0390 ヤクザ・アンド・シガレッツ
とある仕事で海ほたるパーキングエリアに行った。用件が終わると私は煙草が吸いたくなった。海ほたる内は全面的に禁煙なのだが、ちょっとした喫煙室みたいな狭い部屋が一つだけある。そこへ入っていくと3人のいかつい感じの男がいて、オーデコロンの男らしい匂いを漂わせていた。そのうちの一人がなんだか私のことをじーっとガン見するのである。
一体なんですの?と私は思ったが、意に介さず一つ椅子を挟んだ隣の席に座り煙草に火をつけると、ガン見は終了したようだった。
3人は大きな声でなにやら深刻な話をしていた。あやまって済む問題じゃなけどなとか、今日は指を詰める覚悟で来てますとか、そう思うのは勝手だけどそれは自分だけの中の問題だろうとか、そういう話をしていた。それまで私は全然気がつかなかったのだが、この3人はヤクザなのであった。で、いわゆるそういった世界のクライマックス・シーンにいきなりダイブしてしまってる私である。っていうか見るからにヤクザやん。どこ見てんだよオレは。っていうかここ海ほたるだし。それにしてもこんなところでそんな大事な話をするかな、と思う。
2本煙草を吸い終わると、いやオレ何にも聞いてませんから、と思いながら、そろそろと喫煙室を出た。おかげでメロンパンを買ってくるの忘れた。
0389 肉食
懐かしい~、と思う人がいるかもしれないキャンパー・ヴァン・ベートーベンですが、私の中ではここ数年の間、地味にブームであります。なぜかたまに聴きたくなって1日中かけていたりします。そういえばオレは元々は肉が好きだったっけ、と気がつかされるような音楽だと思います。
このアルバムはいわゆるメジャー進出作で87年作。一言でいうと激渋オルタネイティブっていうかですね、キャッチーなんだけどコアにカントリーなところとか、なかなか理解しがたい変なアルバムだと思います。まあどれもそんな感じなんですけど、この頃は「Life is Grand」の12インチでバズコックスのカバーとかやってたり、一方でユージン・チャドボーンと前衛的なユニットを組んだりもしていたり、とにかく掴みどころが無かった。
まあどのアルバムもそうなんだけど、このアルバムについても特に良いアルバムではないんですけど、でも「She Divines Water」が好きで、この1曲のために聴いてしまうアルバムである。この曲が最後に演奏されるオーディエンスショットのライブ・ビデオを私は持ってるのだけど、それがもうほんとに素晴らしくて、このバンドの良さはレコードじゃわかりにくかったかもなと思う次第であります。ちょっと前に再結成されて今も活動中らしいので、フジロックとかで見れたら最高なバンドだと思いますね。
0387 いかほどー!
- EVOL/Sonic Youth
- ソニック・ユースの新たな編集盤が主にオンラインとスターバックスのみで販売っちゅうねん。もうええわ。いやでもな、今回はベックやらレディオヘッドやら割と著名な方々が選曲してるベスト盤という趣らしい。なに?選曲?どういうこと??って思ったのだけど、この記事 によると要するに1アーティスト1曲ずつおすすめ的な選曲で構成されているらしい。ほほう。
- しかしである。なんじゃこりゃー(優作)なんつて私も言いたくもなるわい!何やの「Sugar Cane」って。そんなんベックがわざわざ選ばんでも必ずベスト盤に入ってくるっちゅうの。アホか。「Kool Thing」にしても同じくだバカモノ!オメーラやる気あんのかヘタレが、と思ってしまうセレクトぶりなのある。いやこれらの曲はやっぱり外せませんよね、なんつって思わなくも無いけどおまいらに言われてもしゃあないっちゅうかですね。かといって「スーパースター」選ぶアホがおるかい、ちゅうのもおったりしてな。全くおまいらわかっとらんな。もうほんま全然わかっとらんわ。
そんな中で「Mary-Christ」を選んできてるデビッド・クロス君、キミはなかなか好印象だ。そんでフレミング・リップス。キミらもさすがだ。そのへんきちんとわかっとるようである。ふむ、そうだそういうのなんだ。オレが言いたいのはそういうことなのよもう。でもこんなんわざわざいらんわ。
0386 函館の思い出
函館に行った時のこと を私はなぜか思い出すのです。その夏は雨が多くて、いわゆる冷夏で、函館は真夏だというのに肌寒かった。
函館駅で北海道ソフトクリームを食べた。まあこんなもんじゃないすか、という味だった。適当に歩いてホテルを見つけて泊まった。部屋のテレビをつけるとCSのファミリー劇場というチャンネルで、「スプーンおばさん」を延々放映していた。なんか食べるかと思って外に出て適当な飲食店に入り「いくら丼」を注文した。特に美味しいとは思わなかった。そしてとあるショッピングセンターの懸垂幕に「中古レコードフェア実施中」と書いてあるのを見つけたので、行ってみることにした。中に入ると例の埃っぽい匂いがした。そこで私は1時間ほど過ごして、しかし何も買わなかった。レコードを買いに函館まで来たわけではない。
ところで函館って何があるの?と思ってしまった私は、とあるネットカフェに入り函館についていろいろ検索して調べた。函館山というのが近くにあるらしい。絶景の夜景が見れるらしい。バスに乗って行ってみることにした。着いてみたら強い雨が降りだした。おかげでそこから見えた夜景は残念ながら絶景というわけにはいかなかった。と言うよりも寒い。デジカメで適当に撮った写真になんか変なものが写っていたので、気味が悪くなってあわててデータを削除した。
