オーストラリア暮らしを始めて
13年目に突入しました。
予後良好に生かされる日々を大切にする為
主に子育てやオーストラリア生活について
書いています。
日本語継承なんて大仰な〜、と、娘を育ててしまった海外在住の日本人母です。
最近、第2言語を選択している高校生が、激減しているそうです。
✳︎オーストラリアの国家教育カリキュラム機関ACARA
(Australian Curriculum, Assessment and Reporting Authority)
ケンブリッジ大学の『流暢で正確な言語獲得には、1000〜1200時間かかる』
という研究結果を踏まえて、ACARA推奨の第二言語の授業時間数は、小学生から高校1年生(義務教育)までで670時間、高校3年生までに最低870時間です。
✳︎学校の6年目までで計350時間の言語学習を推奨
7年目、8年目(中1、中2)で160時間、9年目と10年目(中3、高1)で、さらに160時間
11年目から12年目にかけて200〜240時間
ただ、オーストラリアは各州でカリキュラムが違うため、実際にACARAに従っている州は
オーストラリアキャピタルシティー州 (ACT)
ビクトリア州 (VIC)
ノーザンテリトリー州 (NT)
義務ではないが推奨として
クイーンズランド州 (QLD)
ACARA推奨の半分ほど(約400時間)の時間数を義務化しているのは
西オーストラリア州 (WA)
南オーストラリア州 (SA)
大きく違うのは、シドニーのあるニューサウスウェールズ州 (NSW) で、
100時間を7年生と8年生で履修...資料の読み間違いかもしれません
NSW州の卒業試験 HSC(Higher School Certificate)の受験可能な校外学校が多い為?と、調べると、
『日本人の親を持つ生徒の場合、自分にもっとも適したレベルの日本語コースを選べませんでした。中国語、韓国語とインドネシア語も同様でしたので、日本人と中国人の親を持つ生徒の場合は、日本語も中国語もContinuersコースは選択できない、というケースもありました。』
by HSC日本語委員会
✳︎HSCの日本語コースは、Beginnersコース、Continuers•Extensionコース、Context コース
これはきつい。
もし知らずに、ずっと勉強してきて、高校生になってから条件に合わないと知ったら…考えただけでも恐ろしい。
この条件の削除は、2022年に施行されたので、現在は変わっているかもしれません。
✳︎参考にした2018年度の政府発表の資料を添付しておきますので、気になる方は確認してください
色々考えずに、
『日本語は、日本でしか使われていないしなぁ』
『おじいちゃん、おばあちゃんと話ができる程度の日本語はキープしておけば、いいか』
と、いう母(私)の元、現在、高校1年生の娘は、
家では主に日本語を使うものの、日本語学校に通った経験はゼロ。
娘は、中高一貫のIB(国際バカロレア)カリキュラム校に通っていますが、扱いは、州カリキュラムの1つと考えて大丈夫です。
✳︎学校独自のIB/QLD州大学の混合カリキュラムも使用
第二言語の科目選択をフランス語から日本語に変更したのが、中学3年生……たった1年前の事。
日本語学校で習っている生徒さんたちに比べると、かなり努力が必要であろうレベルの、日本語です。
それが この度、娘より、第二言語の科目選択を、日本語のHL(ハイレベル)に決めた!と、報告を受けまして…。
IBでは最後の2年間は、ディプロマコースと呼ばれ、科目には、HL(ハイレベル)とSL(スタンダードレベル)という2種類があり履修の範囲と週の授業時間が異なります。
HLの総授業時間数は、240時間です。
寝耳に水とは、まさにこの事
というのも、
大学ごとに受験の日本と違い、オーストラリアは
卒業試験の結果で希望大学、希望学部に入れるかどうかが決まってしまいます
冒頭にも書いたように、オーストラリアでは各州(IB含む)で異なるカリキュラム修了後、統一試験(卒業試験)を受け、別の機関によって
ATAR(Australian Tertiary Admission Rank)というオーストラリアの大学進学のための順位を決める偏差値のようなスコアを出します。
1つの試験結果を、各大学の申し込みに使うのです。
各大学、出願者の中から、ATARのスコアが高い順に合格となる為、卒業試験結果が満点に近ければ合格の可能性が上がります。
✳︎他にも評価基準あり
IBカリキュラムも各州のカリキュラムと同様にATARのスコアに反映されるので、卒業試験が最も重要な試験となります。
✳︎スコアの互換性や、履修内容にズレは生じてしまいますが…
とにかく、大学受験、ということになる卒業試験、のための科目、を
日本語のHL…ですか?
HLは科目によっては、よほど得意な生徒しか選択が許されない、とのことで、日本語のHLを選択できる生徒には条件が提示されました。
⚫︎バックグラウンドが日本
もしくは、
⚫︎家庭環境でネイティブレベルの日本語に“常に”触れている
✳︎HSCと逆ですね〜
『そんな生徒、学校に何人いるの〜っっ?』と、文字通り、目が まん丸になりましたが、実際、去年は日本語HLを選択できたのは3人だったようです。
日本語を選択している生徒は60人以上いて、高校1年生まで成績の良かった日本人親以外の生徒さん達も、条件に満たされないから、とHL選択させてもらえず。
これはこれで、逆にどうなんだ…とも思いますが、それだけ難しいという学校の親心でしょう。
そんなに難しそうなのに、娘の日本語学習の状況というと……
⚫︎漢字は、4年生までは母娘で挑戦したものの、ほぼ記憶から抹消されている。
⚫︎チャレンジは5年生の4月号から溜まっている。
✳︎3年生ぐらいまでは、毎月回答を送っていた
⚫︎小学5年生の教科書を音読をしたところ、小学生の読み方だなあ、という感想。
✳︎最近始めたばかり、漢字で引っかかってしまうので、なんとも言えないですが…
先週、音読中に事件が起きました。
“人々は…” と書いてある部分で、大きな声で、
“ニンニンは〜♪” と、誤読…
不安………しかない
ことわざだったり、漢字の習わしが面白いだろう、と、
娘に手作り辞書を作った頃を思い出しました。
3年生までで、やめてしまったけれど。
断捨離かなーなんて思っていたけれど、娘は取っておく!と頑なだったな。
捨てなくて良かったかも。
私も、中学生頃は漢字ドリルには大変お世話になり、血は争えません。
娘の日本語、どうなることやら、進捗状況また書いてみます。
でも、そんなレベル、ご参考になる方いるかしら……
いないよね…