「テレビなんか見ないんだよ、俺は!」と申請書のテレビを持ってませんという欄に○を打って提出しようと思ったんだけど、そんな欄はなかった。テレビを持っていて、見ているのが当然だというような書きぶりに頭に来て、その申請書を封筒と一緒にゴミ袋に叩き込んだ。少数者なんだろうな、俺みたいにテレビを見ないのは。
「なんでこんなに使っちゃうのかなあ。」なんてATMの前でため息が出る。
彼女の話を聞いていたら、自分も前向きにいろいろと考えようという気になった。
昼休みに郵便局に荷物を取りに行った。
「何か自身を証明できるものが、ありますか?」というので、運転免許証を提示しようとした。しかし、財布の中にあるはずの運転免許証がない。
どうして、財布の中に運転免許証がないんだっけ?俺はさっぱりわからなかった。住所を証明するためにと思って、俺あての公共料金の通知書を持ってきていたので、最終的には郵便局で荷物を受け取ることができたけれど、運転免許証を俺は「いつ・どこで」なくしたのだろう。
最後に運転免許証を使ったのは、年末に、段ボール5箱分の大量の本を売ったときだった。身分証明のために、セブン・イレブンで免許証をコピーしたんだった。
「家のプリンターでコピーできるのに、わざわざセブン・イレブンでコピーする?」
理性的な今の俺ならそう思うが、あのときの俺は、コピーを取るならセブン・イレブンに行かなくてはと思い込んでいたような気がする。
「もしかしたら、セブン・イレブンでコピーをしたときに、運転免許証を持ってくるのを忘れたのかも。」
運転免許証のコピーをしたセブン・イレブンは郵便局の近くだったので、寄ってみた。
昼時で混んでいるかと思ったが、思いの外、セブンに・イレブンは空いていた。
「10日くらい前の話なんですが」と俺がレジにいたおばさんに声をかけると「10日?」と不満そうな声を出した。
「ええ。その頃に、免許証の忘れ物がなかったでしょうか?コピー機の所に。」
「ちょっとお待ちください。」おばさんはレジの後ろにある部屋に入り、それから免許証を持って出てきた。俺の免許証だった。
俺の名前を確認して「大切なものですものね。」と言いながら、渡してくれた。
俺は意外と簡単に見つかったことと、あっさり免許証を返してくれたことに、すごく感謝したし驚いた。
そして自分自身に対しても、この10日間、運転免許証不携帯だったにもかかわらず、気にもしていなかったことに驚いた。
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週末にどこか暖かいところに行こうと思って、フィリピンを考えていた。でなければタイでもいいや。
たまったJALのマイレージで行くつもりだったので探して見たけれど、ちょうどいい飛行機がなかった。3連休をまるまる2泊3日の旅行にするつもりだった。
唯一そのスケジュールで飛行機があったのは、中国の大連行き。「大連じゃ、寒いよな。」と思ったけれど、せっかくの3連休なので、そして休みの日にしっかり休める部署に来た記念に大連まで行くことにした。
そういえば、祖母の父は満州鉄道の顧問弁護士をしていて、祖母も大連に住んでいたことがあるということだった。その優しかった祖母も随分と前に亡くなった。運命みたいなものなのかもしれないな、と思った。
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仕事が終わった後、職場で着替えをして、そこから予約してあった成田空港近くのホテルまで行く。
具体的には、上田駅までまずは歩く。そこから新幹線で東京駅まで行き、総武線の快速に乗り換えて成田駅まで行く。成田駅からはホテルの無料バスが出ている。
無料バスは外国人で混んでいた。いくつかのホテルを回るバスだったが、複数の外国人客が酔っ払って大声で話すので、ドライバーの声が聞き取れない。次にどこのホテルに止まるのかがわからない。スマートフォンで、バスの現在位置を確認する。こんなことができるなんて、便利な世の中になったものだ。
ホテルに着くと、フロントの人が「大きめの部屋をご用意させていただきました」と言う。「それは、どうも。」と答える。理由は全くわからなかったが、別にどうでもいいや。
確かに部屋は広いツインでベッドもダブルサイズだった。
翌朝、起きて鏡を見た。「うひゃあ。」と思うほど顔がむくんでいた。のども痛かった。
以前、顔が腫れたときは、原因は日焼け止めによるかぶれだった。今回は、顔に何も塗ってないのに、どうしてこんなに膨れているのだろう?
これから零下20度近いところに行くのに風邪かあ、と思ったけれどまあ仕方がない。顔の腫れは、ただの太りすぎだと思うことにした。
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飛行機を降りて、思ったのは意外と暖かいことだった。気温は3度。
タクシー乗り場まで歩いて行ったら、白タクの運ちゃんにつかまる。ホテル日航まで100元だという。高いのか安いのかよくわからないが、頼んでしまう(ちなみに帰りのタクシーでは、同じ距離だったのに40元も行かなかった。まちがいなくぼったくりだ。)。
ホテルに着いたのは現地時間で11時頃だった。ホテルに荷物を預けて、それから市内を散策するつもりだった。ところが、そのままチェックインできるというので、部屋に荷物を置いて一休みした。。
wifiも通じるし(オープン回線なのが多少気になったが)、特に問題はないようだった。
荷物を持ってロビーに行く。ホテルのコンシェルジュと話しをして、日曜日には朝9時からホテルの車を1台貸し切って観光をすることにした。14時までの5時間で600元。高いのかもしれないけれど、頼んでしまう。
それから街に出た。中山広場や、友好広場とかに行ったが、特にどうということはなかった。途中で、金色の帽子をかぶった女の子が、声をかけてきた。旧大連市役所を背景に彼女のスマホで写真を撮ってほしいという。2枚ほど撮ってあげた。
それから大連駅まで歩いた。お腹が空いたので、ホット・ポッドと英語で書かれていた店に入った。店員は1人だけで、お客はいなかった。
俺は注文の仕方もわからなかったので、いろいろと聞いた。野菜と貝類の具を選んでボールに入れる。それから麺を選ぶ。そうすると、重さを量って料金が決まり、支払いまでできてしまう。あとは料理をする人が、辛い鍋にしてくれるのを待つだけだ、30元だから500円くらいだろうか。安いなあ、と思う。できあがるのを待つ間にビールを2本も飲んでしまった。
そのまま、マッサージ店に行く。耳の穴に紙のようなものを入れて、チリチリと燃やすのがすごかった。力強いマッサージだった。299元だから5千円くらいかあ。日本に比べたら遙かに安い。
夜は飲みに行った。自己嫌悪になりそうだから、いくら使ったかはここには書かない。計算もしていないし、する気もない。
