っていた自動車用シガーソケットを使った。このソケットを手で握ると、親指以外の指はソケットのアースに触れるので、親指が触れるセンターとの間で掌を介したスイッチが形成される。その人体スイッチを用いて作成した。

 

ただし、この方法だと、手袋をしていれば全く使えないし、手が乾燥していると接点不良が生じてしまう。実際に試してみると、この季節(夏)なので、ほぼカウントミスはないが、たまにロスることがある。なので、ちゃんとしたスイッチが必要だということから、モーメンタリなタクトスイッチでカウンタを作成。

 

といっても、わざわざ買いに行くのも面倒だし、電車賃もかかるので、100均にあるスマホ用リモートシャッターというものを流用することにした。

 

これを分解してみると、中には謎のICが鎮座。本体から延びるコードがタクトスイッチを介してこのICへと接続されている。これは使わないので、ICに接続される手前にあるSMDの抵抗とコンデンサを外し、コードを直接はんだ付けした。

 

 

 

出来上がったのがこれだ。こうすれば、カウントミスは生じないし、手袋していても問題なく動作する。これで完成。

 

 

さて、では何をカウントするか。それはまだ考えてないのだが。

 

 

 

 

感度と特異度は、感染検査に於ける精度を評価するための指標で、値が低い場合には様々な問題を引き起こすために正しく把握することが大切であるし、その意味をよく理解しておく必要がある。ところが、マスコミのコメンテータやMCの発言を見ていると、感度と特異度の定義を曖昧にしか理解していない、或いは間違って理解している様子なども散見されるので、自分なりにまとめておく。

 

そもそも感度という言葉は、ラジオなどの受信能力などでもよく使われる言葉なのでイメージしやすいが、特異度という言葉は医学用語でもあるので、一般的にはあまり聞かない。すくなくとも、今回の新型コロナウイルス騒動で初めて聞く言葉である人も多いと思う。恐らくコメンテータも同様なのだろう。だから誤解しているきらいがある。

 

感度とは、「本当に陽性である人を陽性と判断する確率」のことで、100%が望ましい。これを別の言い方で言えば「偽陰性が低い」ことであり、即ち本当の陽性を見逃さないということだ。偽陰性というのは、本当は陽性であるにも拘らず陰性と判定することである。感度が低いことによる弊害は、感染者をすべて判定し切れず、感染者の保護や隔離の弊害が生じることである。

 

感度が高い:         偽陰性が低く、陽性者を正しく陽性と判定できる。

感度が低い:         偽陰性が高く、本当は陽性にも拘らず陰性と判定され、
             陽性者が隔離できない。

 

特異度は、本当の陰性の人を陰性と判断する確率のことで、100%が望ましい。これを別の言い方で言えば偽陽性が低いこと。偽陽性というのは、本当は陰性であるにも拘らず陽性と判定することである。特異度が低いことによる弊害は、陽性ではない陰性者まで隔離させてしまったり、それによって医療崩壊を引き起こす可能性があるということだ。

 

特異度が高い:      偽陽性が低く、陰性者を正しく陰性と判定できる。

特異度が低い:      偽陽性が高く、本当は陰性にも拘らず陽性と判定され、
             無駄な隔離が行われる。

 

ここで、具体的に感度と特異度による精度を求めてみる。

 

   例(1):

      母数:    10万人

      感染率:  0.1%

      感度:     99%

      特異度:  97%

 

この検査を受けて陽性と出た場合、本当に感染しているという確率を求める。

 

      真陽性: 100,000x0.001x0.99=99(人)

      偽陽性: (100,000-100,000x0.001)x(1-0.97)=2,997(人)

 

従って、

 

   真陽性/(真陽性+偽陽性)=99/(99+2,997)=0.0319(=3.2%)

 

結果、感染率0.1%という数字が、陽性判定を受けた後の感染確率は3.2%へと上昇していることが分かる。この感染率を事前確率、陽性判定を受けた後の感染確率を事後確率と呼ぶ。この例の様に、ある情報が得られると確率が変わることに注意が必要だ。

 

念の為、もう一つ例を挙げる。

 

   例(2):

      母数:    100 万人

      感染率:  0.01%

      感度:     98%

      特異度:  80%

 

この検査を受けて陽性と出た場合、本当に感染している確率を求める。

 

      真陽性: 1,000,000x0.0001x0.98=98(人)

     偽陽性: (1,000,000-1,000,000x0.0001)x(1-0.8)=199,980(人)

 

従って、

 

     真陽性/(真陽性+偽陽性)=98/(98+199,980)=0.00048(=0.05%)

 

結果、感染率0.01%という数字が、陽性判定を受けた後の感染確率は0.05%へと上昇。

 

 

これらを一般化してみると次のようになる。

 

   母数:     a

   感染率:  b

   感度:     c

   特異度:  d

 

              陽性判定後の陽性率=abc/(abc+(a-ab)(1-d))

 

