今日は、現在、国立新美術館で開催されている、「写実の王道を歩む白日会」の第99回白日会展に行ってきましたので、その様子をお伝えしたいと思います。

会期 3月23日(木)~4月3日(月)

 

私が白日会展に通い始めたのは、2018年3月に開催された第94回白日会展からで、まだまだ歴史が浅いのですが、この間、たくさんの作家の方々に出会い、その方の作品をぜひとも拝見したいという気持ちで会場に向かいました。

 

会場入口の風景です。

授章者一覧です。

 

それでは、私の興味本位になりますが、第1室から作品を紹介します。

第1室は、素晴らしい作品が目白押しです。

 

まず、内閣総理大臣賞の福井欧夏氏の作品です。

「茜に懐かれて」 福井欧夏 内閣総理大臣賞

福井欧夏氏は、コロナ禍のため公開されなかった第96回白日会展において文部科学大臣賞を授賞され、その後、ギャラリーアートもりもとで開催された個展でお目にかかり、その作品についていろいろと教えていただいたいたことを思い出します。

今回の作品も、情感が溢れ、上品で奥ゆかしい作品であり、さすがと思わせる作品です。

「福井欧夏展」(於 ギャラリーアートもりもと)の魅力! NHK「浮世の画家」について語る!(2020年6月)

 

「Slumdog」 亀山裕昭 文部科学大臣賞

重厚で精緻な風景画を描く亀山裕昭氏が、文部科学大臣賞を授賞されていました。

 

「余韻」 木原和敏

初めて木原和敏氏の女性画を拝見してから、すっかりファンとなった私ですが、それ以降、この第1室で木原氏の作品を拝見することを楽しみにしています。

2020年10月に日本橋三越展で開催された木原和敏展では、過去の白日会展や日展の出展作品が勢ぞろいしており圧巻でした。

木原和敏展―そこに在るもの―(於 日本橋三越本店)幻の白日会出展作品も拝見しました!  (2020年10月)

 

「風は運んできた」 河野桂一郎

驚くほどの写実力で描かれる清楚な少女の作品に、その度ごとに魅了される河野桂一郎氏の作品です。

河野氏は、第97回白日会展において、内閣総理大臣賞を授賞されており、折り紙付きの実力です。

第97回白日会展(於 国立新美術館)に行ってきました!(2021年3月)

 

第1室は、一部ですが、こんな素晴らしい作品が展示されています。

「雨上がりの陽」 大友義博

 

「ある晴れた日」 山本大貴

 

「赤の記憶」 岡田高弘

 

「雨」 広田稔

 

「群像」 吉成浩昭 ギャラリーアーク賞

 

「匿名の地平線ーver.monochrome」 中島健太

 

そして、最近はこの第1室の展示が続いている若手の吉間春樹さんの作品です。

「胡蝶の夢」 吉間春樹

昨年の吉間さんの出品作も展示されていた昨年10月の個展も素晴らしく、最近の吉間さんの活躍は目を見張ります。

吉間春樹展 traveler(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました!(2022年10月)

 

次は、第2室です。

「清きひととき」 伊勢田理沙

佐賀県出身、佐賀大学大学院修了で、少女や猫を写実的に描く伊勢田理沙さんの作品です。

佐賀県出身者らしく、愛猫の横には「佐賀県史」の本があり、また、棚には有田焼らしき陶器が飾ってあります。

また、棚の上段、猫の置物の横には聖母マリアのアトリビュートである百合の置物があり、女性の赤い服と併せて聖母マリアをイメージさせます。

その女性が編み物をする時間と空間、それがこの「清きひととき」の作品です。

個展でも伊勢田さんの作品には、とても癒されます。

「ねことくらす」伊勢田理沙展(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました!(2022年3月)

 

「桟橋風景」 果醐季乃子

尾道など情感あふれる風景、人物を描く果醐季乃子さんの作品です。

 

