夏休み当初研修2(4年 わり算)
夏休み当初研修2本目は,4年生の「わり算」です。テーマは,2学期の最難関単元「2桁で割るわり算」に向けて,何をしておくべきか,ということでした。授業者は,当地の公立小学校の先生です。地元代表,ということになります。 活動は,左のような問題です。1,2,3のカードを組み合わせて3桁の整数を作ると,6種類ができます。それを全部9で割ります。するとすべての計算で「あまりが6」になります。まず最初にたくさんの計算をして,結果が並べられました。本来であればここで,「あっ,全部余りが6になっている。」など,驚き・不思議さを表す言葉が欲しいのですが,子どもたちは淡々と計算を眺めています。 この後数字を「1,2,4」に変えて同様のことをすると「あまりが7」になります。しかしやっぱり反応が薄いのです。「何か気が付いたことはありませんか。」と発問すれば,子どもたちからはいろいろな意見が出てきます。それらを確認した後,「どうして,全部余りが6になるのかを考えよう。」と投げかけ,「アレイ図」が出てきて教師主導の説明が始まりました。子どもたちの活動は指示に従って,丸で囲むだけで,決して主体的な活動にはなっていませんでした。 このタイプの「説明」はかなり難しい面があります。現実的には,2桁の計算くらいで,やらなければイメージできないでしょう。以前,全国学テで穴埋め問題として出されていたことがありました。そのくらい教師が入っていかないと難しい活動です。 また,あまりがそろった時の感動が少ないのは,「計算してみましょう。」といわれただけの活動であり,さらにすべての計算を一人でやったものでもないからです。「あまりが〇になったら勝ち」などのゲーム要素を入れ,いつも同じあまりになる秘密を自分たちから主体的に見つけなければ生まれないでしょう。 県代表として,楽しい授業をしようとした意図はよくわかりました。わり算に対して「楽しさ」を感じさせておくことが最難関教材を前にして大切なことだという考えなのでしょう。子どもたちも指示に従って一生懸命作業に取り組んでいました。ありがとうございました。 にほんブログ村