医療ICTの普及に命をかける男のブログ

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医療ICTのエバンジェリスト「MICT」の活動記です

新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中で蔓延しており、日本も未曽有の危機を向かえています。医療従事者を守り、患者を守る、そのためにもいまこそICTの活用を進めるべく、尽力を尽くします。どうか、皆様ご支援・ご指導のほど、よろしくお願いします


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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延が進む中、4月10日の厚生労働省通知により、「初診から電話・オンライン診療」が解禁となりました。

 

今回は、算定上の注意点を解説します。

 

「患者から電話等により診療等の求めを受けた場合において、診療等の求めを受けた

医療機関の医師は、当該医師が電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方が

当該医師の責任の下で医学的に可能であると判断した範囲において」(通知抜粋)

 

この文言から分かるように、電話やオンラインで行う判断は、医師の責任とされています。

つまり、かなり慎重な判断が求められることが分かります。

 

「診療の際、できる限り、過去の診療録、診療情報提供書、地域医療情報連携ネットワーク、

健康診断の結果等(以下「診療録等」という。)により当該患者の基礎疾患の情報を把握・

確認した上で、診断や処方を行うこと」

 

過去に来院されたことのある患者さんは、このような対応で既往歴や薬歴などを理解する

ことができますが、「まったくの初診」患者さんについては、

「患者の基礎疾患の情報が把握できない場合は、処方日数は「7日間」を上限」

と制限が設けられました。

 

 

<やって良いこと、いけないこと>

〇 初診から「電話」や「情報通信機器」を用いた診療により診断や処方をして差し支えない。

〇 電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方を行うことが困難であると判断し、

  診断や処方を行わなかった場合は受診勧奨に該当し、応招義務違反ではない。

× 麻薬及び向精神薬の処方をしてはならない。

× いわゆる「ハイリスク薬」として薬剤管理指導料の「1」の対象となる薬剤

 (抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤等)の処方をしてはならない。

 

詳細な解説動画はこちらをどうぞ!

https://www.youtube.com/watch?v=yl4IQTrbkF8&t=47s

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延が進む中、4月10日の厚生労働省通知により、「初診から電話・オンライン診療」が解禁となりました。実際に開始されるのは4月13日からです。

 

関連通知:新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その10)

       https://www.mhlw.go.jp/content/000621316.pdf

 

これまで、2月28日の厚労省通知で再診時での電話、オンラインでの診察は認められていましたが、今回の通知により、「初診からの診察」が認められたことになります。今回の通知が発出されたことを受けて、2月28日の通知は廃止となります。

 

関連通知:新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その2)

https://www.mhlw.go.jp/content/000602230.pdf

 

今回算定できる点数は、初診料 注2 214点」(通常は288点)です。

「電話等初診」が算定できるケースとしては、

①初めての患者(新患)

②過去に来院があり、久しぶりの患者(初診)

 

一方で、

③継続的に来院していて、継続疾患と別の疾患でかかる患者

(例:継続高血圧で、風邪症状の処方の場合など)

この場合は、「電話等再診(73点)」を算定することとなります。

 

これで初診から電話で、オンラインで診断も処方も可能となり、オンラインだけでなく、電話でも初診が取れるとは驚きの変更となります。電話にしてもオンラインにしても、患者から得られる情報は限られていますので、個々の医師の裁量で、慎重な対応が求められます。

 

次回は、算定上の注意点を解説します。

 

詳細な解説動画はこちらをどうぞ!

https://www.youtube.com/watch?v=yl4IQTrbkF8&t=47s

診療所の電子カルテの普及率を探すと、なかなか公式なデータに
あたらないので、結構困っている方いらっしゃると思います。
最近になって、やっと厚生労働省が中医協のなかで公表したの
でご紹介します。


電子カルテの普及率

このデータによると、

2011年では、

大規模病院(400床以上):57.3%
中規模病院(200床以上~400床):33.4%
小規模病院(200章未満):14.4%
診療所:21.2%

となっています。

大病院がダントツです。次に中病院と続きます。
やはり、助成金や補助金が活用できたことが大きいのでしょうか。

200床未満と電子カルテはまだまだ普及してないことが分かります。

しかし、これは4年前のデータということで、

勝手に2015年を推計してみました。

それでは過去のトレンド見ながら、2015年現在の姿を予測してみましょう。

大規模病院(400床以上):8割強
中規模病院(200床以上~400床):5割弱
小規模病院(200章未満):2割強
診療所:3割強

この数字を見ると、大病院・中病院では電子カルテは当たり前。

診療所や小病院はこれから、周りと連携するためには、
電子カルテを入れなくては・・・と、焦る構図が見えてきます。


今回の診療報酬改定では、ICT関連の点数がつきそうですし、
さらに来年は消費税UPも控えており、普及にいよいよエンジンが
やっとそんな状況になって来ました。

以上
前編では即戦力として活躍していただくためにこだわっている、
「現場に沿った演習形式」についてご紹介しました。

引き続き、さらに2つのこだわりをご紹介します。

(2)本物のカルテ
講座を受けていただく中で、現場に沿った形でクラークの勉強をするために、
受講者さんの勤務先等の診療所で医師が普段作成しているカルテをあらかじめ
お借りしてもらい、そのカルテを教材にして実習を行っています。