ホテルに戻る前に、これまた適当な居酒屋に入ってイカの刺身を注文した。函館と言えばイカである。出てきたイカは色が茶色くて、ようするにそれはとても新鮮なイカなのだった。イカってこんなにうまいのかとその時に私は思った。
ホテルに戻ってテレビをつけると「怪奇大作戦」がやっていた。まるで函館そのものが時間が止まっているようなヘンな感じ。つけっぱなしにして私はすぐに眠ってしまった。
翌日チェックアウトして朝市食堂に行って、朝からうに丼を食べた。これまたこんなに美味いうにを食べたのは初めてだった。
函館の駅にはグレイのポスターが貼ってあった。オレたちは函館のことを誇りに思っている的な事がそこには書かれてあった。まあそういうのって、なかなかいいんじゃないのと私は思った。
電車で札幌まで行くことにした。でも札幌の事はなぜかあまり覚えていない。
今でも時々、函館で食べたイカの刺身とうに丼を食べたくなる。でもそのためにわざわざ函館まで行こうとはさすがに思わない。東京でもそれなりに高いお金を払えば、そういうのを食べることが出来るだろうなんて思うわけである、でも結局そういうお店にも行かない。
とにかくそれがどんなものであれ旅行っていいよね、と私は思うのです。
0385 playlist080524
"Rhapsody in White" Barry White & The Love Unlimited Orchestra
"Mission Impossible" Laro Scifrin/声:大平透
"Taboo" Perez Brado & His Orchestra
"Titoli" Ennio Morricone e La Sua Orchestra
"Generique" Claude Bolling
"A Horse With No Name" America
"He's Frank(Slight Return)" The Monochrome Set
"Portrait" Five Or Six
"The Sweetest Girl" Scritti Politti
"Genius of Love" Tom Tom Club
"Seetar Man" Cornershop
"Sirena" Calexico
"One Note Samba/Surfboard" Stereolab+Herbie Mann
"Falling Down" Chapterhouse
"Soon" My Bloody Valentine
"Raindrops Keep Fallin On My Head" B.J.Thomas
0384 時効(2)
- 自転車泥棒
- (つづき)
- 私は後ろを振り返ることなく、立ち漕ぎ・猛スピードで自転車を転がした。自転車ってすげえ!便利!と私はその時に自転車を心底リスペクトした。今までの私は何だったんだと思うくらいあっという間に私は荻窪を過ぎた。だが環八交差点を渡ったその時である。警官の格好をしたおじさん、要するに警察の人が私の前に立ちはだかった。
- まずい。これは非常にまずいなと私は思った。脳内のBGMが「無情の世界」に切り替わった。
- ああ、これで完全に前科である。困った。こんな事になるなら最初から交番に行っておくんだったと皮肉にも私は後悔した。
- しかしである。この自転車は防犯登録がされていなかったのである。私はこの時、真剣に神の存在を信じたものであった。
- おかげで時間はとられてしまったものの、なんということか実行犯直後の私が超絶的幸運によって警察から華麗にスルーである。脳内のBGMは「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」の長いヴァージョンに切り替わりながらスイスイと関町を通過。田無まであともうちょっとであった。
- するとまた警察の人に止められた。今日で2度目だ。でも私は完全に開き直っている。「さっきも止められちゃったばっかりなんですよ」なんて言いながら余裕でここもスルーある。そうですか気をつけてね、までお巡りさんに言われてしまっている私である。世の中は実に不条理にできていると思った15歳の私である。
- そんなこんなで無事、家にたどり着くことが出来た。既に日は暮れていた。ずいぶんと長い旅であった。
- その自転車はいつか返しに行こうと思っていながら、しばらく家の近くにとめていた。でもその一週間後くらいにはそこから消えていた。
- さて、この話で私が言いたかったことは
・防犯登録してない自転車は盗まれても足がつかないので注意。- ・悪いことはできないぜ。
・80年代のストーンズはめちゃめちゃフィジカルだった。
- ということである。
0383 時効(1)
- レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー/ザ・ローリング・ストーンズ
- 中学校3年のちょうど今頃の季節だったと思う。その日は平日で、午後イチくらいの時間から今は無き新宿ピカデリーという映画館へ一人でこの映画を見に行った。映画自体はすばらしかった。