先の例(1)で見ると、

   a:            100,000

   b:            0.001

   c:            0.99

   d:            0.97       

                            abc=100,000x0.001x0.99=99

                            ab=1,000,000x0.0001=100

これから、

   陽性率=99/(99+(100,000-100)x(1-0.97)= 99/(99+(99,900x0.03)=0.032 (=3.2%)

 

先の例(2)で見ると、

   a:            1,000,000

   b:            0.0001

   c:            0.98

   d:            0.80       

                            abc=1,000,000x0.0001x0.98=98

                            ab=1,000,000x0.0001=100

 

これから、                          

   陽性率=98/(98+(1,000,000-100)x(1-0.80)= 98/(98+(999,900x0.2)=0.00049 (=0.05%)

 

これをさらに一般化すると、abc/(abc+(a-ab)(1-d))=bc/(bc+(1-b)(1-d))

となる。このようにすれば、母数に依存しない次の様な式となり、計算が簡素化できる。

 

または、

              (感染率 x 感度)/((感染率 x 感度)+(非感染率 x (1-特異度)))

 

この計算式で用いる数字はすべて%の値なので、そのまま代入できる。


先の例(1)では感染率0.1%、感度99%、そして特異度97%としたので、これ等を代入すると、

(0.1x99)/((0.1x99)+(100‐0.1)x(100‐97))であるから、検査後の陽性感染率0.0319(3.2%)が得られ、最初に計算した値と同じ値となる。

 

また、感染率0.01%、感度98%、そして特異度80%の例(2)では

(0.01x98)/((0.01x98)+(100‐0.01)x(100‐80))であるから0.000489となり、例(2)で示す値と同じとなる。

 

これは単純計算で求まるので、エクセルを用いて自動計算出来る様にした。ブログにアクティブなエクセルの表を貼り付けることが出来ないのが残念だが、こんな感じのものだ。

 

 

 

これを用いて感度や特異度などを変えてみると、陽性判定された後の陽性確率が感度、特異度などで大きく変わることが理解できる。

 

従って闇雲に検査を増やしても、検査自体の精度を高めないと感染者を市中に開放してしまったり、或いは逆に不必要な隔離によって病床が満杯になる危険性があることを理解しておくべきだろう。もちろん感染率が変わっても陽性確率が変わり、次の様になる(すべて%の値)。この表に示されるように、感染率が高いほど、また感度や特異度が高いほど陽性判定を受けた時の陽性確率は高い値となるのだが、感度よりも特異度の方が陽性確率に与える影響は大きいことが興味深い。

 

感染率

0.1

1.0

1.0

1.0

感度

99

99

90

99

特異度

98

98

98

90

陽性確率

4.72

33.33

31.25

9.09

 

 

この結果は、日本臨床検査医学会による資料にあるグラフと一致する。

 

 

出典:https://www.jslm.org/books/guideline/2018/04.pdf

 

 

素人考え的には、感度の高い検査で陽性と出たのだから、陽性なんだろうと考えても不思議ではないのだが、よく考えてみれば、特異度が低いということは、即ち偽陽性が大きい、つまり陽性判定者の中には陰性の人が多く含まれるということになるから、確かに検査の信憑性には疑問が大きい。

 

この様に感度や特異度以外に正確な感染率を把握することも必要となるのだが、それを知るためには検査を増やす必要があるという矛盾も、頭が痛い点ではあると思われる。

 

新型コロナウイルス、最近なんやら空気感染の可能性などと物騒な論説が発表され、きな臭くなって来ているが、県境跨ぐ移動に就いて東京都と国との見解や要請などの足の乱れが見苦しい状況がここ暫く続いている。そういう場合は、指示待ちするよりも自分で考えて行動するしかないというところだろう。

治療薬に就いては様々な薬品が適用されてきているが、概ねこれまでに実績のある、つまり副作用なども実検済みな薬品なので、ある意味安心して投与することが出来るとは言えそうだが。新型コロナウイルス患者に対する治験が進んでいるものやそうでないものとか、まだいろいろ問題はありそうだ。

薬品には大きく二つの方法があり、一つはウイルスそのものに対して攻撃を行うもの、すなわち体内の免疫細胞の様に作用するもので、ウイルスが細胞の受容体に結合することを阻止するもの、細胞に取り込まれた後に複製することや遊離することを阻害して不活化させてしまうものなどがある。

もう一つは逆に免疫細胞による過剰免疫、すなわちインターロイキン(IL)などのサイトカインの過剰産生、すなわちサイトカイン・ストームによる自己細胞への攻撃によって重篤な状態になることを防御するというもので、これにはリウマチの治療薬などの流用が有効とされ、患者への投与がされているという。インターロイキンのIL6などは、本来は抗体産生に関与するが、同時に炎症促進としても振る舞うことが知られているが、これを抑える薬である。

これらの二つの方法、つまりウイルスを直接攻撃するものと、免疫暴走によって起きてしまう肺炎などを治療することで重篤な状態から復帰させるという二つの方法で、治験や治療が試みられている。

