子宮頸がんの予防ワクチンはその有効性が示されているにも拘わらず、積極的な接種の勧奨については、2013年以降、厚労省が中止しています。
国立市でも、一般的な予防接種の接種率が90%前後なのに対して、子宮頸がん予防ワクチンの接種率は2.6%であることが、令和元年度の事務報告書で分かりました。
(※事務報告書は決算の審議をするときのたいせつな資料です)
厚労省が勧奨を中止した理由の一つが、接種後に現われたとされる重い副反応。
これについては裁判にもなっています。
しかしながら…
これまで世界で約8億回接種されているHPVワクチン(子宮頸がんの予防ワクチン)は、
他のワクチンと比べて特別重い副反応が出るわけではないことが分かってきました。
欧米では100万人以上でHPVワクチン接種の副反応が調査され、日本でも約3万人を対象に大きな研究が行われましたが、重い神経症状との関係は認められなかったそうです。
むしろ驚くべきはその罹患率と死亡率です。
2019年までの統計では、年間で1万人の女性が子宮頸がんに罹り、毎年3,000人もの女性が亡くなっているとのことでしたが、今回大阪大学の研究チームから、接種をしなかったことで、2000~03年度生まれの女性では、避けられたはずの患者が、計1万7千人、死者が計4,000人発生するとの予測が発表されました。
早期にHPVワクチンを取り入れた欧米やオーストラリアでは、ワクチン接種でHPV(子宮頸がんウィルス)の感染がほぼなくなって来ているとも言われています。
高校2年生までは無料で接種できることもたいせつな情報です。
なぜ、HPVワクチンの有効性や重要性を知らせないのでしょうか?
嘗て、日本で麻疹(はしか)が大流行して年間数百人が亡くなっていた時代、ワクチンの予防接種はあたり前のように行われていました。
それが、ワクチンの普及により麻疹の流行がなくなると、ワクチンに懐疑的な人々が現われ、接種させない親御さんも増えてしまいました。
その結果…
記憶に新しい2019年には、予防接種を受けていない10~20代の患者が急増するという事態に陥ってしまったんです。
救えるはずの命を敢えて救わないという発想は、私には理解できません(;;)
新型コロナが蔓延するこの状況でも、ワクチン接種には反対されるのでしょうか?
…と、長くなってしまいましたが、そのワクチン接種に関する質疑です。
命を守ることはもちろん、年々増える医療費の抑制のためにも「予防」がたいせつだと考えています。
ワイドショーなどで報じられるセンセーショナルなニュースを鵜呑みにせず、先ずは自分で調べてみることをお奨めします。
今日は、ちょっと早めの更新でした(*^^*)