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翌朝、7時30分頃に起きた。昨日、1時過ぎまで飲んでいたせいで気持ちが悪い。観光の予約をしてなければもう2時間くらい寝ていたかった。
風呂に入ってシャワーを浴びたら、少し気分がよくなった。支度をして9時前にホテルの入り口まで行くと、昨日とは別のコンシェルジュとドライバーが迎えてくれる。ドライバーと2人だけだが、彼は英語も日本語もしゃべれない。なんとかなるだろ、と思った。
最初に行ったのは会見場。乃木将軍がロシアの大将と調印をした場所だという。文化大革命時に壊して、その後、再建した。
説明を聞き終わり、当時の物が陳列されている場所に行く。いろんな品物の説明を受ける。男装の麗人と呼ばれた川島芳子の置き時計もあった。オメガだという。パチンコ玉のような銀色の玉が、傾いた板の上に載っている。くねくねと曲がった溝を伝って片方の端まで行くと、板がシーソーのように傾きの向きを変える。銀色の玉は、再び溝を伝って転がっていく。その周期的な動きで時間を計算するのだろう。印象深い構造をしていたが、写真を撮るのは許されなかった。
「ところで」とガイドが言う。「この会見場は中国人には人気がありません。来るのは日本人だけです。」確かに日本とロシアが戦いを終結した場がたまたま中国だったからといって、中国人は興味がないよなあ。
「雨が降ると、この会見場は雨漏りがします。でも修復するお金がありません。」ほほお。
「ついては、ここの陳列品、寄付金込みでどれでも1万円でお売りします。」
「あの、オメガの時計も。」
「あれは42万円です。」
俺は、水晶でできており、ルビーも埋められているという満州鉄道の幹部用の懐中時計を1万円で買った。中国人は満州鉄道も大嫌いで、誰も欲しがらないのだという。俺の曾祖父もこの時計を目にしたのだろうかと思いながら買った。「絶対に本物」とガイドは言うが、それが本当かはわからない。
その後、203高地に行った。夏は桜が咲き(夏に咲くらしい)、観光客でいっぱいになるそうだが、今は客など誰もいない。俺を連れてきたドライバーは英語も日本語も通じず、俺も中国語は全くしゃべれない。あっちの方へ歩いて行け、身振りで言うので、歩いて行った。
大きなアスファルトの道が続く。ドライバーに渡された水を飲む。まだ昨日の酒が残っている。そういえば、先に見た「会見場」で、ナツメの木の下でたたずんでいる乃木将軍とロシアの大将の記念写真を見たが、前日に飲み過ぎて、参加者全員、2日酔いだったそうだ。そういえば、確かにそんな風にも見えた。
「長い道だなあ、まだつかないのかなあ。」途中で引き返すことまで考えた。でも、冷静に考えると標高203メートル(元々は206メートルだが、砲撃で3メートル標高が低くなった。)なんだから、そんなに距離があるはずがない。俺しかいないので勝手なペースで歩いた。大きな駐車場を過ぎ、そこからは幾分、細い道を登る。頂上には乃木将軍が揮毫したという砲弾型の碑が建てられている。ロシアの大砲のレプリカもあった。
ここから旅順港が見えるのだろうか?見てみたが、霧で何も見えなかった。
そのあと、旅順の灯台を見て、それから旅順港にも行った。軍港としても使われており、写真撮影は禁止されていた。
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それからマッサージにまた行って、夜は、あまりうまくもない牛肉入りのラーメンを食べて、ビールを飲んだ。昨晩、飲み過ぎたので、ホテルでゆっくり休むつもりだった。
風呂に入って寝ようとしたけれど、なかなか寝られず、ホテルのレストランに行った。ビールを飲んで、チキンライスという蒸したチキンとライスが別に盛られている、かなりまずい料理を食べた。でも満腹したので、部屋に帰って爆睡した。
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そして、また日本に帰ってきた。このブログに書けないようなこともいっぱいあって、すごくお金を使った。金銭的な面から言えば、俺はオオカミの群れに飛び込んでいった羊のようなものだったろう。ちょっと考えてみるとぼったくりに継ぐぼったくりだった。ちゃんと向き合う自信がないのでお金のことは考えたくもない。
でも、楽しかった。日本では決してできない経験だったことは確かだ。
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旅行中にユヴァル・ノア・ハラリの「ホモ・デウス 上巻」(河出書房新社)を読み終わった。
俺は、以前、何かの本で見つけて、それからわからなくなっていた「セレンディピティー」という単語に再び会えて嬉しかった。思わぬ物を偶然に発見する能力のことだが、適当な日本語がない(対応する言葉が「ない」ことはよくある。例えば英語には「曜日」という単語がない)。
これが欠けている調査隊や科学者は、同じ対象を見ていても何も見つけられない。特に考古学者や古生物学者には不可欠な能力だ。俺は、この能力に着目する必要性を強く感じていて、この言葉がもっと日本でも使われるようになればいいのにと思っている。
もう一つ、芝生の歴史はとても気に入った。あんな生産性のないものをどうして手間暇かけて設置するのか俺にはわからなかったが、昔から富の象徴だっことを紐解いている。読み終わってから「俺、やっぱ芝生いらないや。そんな身分じゃないし。」と思った。もともと農奴が雇える身分でないと、とても維持ができないものなのだ。
マルクスが予言した「資本主義は労働者の革命により滅ぼされ、共産主義になる」ことは、その予言がとてもよくできていたため、資本家も読んで研究し、そして共産主義になる道を回避したために実現しなかった、のだそうだ。よくできた予言書は、できがよいほど実現しない。なるほど。そういわれるとわかりやすいなあ。
「飢饉・疫病・戦争」を克服した人類は「不死・幸福・神性」の獲得を目指すらしい。その全体像を話すのがこの本の主題だが、周辺の雑学や考え方に示唆に富むものが多い。
例えば「飢饉」についての章では、かつてマリー・アントワネットが語ったように「パンがなければケーキを食べればいいんじゃない?」が現実になり、貧乏人は高カロリーで不健康なものを食べているという指摘があったりする。なるほどなあ。
全体として「サピエンス全史」よりもより読みやすく、示唆に富んだものになっている印象だ。前の「サピエンス全史」はすごく評判がよかったけれど、俺はこの内容ならカール・セーガンの「コスモス」の方がずっといいと思っていた。「ホモ・デウス」はいい。手に入り次第、下巻も読みたい。
俺の人生史上、最重量のデブになったので、年末年始に断食することにした。
29日の朝から何も食べないように心がけた。
31日の夜に姉の家の年越しに呼ばれたので、出かけて行った。姉には断食のことを話しておらず、そして話すつもりもなかった。
