“バター”の話 (好きすぎて長すぎる)追記 | オーストラリア暮らしログ

オーストラリア暮らしログ

2011年にオーストラリアへ移住。旦那さん、娘と3人暮らし。嘘、偽りのない、オーストラリア暮らしの日々を書きます。MDSというレア疾患持ち。

  

オーストラリア暮らしを始めて

13年目に突入しました。

予後良好に生かされる日々を大切にする為

主に子育てやオーストラリア生活について

書いています。​ 

 

 

広大な土地を持つ農業大国オーストラリア、

国土の面積は769万平方km(77,412ha)で、実に世界第6位です。

 

日本は37.8万平方kmなので、約20倍びっくり

 

総面積の約半分の40,627万haが農用地で、その約90%の35,896haが“永年採草•放牧地”です。

✳︎DAFF(オーストラリア農林水産省)より

 

農地と聞くと、日本人には耕している土地をイメージされるかもしれませんが、オーストラリアの農地は、ほとんどが家畜用の放牧地ということになります♪

 

必然的に乳製品は豊富で、美味しさにこだわりやすい食材の一つ。

 

私は日本では乳製品が苦手だったのですが、今ではバターとチーズは毎日摂取……、オーストラリアの乳製品は美味しいのです!

 

特に、バターが大好きです❤️

 

牛だけでなく、ヤギ、羊、バッファロー、牧場に行けばラクダのバターも販売されていますが、やはり牛が主流。

 

黄色いバターが美味しい、という意見を聞くことがありますが、

バターの色は、搾乳時期や動物の食事内容などで変わります。

 

グラスフェッド(牧草で育つ牛)から作られたバターは通常、オーガニックバターなどと比べると黄色いですが、冬に搾乳された場合は少し淡い色になり、脂肪含有量が多少違うらしいです(冬は多い)。

上:グラスフェッド

下:オーガニック

娘とスーパーで買い物をする時、

『グラスフェッドと書かれているか確認してね♪』

と言うと

『じゃあ、他のバター(の牛)は、何食べているの?』

『グラスフェッドとグラスフィニッシュドは、何が違うの?』

と聞いてきました.

 

確かに疑問キョロキョロ

 

 

 

オーストラリアでは、水はとても貴重で、干ばつのリスクもあります。

 

被害を避けるために、よく見かける、この大型スプリンクラーは、河川から引いた水を農地にまく

『かんがい設備』です。

 

放牧用の農地を育てるために使われていますが、それでも牧草が足りなくなることもあるのか…?

✳︎写真Alicより

                         

調べてみると、“グラスフェッド”には国際基準は無く、オーストラリアでは95%以上の牧草育ちというラインがあり、またもやオーストラリアの誤解を招く表示法、ラベリングが、関係しているよう…

 

“グラスフェッド”

オーストラリアには、そもそも認定された飼料の定義が無いですが、牛の飼料は、

⚫︎牧草

⚫︎干し草:ヘイ(乾燥させた牧草)

⚫︎サイレージ (緑色の間にカット、保存された牧草)

⚫︎穀物    (小麦や大麦など)

⚫︎飼料作物  (トウモロコシ、きび、オート麦)

となります。

 

グラスフェッドとは穀物や飼料作物を与えていない牛からの製品。

 

干ばつのリスクに備えて、農場を守るためにも穀物も与える酪農家もいるようです。

 

加えて、水分量の多い牧草より、穀物や飼料作物は牛に与えるエネルギー量が高く、より多くの牛乳を作るのに効果的だそう。

 

“グラスフィニッシュド”

最後まで100%牧草育ち、という意味でのフィニッシュドですが、この言葉は食肉には使われるものの乳牛には使われず。

 

 

ただ、

グラスフェッドと明記されている乳製品の乳牛も、ブランドによっては搾乳時に、砕いた穀物やビタミンやミネラルを混合して与えていたりして、100%グラスフェッドかどうかというと確認が難しい。

 

食肉に至っては、グラスフェッドと掲げていても、

最大89日間、穀物で牛を“仕上げる(最後に太らせる)”ことが法的に許可されています…ショボーン

 ✳︎グラスフィニッシュドと呼ばれる食肉は100%牧草育ちのようです

 

 

それでも、グラスフェッドの明記のないバターとグラスフェッドバターでは栄養素が違うという結果が多く発表されています。

 

⚫︎オメガ-3脂肪酸、オメガ-6脂肪酸(リノレン酸)、酸化防止剤ビタミン(ビタミンE)が多い

⚫︎βカロチン、リノール酸の数値が高い

(Mayoclinic より 2024年)

 

 

味や香りでも、グラスフェッドのバターは“grassy(グラッシー)”と表現し、適度な風味が良しとされます。

 

 

と、ここで、

面白い記事を見つけました。

“グラスフェッドとオーガニック、どちらが先にあなたを殺す?”