一方、感染する前に防御してしまうというワクチンの開発も進んでいる。尤も、ワクチンに就いては急ぐことで副作用の治験がおろそかになってしまう危険が否めないことや、ワクチン接種によって獲得免疫を得たのちに実際のウイルスに感染した場合、通常よりもウイルスを取り易くなるという抗体依存性感染増強(ADE))なども危険性もあるため、感染学者の意見としては概ね慎重論が多い様だ。またワクチン開発に就いては国の威厳や莫大な投資とそれによって期待される多額の利潤なども絡んでくるため、薬品メーカーも含めて市場獲得に鼻息荒い様で、きな臭さも否めない。

いずれにせよ、現在の様に感染拡大が確実に進んでいる状態を鑑みると、今現在、健常者が出来ることは「自分で考えて自衛手段をとる事」だろう。

とにかく今すぐできることは、行動抑制と公衆衛生管理だ。行動抑制はソシアルディスタンシングを保つことや、三密を避ける行動をとることであり、公衆衛生管理は手洗いやうがいなどの徹底、そしてマスクの着用などがあげられている。

これ等の中で、マスクに就いてであるが、最近は解消されているものの、流行当初は未曽有の品不足となり、高値で取引されたりして社会問題となっていた。いきおい、使い捨てマスクも入手が難しく、リユースは当たり前であった。しかし、殺菌消毒を行わないまま再使用することには、新型コロナウイルスに限らず、様々なウイルスやバクテリアなどが付着している可能性があり、衛生面で大きなリスクもあるために、リユース前に消毒することやマスクの保管方法などへの配慮も必要となってくる。そこで3つの小物を作成した。

【紫外線消毒箱】
マスクのリユースを鑑みると今すぐできることとして、まずは紫外線殺菌箱を用意することがある。マスクの殺菌消毒を簡単に行う方法は紫外線照射である。これまでにも各種細菌やウイルスの不活化に紫外線が有効であることは知られているが、新型コロナウイルスの不活化にも有効らしいことが幾つかの論文にも上がっており、国内では徳島大学によって紫外線のウイルスへの適応が確認されている。

そこで、紫外線殺菌箱を自作することにした。もちろん市販品の殺菌箱もあるのだが、病院に設置されている様な立派なものはもとより、健康ランドなどの着替え室にある櫛やブラシの殺菌箱でも相当高価になるので、ここは自作である。既製品でも自作品でも紫外線照射によって殺菌するというメカニズムは全く同じなので、外見とか使い勝手などを妥協すれば、何ら問題はない。

紫外線は、波長によっていくつかに区分されるが、殺菌消毒として有効な波長は253nm付近のUV-Cと呼ばれる帯域だ。これよりも波長の長いUV-AやUV-Bの帯域でも若干の効果はあるとされているが、UV-Cがウイルスの不活化に最も有効とされている。

紫外線の波長と名称を次に示す。
    UVA (400–315 nm)
    UVB(315〜280nm)
    UVC (280 nm 未満) 


地球の地表に到達する紫外線の99%がUVAである。紫外線のうち内訳を次に示す。

 



 

UV-Cは、紫外線の中では次の式で示されるように最もエネルギーが大きく、太陽光にも多く含まれているのだが、地上に到達する前に大気上空にあるオゾンによって吸収されて地上には届かない。もし届いていたら生物への影響は多大なものとなり、進化の過程も大きく異なっていたことだろう。オゾン層の破壊がよく問題となるが、オゾン層が消滅すると、まさにこのUV-Cが地上に降り注ぐようになるので、多くの生物は絶滅してしまう。それほどエネルギーは大きいのである。

     E=hɤ 

        E: エネルギー
        h: プランク定数
        ɤ:  周波数

電磁波は、周波数帯域が可視光線領域を超えるとこの紫外線となり、更に高まるともっとエネルギーの高い放射線となることからも、紫外線のエネルギーが大きいことが分かる。

UV-Cはこれまでにも殺菌消毒用として病原体の死滅、不活化のために主に医療用として用いられているのだが、そこで使われている殺菌灯は、実は蛍光灯と全く同じものだ。ただし、蛍光灯の様にガラス管の内側に蛍光体が塗布されていない。つまり、蛍光塗料が使われていない蛍光灯が殺菌灯なのである。

水銀のスペクトラムを次に示す。

 

水銀のスペクトラム


    波長(nm)
        253.652    407.781
        275.278    434.750
        296.728    435.835
        302.150    546.074
        312.566    576.959
        365.015    690.716
        404.656    1013.980

これらのうち、253nmが偶然にもウイルスの不活化に最適なので、そのまま殺菌灯に使われているわけである。


製作にあたって発光体の寿命などを考えたのだが、当然ランプよりLEDの方が断然寿命は長い。しかし、UV-CのLEDやブラックライト用の様な小出力のものは簡単に調達できるようだが、殺菌目的のLEDは調達が面倒な様だし、アキバ界隈でもコロナ禍のせいで店内でアレコレ探す時間を制限されたりとか、思うように調達できない可能性もあるので、従来から使用されているランプ式、つまり蛍光灯方式を用いることにした。これは昔からの長い実績もあるので、安心して使用することが出来るとも言える。因みググってみると、卓上型紫外線殺菌消毒保管庫は6Wの殺菌灯タイプでも数万円する。