普通にビールから始めてワインと冷酒を義兄と1本ずつ開け、年越しそばを食べて帰ってきた。寝る前にコンビニのおにぎりも2つくらい食べた。絵にかいたような暴飲暴食だった。
正月と2日はまた断食をして食べなかったが、3日の昼に上田市に戻ってきてから食べ続けることになった。4日は仕事で、朝は抜いたが、夜は料理を自分で作って大量に食べた。
実家は火事を防ぐためにオール電化にしたが、上田市のアパートは都市ガスで、俺のように料理をしたい人間にはなかなかいい環境だ。手作りの料理はうまい気がする。電気のコンロはどうも料理をしている感がなく、気が進まない。
断食と暴飲暴食の繰り返しで、結局2キロくらいしか痩せなかった。相変わらずデブのままだ。
ただ断食の最中に、なかなか寝付けずにいろんな料理のレシピを見た。単純に野菜を食べると太らなそうな気がした。これからは野菜中心の食事に切り替えていきたい。
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正月に見た初夢は、何か大きな会議の締めの挨拶をしてほしいと頼まれる夢だった。
挨拶をその場で組み立て、それから会場を出て周りを案内してもらう。そのうちに帰り道が分からなくなり、俺はあちこちを走り回った。
フロントにいた人が教えてくれて、会議の終了には何とか間に合った。もう一度、挨拶を組み立てて、ステージに立つ。すると、障害を持った少年が手招きをして、一緒に写真を撮ってほしいという。
いろんな人と写真を撮っているうちに、またステージがどこかわからなくなってしまう。その瞬間に目が覚めた。
目が覚めてからも、締めの挨拶をするはずの俺がいなくて、あの会議はどうなったんだろうと心配になった。「存在もしない会議のことで悩まなくていい。」と理性が判断するまで、俺は不安だった。
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「オール・オア・ナッシング アリゾナ・カーディナルスの挑戦」を全話見終わった。
コーチ、オーナー、選手に密着し、カーディナルスが地区優勝を果たし、そしてスーパーボールにはたどり着けなかったその足跡をたどっていく。
最初はアメフトのノリについていけなかったけれど、しばらく見ているうちにだんだんと面白くなってきた。能力がある選手というのがどういうものなのか、だんだんとわかってきた。そして、この年、カーディナルスは圧倒的な強さで、勝ち数の新記録まで作って地区優勝をした。しかし、スーパーボールでは全く歯が立たず負けてしまう。
1シーズンを通して、ずっとカーディナルスを見ているうちに、このチームが好きになった。そして別のアメフトチームも見てみたいとも思った。
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映画「プリデスティネーション」を観た。
俺は時間と空間を題材にした映画が大好きだが、そのなかでも、この映画は優れている。テーマはタイムパラドックス。タイムパラドックスを簡単に言うと、タイムマシンで過去にさかのぼり、自分が生まれる前に自分の父親を殺したら、自分はどうなるのか?という問題だ。
バック・トゥー・ザ・フューチャーでもこの問題は扱われていた。主人公は何とかつじつまを合わせる。では、つじつまを合わせようとしなかったらどうなるのか?
日本のドラマ「仁」では、未来に影響が及びそうになると主人公の体が徐々に透明になったが、全く意味不明。徐々に透明になって消える説明の方が難しい。科学センスのない人はSFに手を出さないでほしい。
この映画はこのタイムパラドックス問題に挑戦的で、見ていてワクワクした。この映画が示すのは、生まれてしまったものは、仮に生まれる前の父親を殺したとしても生き延びる。新たな時間軸で生きていくという前提に立っている。そして、俺はそれが正解だと思う。
そして、その前提の上で、この映画はどこまでそのタイムパラドックスに挑戦ができるのかを実験している。脚本がすごいのは当然として、演技も演出もよくて、久しぶりに真剣に映画を観た。そして見終わった後も長いこと、いろいろと考えさせられた。これぞSFというべき、俺にとってはいい映画だった。
前の職場の忘年会での約束を果たすため、水曜日は午前中休んで、5斤分のサンドイッチを作った。
前日までに材料を買い揃えて、まな板も新しいプラスチック製のものを買った。今までのまな板も白いプラスチック製だったが、包丁の跡がささくれていた。
古いまな板は、燃えないゴミとして、ゴミ置き場に置いてきた。ついでに、切れない包丁もゴミにした。
サンドイッチを作り始めて、まな板がささくれているのに気が付いた。「不良品なのかなあ」と思いながら料理を続けていたが、使っているうちに気が付いた。自分が、新しいまな板の方を燃えないゴミとして処分してしまったことに。
ため息が出たが、仕方がなく料理を進めた。5斤分のサンドイッチを作るのは思ったよりも時間がかかった。長野市内にある前の職場までサンドイッチを届け、1時からの上田市での勤務に何とか間に合わせた。
自分では約束を果たしたつもりだったが、ほとんどの人は約束自体を覚えていないようだった。「おいしかったです。」と言われたけれど、俺はいろいろとショックだった。
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誕生祝いをフェースブックでいくつかもらった。ニュージーランドの友達から「元気?」と聞かれたので、「ものすごく太ったから、年末年始は断食する。」と返事をした。断食はファスティングだと知っていたが、つづりが不安だった。fastingでいいのだろうか?
ちょっとそのことを考えていた。そして、朝食のことをブレックファストというのは、あれは「断食を破る」という意味なのではないかということに思いが至った。break(破る)+fast(断食)ではないかと。
それで、特に調べもせずに、fastingのつづりでメールを書いた。後で調べたらその通りだった。
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映画「トゥーム・レイダー ファースト・ミッション」を見た。
とても期待をしたのだが、前半は全く冒険には関係がなく、いったい何のためのアクションなのか不明だった。主役にはアンジェリーナ・ジョリーのような強さも余裕もなく、なんだか本当にがっかりした。
今回は、卑弥呼の墓を暴くという設定だったが、あまりにも映画っぽく作りすぎていて、日本に行くのに香港から船をチャーターというのもよくわからない話だった。古代の歴史や地図よりも、まずは現代にある普通の地図が読めるようになることが先だと思う。そして、お父さんはあれだけの財産を持っているんだから、最初からヘリコプターで行けばよかったじゃん、と思った。
そして伝染病に冒されたので、卑弥呼が犠牲者を減らすために、自ら離れ島に行くと決めたという設定だったが、もしそうであれば1000人もの殉死者を従えるのは矛盾してないか?