「秋の声」 小野月世

小野月世さんは、つい最近まで存じ上げていなかったのですが、水彩画の世界では著名な方です。

お名前を存じ上げていなくとも、その作品は素晴らしく、私も知らないまま過去の日展や白日会展で写真を撮り、ブログで紹介していました。

第9回日展(於 国立新美術館)に行ってきました!(2022年11月)

 

「果てしない空へ」 木下和利

 

第3室です。

この部屋には、私が注目している若手、中堅の方の作品が目白押しです。

「休息」 友清大介

 

「輪廻」 松本実桜

 

「膜」 植野綾

熊本県出身、佐賀大学大学院卒業の植野綾さんの個展は、私のブログで紹介してきましたが、植野綾さんは過去の白日会展には内臓の作品、水中浮遊の作品など、様々な表現に挑戦されてきました。

今回の作品もその意味で植野綾さんらしい作品と思いました。

植野綾展「境界線」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました!(2022年8月)

 

「LIMBOⅢ」 小野彩華

「LIMBOⅢ」という作品ですので、ⅠとⅡがあると思い、自分のブログを確認したら、Ⅰは第94回白日会展、Ⅱは第97回白日会展で発表されていました。

今回の竪琴を持つ女性は、LIMBOⅡで登場しており、横の女の子は第98回白日会展の「My Little Friend」の女の子でしょうか、長い間、小野彩華さんの作品をウォッチしてきから分かる作品の流れです。

ただ、小野彩華さんにはお目にかかったことがないので、是非、おめにかかりこの「LIMBO」の世界の想いを伺いたいと思います。

第97回白日会展(於 国立新美術館)に行ってきました!(2021年3月)

第94回白日会展(於 国立新美術館)に行ってきました。(2018年3月)

 

「Winter Song」 岩本将弥

 

「祖父の旅行記」 朝日夏実

 

 

第4室です。

「小さな命の物語」 藤井佳奈

熊本県出身、佐賀大学大学院卒業の藤井佳奈さんは、「ロリータを身に纏う人の、 気高い心を描く」をコンセプトに制作されているとのことで、私のブログでも度々紹介させていただきました。

二人のロリータの少女が、寄り添い本を読むこの作品は、かわいらしく、気高い、藤井佳奈さんの世界です。

藤井佳奈展「Once upon a time」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました。(2021年10月)

 

「Aquaries」 宮本絵梨

 

「ムーア氏の靴」 三輪修

 

「divine whisperer」 松本貴子

 

そして、第5室には、いつものとおり白日会会長の中山忠彦氏の作品が展示されています。

「アルプ楽想」 中山忠彦

 

第9室

「白ユリのように」 前川ひろこ

 

第12室

「一条の希望」 松林淳 

水彩画で女性を描く松林淳さんの作品は以前から定評がありますが、最近は油彩にも挑戦されており、私のブログでも個展の様子を紹介させていただきました。

「松林淳展~ささやきが聞こえる~」(於 ギャラリーARK)に行ってきました!(2021年10月)

 

最近、この白日会展に挑戦を始められましたが、今回の作品は写実性が高く、圧巻の作品であり、遠くから拝見しても目を引く作品でした。

 

第15室

「花明かり」 徳田明子

水彩画の徳田明子さんの作品です。

女性の爽やかさや想い、さらには怨念など、徳田明子の世界は魅力にあふれています。

この作品は、枝垂桜の白い花びらに照らされて浮き上がる和装の女性が差し出す手の上に、花びらが舞い、うつろの視線には深い想いが感じられます。

この15室は、水彩画の作品が集められていましたが、会場を矢印の通り進んでいたら、この部屋に行きつきませんでした。

迷路の奥の神秘の部屋だったのかもしれません!?

 

第16室

「さあ出かけよう!」 村上ゆたか

少女と、猫や鳥たちと、ともに風に乗って走りだしたくなる爽快な作品と感じました。

 

第20室

「花のささやきを綴る」 西脇恵

 

第22室

「静寂」 中島あけみ

 

第24室 

「斧は持っていないけれど」 緒方かな子

 

「少女たちへ」 服部知子

 

以上、今年も、白日会展で素晴らしい作品に出会うことができ、楽しむことができました。