この紫外線ランプ、さすがに街中にある電機量販店には在庫していないが、ネット販売だとこの紫外線ランプが簡単に手に入る。しかも調べてみると、電源コード付きの6W紫外線ランプセットが2000円程度で入手可能なのだ。これをケースに入れれば良いわけで、高価な殺菌箱を買わなくて済む。ということで、さっそくポチってみた。これを適当なサイズのケースに入れれば完成する。因みに、市販の殺菌装置でも小型のものには6Wの紫外線ランプが使用されている様だ。

 


ネット調達可能な紫外線ランプとソケット
 

ケースを探すと、ちょうど手元に木製のCDケースがあったので、これに穴を開けて電源コードを通し、天井部分にランプセットを取り付けた。この電源コードにはスイッチがないので、外付けにデジタルタイマーを電源スイッチとしても使用。これで分単位での照射時間の設定が出来る。

使用したランプの仕様は次の通り。

 

6W紫外線ランプの仕様


また、気休めとして庫内の温度を計測出来る様に温度計を設置してみた。計測箇所は最も温度が上がると思われる電極付近に取りつけた。

更に庫内の内側に少し皺をつけたアルミホイルを貼って庫内で紫外線が乱反射する様にさせ、庫内下面に100均のステンレスプレートと台所用品の調味料置きを入れて、マスクを浮かせてランプに近づける様にした。

最後にアルミホイルを前面に貼った布で蓋をするようにし、出来上がった完成形がこれである。

 


庫内での温度上昇を時間軸で計測して次に示す。相対温度として、7℃程度の上昇がみられるが、それ以上は上がらないことが分かる。

 


また、この殺菌箱が本当に紫外線を出しているのかどうかを試すべく、実験としてマスキングした布を入れて1時間ぐらい照射したところ、マスクしていない部分の色が変わった。いわゆる日焼けである。これで紫外線が出ていることが分かった。下の写真は、左部分のみ紫外線を照射し、それ以外の部分をマスキングした結果だ。

 


紫外線照射による色落ち試験

 

また、病原菌死滅、不活化の効果があるかどうか、さすがにこれは自宅では確認できないが、カビならわかるかもしれないので寒天を入れた容器を4つ用意し、1昼夜室内に放置した後にそのまま蓋をした容器と、紫外線を5分間照射、10分照射、そして20分照射したケース4つを用意し、数日間後の様子を見た。その結果がこれである。

 


これを見ると、照射なしと5分照射はカビの発生が見られ、照射なしは5分照射よりも発生が多い。

一方、10分以上照射では発生が見られない。このことから、少なくともカビの胞子に対しては有効であることが分かった。だからと言って新型コロナウイルスにも有効かどうかは試験することができないが(そもそもBSL4: Bio Safetly Level 4)の施設が必要)、諸論文を読む限り有効だと書かれているので、それを信じることとする。

【マスク一時置き】
外食などをするとき、外したマスクの置き場に困ることがある。外してそのままテーブルに置くのは清潔感に乏しいし、かといってそのままカバンに入れたりポケットに入れるのも何となく不潔な感じがする。そこで、友人からのアイデアを元に、マスクを挟んでテーブルにおける小物を作成した。

作り方は、クリアフォルダを適当な大きさに切り、両端にプラスナップボタンをつけるだけ。製作材料費は殆どタダである。



 


使用にあたっては、これにマスクを挟んで折り曲げてボタンを留め、それをテーブルに置けばいい。

テーブルからは絶縁されるし、外の飛沫からも防御されるので衛生面でもよい。

 

 

クリアフォルダは表面が滑らかなので、必要に応じてアルコールで洗浄するのも極めて簡単に出来る。

また、クリアフォルダの材質はポリプロピレンというかなり丈夫なで作られているのでボタンが取れることはなく、しかもフレキシブルなので使い勝手はよい。

因みに使ったクリアフォルダは、国立天文台でもらった太陽コロナ写真のフォルダ。コロナウイルスの名前は太陽コロナが元ネタだそうなので、まさに旬だ。

【マスク入れ】
人とのすれ違いがあまりないところなどではマスクを外して構わないとされている。そのような時にカバンにいれておく保管するケースが必要となるが、そのケースとしてクリアフォルダを切って両端にプラスナップボタンをつけたものを作成した。ちょうどフォルダの折り目を挟んで切り取れば、そのまま保管ケースとなる。また、必要に応じてこれも開いてアルコール洗浄が可能である。完全に開けないケースだと、隅々までの洗浄が厄介だが、これだったら完全に開けるので完璧な洗浄が可能となる。これも製作材料費は殆どタダである。

 

 


現在、これら三種の神器を用いて、新型コロナウイルスとの闘いに臨んでいる。奏功しているかどうかは分からないものの、少なくとも精神衛生上は良好である。

 

