今日は、私のブログでもよく取り上げている日本画家の丁子紅子さんの個展、丁子紅子展「溶け合う時。」に行ってきました。

場所は、西武池袋本店、これまで多くの個展、グループ展をこなしてきた丁子さんですが、都内のデパートでの開催は初めてとのことでした。

(会期 1月27日(水)~2月2日(火))

 

会場の入り口です。

会場に到着すると、丁子紅子さんはお客さんとお話しされており、早速、ご挨拶をして、作品を拝見しました。

 

作品を何点かご紹介します。

「溶け合う時。」 40F

長い黒髪に、赤い唇。燃え立つような赤い服を着た女性が、黒猫を抱いています。

これまで丁子紅子さんの作品をそれなりの数を拝見してきましたが、猫を描いた作品は記憶にありません。

日本画で黒猫というと、美人画の竹下夢二が思い浮かびますが、この作品、まさに令和の「黒猫」といえる印象的な作品です。

 

今回の作品展は、この作品名である「溶け合う時。」を題しており、正にこの作品を中心にして、作品の展示がされています。

 

次にこの2点を紹介します。

この2点は、西武池袋本店のホームページでも紹介されており、それぞれ、丁子さんの言葉が添えられていますので、ご覧いただければと思います。

「いつまでもこのままに。」 4F

 

「繋いだと思えたあの日に、」4F

 

それぞれに、女性の黒髪が印象的な作品ですが、「いつまでもこのままに。」 の女性は目をやや伏せ、穏やかな表情であるのに対し、「繋いだと思えたあの日に、」の女性は目は正面を見上げており、強い意志が感じられます。

また、「青」と「赤」がそれぞれ基調になっていることからも、この作品の対比が感じられ、丁子さんが描く女性の二面性を、この二つの作品から感じられます。

 

対の作品という点では、こちらの作品も魅力的です。

「燃ゆるもの。」 6P

 

「問う。」 6P

ショートカットの女性の作品は、丁子さんの作品にはあまりないと思いますが、ちょうど私が来訪中に、この作品のモデルさんというショートカットの女性が訪問されていました。

そして、この二つの作品には、それぞれ赤と青の蝶が、女性の背中、燃え立つ羽根の中で揺らいで登場しています。

今まで、あまり気にしていませんでしたが、今回の作品展には、この蝶が登場する作品がほかにも何点かありました。

 

この独特な蝶が登場している作品をいくつか挙げてみます。

「かすかな光まで、」 4M

 

「遠い日のゆらめきは、」 WSN

こちらも、青い作品と一対になっていました。

 

「一輪。」 3F楕円

 

最後に、こちらの2点の作品を紹介します。

「ひかりゆれて」 6P

 

「私にひかる。」 6P

こちらの2つの作品は、ポーズも印象も異なる作品ですので、対ではないのかもしれませんし、でも、対なのかもしれません。

対としたら、どう見たらよいのかなあ・・・・といろいろと思いを馳せることができます。

そうしたことを想いながら、作品を鑑賞することも、また楽しいのではないでしょうか。

 

丁子紅子さんは、つい最近、30歳の誕生日を迎えました。

この若さで、これまでのご活躍を考えると、この30歳代の丁子さんがこれから生み出す作品が大変楽しみです。

 

最後に、これまで丁子紅子さんについて取り上げた私のブログの中で主なものと、今回の主催者である西武池袋本店の関連HP(おそらくこちらは期間限定ではないかと思います。)を紹介させていただきます。

 

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西武池袋本店

[1月27日(水)~2月2日(火)]丁子紅子展「溶け合う時。」 |西武池袋本店|西武・そごう (sogo-seibu.jp)