いつものことだが、100均にはホントに教材として使えるスバラシイものがある。
今回、分解してみたのは、100均ショップのうちのセリアにあったアンプ。
使用方法としては、小信号出力のオーディオ機器、例えばMP3プレーヤとかケータイとかスマホの様なものは、そのままスピーカにつないでも出力される音は小さなものとなるが、このアンプを通じれば大きな音で再生できるというもの。要するに、いわゆるアンプそのもの。なお、単四乾電池(2本必要)は同梱されていない。
ということで、まずはアンプとしての「実力」を見てみた。
とはいえ、さすがに100円モノ。HiFiな音というわけにはいかないのは当たり前なのだが、出力としては100円として考えると納得のいく音量となっている。高域がだいぶ減衰しているものの、低音の再生も悪くない。難点を言えばホワイトノイズが乗っていること。まぁ、これも100円だからと考えれば、ふつうに使う分には問題ないだろう。
さて、分解してみると、紙エポキシ基板にカラー抵抗や電解コンデンサと共にICが乗っている。これは、オペアンプが2つ搭載されたTDA2822Mというデバイスだ。2つということは、通常、RLのステレオとして使うためということだろう。部品の装着など、見ての通り手作り感で満ちている(^^
因みに単価は安いところで80円ぐらい、Digikeyでは138円らしい。
更に回路図に落としてみた。
回路的には、BTL構成のアンプ。BTLだから電圧が低くてもゲインが取れる仕組みだ。BTLというのは、簡単に言うと2つのアンプを使い、片側の位相を反転させたものと正位相の両方で負荷を駆動するというもの。これによって電圧が2倍となり、電流も2倍となるので、電力としては4倍となる。また、BTLではノイズなどが相殺されることもあって便利な構成なため、よく使われる方式だ。
これ、誰がいつどういうシチュエーションで使うのかよくわからないが、100円で買えるアンプとしては思ったよりも出来が良い。
というか、これ、アンプの勉強をするための教材としては秀逸だと思う。