なんだか、オリジナルのトゥーム・レイダーから賢さが抜け落ちてしまったようで残念だった。
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アメリカのドラマ「スタート・アップ」のシーズン3も全話見終わった。
購買者の自由を守るために、通貨は仮想通貨。そしてどんなに危険なものを売り買いしようとサイトは無視をする。
そういうコンセプトで作られたアラックネットだが、テロに使う武器までもが取引の対象になり、VXガスなどが取引されるようになる。
サイトを封じ込めようと、アメリカ政府もそしてCIAも工作をするが、アラックネット側も必死に守る。しかし、その結果、アメリカは大規模なテロに見舞われることになる。
自由な世界には皆が憧れるが、自由には危険もつきまとうことをこのドラマはリアルに描いている。あれほどまで努力をして守ったものはいったい何だったのか、虚しさが募る。
前の職場にサンドイッチを持っていく話は諸事情で1週間延期になった。しかし、それでもサンドイッチを作る練習だけはした。それで、食パンも台所にたくさん置いてある。
身近に食パンがあるので、チェダーチーズを載せてオーブンで温めた後、焼いたベーコンやパセリなどを挟んで簡単なサンドイッチを作って食べることが多くなった。
食感が悪いので、パンの耳を切り落とす。問題は包丁の切れ味が悪いことで、普通の包丁はもちろんのこと、今持っているパン切包丁でも今一つすっきりと切れない。
金曜日の夜、スーパーに行って包丁を研ぐ器械を買ってきた。スリットに包丁を垂直に入れて、前後に10回ほど動かすと研げるのだという。
家に帰ってきてから試してみたら、包丁の刃がすり減ってしまい、おまけに一部分欠けてしまった。どうやって使うべきなのか、全然、わからなかった。研げるような使い方が本当にできたのだろうか?包丁はますます切れ味が悪くなり、これ以上使い続けるのをあきらめた。
土曜日に、ネットで切れる包丁を探してみた。すぐにでも欲しいので、現地まで買いに行くつもりだった。俺の考えでは、上田市の隣の坂城町は日本刀で有名な街なので、きっと坂城町にはすごく切れる包丁があるだろうと思っていた。
ところが、長野県で切れる包丁を作っていることで有名なのは信濃町だった。行こうと思えば行けるが、遠いので諦めた。それで、上田市内で切れる包丁を売っている店を探した。
その店は、町の中に普通にあった。包丁と彫刻刀で有名な店のようだった。
「包丁が欲しいのですが。」俺が言うと「どのくらいの予算?2千円、3千円くらい?」と聞かれた。「もう少し出してもいい。」
それから、いろんな包丁の説明をしてくれた。切れ味の高いプロ仕様のものは、当然、手入れも必要なこと。冷凍食品や餅など、固い部分が残っている食材を包丁で切ると、刃が欠けるので使ってはいけない、ということなどを聞いた。7回も焼きを入れたという万単位の包丁も見せてもらった。最近は、中国の学生が親に頼まれて高い包丁を買いに来ることが多いらしい。
俺は、8千円くらいの包丁を買おうと決めた。パンでも、具の入ったサンドイッチでも、十分に切れるという。パン切包丁ではない、普通の包丁だ。
「この包丁なら、7千円の別の包丁と同じ刃なんですよ。切れ味は一緒。」というので、7千円のものにした。
「ありがとうございます。包丁は、1年くらい使って、それから研ぎ直しをすると、もっと切れるようになるんですよ。うちでは、研ぎもしているので、持ってきてください。この包丁なら、20年は使えます。」
「包丁を研いでもらうなんてことができるんだ。」
「ええ。今は50本くらい研いでいます。年末は多くなるんだけど、今年は少ないくらいかな。」と店主は言った。それから、千円も値引きして、端数も切り捨てて、6千円で売ってもらった。
家に帰って、ミョウガがあったので、みじん切りにしてみた。まな板まで食い込むくらいに切れる。こんなに切れる包丁を持ったのは初めてで、これからは料理の時の感覚も変えなければいけない。
こんな身近に、こんなお店があったなんて驚きだった。
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日曜日の午前中に、実家に帰った。23日に、行きつけのバーでイブのイブ会があるというので、そこに行った。クリスマスだというのに、俺の予定はこれだけだった。
「いやあ、人生、失敗したわあ。」と一応、言ってみるが、あまり深刻感がないのが、俺の悪いところだ。
クリスマス・イブだというので、シャンパンを開けて、ワインも飲んだ。それから2軒はしごしたが、いつものように途中から記憶がない。そして月曜日は二日酔い。
本当に進歩がない。来年も似たようなことをしていそうで、それを考えると情けない気持ちがする。
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柳沢きみおのマンガ「夜に蠢く」と「続・夜に蠢く」(ゴマブックス)を全巻読み終わった。
主人公は家庭でも居場所がなく、会社も潰れてしまったサラリーマン。急死した一流の出版社の社長とそっくりだということで、彼の立場をそのまま引き継いで生活を始める。それまでの妻子は置き去りにして。
美人の元社長の妻は冷たく、会社ではただのお飾り。それで、夜の街に生きがいを探す。最初は秘書があてがった愛人で収まっていたのだが、欲望にはキリがなく、そしてまた東京という都市は金さえ出せばそれを実現する手段を次々と提供する。
文字通り、酒と女の世界で、欲望に身を任せ、そして疲れ切ってしまう悲しい男の性を描いている。
共感はできるが、堕ちていく一方の主人公に「もうちょっと何とかならなかったのかよ。」と言いたくなる。もっとも、彼は遊び人だったからこそ、高級マンションや現金をたっぷりと手に入れることができたわけで、まあ、うらやましいというか、なんというか。
それにしても、一昔前の俺だったら、柳沢きみおのマンガを読むなんてことはなかった。俺も人生に疲れてきたのかなあ、とも思う。
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柳沢きみおのマンガ「悪の華」と「続・悪の華」(ゴマブックス)も読み終わった。
覚せい剤の所持が発覚したタレントの身代わりに、2億円をもらって刑務所に入った芸能プロダクションの男が出所する。
婚約者は、2億円を出した芸能プロダクションの社長に奪われていて、どうやらそれが目的の身代わりだったらしい。
彼は復讐を誓い、自分も芸能プロダクションを始める。
美人の女と寝ても、高い酒を飲んでも、最後には空しさが募るのが、柳沢きみおのマンガの特徴だ。俺は、彼ほど、酒にも女にも強くないが、強くてもやはり空しいのかと、読んでいて妙に納得させられた。
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「インビジブル・スクワッド 悪の部隊と光の戦士」というイタリアの映画を見た。
子どものヒーローものだが、なかなかいい。スネ夫とジャイアンみたいないじめっ子がいて、シズカちゃんみたいなヒロインがいる。