カルテは診療科の特徴、医師の特徴が色濃く出るもので、二つとして
同じカルテはありません。

クリニックごとにそれぞれが利用しているカルテを使うことで、
実際に診察をしながら電子カルテ入力をする状況に近づけることができ、
即戦力としての経験を積む第一歩としての研修ができるのだと考えています。

(3)本物の電子カルテ
診療所向け電子カルテメーカーは世の中に30社~40社あるといわれています。

「電子カルテはどれも同じ」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、
機能面ではそれほど差はなくても、操作となると電子カルテごとに異なってきます。

そこで、できるだけ現場と同じ環境で実習をしたいと考え、診療所が実際に使用している
メーカーの電子カルテを研修に使用するようにしています。

メーカーに事前に連絡して協力を仰ぎ、診療科ごとのカスタマイズもお願いして、
できるだけ忠実に環境を再現することを心がけています。

これら3つの条件が揃って初めて、現場に即した研修になるのだと思います。

このように、我々が行っている「電子カルテ+クラーク養成講座」は、
机上でクラークの理論を学ぶ堅苦しいものではありませんし、パソコン
を早く入力できる能力を身に付けるだけの研修でもないのです。

電子カルテ+クラーク講座」より

「医療クラーク」は、医師の右腕となって電子カルテの
代行入力ができる人材です。そのためにはどんな研修が
必要なのでしょうか?
研修の成果は卒業してが現場に戻り、研修の成果を発揮
できるかしかありません。つまり、研修終了後の感想で、
「明日からクラークとしてできる自信がつきました!」
という言葉がでることが、

わたしたちの期待するゴールです。

即戦力を養成するのであれば、実践ですぐに使えるスキルを
身に付けることが大切です。

中身が本当に現場に即した内容になっているかは当然のこと、
クラークになってから高いモチベーションを維持し続けられるか
どうかも、研修の成果が持続するという意味では大切だと思っています。

(1)現場に沿った演習形式

研修が苦手という方は多くいらっしゃいます。わたしも、
研修を受けるのはそれほど好きではありません。
だからこそ楽しく、次の日から実践に移せなければ意味
がないと考え、研修のイメージがガラッと変わるような
有意義な時間にしたいと常々思っています。

そこでこだわっているのが「現場に沿った演習形式」です。

私たちはクラークの基本スキルを
「見る」「聞く」「感じる」と定義しています。

「見る」 : 医師と患者のやり取りを観察し、その状況を記載する能力「聞く」 : 医師と患者のやり取りを聞き、その状況を記載する能力「感じる」 : 医師がカルテに記載したいことを汲み取り、補足して記載する能力

この3つのスキルを身に付けるためには、診療ケースに合わせたロールプレイング形式での演習が有効と考えています。

ロールプレイングでは、受講生が医師役、クラーク役、患者役に分かれ、それぞれの役割を交代しながら、本番さながらのロールプレイングを実施しています。状況に応じた入力スキルが身に付くまで何度も繰り返し行います。

次回に続く

「電子カルテ+クラーク養成講座」
より

クラーク運用に移行する際、真っ先に考えなくては
ならないのは、誰がクラークの役割を担うのかという
問題です。

それは、診療所の流れを十分に理解している
受付スタッフを教育するのが近道です。

クラークに向いているスタッフの条件として、
(1)診療および請求の流れを理解している
(2)パソコンがある程度使える(Wordが使える程度)
(3)周囲への気配りができる
(4)素直な性格である―などが考えられます。

そのため、資質としては受付スタッフが兼務して
行うとよいことがわかるでしょう。

しかしながら受付スタッフの人数が少なく、
クラークに人員を回せない場合は新たに採用する
必要があります。その際、医療事務としてではなく
「医療秘書」として募集することをお薦めしています。

医療事務と医療秘書とでは、入職するにあたって
の心構えが違いますし、応募者の質が変わります。
例えば、企業で秘書経験のある方を採用できるかもしれません。

この場合は、「診療および請求の流れを理解している」という
部分のみ教育すればよいので、運用がスムーズに移行できると考えられます。
クラークと聞くと、不安点としてすぐに頭に浮かぶのが
「医師と同レベルで電子カルテ入力ができるのか」という問題です。
パソコンの得意な先生が電子カルテを導入していますので、
驚く程早く入力は可能です。まして、毎日使っているものですから、
このレベルに追いつくのはなかなか難しいのです。

