水無月下旬研修1(複式)
水無月下旬に,某国立大学附属小学校の研究会に参加させていただきました。去年に続いて連続参加です。授業は,複式を含めて3本見ることができました。1本目は,複式で「3年 あまりのある割り算」「4年 倍の見方」です。 3年生は,15人で5人乗りのボートに乗る,というあまりのない問題です。完全に既習内容ですが,5人の子どもたちは協力して,その様子を黒板上に絵で表していきます。 そのころ4年生には,一人ひとりに「包帯」が与えられ,伸ばしたりつなげたりしながら何やら話をしています。一見遊んでいるだけのように見えますが,その話し合いの中で,この日の課題に向けた大切な言葉も見えていましした。この間,授業者は3年生につきっきりでしたが,自力解決に入ると4年生に移り,課題を確認していきました。 伸ばす前と伸ばした後で,どのくらい伸びているかを表現していきます。ノートではなく,黒板上で伸ばし,黒板にある「升目」を使って考えていきます。 このように,どちらの学年も,ノートに向かうことより,黒板の前で少人数で話し合うのが活動のスタイルになっています。 3年生は,3艘のボートに5人ずつが乗った絵が出来上がり,式と答えも確認できました。そこで新しく問題を提示しました。それは,全体の数を1増やして16人にすることです。先生もボートに乗る,ということを付け加えたのです。子どもたちは,再び黒板の前で話し合いながら,この状態を絵で表わそうとしていました。 この時,4年生は伸ばす前の長さと伸ばした後の包帯を黒板に貼り,そのすぐ下に数直線をかいていっています。ここまでにこのような活動をしてきたためでしょう。包帯を使ってはいますが,右のような洗練された図が出来上がりました。この状態で,「5マス長い」と「2倍になる」の表現を押さえ,包帯の長さが短くなった場合のことを考えると「2倍になる」のほうが適切であることを確認していきました。 いっぽう,3年生は,16÷5で,「3あまり1」になるので,4艘必要になりますが,追加された1艘に,一人だけが乗るのではなく,4艘に4人ずつ乗ったほうが楽しいということで,絵が完成していきました。 複式なので,どうしても「先生のかかわりが少ない」「適用題までできていない」などはありますが,子どもたちだけでとてもよい活動ができていました。地域性もあるのか,複式の研究会にはたくさんの方が参加していました。現実的な課題なのでしょう。私も昔やっていたこともあるのでとても懐かしく見せていただきました。ありがとうございました。 にほんブログ村