主人公は、透明になることができる。というわけで、その能力に目覚めると、早速、裸になって女の子達のシャワールームに入ってみる。
ところが、コントロールが効かず、女の子の着替えを見ているうちに透明でなくなってしまう。シャワールームに突然現れた全裸の少年を見て女の子達は大騒ぎ。
警官であるお母さんに「わからないわ。あなたの考えていることが。女の子はゆっくりと進めたいの。いきなり裸はだめ。」とため息をつかれてしまうのが、かわいそうだった。
話はどんどんと発展し、最終的にはロシアの潜水艦をこの少年が沈める話にまでなる。そしてヒロインの女の子の美しさは、日本では信じられないレベル。生きている人形のようだ。子ども向けSF映画としてとてもよくできた映画で気に入った。
今週は、今の職場の忘年会があった。俺の歓迎会も兼ねているということだった。忘年会の会場は別所温泉で、俺は日帰りを希望したが、1泊する人も多かった。
俺の今の職場は南向きで日当たりがいい。そのせいか、1日中暖かい。忘年会の会場である別所温泉に向かうバスに乗るとき、周囲の空気の暖かさにふと「もう年末に近かったんだっけ?」と目的を見失いそうになった。
満員のマイクロバスの中でビールが配られた。別所温泉に行くのは初めてだったが、辺りは既に暗く、何も見えなかった。着いた宿でもビールがすぐに出てきた。飲んでいるうちに会場に呼ばれて、忘年会が始まった。
若手が芸をして、俺たちは拍手しているだけでよかった。俺の歓迎会も兼ねているということだったが、「マジでいらないです。」と事前に断っていたので、挨拶もせずにすんだ。ビンゴゲームもあったが、俺は何も当たらなかった。
帰りのマイクロバスで職場に戻ってきた後、俺は1人で、タイ人が経営しているバーに行って飲んだ。女の子が2人もついて「あなたはタイに行けばすごくモテる顔をしている」と言う。「そっかあ、でもここは日本だからなあ。」英語で話をして、でもそんなに話も弾まず、1時間くらいビールを飲んで帰った。
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翌朝の二日酔いは軽かった。上田駅まで歩いて行って新幹線に乗って、戸田公園に行った。それからボート競技場行の無料バスに乗って、ボートレースに行った。
5レース目から始めて12レースまで賭けた。途中、何度か勝ったが、オッズが低くてそんなに稼げなかった。それよりも掛け金がでかく、かなり凹んだ。
基本的に6艇のうち、来るだろう3艇を予測する。そして、その3艇の3連単全通り買いをする、というのが、俺の賭け方だ。となると6倍以下のオッズである固い部分は捨てることになる。福岡で700倍を超える勝利をした後なので、賭け方も荒くなる。
最終レースもオッズが低く、低い中でも、まあまあ高かった2号艇がらみの舟券を買っていた。2号艇はスタートがよかったのに、第1ターンで、捲られ4位になってしまった。彼女が3位になってくれないと、俺の勝ちもなくなるので、声を出さずに心の底で応援していた。
3回目のターンまでに、3位のボートとの距離が接近していた。
「抜け!」心のなかで叫んだ。
2号艇は別の艇に乗り上げて、ボートの底を観客席に大きく見せて、それから仰向けに転覆した。観客席から悲鳴やらため息が聞こえ、俺も声に出さないままうなだれた。
使ったことがなかったので、マックのコンピューターというのを1度、買いたかった。ソニーのミラーレス一眼も欲しかった。ほかにもいろいろとしたいことがあった。でも、もう買えないや。
帰りはすごく稼いだら、タクシーで帰るつもりだったけれど、無料バスで帰ってきた。バスの中で友達にラインを送った。
「戸田公園、惨敗。最終レースにつぎ込んだ舟は転覆。引退します。」
友達は優しかった。
「あの時も引退すると言って、大もうけした。僕らと行くときに期待しています。」
「転覆とは・・・。師匠、まだ引退は早いですよ。」
読んでいて、涙があふれてきた。
やたらと人にあだ名をつけるやつがいて、彼だけは
「改名
転覆一郎」
なんて書いてきたので、「やかましい。」と返事を送っておいた。
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日曜日はヤマダ電機に行った。
実家に帰ればあるのだが、今週、サンドイッチを作るので、オーブントースターが必要だった。
ただパンを温めるだけの機能があればいいので、安物で十分だった。
いろいろと見ていたら3千円もしないものがあったので、それを買ってきた。4千円の物は贅沢だと思って買わなかった。昨日は、舟券を買うためにどんどんと機械にお金を入れていたのに、随分と落ちぶれちゃったな、と悲しい気分になった。
ヤマダ電機のレジは混んでいた。でも、みんなどことなく幸せそうだった。「なんだか、本当に、なんていうか、なあ。」という気分だった。
+++
西加奈子の小説「舞台」(講談社文庫)を読み終わった。
自意識過剰な若者が、ニューヨークに行き、いきなりパスポートや財布等を盗まれるが、自意識過剰なために「着いてすぐに盗まれた」ことを領事館にも言えず、周囲に迷惑をまき散らし、自分もひたすら困るという話だ。
この話は、自意識過剰な若者の自意識をメインストーリーにしているので、俺は話がつまらなくて、よく最後まで読んだと思ったほどだった。
それでも読み終わった後、俺がよく飲酒後に鬱になるのは、自分が飲んだときに「明るくなる」せいかもしれないということを考えた。俺は飲むとどんどん陽気になって、そして毒舌も吐きまくる。素面では信じられないくらいのことを言ったり、したりするので、二日酔いの苦しみも重なって、俺は辛くなる。
俺も未だに自意識に縛られているってことがあるのかもなあ、と思い直した。他人はそこまで考えてないから、気にすんな、と自分に言いたい気がした。
+++
西加奈子の小説「しずく」(光文社文庫)も読み終わった。
どの話も印象深い話だった。大切にしていた家の賃借人が小説家で、「私がうんこを食べるまで」という本を書いていて驚いた「灰皿」、子供が大嫌いなのに、大好きな恋人の子供を預からなくてはならなくなった「木蓮」、天真爛漫で娘を溺愛しているが、どこかすっとぼけている母親を描いた「シャワーキャップ」が特に気に入った。
どれも愛とは何かを考えさせられる話だった。
+++
映画「クリミナル 2人の記憶を持つ男」を見た。
CIAの諜報員が殺され、彼がつかんでいた秘密を明らかにするため、社会性皆無の死刑囚に、死んだ諜報員の記憶を移植する。
感情というものがなかった死刑囚は、諜報員の記憶や考え方を通じて、だんだんと愛情を感じるようになっていく。
テンポがよく、ストーリーも理解しやすい。よくできたサスペンス・アクション映画で、とても楽しめた。
+++
映画「ノー・エスケープ 自由への国境」も見た。
国境を徒歩でメキシコからアメリカに来た不法移民を、アメリカの男がライフルで狙い撃ちをしていく。
10人以上が殺され、残りが2人になったとき、反撃することで状況を改善しようとする。