何のトレーニングもしないで、いきなりクラークを隣に座らせ
「さあ、打ってください」と言っても、これは無理な話なのです。

大抵は「できません」と断られるか、やってみたものの
結局自分が操作した方が速いと諦めてしまうでしょう。

ここで、わたしはいつもワークシェアリングと教育の話
をしています。

クラークは医師の指示のもと、仕事を行うのですから、
全部を同じように任せることはできません。
クラークはなんだか完全なコピーであるかのように感じている方
がいますが、これはちょっと先の夢の話なのです。

まず、クラーク運用を実現するためには、クラーク候補生に
電子カルテの操作を完全にマスターしてもらうとともに、
クラークの仕組みや医師のカルテスタイルの理解、
医師と患者様とのやり取りのヒアリング方法、カルテの作成法など、
様々なトレーニングを行う必要があります。

そのような教育を行いながら、少しずつクラーク運用を
進めていくことになります。

(次回に続く)
「クラーク運用」の3つのスタイル


電子カルテの導入を検討している医師に対して、
私は4つのスタイルの中から現場の状況
に合わせて運用することを推奨しています。

クラーク運用の方法は一種類ではなく、
診療所の状況に応じて選んでいく必要があるのです。

(1)クラークがメイン(紙を残す)
まず「クラークがメイン(紙を残す)」スタイルでは、
医師は紙カルテにポイントだけ記入し、それをもとに
クラークが電子カルテに代行で入力します。

その後、医師が内容を確認し、承認する流れとなります。
従来の紙カルテのスタイルから、徐々に電子カルテに
移行していくプロセスから生み出されたスタイルで、
いずれ紙カルテの記入量が減少していき、
ほとんど口頭指示だけでカルテが作成できるようになります。

(2)初診時のみクラーク、再診時は医師が入力する
「初診時のみクラーク、再診時は医師が入力する」スタイルは、
入力量の多い初診時のみクラークが医師の電子カルテ作成を
サポートし、入力量の少ない再診時は医師が入力するという
ものです。再診時のカルテの記載量の少なさに注目したスタイル
です。初診の割合が比較的少ない診療所に有効です。

(3)クラークがサポートする
「クラークがサポートする」スタイルは、基本は医師が
電子カルテ操作を行い、一部をクラークがサポートする
タイプです。

紹介状や診断書などの文書の下書き、様々な検査結果の
データの電子カルテへの取り込みなどを、クラークが
サポートすることで、医師の負担を減らしていくことが
目的です。また、診察途中でクラークが診療報酬の
請求の観点からチェックなどを行うことで、
月末のチェックを減らしていくこともできます。

(次回へ続く)
次回はいよいよクラーク育成の本質に迫ります・・・
乞うご期待。

診療所を活性化し、医師の右腕を育成するカリキュラム
「電子カルテ+クラーク養成講座」はこちら
http://e-clark.jp/

「クラーク運用」が導入障壁を
低くする



クラークを活用している医師にインタビューすると、
「紙カルテの頃よりも診療に集中できるようになり、
患者さんを診るスピードも上がった。電子カルテと
クラークは理想的な診療のスタイルだ」と話されます。

クラークの採用により「パソコンが苦手な場合」や
「患者さんが多い場合」の電子カルテ導入の
2つの課題をクリアすることができます。

クラークが電子カルテ入力を代行すると、医師は
パソコンに入力する作業がほとんどなくなります。
その結果、患者さんの方をしっかりと向いて
診療することができるのです。
もう、画面ばかり見て、患者さんの顔を見ないと、
指摘されることがなくなるのです。

そればかりか、クラーク運用では、医師は入力
作業に労力や気をとられずに診察に集中
できるため、紙カルテの頃よりも多くの患者さんに
対応できるケースもあります。

電子カルテとクラークによって、待ち時間が短縮し、
患者さんが増えることもあるのです。

(次回に続く)

診療所を活性化し、医師の右腕を育成するカリキュラム
「電子カルテ+クラーク養成講座」はこちら
http://e-clark.jp/
クラークは速記者ではない

クラークを活用している診療所で共通しているのは、
クラークは単なるトランスクライバー(速記者)ではなく、
医師の右腕となって情報連携のメッセンジャーを担っている
ということでした。


医師が次々に診察しているそばで、クラークはカルテの
作成を進めていきます。例えば、ベテランのクラークは、
医師が話している内容を速記のようにすべて打つのではなく、
必要事項のみ要領よくピックアップして入力しています。


それは、紙カルテの時代からカルテを十分に見てきて、
医師のカルテ作成における癖も把握できているがゆえ
になせる業です。


そのため、パソコンの入力が特別に速くなくても、十分に
医師の診療スピードについていけます。必要事項を選んで
入力するスタイルが、クラークを活用するポイントなのです。

(次回へ続く)

診療所を活性化し、医師の右腕を育成するカリキュラム
「電子カルテ+クラーク養成講座」はこちらhttp://e-clark.jp/