0386 函館の思い出
函館に行った時のこと を私はなぜか思い出すのです。その夏は雨が多くて、いわゆる冷夏で、函館は真夏だというのに肌寒かった。
函館駅で北海道ソフトクリームを食べた。まあこんなもんじゃないすか、という味だった。適当に歩いてホテルを見つけて泊まった。部屋のテレビをつけるとCSのファミリー劇場というチャンネルで、「スプーンおばさん」を延々放映していた。なんか食べるかと思って外に出て適当な飲食店に入り「いくら丼」を注文した。特に美味しいとは思わなかった。そしてとあるショッピングセンターの懸垂幕に「中古レコードフェア実施中」と書いてあるのを見つけたので、行ってみることにした。中に入ると例の埃っぽい匂いがした。そこで私は1時間ほど過ごして、しかし何も買わなかった。レコードを買いに函館まで来たわけではない。
ところで函館って何があるの?と思ってしまった私は、とあるネットカフェに入り函館についていろいろ検索して調べた。函館山というのが近くにあるらしい。絶景の夜景が見れるらしい。バスに乗って行ってみることにした。着いてみたら強い雨が降りだした。おかげでそこから見えた夜景は残念ながら絶景というわけにはいかなかった。と言うよりも寒い。デジカメで適当に撮った写真になんか変なものが写っていたので、気味が悪くなってあわててデータを削除した。
ホテルに戻る前に、これまた適当な居酒屋に入ってイカの刺身を注文した。函館と言えばイカである。出てきたイカは色が茶色くて、ようするにそれはとても新鮮なイカなのだった。イカってこんなにうまいのかとその時に私は思った。
ホテルに戻ってテレビをつけると「怪奇大作戦」がやっていた。まるで函館そのものが時間が止まっているようなヘンな感じ。つけっぱなしにして私はすぐに眠ってしまった。
翌日チェックアウトして朝市食堂に行って、朝からうに丼を食べた。これまたこんなに美味いうにを食べたのは初めてだった。
函館の駅にはグレイのポスターが貼ってあった。オレたちは函館のことを誇りに思っている的な事がそこには書かれてあった。まあそういうのって、なかなかいいんじゃないのと私は思った。
電車で札幌まで行くことにした。でも札幌の事はなぜかあまり覚えていない。
今でも時々、函館で食べたイカの刺身とうに丼を食べたくなる。でもそのためにわざわざ函館まで行こうとはさすがに思わない。東京でもそれなりに高いお金を払えば、そういうのを食べることが出来るだろうなんて思うわけである、でも結局そういうお店にも行かない。
とにかくそれがどんなものであれ旅行っていいよね、と私は思うのです。