評価がとても低い映画で、もっと前に反撃するべきだ等々の意見を読んだが、俺はなかなか印象深いと思いながら見た映画で、とにかく短いので、もう1度見てもいいと思った。彼らはどうするべきだったのか、考えるところがいろいろとありそうだ。
合格通知は実家に送られることになっているので、まだ見ていない。でもネットで確認したら「インバウンド実務主任者認定試験」に合格をしていた。何の役に立つ資格なのかさっぱりわからないが、毎年、1つくらいは資格を取りたいと思っていたので、まあよかったんじゃないかと思う。
+++
金曜日の夜に、前の職場の忘年会と俺の送別会があった。俺は正直なところ行きたくもなかったんだけど、行った。そしてはっちゃけた。
飲み会の席で、偉い人が「君はこれでもう本社勤務に戻ることはないよ。」と言うので、思いっきり「ありがとうございます!」と笑顔で返事をした。俺にとってショックなことを言ったつもりだったんだろうけれど、俺は今の職場の方がいいし、1ミリも戻りたくない。未だに本社勤務がステータスだと思っているなんて、わかってないなあと思う。少なくともそういう感覚は俺にはない。
3次会まで行って、そこで俺は思いっきり飲んで、それで歌った。相当に酔っぱらった。
その日の夜、ホテルで寝るときに「そういえば、2次会で、サンドイッチを作るなんて言っちゃって、それは作ったっていいんだけど、上田から長野までどうやって運ぶんだよ。」と妙に冷静になって思った。
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翌朝、上田まで新幹線で帰るとき、体が重くて仕方がなかった。それから、ちょっと複雑なことを考えることができなくなっていた。
眠たいのに眠ることもできず、本を読もうとしても、ビデオを見ようとしてもすぐに疲れてしまう。2日酔いによる体調不良だった。
体の痛みは感じていなかった。ところが夕方3時頃から急に腹痛が始まって、それで少し吐いた。そのあと、水を大量に飲んで寝ていたら、今度はその水も大量に吐いた。水を吐くのは楽だった。「これが胃洗浄ってやつか。」なんてことを思った。
水を吐いたら少し楽になったけれど、それでも腹痛は続いていた。胃がものすごい力で絞めつけられているような気がした。
それから少し寝た。夜の9時頃に起きたら、腹痛は続いていたものの、本が読める状態になっていたので、漫画を読んだり映画を見たりした。2時ころまで起きていて、それからまた寝た。
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日曜日の朝には、腹痛もほとんど治まっていた。
朝食を作って、ちゃんと食べた。「昨日は水も飲めなかったのに。」。
胃が軽くなっていたせいか、体は軽かった。2日酔いも悪いことばかりじゃない。
随分と太ったけれど、またダイエットをしようかと考えた。いろいろ考えると、ダイエットするなら年末年始だな、と思った。
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小林有吾のマンガ「アオアシ」(ビッグコミックス)を今、出ている15巻まで読んだ。
愛媛の中学生が、東京でユースの選手になるために、日々努力を続けるマンガだ。
日本のサッカーは裾野が広がり、そして、高度化している。愛媛でエースストライカーだった主人公は、東京に出てきて、いつまでもフォワードとしてはやっていけないことを理解し、サイドバックとして生きていく。
挫折と進歩、そして努力の日々で、キャプテン翼の時代のどこかファンタジックな世界はもう漫画の中にも出てこない。
サッカーって大変な世界なんだなと思いながら、そしてまた、この特殊な能力を持った主人公が(フィールド上で誰がどこにいるかを察知できる)どこまで行けるものなのか、早く続きが読みたい。
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映画「スノーデン」を見た。
政府が国民の携帯電話やパソコンを監視しているという内幕を暴いたあのスノーデンの映画だ。
内容はわかりやすく、また彼が何をしたのかも理解ができた。ただ、日本のインフラ網にもアメリカ政府が仕掛けをしていて、イザというときには日本を無力化できる、なんて話は、にわかには信じがたい。でもまあ、そんなことがあるのかもしれない。
ただ、なんというか、スノーデンが、個人の権利から最も遠そうな国であるロシアに保護されていることが、なんとも皮肉で、ファーウェイの副社長がカナダで捕まった時に、普段、自らの人権侵害に寛大な中国が「重大な人権侵害だ」と言った時に感じたのと同じ違和感を感じてしまう。
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映画「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」も観た。
この映画でも、最も感じたのは、ハリウッドに対する中国の影響力で、モーガン・フリーマンまでが中国語のセリフをしゃべっているのを見て驚いた。
ストーリーは複雑で、俺は今一つよくわからなかった。またさっきまでいた人が消えてしまうのも全部「手品だから」ということで済ましていて、そんな簡単でいいのかよ。と突っ込むところが多々あった。あんなに簡単に催眠術にもかからないと思うし。
観ても観なくてもどうでもいい映画だけど、時間つぶしくらいの役には立つ映画だった。
俺の11月の異動は、あまり知られていないようで、会社の多くの人が、俺が上田市で勤務をしているのを見て驚く。
「どうしたの?なんでここにいるの?」
「11月の異動で。」
「11月?どうして?」
「うーん。」少し考えてしまう。確かに異例なのかもしれない。説得力のある理由を考えてみる。
「たぶん、不祥事。」
「何やったの?」
「それは言えない。口が裂けても。」
そういうと多くの人は納得する。「頑張れよ。」と声をかけてくれたりする。
「ありがと。」と返事をしながら、転勤したかった頃、まじで小さな不祥事を起こせばいいのかな、なんて考えていたことを思い出した。ちょっとまともな心理状態じゃなかった。
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週末は実家に帰った。いろいろとやることがあった。
NTTが来て、テレビと光回線をつなぐ装置を持って帰っていった。それから、車を三菱のディーラーに渡して、修理をしてもらった。後部座席の窓が閉まらなくなっていたのだが、再び閉まるようになった。それからNHKにもう受信料を払わないという通知書を送った。
そして夜は、同じ地区に住む同学年の仲間と街に飲みに行った。かなり飲んで、帰ってきた時間も覚えていない。
日曜日は、実家近くの温泉に行って、さっぱりした後、上田市に行った。夕方には、水道管の清掃業者が来て、状況を確認して帰っていった。相当に水道管内に錆がたまっているらしかった。改善されるといいのだけれど、いつになるのかわからない。
