日本の新型コロナウイルス低死亡率 - 遺伝とマイクロバイオーム研究 | プロムナード

プロムナード

古いこと、新しいこと
いつでも、どこでも
思いつくまま、気の向くまま

新型コロナウイルス感染について、以前から興味を持って見ていることのひとつに、時間軸での感染者や死亡者数の変化率がある。




このグラフを見ると、日本人を始め極東地域は他の地域に比べて重症化や死亡者数(死亡率)が圧倒的に少ないということが客観的に理解できる。特に日本の場合には、手を洗う、入浴好きなどの公衆衛生面での遵守率が高いことや、人と人の交流に於いて握手やハグなどの直接的なスキンシップをしないことなど、一般的な生活行動様式に依存することもあるとされているが、それ以外にも、他の地域、国との違いを定性的、定量的に説明できる理由があると考えられる。

最近、その理由を遺伝子に求めて解明しようという「コロナ制圧タスクフォース」が立ち上がったそうだ。

https://www.covid19-taskforce.jp/

5月22日付けの読売新聞にも紹介されている。

 

 


リリースによると、とりわけ日本人は単一民族なのでゲノム解析がし易いという。

この研究により、生物の分類である「界・門・綱・目・科・属・種」をさらに細分化させた先に、新型コロナウイルスへの耐性に関する遺伝的な違いが発見されれば、耐性的な弱点を補完する方法の開発が可能となり、それを投与することによって人類はもっと安定出来るようになるかもしれない。

また、この分析によって遺伝子に刻まれた免疫情報などが判明すれば、ワクチン開発への重要な情報となるだろう。現在、各国はワクチン開発に躍起になっている様だが、治験をおろそかにすると取り返しのつかない事態を引き起こす。それよりも、こうした情報を元にして地道に開発することが大切だと思う。

新型コロナウイルスによる死者数の推移に就いては、このグラフが見易い。

https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/death.html?fbclid=IwAR12PEby2mgXpZ8wSEe3IlGIFuWQ6SJK-CcFMUdgrxRcfeDNU9UWYXp8nro



 


このグラフの活用方法としては、最初にグラフの下の凡例にある「すべて」をクリックして全データをクリアし、凡例の中から希望する国を選んでクリックすれば、その国の死者数の累積が時系列グラフで表示される。もちろん複数の国を選んで比較することが出来る。また、縦軸をクリックして対数表示で見れば、死者数の多い国と少ない国を同じグラフ上で比較することが可能だ。

例えば、日米での死亡者数の増加を比較すると、死者が出始めた時期の100万人当たりの死亡者発生とその数は、日米でほぼ同じ時期で死亡者数もほぼ同等だったものが、今日現在では日本の6.29人に対して米国は286.11人と、乖離が激しいことがグラフで確認できる。この乖離を見る限り、日米の間では行動様式を超えた何かがあってもおかしくないといった推測が可能だ。また、日本とよく似た傾向の国を選んでその国との共通項を探ると、今まで気づかなかった何かが見えてくるかもしれない。



 


ところで、前述のコロナ制圧タスクフォースは遺伝子解明にフォーカスするとのことだが、自然免疫の理由を体内にあるマイクロバイオーム(微生物叢)に求めるのも興味深い。体内のマイクロバイオームは、その形成に日頃の食事や運動などが関与するが、死亡者数が少ないことと体内のマイクロバイオームの因果関係が解明できれば、これも免疫形成理由の分析に貢献することになるだろう。免疫細胞はその大半が腸管にあり、日頃の食事との関係は極めて密接だからだ。次の論文を見ると、中にhypothesis(仮説)と書かれているが、この研究も大変興味深く、今後の研究が期待される。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7197973/?fbclid=IwAR38f6JLOqWG6KUr9LI_JZGSYdX7byjMy1JQqppqWK-ox1vKc_VOZQcDHxY


人種を差別することは極めてよくないが、遺伝子や食事内容などを精査し、人種の差を理解してお互いに補完しあう方法を知ることは極めて大切だと思う。

 

人種の差を理解することと差別することは、全く別だ。

 

共通点や相違点を科学的に理解し、補完しあうことこそ人類の発展に不可欠だろう。

マスコミの報道番組などを見ると、コメンテータが「これからはウイルスと共存していく」などと言っているのを散見するが、それは飽くまでも人類がそう思っているだけで、ウイルスはそんなことなんぞ微塵も思っていない。奴等からすれば、これまでの、例えばSARSやMEARSなどでの失敗を教訓として新たな戦術を講じ、世界制覇するという戦略で臨戦しており、人類なんぞ単なるその踏み台だろう。新型コロナウイルスのステルス性や罹患しても症状が軽度なので発見され難いこと、しかし感染力は極めて強いことなど、極めてしたたかである。それに比べ、今の人類はウイルスに対してはあまりにも脆弱だ。

今、国際間に於ける次元の低い闘いに明け暮れ、間違った情報に翻弄されているという体たらくな人類に対し、ウイルスは対等に戦う相手に成長させるべく、武士の情けとして「人種や国境を超えて連合艦隊を構築すること」を提案しているのかもしれない。