ゲームで練習(反省)
「かけ算筆算」の学習は一通り終わりました。できるようになった技能を使ってゲームを楽しみます。 「大きいほうが勝ちゲーム」です。1~9までのカードを1枚ずつ順に3枚引き,それを「2桁×1桁」の筆算に当てはめて計算し,大きくなった方が勝ちです。最初は1枚引くごとにどこかに入れていきます。大きい数字の場合は十の位やかける数に入れ,小さい数字は一の位に入れています。 いつものように,教師VS子どもたちでやり,2勝2敗になった時,ルールの変更を行います。それは,「最初に3枚を一気にとり,どこに入れるかは自分で考える。」というようにしました。そうすると,どこに入れた方が大きくなるのかを自然に考えるようになります。何度かやっていくうちに,両者が全く同じ3枚を引く場面になりました。(私は意図的にカードが引けるので,当然これはしかけです。)こうなると子どもたちから,「置き方勝負だ。」という声が出てきます。子どもたちは,何の躊躇もなく,一番大きい数字を「かける数」におきました。私はわざとそれを逆に置きました。その結果,「2差」で負けてしまうことになりました。 この後何度か勝負を繰り返しましたが,子どもたちは当たり前のように最大のものを作りますし,どうしてそこに置くと大きくなるのか,という疑問が引き出せません。 かける数を大きくすることはすぐ分かったのですが,そこから大きな展開を見せることができませんでした。疑問が起こらないのでそうなるのです。なぜそこに入れるとよいのかを追求させたいというこちらのねらいは完全に外れた,失敗の授業です。(ゲームが楽しいだけの授業)これを改善するためにはどうすればよかったのでしょうか。 1つの手段は,最初の1枚ずつ置いていくゲームの段階で,「あっ,さっきのここに入れていたらよかった。」というような,入れ方によって答えの大きさが変わる場面を意識させることが考えられます。 さらにそのゲームの段階で,できた筆算から「1組だけ数字を交換できる」という条件を加え,かける数が変わることで結論が少し変わるという場面を見せる方法もあるでしょう。 もう一つの代案は,「小さいほうが勝ちゲーム」にして,相手の教師側の数字をできるだけ大きくしたい,という意識にさせる方法もあるかもしれません。 授業は反省の繰り返しです。教科書の練習題を最後の10分でさせながら,子どもたちに「本当の楽しさ」を味わわせてやれなかったことを悔やみました。 にほんブログ村