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「オール・オア・ナッシング マンチェスター・シティの進化」を全話見終わった。
勝ち点100の新記録を叩き出した2017-2018シーズンのマンチェスター・シティの戦いを、マンチェスター・シティの視点から描いている。
勝った時、負けたときのロッカールームまで、カメラは映し出す。
オール・ブラックスのシリーズを見た後だったからか、サッカー選手は簡単な接触ですぐに壊れるなあ、という印象を前半は抱いていたが、後半になって、サッカー選手は非常に精巧に素早く動くことを主眼にした精密機械なのだということが分かってきた。
そして、マンチェスター・シティのペップ監督は選手を尊敬している。選手も監督やファンの期待に応えようと精いっぱいの努力をする。その前提のうえで、さらに動機づけを与え、戦術を身に着けさせる。
戦術的な話も相当にあるのだとは思うが、最終的には優しさのある監督がいるチームは強いということをこのシリーズを見て学んだ。そして、こうありたいものだと思った。
3連休は実家に帰った。上田市に引っ越してきてから、初めて実家に帰る。夏物の服を実家に置いてくること、コートなど冬服を持ってくること、暖房器具を持ってくることなどを思い描いていたが、ほかにもいろいろとすることがあった。
俺は随分と前から、テレビを見ていない。にもかかわらず、実家には未だにテレビ視聴のシステムがあり、NHKにも受信料を払っている。テレビ視聴のシステムは、NTTの光回線を利用して行うことになっている。
上田市に転勤になったこのタイミングで、テレビのシステムをなくすことにした。手続きはいろいろと煩わしかった。どういう仕組みなのか知らないが、備え付けてあるコンバーターを持ち帰る必要があると言われたので、持ち帰ってもらった。NTTが取り付けた装置は来週、回収に来るそうだ。そしてNHKの受信料支払い契約の解除も、また来週しなければならない。
いろんな手続きの間に、スタッドレスタイヤをガソリンスタンドに持ち込んだ。少し早いが、混みあわない今ならすぐに取り換えてもらうことができる。
その日の夜は、姉の家で食事をして義兄と随分と飲んだ。飲んだ後は姉にまた実家まで送ってもらった。
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土曜日の朝、ガソリンスタンドで車を洗ってもらった。「ちょっといいですか。」というので車を見る。後部座席の窓が1つ、スイッチを入れても閉まらなくなっているという。
後部座席の窓が開きっぱなしで、スイッチを入れてもモーター音がするだけで閉まらない。
ガソリンスタンドを出るとそのまま三菱のディーラーに車を持ち込んだ。点検に1時間ほどかかるという。1時間も待つのは嫌だった。近くに温泉があったことを思い出した。5分ほど歩いて温泉に入ってくることにした。
それが朝10時頃のことだった。その時間帯は、温泉も空いているような気がした。温泉に行くと確かにお客は少なかった。そして、24時間営業のその温泉は、その時間帯が掃除の時間だった。
かけ湯をして湯船に入る。しばらく入っていたら、体が温まってきたので、体を洗おうと思ったが、洗い場はずっと掃除中でなかなか空かなかった。仕方がないので、露天風呂に行ったり、ジャグジーに入ったりする。普段は30分ほどで温泉から出てしまうが、この日は1時間くらいいた。
車は窓の部品が一つ壊れていたそうだ。部品は取り寄せになるという。後部座席の窓は開かないように応急処置をしてもらい、来週また修理をしてもらうことになった。来週もしなければならないことが盛りだくさんだ。
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夜は、小学校の同級会があった。中学まではわかるが、小学校の同級会をしてどうするんだろうと思った。俺はもう誰がいたのかもあまり覚えていない。特に女子はわからない。それに、俺は小学生の頃、辛辣な悪口を多くの女の子に言っていたような気がする。お詫びして歩くのも嫌だった。
それでも行くことにしたのは、小学生時代の同級生をガンで亡くしていたからだ。俺が地元の職場に転勤になったとき、彼は俺のために飲み会を企画していたのだと、見舞いに行ったときに話してくれた。病気になったからやめたのだと。
その葬式の夜、俺は何人かの小学校時代の同級生と会った。「そのうちに飲もう。」と言ってそれっきりになっていた。
参加者は10人だった。女性が6人で男性が4人。俺が期待していた友達は来なかった。
豪華でおいしい食事だった。俺はずっとビールを飲んでいた。
いろんな話を聞いた。俺は小学生の頃は、本ばかり読んでいた。勉強はロクにせず、教師もそれほど勉強に力を入れてはおらず、使わなかった教科書が何冊もあった。無駄に過ごしたという思いだけがあった。
そんな思いで参加をしたのだが、記憶になかっただけで、それなりに生き生きとした生活を送っていたことにだんだんと気が付いてきた。
2次会には7人が参加して、話をしたり歌を歌ったりした。歌は、大学院で声楽をしている人もいて、本格的だった。面白半分で「歓びの歌」をカラオケで入れてみた。作曲者のところにベートーベンと書かれていて笑った。声楽をしているという女性は、その曲をドイツ語で歌った。
他にも声の質がとてもいい人がいた。全体として女性はものすごく上手で、驚いた。そういえば、小学生の頃は、掃除の時間にまともに掃除をせず、女の子たちはピンクレディーとかよく歌っていたなあ、と思い出した。
2次会は1時まで続いた。帰りは飲まなかった女性に家まで送ってもらった。
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ずっとビールばかりを飲んでいたので、日曜日の朝の2日酔いは大したことがなかった。
朝8時には家を出て、また上田市に戻った。それから近所の温泉に行ってきた。
今週末はいろいろとあって、大変だったが、来週末もいろいろとある。仕方がないので、頑張りたいと思う。
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「帰ってきたヒトラー」というドイツ映画を観た。
現代のドイツに、地下防空壕で死んだはずのヒトラーが蘇るというストーリー。
テレビ局は物まね芸人扱いするが、討論にも強く、物怖じしない姿勢で徐々に人気が出てくる。
日本もこれからそうなるが、ドイツは移民大国になっている。生活習慣も違い、ドイツ語を理解しない移民が大量に流入したら、不満を持つドイツ人も当然、増えてくる。コメディ・タッチで作られている映画ではあるが、この映画は、今のドイツにヒトラーを迎え入れる余地があることを示している。
ヒトラー役の俳優が突然、ドイツの街に現れる。意外とドイツ社会に受け入れられ、なじんでいる映像が流れる。「よくないなあ。」とは思いながらも、彼に何かを期待してしまう国民の気持ちも全く理解できないわけでもない。ヒトラーは民主主義によって生まれたことをこの映画では改めて指摘をしている。