厚労省提供のCOCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ) 、まだ入れていない人が殆どだそうだけど、如何なものか。

 


 

「メリットが分かんないから」というのはちゃんと説明できていない行政の怠慢だろうし、「メンドーだから」は、アタマ悪いですと言っているみたいで笑えるけど。

しかし、ニュースを見ていると、この未曾有のウイルス戦争に臨んで、言うに事欠いて「個人情報が抜かれそうだから」とか寝言を言っている輩がいるのを見るとなんだか情けない。それ、テレビなどでのコメンテータからの歪んだ意見の受け売りでしょ。

そもそも常識として、パソコンとかスマホをネットに接続した瞬間に個人情報なんか筒抜けになってると思うくらいでちょうどいい。

アプリの問題以前に、iOSにしてもAndroidにしても、その中に悪さする「潜水艦」が潜んでいないって誰にも言えないわけですからね。司令部から発信指令が出ない限りは潜行しているだけだから、潜水艦の存在が分からない。いないことを証明するのはいわゆる「悪魔の証明」、つまり不可能。ネットにつながる情報端末はそういう前提で扱うべき。

自動車メーカーがレベル5の完全自動化に対して及び腰なのも、車載用リアルタイムOSやその上で走るアプリケーションソフトなどをすべて自前で開発しているわけじゃないからだと、あるメーカーの技術者から聞いたことがあった。極めてリーズナブルな見解だと思う。

今すべきことは情報の共有化。お互いの不足分を補う「共有結合」が必要。半導体でいえば、シリコン原子同士が電子を共有しあって安定している状態。

人類がウイルスとの全面戦争に突入している今こそ、人類皆が情報を共有し合ってウイルスを封じ込める。そういう戦時なのに、個人情報とか言うなって感じ。

ところで、政府も本気でCOCOAを導入させたいんだったら、インセンティブとか、インスコしたら図書券とかクオカード上げるとかのノベルティくらい用意すればいいのにと思う。国民の税金は国民を守るために使うべきじゃないんでしょうかね?
 

最近よく目にする言葉が「ウィズ・コロナ」だが、最近の造語としては最低だと思っている。

そもそもウィズとは「何をかいわんや」だ。もっとひどいのが「コロナとの共存」。これなんぞ、問題外だ。

 



ウイルスからすれば、人類なんぞ遺伝子複製工場でしかなく、しかも老朽化したらとっとと火を放って高跳び。情け容赦の微塵もない。そんな、いわば反社勢力の様な集団と共存を図るとは「お人よし」にも限度というものがある。そんな態度だから、ウイルスから舐められるわけだ。

なぜウイルス戦争といわないのか。もどかしい。

もちろん、ウイルスとの共存があり得ることは理解している。現にトリインフルエンザは、その亜種のH1-16/N1-9の全部が水禽類などに宿っていることはよく知られている。まさに鳥とインフルエンザウイルスが共存しているわけだが、共存できる理由は、病状が現れないことにある。つまり宿主には危害を及ぼさず、静かに同居させてもらっているということだ。ウイルスにとっては自分を排除しない宿主に巡り合えた。一方、宿主にとっては、共存するウイルスがいることにより、他のウイルスへの感染リスクが軽減するというメリットが得られる。そういう利害関係があれば、共存はあり得るわけだ。

ところが、現時点で見る限り、新型コロナウイルスによる人類への貢献は見えない。その状態で共存の道を探ることは、時期尚早も甚だしいと思うわけである。

小生は、新型コロナウイルスに限らず、ウイルスの産生や感染も「神が造った自然現象」の一つであると考えている。一方、神様の偉いところは、単にウイルスを作るだけだとウイルスも人類もいずれは共倒れしてしまうから、それを避けるべく防御策を講じた。それが免役。

人口全体を一定とすれば、感染流行の拡大が進むことと並行して感染防御免疫を持った人の割合も上昇し、回復者(死亡者も含む)が増えることで感染者はいずれ消える。逆に人類が全部死亡して絶滅してしまったら、ウイルスもそこで絶滅してしまうことになる。。

免疫という手段で人類は生き残る。しかしそうなるとウイルスは一方的に絶滅の道を歩んでしまうから、それを回避すべく変異を遂げる。つまり、神はウイルスと人類に「免疫と変異の闘いによって自然選択(自然淘汰)させる」という試練を与えたのだと。

有史以前に、ウイルスによる人類の絶滅危機は何度もあっただろうと思う。しかし、そこで絶滅することなく生き残ったのはなぜか。回復者が免役を持ったためではないか。それを考えると、西太平洋を囲む諸国の死亡率が圧倒的に低い理由に就いて文化人類学的な公衆衛生や道徳観念だけで説明することには無理があると思っており、遺伝子レベルでのHLA抗原の精査、交差免疫の有無、感染初期段階での無症状感染の可能性、そして免疫力に多大な影響を与える体内微生物のマイクロバイオーム研究など、免疫に関する自然人類学的アプローチが解になるのでは、と考える。