 

 

vs-organic-butter-and-which-one-will-kill-you-faster/

 

確かに、牛の牧草を食べる量って、1日50〜60kgと言われていて、

農薬や除草剤は、動物の乳脂肪を含む脂肪に時間の経過とともに蓄積する傾向があります。

 

グラスフェッドもオーガニックも、

身体に良いと思っていたことが実は悪かった、という、ありがちな話になるのは怖い……

結局、美味しいと思う食品が、身体に良いってコトで爆  笑

 

 

 

個人的には、

グラスフェッドのバターの味は、オーガニックバターやスタンダードなバターより美味しいです。

✳︎私は基本的に無塩バターを購入するので、有塩は好みが変わるかも、と思います

 

 

 

選択肢として、100%グラスフェッドでオーガニックは無いものか…と思ったら、ありました。

オーガニックタイムズ 』

現在、オーストラリアのバターで唯一、「100%グラスフェッド」と書かれているバターブランドで、しかもオーガニックです。

オーガニックマーケットや、ハリスファームのような店で購入できます。

 

 

 『ウェストゴールドバター』は、草の多い湿った国のニュージーランドのバターで日本でも購入できるようです。

当社サイトでは95%以上グラスフェッドと書いてありますが、干ばつリスクが低い国なので穀物を代用する必要は無く、むしろ酪農の為に穀物を栽培する事が非経済的な為、グラスフェッドの中でも100%に近い、とされています。

味は、有塩も無塩も、ほのかなグラッシー、美味しい。

 

ちなみに『ウールワース』のホームブランドバターも、ウェストゴールドと同じニュージーランドのメーカーらしいのです!が、グラスフェッドかどうかの確認は出来ませんでした。

 

 

トゥルーオーガニックバター』は、今年のオーストラリアグランドデイリーアワード(ADGA)のファイナリスト(ファイナリストは3商品)の1つです。

オーガニックで、グラスフェッドで、味も美味しい。

 

 

 

 

私の最近1番好きなバターは、というと

オーガニックミルクカンパニー

散々グラスフェッドの話をしておきながら…グラスフェッドの表示無し笑い泣き

オーガニックよりグラスフェッドが美味しいと前述しましたが、このオーガニックバターは本当に美味しいです。

お手頃価格と、スーパーで買えるという手軽さを考慮せずとも、味が素晴らしいので推しです。

サイトを見ると、1haあたり平均2頭の牛が放牧されているという環境。

 

 

 

ちなみに、試したいと思っているのが

パリスクリークファーム』のバター。

シュタイナーのバイオダイナミック農法で、興味ありですが、まだ、試していません。

味は、オイリーだというレビューもありました。

 

ニュージーランドのバターは、試したいブランドがいくつもあります…

近いうちにオンラインで手に入れて、続きを書きます!

 

バターの歴史は、バイキングが航海の際に今より10倍ほど塩分の高いバターを持ち込んでいたのが最初と聞きました。

 

その後、冷蔵庫もできて塩分は低くなっていき、各ブランドが(特に有塩バターで)差別化を図っていて、発酵バターなども含めて食べ比べは楽しいです♪

 

でも結局、日々どれだけ摂取するかによって、バターの選択も変わると思うので、私は色々気にしすぎず、調理法によって変えたりしています。

 

 

 

私が、無塩バターしか購入していないのは、どんな料理にも使えるという理由と、

『ギー』にして使っているからなのです。

✳︎健康とか関係なく、とにかく味が好きなだけ…

 

ギーは料理にも使いますが、トーストに塗って食べると、美味しすぎて塩が要りません。

 

 

気温の高いインドで使われるギー、無塩バター(本来は牛乳から作る)から水分などを分離させ、純度の高いオイルにすることで常温保存が可能となったのだそうです。

 

澄ましバターはギーと似ていると思うのですが、保存は効くのかな…?

 

『澄ましバター(Clarified butter)』は、フランス料理で使われるバターの状態で、フランス語では『ブールクラリフィエ(Beurre Clarifie)』、仕上げに塗って焼き色をよくしたり、ソースにも使うかな。

 

 

 

溶かすだけの澄ましバターと違い、ギーは、30分ほど弱火で煮るので、澄ましバターより色が濃い気がします。

 

熱いうちに濾して常温保存ですが、冬は固まります。

私は、ギーが大好きです

 

ギーという言葉を知ったのは、大昔。

 

学生の頃から何度も通った、カレーの美味しいお店の名前だったのです。

 

外観に惹かれて入ってみたら、お料理が美味しくて、雰囲気も良くて。


懐かしいな〜。