移民政策は大きな課題だ。日本もこれからどうなるのだろう。現状を把握するのにはいい映画だったように思った。
転勤してから、早く帰ることができるようになった。家族や恋人がいれば話は別だが、俺はそういうこともない。
一応、TOEICの900点台を目指してはいるが、仕事帰りに英語の勉強をするほどまでには必要に迫られているわけでもないし、情熱があるわけでもない。映画を観ることや本を読むことは、時間がなくても勝手に俺はするので、余った時間を何に使うかは考える価値のあることだった。
近所にスナックがあれば、たぶんそこに通っていたと思う。グーグルマップで調べたら、一番近くにあるのがキャバクラで、そこまで自宅から650mある。最近、寒くなってきたから650mも歩くのかという問題と、正直、引っ越しに金がかかって経済的に余裕がないということもある。
今回の引っ越しでは、引っ越しそのものにかかる料金、礼金や敷金、最初の月の振り込みのほかに、大手の不動産仲介業者の全く役に立たない入居安心サービス、礼金以外に取られる仲介手数料、本当に行ったのかも不明のクリーニング、不払い用の保険、火災保険等々で40万円近くの出費があった。仲介業者が暴利をむさぼっているとしか思えない。後出しの不透明な出費が多すぎる。同じ大手でもアパマンショップの方がまだ良心的だ。それに加えて、引っ越し後のホテルでの生活分の出費、その間の日割りのアパート代の出費もあった。
もちろん、会社の方である程度はみてくれるが、本当にある程度で、何の役にも立たない入居安心サービスの金を払うわけがない。俺が経営者だって、そんな不動産業者が勝手に請求してきたものに払えるかというだろう。でも、まあ、今更しょうがない。競艇で勝っていて本当によかった。
そんなわけで、仕事の後、金がなく時間があるという状況になった。それで、寝ながらいろいろと考えた。
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俺は楽器ができない。それがコンプレックスになっている。
小学生の頃、トランペットを吹いていたが、以前、試しに安いトランペットを買って吹いてみたら、マウスピースは鳴るものの、本体からはソの音すら出せず、ミュートまで買ったのに諦めた。その頃、友達が家を建てたので新築祝いにあげてしまった。
実家にはずっとアップライトのピアノがあり、姉が弾いていた。姉が結婚した後は、母親が自分の作品の飾り棚として使い、今もそのままだ。
「やっぱりピアノが弾きたいなあ。」
以前、盲目的にキーボードを買ったが、手も足も出ないことを自覚して、最終的には福祉施設にプレゼントしてしまった。今度、買うならちゃんと弾けるようになる手段も検討するべきだとそのときに考えていた。
ピアノ教室に通おうかとも思ったけれど、どこも遠いので諦めた。それで、ネットを見ていたら「はじめてのピアノレッスン 30日でマスターするピアノ教本」というDVD付きの教材を見つけた。値段は3万2千円くらいする。ただ対象としている年齢が、どうやら相当に高齢のようで、そこが気に入った。60代や70代の人ができるなら、さすがに俺でもできるだろう。
アマゾンでキーボードを探したら、61鍵盤ある初心者用のものが、椅子もついて1万2千円で売っていたので、それも買うことにした。「金はどうするんだ?」クレジットカードの引き落とし日である12月10日が少し怖いが、そこさえクリアすれば何とかなるだろう。ボーナスもあることだし。
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土曜日は、それらの荷物が大量に届いた。キーボードは当然、組み立てなければならない。大量に出た段ボールも処理しなければ。
初心者用のキーボードはそれなりの物だったが、俺には十分だった。教材をざっと見たところ課題間のステップが小さく、これなら俺でもなんとかなりそうだった。
体を鍛えること、英語の勉強をすること、ピアノを弾くことをサイクルにして、順番に回していけば、飽きずにすべてを前進させられるのではないかと、今は勝手に思っている。
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土曜日には、湯楽里館というと東御市の温泉に、日曜日にはひな詩の湯という上田市内の温泉に行ってきた。どちらもそれほど遠くない距離にある。
ゆっくり入ろうと思っていたけれど、どうしても30分以上温泉にいることができない。
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Amazonオリジナルの「オール・オア・ナッシング ニュージーランド・オールブラックス」を全6話見た。
ラグビー最高峰のチームに密着し、その強さと個々のメンバーの状況を克明に伝える。勝つのが当たり前のチームなので、勝ち方が話題にされる。
俺が驚いたのは、ライン際にトライした後のコンバージョンキックを外したことを責められるシーンを見たからだ。日本なら、あの角度から入ることが奇跡で、入らないのは当たり前。しかし、オールブラックスでは入ることが当たり前になっている。
パスのスピードは速くて多彩で、見ている俺も惑わされる。こんなパスがあったのかと、初めて見るパスにも驚いた。サイドステップも華麗で、力とスピードを兼ね備えないと、タックルも外されてしまう。
俺は途中からボーデン・バレットという選手から目が離せなくなった。スタンドオフという難しいポジションを的確にこなし、コンバージョンキックも確実に決めていく。失敗したときも、成功したときも、淡々とそして誠実に話す。
俺もこうありたいと思うような、素晴らしい人格者だった。誰もが信頼を置くような性格をしている。その年のプレイヤーオブザイヤーに選ばれるのも当然だった。
こういう人を俺は本当に見習わないといけないと、この番組を見ながら思った。こういう人が世界にいることを知ることができて、よかったと思う。
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田中修治の「破天荒フェニックス」(幻冬舎)を読み終わった。
債務超過の会社、メガネ屋のオンディーズを買収した若者が、優秀なブレーンとともに世界企業にまで発展させる過程を描いている。
その間の困難、裏切り、そして常時付きまとう資金の枯渇。発展を夢見る社長と、それを許さない銀行。なかなか読ませる内容だ。3.11の大震災の後、避難所で視力の弱ったおばあさんが、オンディーズのメガネのおかげで不明だった家族の存否を知ることができたシーンでは、俺も泣いてしまった。
複数の人間がゴーストとして参加しているからだと思うが、文章表現はもう少し検討した方がいいとは思う。「褒められて尻がこそばゆくなった」なんて表現は、プロ作家は使わないし、アマチュアも使わない。セミプロだけが使う表現だ。こういった表現がこの本を胡散臭く感じさせている。
もっとも、この本の原作は、オンディーズの社長のスケジュール帳だったのだと思う。そこから、このストーリーを紡ぎだし、そしてベストセラーにまでする幻冬舎の編集の手腕は確かに優れている。