 

感染症の影響を表す指標として「超過死亡数」というのがある。これは、インフルエンザの流行時に用いられた指標で、感染症や災害が発生した月・年の死亡数が通年の死亡平均値に対して超過した数をいうもの。つまり直接起因による死亡以外の間接的な死亡数、例えば医療崩壊などがもたらす間接的な死亡数なども含むため、全体像を把握するには大変重要な指標の一つである。

この死亡数と共に、感染に関連する企業倒産も極めて重要な懸念事項だ。そこで、ふと思ったのだが、感染症と同様にその流行によって倒産してしまった企業の実態を把握するために、「超過倒産数」という指標も必要ではないだろうか。

ググってみてもそんな言葉は出てこないので、小生が勝手に作った造語かもしれないのだが、今年の場合は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って経営困難となって倒産したところも多るために、過去の月別倒産件数傾向とは明らかに異なる分布傾向が現れるはずだ。先日、テレビのコメンテータから、「新型コロナウイルスによる倒産状況、実は末端までは把握しきれない」などという発言があったのだが、この超過倒産件数を調べれば、もっと実態が分かると思われる。

古い言葉で「風が吹くと桶屋が儲かる」というのがあるが、逆に、「風が吹かなければ桶屋が倒産する」ということもあり得る。こういった間接的な連鎖倒産こそ、経済低迷の潜在的な危険要素だろう。

その連鎖倒産は、時間軸的に感染拡大と同じ様な等比数列になっているわけで、末端まで把握することは困難なことは理解できる。それならば、その数をカウントするよりも「超過倒産」から実態を把握して、先んじて手を打つということが経済政策ではないかと思うわけだ。

生活できるか否かのギリギリにいる企業や人々に対する救済もきちんと行わないと、連鎖倒産の逆方向倒産も起こり得る。車に用いられている部品の一部が小さな町工場で製造されている例など、枚挙に暇がない。

次のグラフは、6月20日付け週刊ダイヤモンドに掲載されていた「帝国データバンク 全国企業財務諸表分析統計」の今年の倒産件数であるが、ここに記されている数字は飽くまでも倒産件数であって、休業や廃業は含まれていないのだ。倒産予備軍である休業や、実質的な倒産である廃業は、恐らくカウントされている倒産件数よりも遥かに多い可能性はあるのではないだろうか。

 

全国企業財務諸表分析統計(帝国データバンク)



末端に行くほど政治の世界からは遠いので、実態が直接見えないのはやむを得ないとは思うが、その様な状態での施策は意味がないとは言えないものの、暗闇で刀を振り回すのは効率が悪すぎる。

休業や廃業まで含めた「超過倒産」をよく調べるべきと思う。

 





 

新型コロナウイルスに関するナゾの一つが「異常に低い日本人の死亡率」。その解の一つを交差免疫に求める説があるそうだ。

 



 

読売新聞、2020年6月4日付け朝刊より抜粋

 


交差免疫というのは、「過去にウイルスに感染して獲得した免疫が、全く新しいウイルスにも働く」というもので、免疫細胞は、新型コロナウイルスに感染した時にそれを新型として認識せず、過去に獲得済みの免疫としてソッコーで免疫反応が起きるという仮説。

新型コロナウイルスの抗体のでき方は、通常のコロナウイルスの場合とは異なって抗体のIgGとIgMが同時に産生されるということはテレビなどでもよく報道されているが、その原因を交差免疫に求める説。つまり、通常は遅れて産生されるIgGがIgMとほぼ同時に産生されるため、感染しても無症状だったり軽症な人が多くいるのではないかと。

白血球のリンパ球の一つに、ヘルパーT細胞という免疫細胞があり、B細胞に対して抗体産生を指示する働きをするのですが、このヘルパーT細胞がこれまで経験のない新型コロナウイルスに対しても交差免疫で反応したのかも、という仮説でもある。実際、米国スタンフォード大学での調査によると、調査を行った14000人の抗体検査の結果で検出されているIgG抗体は、一般的なコロナウイルスに対するIgG抗体だったという。

以前、日本人の低死亡率の理由について、慶應大学が中心となってその理由を遺伝子に求める研究や、昔から言われている様な「日本にSARGが入ってこなかった理由は、日本人に白血球のHLA-B46の保有者が少ない」という説、更に「新型コロナウイルスにはA/B/C型以外に症状の軽いK型があり、日本人はそのK型が先に蔓延して抗体が出来ていた」という説などなど、どれも興味深い。

緊急事態宣言解除の時に「日本モデルの力を示した」とか言って世界中の失笑を買っていた某トークとは異なり、定性的、かつ定量的な仮説なので、今後の展開が待たれる。

【仮説】
新型コロナウイルス、血液型の差で感染度や疾患症状、そして予後が異なるかもしれない。

 