見終わって帰ろうとした時、電車の切符売り場で帰りの電車賃が足りない事に気がついた。なんでだ?いや理由はわからないけど、とにかく100円足りない。つまりこのままでは家まで帰れないという事である。困った。なかなかエマージェンシーな事態である。
当時私は田無に住んでいた。新宿から距離にして約17km。歩いて帰ればいいや、と思えるような距離ではなかった。果たしてこういう時、どうすればいいのだろうか。自分なりに考えてはみた。
親が働いている勤務先に電話すれば良いのだろうか。それはちょっとめんどくさい事になりそうだ。
ならば交番に行って事情を説明する?それはもっとめんどくさい事になるのがわかりきってる。
友達んちに電話してみようか。でも今その場では電話番号がわからない。
キセルしちゃおうか。でもどうやって?改札振り切って逃げる?ノーノー、それはスマートじゃない。いやスマートとか言ってる場合ではないのだが。
それが正解かどうかは今でもわからないのだが、とりあえず所持金で買える切符で電車に乗り込んで田無まで行き、そこで「切符なくしちゃいました」って言えばよかったのだ。で今お金ないので後で持ってきますって言えばよかったのだ。今考えるにこれが最もずる賢い方法であったと思う。でも当時はそれが思いつかなかった。
しょうがない。歩いて帰るかと私は決断した。今思えばこの時、わずかに世界は動いたのだと思う。
いやしかし所持金で行ける所まで切符を買って、そこから歩くというのは私も考えた。でも例えば都立家政なんていう訳のわからない駅で降りたら、それこそ道とか方向がわからなくなって、ますます家にたどり着くまでに時間がかかるだろう。それよりも今まさに私が立っているこの靖国通り~青梅街道をまっすぐ西に進めば田無に辿りつく事の方が自分的には確かだった。思うに私は当時からそういう性格だったのである。
しかし歩いて帰ったら何時間かかることだろう?走ったらまだ早いだろうなあ。でもミック・ジャガーだって毎日ジョギングしてるっていうし、よーしここは走るか!と私は思った。「ゴーイングトゥアゴッゴー」と、まだ耳に生々しく残っている歌をくちずさみながら私は走り出した。若いってすばらしい。
しかしその若さには体力が伴っていなかった。せいぜい新中野くらいまでは持ったけどそこからは休み休み走っては歩き、それでも新高円寺くらいまではなんとかたどり着いた。それでもまだ半分も来ていない。どうしようかなこれ、と思った。今思えばそんなに無理な距離ではないのだけど、妙にテンパってしまっているのだ。そんな時である。ふと路上に止まっている自転車が目に留まって、その自転車に鍵がついていないことに私は気がついた。これは神の御業であると思った。これだ。もうこれしかない。
私はその自転車に飛び乗ってペダルをこぎ始めた。 - (つづく)
0382 宣伝だよ
- アイ・アム・ノット・アフレイド・オブ・ユー・アンド・アイ・ウィル・ビート・ユア・アス/ヨ・ラ・テンゴ
- オーケー、久しぶりに宣伝である。あさっては青い部屋でライブがあります。要するにエブリボデーに来てもらいたい。これは私達からの率直なメッセージである。
- 実は最近の私達のライブはいつも今までやったことが無い試みを少なくともひとつ以上は(ここがなかなか凄いところだと思うのだが)内心ドキドキで試したりしつつ臨んでいるわけです。前回のライブで手ごたえがあったような曲もあえて次では外したりしながら、初めてやる曲とか初めてやる新しいアレンジとか、やったことの無いカバー曲とか、そういうのを常に織り交ぜながら取り組んでいます。なので私はいつも不安且ついっぱいいっぱいでありながら、実のところ遊び心も味わいつつ新鮮な気持ちをキープできているかもしれないと思います。要するにバンドとしては非常に良い状態なのではないかと個人的には思っているわけです。
- 今回共演してくださるのは前回凄まじかったDEE DEE FEVERと、バンド形態で登場のKAILAさん。今回もきっと期待に応えてくれることでしょう。特にDEE DEE FEVERを見たことが無い人はこの機会に見ておくといいぜマジで。仕事のある人もあさってだけは早めに切り上げていただいて、ステキな週末を堪能していただきたいと思っています。
0381 HARD CANDY
そんなことはどうでもよくて、マドンナの新作を買いました。全方位的にツッコミどころ満載なジャケットですが、ここは本人なりのギャグと思って軽く流して大人になりましょう。一聴した印象ではやっぱり先行シングル「4ミニッツ」のインパクトがでかい。でも7曲目のキラメキ感とか10曲目のスパニッシュ風味とかもなかなか面白いね。後半になってもダレないところは前作よりは好みかもしれないなんて思ったけど、トータル的な印象としてはトゥーマッチな音作りで、なんだかおなかいっぱいな感じだ。もうちょっとしばらく寝かして聴き直したら新しい発見がまたあるのかな?なんて思ってしまう詰め込み感があふれるアルバムだ。っていうかですね、前々作「アメリカン・ライフ」はやはり改めて傑作だったかもしれないと今は思っています。3曲目のブレイク(2分30秒くらいのとこ)で「月9?月9?」と聴こえるんですけど、これわざとじゃないんですかね。





