AMEB(Australia Music Examinations Board)は、オーストラリアの音楽試験。
AMEB認定教師が、音楽教師として勤務している学校も、あります。
授業時間内に授業を抜けて、認定教師から楽器の個人レッスンが受けられるシステムになっていて、人気な先生はすぐに生徒が埋まってしまうらしい。
私立校では、他にも英国の“トリニティ(TCL )”や、“王立音楽院(ABRSM)” の試験対応を教えている先生もいて、どちらも、日本で受験可能な為、帰国前提の駐在家庭の方にも勧められるようです。
ABRSMは、AMEBとほぼ同じような進み方らしいけれど、英国試験はセオリー(音楽理論)のグレードが少しずれるので注意が必要。
少し複雑なのだけれど、セオリー試験が必須となるのは、実技試験グレード6レベルからなので、
例)
実技試験のgrade(グレード)6を受験し、合格ラインに達した場合、セオリー試験を受験する。
この場合、AMEBセオリー試験はグレード2、トリニティ/ABRSMはグレード4のテストを受験する。
1年に、1つグレードを上げていく場合が多いので、次の年のグレード7の実技試験を受ける前までに、セオリー試験をパスできればOK。
試験のレベルは高くなると、
実技試験の、オーラルテスト(聴覚)、サイトリーディング(初見)がなくなり、ジェネラルノーリッジ(アナリーゼ)と決められた時間に、リストから選曲した演奏のみ。ディプロマのAmusでは25〜40分。
セオリー(音楽理論)試験はあるけれど、聴覚・初見テストが無くなるだけでも負担は違うのかな。
実際に、グレード8までの試験をスキップして、いきなりディプロマテストを受ける人もいるし。
以前は、ディプロマを持っていると、大学入学の際に有利だったのだけれど、現在はポイント加算のシステムは無く、大学によっては、考慮する程度。
娘が12歳でAMEBを初めて受けたのは、グレード8。
聴覚・初見テストは本人の為には受けた方が良いと思い、スキップせずに挑戦。
初めてのテストなので、ジェネラルノーリッジの準備不足が指摘されたものの、本人も満足気だったので良い経験になりました。
ところが、セオリーは、一筋縄ではいかない…。
7歳から、スズキにて浅ーい勉強。
その後は全くセオリーの勉強をしなかった娘。
まずは、AMEBのオンラインコースで自分で勉強して、挫折。
音大でセオリーを教えている方を紹介していただき、個人レッスンを週に1度、1時間。
習い始めて半年経って本人に聞くと、出来ているのかよく分からない、という答え…。
『これは、合っていないのだな…』と思い、必死に他の先生を探した結果。
今の先生にたどり着きました。
娘は、この早口で、無表情の、一見とても怖い先生を、大好きなよう。
週に一度、自宅まで来てくれ、メインで使う本は
Delcie Holland (オーストラリアの作曲家)の “Master Your Theory”
(✳︎AMEBやABRSMの教本よりカバーしているエリアが広いとの事です)や、他にも、先生が薦める本(特に歌うための本)。
3ヶ月で、グレード2のセオリーを完璧に終わらせた先生は、とにかく100点取らないと理解していることにはならない、という厳しい教えで、娘はどんどん吸収。
先生が帰った後は、床に寝転んで大の字になる程ヘトヘト。
とっても楽しい、との事なので、まあいいか。
音楽試験は、幅広く勉強するので大変な事も多いけれど、
音楽を深く知る事は、人生を楽しむ1つのアイテムを手に入れる事だと思うな〜。
14歳になった娘は、もうすぐAmusの演奏試験です。
演奏会だと思って、がんばれ〜!