ただし、ここでいう血液型は赤血球の血液型じゃなく、人体の免疫反応に直接関与する白血球の血液型。
一般的にいう血液型は、例えばA型抗原を持つ人(A型の人)は抗B抗体を作る様に、赤血球上の表面にある抗原の突起の違いによって血液型が異なるが、同様にして白血球にも血液型がある。それはHLA遺伝子で決まるもので全部で数万種類あるそうだが、日本人集団は大きく11種類に分類できることが分かっているそうだ。

 

 



白血球はマクロファージとかT細胞などの様な免疫に直接関与する細胞であり、いきおい、新型コロナウイルス感染による疾病の度合いは白血球の血液型で違う可能性もある。

血液型は遺伝に依存するし、一生変わらないから白黒はっきりとした傾向が現れるかもしれない。もしも新型コロナウイルスによる疾患度合いや死亡率などと白血球血液型との相関関係が認められれば、日本人を始めアジア人の死亡率が低い理由の一つが血液型傾向に関係するという仮説も成り立ちそうだ。

血液型による性格判断がよく話題になるが、その区分けは区分者の主観が入った区分であるうえ、科学的な根拠に乏しい。しかし、疾患に関しては定性定量化が可能なので客観的な評価が可能だ。したがって、理由付けは後付けになるにせよ、傾向は統計的な事実として判明するだろう。

新型コロナウイルス感染者の国別の赤血球血液型傾向に就いてはWebに掲載されている資料があるが、白血球のそれは見つからない。もしも白血球の血液型と新型コロナウイルスによる病状及び予後が分かると、自然免疫形成の履歴が見えてくるかもしれないし、それによってワクチン開発のヒントの一つになる可能性もありそうだ。先日投稿した「コロナ制圧タスクフォース」による遺伝子解明と、マイクロバイオームの研究の他、この白血球血液型も日本人の低死亡率理由に関与しているかもしれない。


新型コロナウイルス、相変わらず謎の多いウイルスであるが、ウイルスそのものに就いてはだいぶ判明してきた様だ。治療薬の開発も、感染直後や感染した後に重篤な状態をもたらす過剰免疫反応に就いても判明してきた。次のステップはワクチン開発となるのだが、闇雲に開発を急ぎ、ギラン・バレー症候群の様な副作用を伴うワクチン開発は問題外だ。それよりも免疫のメカニズムを解明して安全なワクチンが開発されることを望みたいところである。

新型コロナウイルス感染について、以前から興味を持って見ていることのひとつに、時間軸での感染者や死亡者数の変化率がある。




このグラフを見ると、日本人を始め極東地域は他の地域に比べて重症化や死亡者数(死亡率)が圧倒的に少ないということが客観的に理解できる。特に日本の場合には、手を洗う、入浴好きなどの公衆衛生面での遵守率が高いことや、人と人の交流に於いて握手やハグなどの直接的なスキンシップをしないことなど、一般的な生活行動様式に依存することもあるとされているが、それ以外にも、他の地域、国との違いを定性的、定量的に説明できる理由があると考えられる。

最近、その理由を遺伝子に求めて解明しようという「コロナ制圧タスクフォース」が立ち上がったそうだ。

https://www.covid19-taskforce.jp/

5月22日付けの読売新聞にも紹介されている。

 

 


リリースによると、とりわけ日本人は単一民族なのでゲノム解析がし易いという。

この研究により、生物の分類である「界・門・綱・目・科・属・種」をさらに細分化させた先に、新型コロナウイルスへの耐性に関する遺伝的な違いが発見されれば、耐性的な弱点を補完する方法の開発が可能となり、それを投与することによって人類はもっと安定出来るようになるかもしれない。

また、この分析によって遺伝子に刻まれた免疫情報などが判明すれば、ワクチン開発への重要な情報となるだろう。現在、各国はワクチン開発に躍起になっている様だが、治験をおろそかにすると取り返しのつかない事態を引き起こす。それよりも、こうした情報を元にして地道に開発することが大切だと思う。

新型コロナウイルスによる死者数の推移に就いては、このグラフが見易い。

https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/death.html?fbclid=IwAR12PEby2mgXpZ8wSEe3IlGIFuWQ6SJK-CcFMUdgrxRcfeDNU9UWYXp8nro



 


このグラフの活用方法としては、最初にグラフの下の凡例にある「すべて」をクリックして全データをクリアし、凡例の中から希望する国を選んでクリックすれば、その国の死者数の累積が時系列グラフで表示される。もちろん複数の国を選んで比較することが出来る。また、縦軸をクリックして対数表示で見れば、死者数の多い国と少ない国を同じグラフ上で比較することが可能だ。

例えば、日米での死亡者数の増加を比較すると、死者が出始めた時期の100万人当たりの死亡者発生とその数は、日米でほぼ同じ時期で死亡者数もほぼ同等だったものが、今日現在では日本の6.29人に対して米国は286.11人と、乖離が激しいことがグラフで確認できる。この乖離を見る限り、日米の間では行動様式を超えた何かがあってもおかしくないといった推測が可能だ。また、日本とよく似た傾向の国を選んでその国との共通項を探ると、今まで気づかなかった何かが見えてくるかもしれない。



