最近のワイヤレス給電送電ユニット - Qiでも使い勝手は向上か? | プロムナード

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使い続けているiPhone6sが間もなく6年目に突入となった。これに伴い、バッテリもだいぶヘタって来た様子で、60%辺りの残量表示が突如として5%となって慌ててモバイルバッテリなどをつなぐと瞬時に50%と表示したりなどと動きが相当怪しくなってたため、また既にiOSのアップデートサービスが終了していることなどから、今回iPhone11に機種変を行った。手続きのために訪れた店舗の店員も、「6sですか!」と絶句していた。

よく知られている様に、iPhone8以降にはワイヤレス給電の受電コイルが搭載されているのだが、かつてワイヤレス給電に従事していた小生的には、以前と比べてどの程度送電効率や利便性が向上したのかテストしてみたかったので、早速送電ユニットを購入、テストしてみたのでメモっておく。

以前というのは3年前のことで、店頭にQiの送電ユニットが出始めたことだ。当時はまだワイヤレス給電対応のスマホやタブレットは存在せず、外付けに受電コイルを装備すれば給電できるというもので、Qi規格のもの。これは電磁誘導を用いる方式で、Qiというのは中国語の「氣」を表す。そのころのiPhoneには受電コイルは搭載されていないので、外付けコイルを調達、それをデバイスの外側に張り付けて使用してみたわけだ。

ワイヤレス給電としては、このQiの他にAirFuel(かつてはA4WPと呼んでいた)という磁界共鳴方式を用いる給電方法があるのだが、こちらは現在でも国内ではまだ商品化しておらず、市場にあるものはすべてQi規格のものだけである。AirFuelについては4年前にここで紹介した。

https://ameblo.jp/millimeter-wave/entry-12178291745.html

Qi規格の商品に就いては、この写真の様に2014年に開催されたCESでも大々的に展開されていた。これはCentral Hallという場所での展示だが、North HallにあるChina Pavirionでは、極めて多くの種類が展示されオンパレード状態だった。一方国内では、2015年くらいからボチボチ店頭に並ぶようになった記憶がある。これらの送電ユニットは、もちろんほぼ中国製である。

 


拙宅に於ける実際の使用方法としては、iPhoneの充電は出張先のホテルや新幹線の中で行うことなども多いため、受電コイルをつけたままにするわけにはいかないので、コイルは家でしか使わないiPadに装着した。

この充電方式、なにしろQi規格なので位置決めが極めてシビアである上、タブレットよりも送電ユニットの方がサイズが小さいことから送電ユニットの上にタブレットを置くと位置決めを直接見て確認することできないため、タブレットとほぼ同じプラスチックのケースを用意してケースに送電ユニットを固定、タブレットをケースにいれると送受電コイルの位置が合う様にした。また、効率よく給電していることを可視化すべくUSBチェッカーを途中にかませて状態確認出来るようにもしておいた。

結構長いことこの状態で使用していたところ、その後のiOSのバージョンが改定されたせいかもしれないが、ある時以降受電コイルが働かなくなってしまい、結局使用中止となってしまった経緯がある。

一方のAirFuelだが、小生はAirFuelの送電ユニットに用いられるパワーデバイスのアプリケーション開発に従事していたのでAirFuelの位置決めの簡易性や、電力伝送効率などの利便性、優位性を訴求したいところなのだが、市場への浸透はまだ時間がかかる模様で、その間、Qiがワイヤレス給電のデフォルトとして今日市場に多数展開されている様だ。下の写真はCESで、WiTricityがAirFuelのデモを行っているもので、位置決めの簡便さなどを実演している様子だ。



 

とはいえ海外、特に中華圏ではもう数年前からAirFuel対応の送電ユニットが市場投入されており、コンビニのイートインスペースなどにはQiと共にこのAirFuelによる給電システムも装備されている。さすが、やることが早い。


さて、今回の機種変に伴い、最近のQiがどの程度改善されてきているかも知りたかったので、久しぶりにQiの送電ユニットを探してみた。ネットの通信販売価格を見ると、大体数千円ぐらいなのだが、アキバの通称「自作通り」辺りでは500円程度で売られている。仕様を見ると5V/1.5AとあるのでiPhone用であれば問題ない。それがこれだ。
 


これは、アキバに「あきばお~」という名前の店舗を数店出しているハーマンズ株式会社というメーカーの製品。これに充電状態を目視できるように間にUSBチェッカを挟んで電圧電流状態を見ながら試運転したところ、1A以上の電流が流れ込んでおり、十分な働きをしてことが確認できた。

 

また、双方のコイルにも改善がされているのか、位置決めに関しても以前ほどシビアではないようだ。実際、スマホケース程度の厚み(送電ユニットと本体背面との間隙)であれば問題なく送受電できる。位置決めに就いて、AirFuelほどの柔軟性というか利便性はないものの、何とか使えることは使える。ただし、マッチング状態を可視化すべく、やはりUSBチェッカは必須である。

そこで、送電ユニットとUSBチェッカを合わせ込んだ送電台を仕立て上げた。台としているのは、透明アクリルで出来ている100均のカタログ&という商品だ。

 

 

当初これを立てて使用してみたが、iPhoneの置き方によっては送電ユニットとの間に隙間ができてしまうため、横に置いてUSBチェッカをその上に固定した。この上にiPhoneを置き、電流値を見れば送電状態が監視できる。見た目もなんとなくサイバーチックで、悪くない。

 


こうしておくとかなり使い勝手が良いので、当分これで過ごす予定である。