 


ところで、前述のコロナ制圧タスクフォースは遺伝子解明にフォーカスするとのことだが、自然免疫の理由を体内にあるマイクロバイオーム(微生物叢)に求めるのも興味深い。体内のマイクロバイオームは、その形成に日頃の食事や運動などが関与するが、死亡者数が少ないことと体内のマイクロバイオームの因果関係が解明できれば、これも免疫形成理由の分析に貢献することになるだろう。免疫細胞はその大半が腸管にあり、日頃の食事との関係は極めて密接だからだ。次の論文を見ると、中にhypothesis(仮説)と書かれているが、この研究も大変興味深く、今後の研究が期待される。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7197973/?fbclid=IwAR38f6JLOqWG6KUr9LI_JZGSYdX7byjMy1JQqppqWK-ox1vKc_VOZQcDHxY


人種を差別することは極めてよくないが、遺伝子や食事内容などを精査し、人種の差を理解してお互いに補完しあう方法を知ることは極めて大切だと思う。

 

人種の差を理解することと差別することは、全く別だ。

 

共通点や相違点を科学的に理解し、補完しあうことこそ人類の発展に不可欠だろう。

マスコミの報道番組などを見ると、コメンテータが「これからはウイルスと共存していく」などと言っているのを散見するが、それは飽くまでも人類がそう思っているだけで、ウイルスはそんなことなんぞ微塵も思っていない。奴等からすれば、これまでの、例えばSARSやMEARSなどでの失敗を教訓として新たな戦術を講じ、世界制覇するという戦略で臨戦しており、人類なんぞ単なるその踏み台だろう。新型コロナウイルスのステルス性や罹患しても症状が軽度なので発見され難いこと、しかし感染力は極めて強いことなど、極めてしたたかである。それに比べ、今の人類はウイルスに対してはあまりにも脆弱だ。

今、国際間に於ける次元の低い闘いに明け暮れ、間違った情報に翻弄されているという体たらくな人類に対し、ウイルスは対等に戦う相手に成長させるべく、武士の情けとして「人種や国境を超えて連合艦隊を構築すること」を提案しているのかもしれない。

新型コロナウイルスの蔓延によって、世界は未曽有の混乱期となった。これに伴い、公衆衛生的な生活習慣の改善なども含め、ビジネスモデルにも大きなパラダイムシフトが起きている様だ。その様はまさに悲喜交々であるが、新たなスキームを見出す、或いは創造することで今後の新しいライフスタイルに対する訴求が産まれてくるという可能性も高いともいえる。

 



 

その一つとしてテレワークがあるが、テレコンそのものはもう数十年前にも国際会議で用いられた方法で、当時は音声だけだったが今は映像もリンクされる点が昔と異なるとはいえ、基本的には同じスキームである。小生もテレコンは相当使用したことがあった。

この延長上として、インターネットを使ったオンライン呑み会が最近よく行われている様だ。これは、なにも新しい技術が使われているというより、これまでの技術の転用であり、発想の転嫁であって、既存のシステムをそのまま使える点が受けるわけだ。

この発想は正しい。この自粛の中にあって、飲食店を筆頭に売上激減が大問題となっているさなかに新たな設備投資を求めるスキームは敬遠されるという以前に、ご法度だろう。

ところで、SNSといえば、そのスキームはすべて舶来のもの。海外には同じ国であっても時差が何時間もある国があり、簡単に会うことが出来ないという事由もあってSNSが浸透していったのだろう。その点、日本は狭い土地柄、会うには便利であるが、SNS的な展開には不利な立場にある。しかし、日本はこの不利という立場にあるのみならず、コストなどの問題からSNSに使われるアプリケーションソフトウェアのみならず、通信機器に至るまでが海外製品に置き替えられているのだ。通信の様なライフラインの構築やメインテナンスが国産ではないというのは、実は由々しき問題なのである。更に目を転じればエネルギーもそうだ。エネルギー資源はよく知られている様に輸入頼り。再生可能エネルギーと蓄電池で賄えるという呪文は、少なくとも日本で現在のすべての化石燃料を置き換えることはできない。
そして食料もだ。国内生産で賄うことは不可能。つまりエネルギーも食料も地産地消は夢物語なのだ。

世界を征する戦略兵器としてABC兵器というのが昔から言われているが、これらは加害も被害もはっきり目で確認されることだから、今後も恐らく使われることはないだろう。しかも、行使した後は、近寄ることすらできない。それでは制覇したことにならない。
しかし、デジタル通信、エネルギー、そして食料というライフラインを封じるなどの戦略、これは、潜行して行われるために目立つことがない。これらの兵器、

 

すなわちD:デジタル通信、E:エネルギー、F:フード(食料)こそ、ABCに続くキーワードだと思う。これをどう自立させるか。考えていくべきはそこにある。

 

新型コロナウイルス騒動で新たなライフスタイルの形成が急務となった今、もう一度インフラから見直す時期かもしれない。